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凌志のブログ一覧

2025年02月16日 イイね!

マセラティ大全

マセラティ大全欧州小規模メーカーの例にもれず、このマセラティ社も親会社がコロコロ変わり、車のキャラクターも3ボックスあり、スーパーカーあり、GTありと時代に合わせて大きな変化を遂げていきます。
その変わり具合から、マニアは初期が好きだとか、スーパーカー期が好きだとか選り好みをしがちで、通史をくまなく紹介した日本語本というのはほとんどなかったのですが、この本はシトロエン期もデトマソ期もFCA期も平等に取り扱っているところが気に入りました。

私がマセラティを意識したのは1980年代、3ボックスのビトゥルボシリーズの存在を知った時でした。
外見は普通の4ドアセダンなのにV6ツインターボを積んでいる、内装、特にインパネが超豪華というのが大いに興味をそそられました。昔トミカ外国車シリーズにあったメラクと同じブランドというのも意外性がありました。
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ここで久しぶりに3200GTのスタイリングを見たのですが、当時奇妙に見えたブーメラン型のテールランプが実にいいなあと思ったのです。
全長4.5ⅿ×全幅1.8ⅿの寸法も大きすぎず、小さすぎず、エレガントかつスポーツマインドに溢れています。
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当時併売されていたガンディー二のクアトロポルテも美しいです。
端正なフロント周りやキャビンに対し、後部のタイヤハウスの切り欠き方がいかにもスーパーカールックで実にいい。
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その次のピニンファリーナに代わったクアトロポルテもイタリア車らしく、商業的にもヒットしましたね。途中で追加されたATモデルに惹かれました。ジャガーXJの良きライバルといった印象でした。
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マセラティは、販売台数の割に意外とカタログを貰えたブランドで、ビトゥルボシリーズ、3200GT、クアトロポルテ、グランツーリズモ、レバンテ、ギブリ等々を入手した時の思い出や苦労がよみがえり、カタログを見入ってしまい、断捨離、シューカツはまったく捗りませんでした。まぁこんな時もありますね。

Posted at 2025/02/16 20:11:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記
2024年07月20日 イイね!

堤清二 罪と業

堤清二 罪と業昭和の実業家、堤康次郎(やすじろう)の異母兄弟で、兄の清二氏が西武百貨店、パルコ等のセゾングループを率いたのに対し、弟の義明氏が西武鉄道、プリンスホテル、ライオンズのオーナーだったことは知っていました。
両氏が仲が悪かったということも何となくは承知していました。

この本は堤清二氏の生涯と堤家の確執、愛憎について語られています。
堤清二氏が事実上一代で築き上げたセゾングループは、西武百貨店、西友、ファミリーマート、無印良品、ロフト、クレディセゾン、そして西武自動車販売などなど200社に亘ったといいます。

西武百貨店を代表するキャッチフレーズは、糸井重里氏による「おいしい生活」だと思いますが、西武自動車販売のスローガンは、「知性あるモーターライフ」でした。単にモノを販売するのではなく、感性とか知性を刺激するものを提供していくという面では、何か似ているように思うのです。
メルセデスやBMW、フォルクスワーゲンが売れ筋の当時の輸入車業界において、シトロエン、サーブ、プジョーという個性的な車を扱っていたのも異色でした。

私が住む東西の隣町に西武百貨店はありましたので、子ども心に馴染みが深い存在でした。

緑と青の円をモチーフにした買い物袋や、西武ライオンズが優勝すると松崎しげる氏の歌が流れていたのも思い出です。
上階にオートライフ事業部があり、輸入車のカタログが取り放題となっていたので好きな場所でもありました。

先日も無印良品で妻の買い物に付き合ったのですが、「もともとは堤清二氏がこれを創ったのだなあ」と思うと感慨深いものがありました。
30年前の無印はアイテムも少なかったですが、西武百貨店や西友の一等地にショップがありました。

時代の荒波に呑まれ、セゾングループは解体されてしまいましたが、清二氏の実業家としての一面と、作家辻井喬(つじいたかし)の素顔について、もっと深く知りたいと思うようになりました。
Posted at 2024/07/20 06:41:46 | コメント(1) | トラックバック(0) | | 日記
2024年06月22日 イイね!

トヨタ中国の怪物(児玉博著)を読んで

トヨタ中国の怪物(児玉博著)を読んで豊田章男を社長にした男というサブタイトルにつられて読みました。

服部悦雄氏-初めて聞いた名前です。
トヨタ首脳陣の悲願と言えた中国進出、現在の一汽トヨタと広州トヨタを設立に導いた人。

満州出身。敗戦後も父の判断で中国に残り、猛勉強し現地の大学を卒業。

大躍進政策から文革までの中国近現代を乗り切り、20代後半に家族で日本へ帰国。
日本で働き先を探し、トヨタ自動車販売に入社。

語学が堪能だけでなく地頭の良さを豊田英二氏や奥田碩氏に見出され、トヨタ中国事務所のトップに就任。

感想は、やはり読書はインターネットを徘徊しているよりも濃くて深い情報が得られるということです。
中国近現代の生きづらさ、過酷さはリアルに想像できましたし、トヨタ内部の争いや出世にまつわる人間ドラマも深く心に残るものがありました。

他の「トヨタ本」と違うところは、割と創業家に忖度なく書かれている事かと思います。

豊田英二氏と章一郎氏の偲ぶ会のしおりが、前者がA4判ホチキス止めで、英二氏の車遍歴まで載っていたのに対し、後者は小ぶりの簡素な冊子だった理由が、この本を読んで少しわかったような気がしました。

作者の別の著作も読んでみたくなりました。
Posted at 2024/06/22 11:28:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記
2024年06月09日 イイね!

百貨店の戦後史

百貨店の戦後史今回も車ネタではありません。
日本の百貨店=デパートメントストアは、一部の都心店舗を除いて苦境にあえいでいますが、その光芒を地方都市に当てて、この本は書かれています。
戦災、天災、火事などの幾多の災難にも耐え、市民の文化と娯楽、物質文明の中心にあった地方のデパートがどのように起業し、繁栄し、そして衰亡していったかがこの本を読めばその片鱗が分かるようになっています。

私たち、今40-50代の人々が、デパートの最盛期に立ち会えた最後の世代だったように思います。
デパートに行けば何でも手に入った、売っているものはどれも一流の品、店員さんの接遇も良い、屋上はペット売り場とゲームコーナーがあり、玩具売り場ではトミカフェアが開かれていた、某電鉄系百貨店では輸入車のカタログも貰えた―私はそんな思い出を持っています。

郊外ショッピングモールの台頭やネット販売が当たり前になった今、駅前商店街やデパートにかつての賑わいを求めるのは難しいと私も思います。

この本では閉店した店と都市を取り上げていますが、閉店に至った理由は様々です。商品券の取り付け騒ぎが起きた、老朽化したが建て替え費用が捻出できない、経営の迷走云々。

私もデパートマニアの端くれで、旅行時にはその地のデパートで土産物を買ったりすることが多いです。でも品揃えは駅ビルや空港に及ばない場合がほとんどです。
それは何故なのかずっと考えていたのですが、つい最近当たり前のことに気付きました。
世のほとんどのデパートは地域密着をメインテーマに掲げていて、基本的にはその地域で完結するものだからです。ご当地銘菓は、地元の人どうしで贈りあったり、別の街に住む同郷の人に手土産として渡すために売っているからです。
でも今後もそれだけでいいのか。
私は旅行先のデパートやスーパーに行って、季節商品の違いに気付いたり、見たことのないローカルフードを買ったり食べたりするのが大好きなのですが、そういう楽しみをもっと自覚的に提供していっても良いのではないかと思います。
屋上に商売繁盛の稲荷が祀ってありますが、そのご朱印帳を承るとかのサービスもしても良いのではないかとか。

子どもの頃、デパートに行くのは楽しみの一つでありました。就職して引っ越してからは、自転車圏内にデパートがあるのが密かな自慢でした。

それが平成生まれのわが子にしてみれば、イ○ンモールが一番楽しいと思っています。
一方で私は、やっぱりデパート、それもフルラインの百貨店が一番いいよねと相変わらず思っています。

この先どうなっていくか分かりませんが、肌感覚では、東日本より西日本の方がデパートへのまなざしがあたたかい気がしています。
関連して、こんな本も読んでいますが、大正末期・昭和初期のモダンな(架空)デパートが描かれていて好著です。
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(終わり)
Posted at 2024/06/09 08:09:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記
2024年06月01日 イイね!

ボクの満州

ボクの満州今回は車ネタではありません。
第二次世界大戦の終結までの18年間、中国北東部にあった「満州」。一応国ですが、内実は日本の傀儡(かいらい)国家でした。
私は戦前の建物等に興味があり、そのタイトルにつられて図書館で借りてきました。
図書館ではボロボロの本を借りるべし、とかつて学校の老先生に教わりました。なぜなら、多くの人に読まれた価値のある証だから、と言う旨の話をされていたように思います。案に違わず、この本もボロボロでした。
内容は、満州で育った漫画家たちがそれぞれの思い出を綴り、最後は座談会で締め括られています。
曰く、満州での日本人の生活は、ヤマトホテル(=満鉄系列の高級ホテル)で時々食事をしたり、中国人のお手伝いを雇うなど裕福だった人もいたようです。
しかしながら、暴動や無差別テロが身近で起きるなど治安は良くなかったようです。
特に大戦末期は、ソ連軍、国民党軍、共産党軍が攻め入って大変な状況だったようです。
敗戦を迎え日本に戻るため、港まで大勢の人が無蓋の貨物列車に乗せられ、引き揚げ船も船底に居場所をあてがわれ、亡くなった人は水葬されるなど、大変な苦労だったそうです。
一攫千金を夢見て満州に渡った人もたくさんいたようですが、前述の治安の悪さに加え、稼働エリアは日本の戦線内に限定されるなど、内地で喧伝された理想郷とは違っていたようでした。

それでも、わが故郷は満州だったと異口同音に語っていました。大陸の大らかさと修羅場をくぐり抜けてきた自信がそうさせるのでしょう。
戦後があと少しで80年を迎えようとする今、語り部たちは次々にあの世へ旅立っていきます。
戦争の凄惨さを改めて知る書となりました。
Posted at 2024/06/01 06:49:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記

プロフィール

「旅行先のPAトイレにて
こういう細やかな心配り好きです。」
何シテル?   08/03 20:02
ミニチュアカーや車のカタログ収集と国内・海外旅行、読書が好きな50代です。 マイペースで更新していきますので、お付き合いくださいませ。よろしくお願いします。 ...
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