
トランプ氏と、それに対する世耕経産大臣の反応が面白いです。
簡単に言うとトランプ氏は「日本は不当にアメリカ車を政府が売れなくしている。日本でアメリカ車が売れないのは日本政府の責任もある」とコメントを出しまして、それに対して経産大臣が「関税掛けてないしそんなことを国はシテマセン」と反応したわけです。
日米貿易摩擦時に必ず出る話です。
まぁ一億歩譲って、日本がアメリカで不当に安くいい車を売りさばいているとすれば、自国保護の為に関税を掛けるなりなんなりしたら宜しいわけですが、こちらは特に日本政府が障壁を設けていないのに売れてないのは仕方ない話です。
だって写真のキャデラックXTSを誰が買いますか?(ボクは結構好き)。
まず、デカい。そして排気量はわりとデカいのが多い。デザインも特徴的(好みが出る)。エンター性は日本車が独壇場。大半が左ハンドル。
単純に製品の問題です。
日本車は?
現地に工場を作り、小さい車は大きくし、排気量も大き目に。デザインもアメリカ人好みにして中身の電子機器もアメリカ向けに改良。無論、右ハンドルのまま売るなんてありえない。
単純に売れる製品が出来てます。
最後に値段。
日本だとキャデラックATSは479万円から。同じ装備だとアメリカでは現在の為替で400万。一番安いグレードは387万円。ATS-Vに至っては日本だと1000万円で北米は630万円スタート。
売れるわけないじゃん。マスタングなんかも同じでとにかく日本に来ると高い。これ別に関税でもなきゃ何でもなくて、とにかく高い。無論、ドイツ車にも同じことは言えますが、アメリカ車はそれを上回って高いんです。
で、モノがいいかと言えば、確かに一時期よりは良いですが、じゃぁATSがぶっちぎってレクサスISやクラウンより良いクルマかと言われるとそうでもない。というか、右ハンドルが無い時点でアウトに近いという致命的な販売上の欠陥がある時点で論じる価値さえないのかもしれません。
ようするに、自国だけでしか売れ無さそうな車を何とかして努力も大してせずに他国に売りたいだけであって、それ以上でもなければそれ以下でもないというのがこの論点の原点なんだとボクは思ってます。
別に車自体はボクも好きだし、良いと思うんだけど、政治の道具にしたり、マジで主力輸出製品として扱いたいなら「出直せ」の一言なのですが、ようするにジャイアニズム的に「俺が言ってんだ!この野郎!」とアメリカは日本に言える立場なので、日本は上手にかわすしかないのでしょう。
ちなみに、調べていくと意外とタホなんかはスタート500万円だし本国でもそこそこ高いです。それをベースにしたエスカレードは730万円スタートでやや日本と差があります。GMCユーコンデナリなんかも700万円超えるくらいですから、本国でも高級車なわけです。日本の並行屋がデナリを1000万円近い値段で売っていますがなるほど色々考えて一台で来たら300万円は儲けたいんでしょうね。台数でないので。
リーズナブルに入ってきている米国車もありますし、売り方次第ではもっと売れるかもしれませんが多数派に慣れないのは明白です。
トランプさん、とりあえずはったり効かせるのは良いですけど、リアルにビジネスで儲けるなら車じゃぁ無理ですぜ?
Posted at 2017/01/24 14:53:07 | |
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