
クラウンを買って以来、峠道を走行する、というほどの走りはしてきませんでした。峠に入っても「ここはこの車の範疇にあらず」とチンタラ移動するだけ。
知り合いと何となく二台で移動していて、なんとなく山の中の喫茶店でお茶した帰り、ふと「こいつの車は速いから先行するのはちょっと大変だなぁ」と思ったのです。案の定、その車を買ったばかりの知り合いは「ついていくから宜しく」と不敵な笑みを浮かべるのでした。
まぁクラウンだけど仕方ないか・・・
即座にスポーツモードに入れて発進。
昇圧するのか知りませんが、とにかく加速は尋常じゃありません。現行のクラウンハイブリッドなんぞ、赤子の手をひねるが如くの加速力。あんなもんに威張られた日には「お前の実効トルクの少なさを見せてやろう」とばかりに全開加速を見せつけたくなります。
しかしながら、コーナーが連発すると「ぴぴぴ」の連続。VSCよりも制御は断然良いVGRS連動のVDIMのおかげで、それこそアリストや180系クラウンの初期型みたいな「お仕置き減速」まではしないものの、やはりシャシー限界のはるか手前から制御を始めている感じがします。
これ、レクサスだともう少し奥までいけるんだよなぁ・・・。
意図的に限界を超すべく走って行くと、今度は足回りがグネグネするような剛性不足を感じ始めます。左右だけに振るならまだしも、そこに路面の上下のアンジュレーションが加わると特に酷く、ダンピングは治まらないしトー変化もキャンバー変化もとっちらかるような、どうにもならない雰囲気が噴出します。
どっこい、これで結構速く走ってしまえるんです。事実、知り合いは追い付いてこれない。トヨタが恐ろしいのは、こんだけの不安感を噴出させつつも相当速く走れる事実を作ってしまった事です。テストドライバーがある意味上手過ぎるのかもしれません。
この不安感、例えばボルボやメルセデスのような「初期ロールを意図的に速めにしてドライバーに警戒感を与える」というような意図したものでないように思えます。ただただ、テストドライバーが上手過ぎて、別段性能数値的に問題が無いからOKを出したような気がします。逆に下手だと、怖くて全然マトモに走れないはずです。
いや、下手だけど恐怖感が感じられない最悪のパターンのドライバーが乗った場合・・・これはもう事故ですね。
何が言いたいのか。
やっぱり根本的にはクラウンは好きになれないんです。GS450hはこれより遥かにまともに走るから、言い訳が効かないはずなんです。やれるのにやらない、というのは罪以外何物でもない。値段をGS450hより低くするためとか、GSの良さを際立たせるための意図的な手抜きだとすれば、最低です。
そんなものは味付けや内装とかでいくらでも差別化できるわけで、アクティブセーフティを犠牲にする差別化というのはふざけた話なんです。
とはいえ、壊れない、壊れても安い、どこにでも行ける、という利便性は何物にも代えがたいのも事実。逆を言えば、ちょっとでも故障して、幅が1800mmを1mmでも超えたクラウンがあるとしたら、僕にとってはゴミカス以外の何物でもないのです。現行モデルの個性ある顔でさえ、僕には無意味どころか逆効果でクラウンの持つ匿名性やアンダーステートメントな特性をぶち壊しにしているので、やっぱり次も新型クラウンってのは120%あり得ないのです。
ほんじゃ200系をGS450h並みにサスのサブフレームにまで手を入れるかと言えばNO。残念ながらボディ骨格にも補強があるから、それこそホワイトボディにまで手を入れないといけないわけで非現実的。無論、180kmhで止まってしまう。
随分長い距離を共にしたので、大体の事が解り、この車の良さは100%引き出せているつもりです。だからこそ、残念なんですよね。日本人として見ても、残念。これじゃぁベンツびびらないわ・・・。日本のクラウンだから良いじゃんって思うかもしれないけど、むしろ、だからこそベンツビビらしてほしい。
多分GSにもビビってないだろう、ベンツをびびらせるには、クラウンがマジでやるしかないと思うんです。開断面アームとか威張る前にアルミの鍛造アーム突っ込めって話なんです。価格上がろうかやってみたら良いんです。数売ってもうける時代はもう終わったわけで、買える人間だけが買えばいいのです。ってか、昔はクラウンてそういう車でしたよね。
俺はクラウンに乗っている、そう誇りを持って言えるのが出るまで、次はないと確信しています。
しかし、今の次が無いほどクラウンのコンセプトが日本に合っているのも事実。
尋常でないジレンマです、苦笑。
Posted at 2016/07/07 00:25:58 | |
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