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MoTeCのセッティングに使用しているパソコンの時計が遅れ気味になって来たので、自分でCMOS電池を交換しました。日本製なのに国内でCMOS電池を売っているところが簡単には見つからなかった為、結局アメリカから購入する事にしました。メーカー修理以外でパソコンの裏蓋を開けてしまうと保証対象外になってしまいますが、躊躇する事なくどんどん分解してしまいます（笑）最近はネットで分解方法を解説しているサイトもあるので便利になりました。

こちらの画像は、我が家の911の高速利用時の走行データ（MoTeCのロガーに記録されたモノ）で、縦軸をインテークマニフォールドの負圧、横軸をエンジン回転数に設定してグラフに表示させています。様々な走行条件で、マップ（燃調と点火時期）の何処を読んでいるのか？が確認出来るので重宝しています。街中のストップ&ゴーで良く読む位置、フル加速した際に良く読む位置など、ポイントが判って来ると面白いです。（そのポイント毎に燃料や点火時期を調整すると、走行フィーリングが大きく変化します）





MoTeCの自動再生機能を使うとターゲット「＋」が移動して、走っている時の状態を再現してくれます。例えばアクセルを踏んでスロットルボディのバタフライが開くと、インテークマニフォールドの負圧は減る（吸気抵抗が減る）ので、ターゲットは縦軸に沿って上の方に移動しながら、回転数も上がるので、同時に右へ移動します。その時のターゲットの描く軌跡を追って行けば、走行条件によってどの位置のマップを読んでいたのか？が確認出来ます。それを元に空燃比（A/F）の調整を行い、最適な燃調を探って行きます。





こちらは有名な点火時期のマップ（上がナローの頃で、下は3.2carreraのモノ）ですが、ナローの頃と比べて圧縮比が上がっている関係なのか？3.2carreraの方が緩やかなカーブで進角しているのが判ります。更に3.2carreraでも、年式によって進角の仕方が違うのに驚きました〜87~89のcarreraで「1267355357」のチップを使っているモデルは、多少大人しい性格のエンジンなんでしょうね…ユーロモデル、USモデルでは圧縮の違いと触媒の有無による進角の違いで、馬力も大きく異なるんですね。我が家の911はユーロモデルで触媒がありません（75年登録なので、元々が触媒の無いモデルですから違法ではありませんが…）から、各年式の良いとこドリを狙って？独断と偏見でMoTeCの点火時期マップを変更しています。あと純正のECUセッティグは、燃料の違い（輸出国によってはオクタン価の高いガソリンが使われるとは限らない）によるノッキングを恐れて（リスクヘッジの為）、少し大人しい進角になっているらしいので、様子を見ながら（ノッキングさせない様に注意して）点火時期を進めて（MBTを狙って）います。ノーマルのエンジンスペックのままで、何処まで気持ちの良いフィーリングになるのか？色々試行錯誤しています。

これはMoTeCのクランク・インデックス・ポジションの画面です〜MoTeCでエンジン制御をする時の一丁目一番地みたいな設定（変な例えですが…）で、これがズレていると全ての制御タイミングがズレてしまいます。（MoTeCを使っていて調子が悪いとか、思う様なレスポンスが得られない等、この値がズレている場合があると思います）滅多に設定変更する値ではありませんが、とても大切な設定なので、しっかり暖機をしてから、デジタルタイミングライトを使って、1度ずつ丁寧に確認して行きます。





先般クランクプーリーを交換（ファンとエアコンのベルト2本掛けの重いタイプから、軽量なシングルタイプに交換）した際、上死点の位置（プーリーの欠けマーク）が若干ズレた可能性があるので、1番シリンダーのプラグ穴からマイクロゲージを入れて、ピストンが上死点に達した位置でピンクの印をプーリーに付けてもらいました。その結果、ほんの僅かにズレがあった（プーリーの欠けている部分とピンクの印が1~2mmズレている）ので、ピンクのマークを目印にして、MoTeCのクランク・インデックス・ポジションを再設定しました。変更前は672でしたが、デジタルタイミングライトを使って調整した結果、670に落ち着きました。毎回思う事ですが、クランク・インデックス・ポジションをしっかり調整すると、エンジンがシャキッとした感じ？になります。

MoTeCにはi2と言う走行データ（ログ）を解析するソフトウェアがあります。画面に表示させるデータの数や表示形式（メーターやバーグラフ、数値など）も自分の好みで設定出来るので、セッティングの際とても重宝します。私の場合は、エンジンの回転数とマニフォールドの負圧をメーター表示、インジェクションデューティー、エンジン温度、吸気温度、バッテリー出力をバーグラフ、ラムダとラムダの値を通常の空燃比表示に変換した値、インジェクションタイミングの三つをバーグラフと数値の両方で表示設定しています。さらにi2の凄い（便利な）ところは、走行データを画面左から右へと実際の走行時そのままに自動再生出来る事です！まるでF-1のテレメトリーシステムのようで、自分の走った時を思い出し（あそこでフル加速したな？とか減速したな？など）ながら、画面に見入ってしまいます。ですが問題が無い訳では無くて。。。高機能故に使い方が良く判らない（笑）日々勉強です。

我が家の911はエアフロレス、しかもアイドリング・コントロール・バルブも外していますので、寒い冬のエンジン始動〜エンジンが温まるまで車から離れられませんでした。MoTeCで制御していますので、どんなに寒くても一発始動はするのですが、その後エンジンが温まるまではアイドリングが安定しないので、スロットルを僅かに踏んでいないと駄目（車から離れられない状態）だったんです。そこでハンド・スロットルを復活させる事にしました〜これが上手く行けば、車から離れられます。（笑）





そしてこちら（上の写真）が、MoTeCの冷間始動時の燃調画面（Cold Warm Up Enrich）です〜デフォルト値はスタート時のみ通常のマップより60%増量、クランキング中が40%増量など任意に設定が出来るようになっています。最初はこちらの画面でスタート時の燃料増分をコントロールしていたのですが、温まってからの再始動の時に燃料が濃過ぎる時があり、もっと上手い制御が出来ないモノかと試行錯誤した結果、エンジン温度で燃料をコントロールする方法（下の写真）に変えてみたところ、これが上手く行きました。始動時はエンジンが冷えているので、思い切り？燃料を増量しておいて、エンジン温度が上がるにつれて少しずつ燃料を絞って行きます。但しエンジンが温まってしまうと、冷えるまでテストが出来ないので、一日一回しかセッティングが出来ません。今年の冬は寒かったので、お蔭様で良いセッティングが出来ました！