前回FFWの足周り作業の終わりにちょろっと書いた、ビルシュタイン車高調を組んだEFW乗りさんの作業です!
これまた遥々遠路、関東まで来てくださいました。
実は一度、先日の台風の影響で延期にはなったんですが何とか今回大丈夫そうで…いや晴れ過ぎ!!!
振り返ってみても、作業をした日の中ではかなり酷暑だったかもしれません。
まずはいつも通り、試走してみて現状の把握をしていきます。
お約束の素組み足特有のステアの戻りだるさをすぐに確認。
足の動き方は跳ねがそこそこだけど、何だかちょっと違って振幅が狭い…でもバネレートはそんなに低くない?(公式でバネレート値が公表されてないので不明)と何かどこか不思議な感覚。
これが前後単筒、ビルシュタイン足なのか…と。

車高調はねじ式で、ねじ切ってる分まで下げてもバネが遊ばない様な作りなんですね。
安価フルタップみたいな曖昧になりがちな部分がないメーカー側で作り込まれた設定になっているパターンだ。

あっ強化スタビ!そうかお前かー!ってなったw
運転してて何かこう、振幅?でもバネレート?って違和感あった正体は強化スタビ(設定状態も強)でした!すっきり。
そりゃあ、あの動きするわ。

倒立ダンパーです。太い!
ストラットなら倒立の方が剛性面で有利とはされますが、ことBLアクセラではその車種柄か倒立ダンパーの設定をしているメーカーはほぼないです。
某サーキット向け人気車高調でも正立。
ビルシュタインB14のこれは減衰調整機構がなく固定式なので、ダンパー下を見てもダイヤルが付いてるとかはありませんでした(ボルトの頭は出てた)
さてそれぞれ採寸して、作業を進めていきます。
左ロアアームにEFW前期型は3FWでもあった光軸センサーが付いているんですね!
EFW後期型だとフロントメンバーは同じだからか取り付け部はあるもののセンサーそのものがなかった。はず。
ロアアーム側とセンサー側のボルトをそれぞれ1本ずつ外してからの作業。
そして現状、強化スタビの強位置取り付けだと足を縮めていったところ一定ラインからスタビの効きが強烈になりました。
マジで足を押し上げるジャッキの抵抗感がかなり硬くなる。
手感でもこれが結構な違いで…動き考えるところがありますね。
続けてフロント反対側へ。
あ!

ないですねぇ…Rピン。
足作業と各部のチェックを同時にやってますが、恒例のインナーフェンダーのカバー捲れクリップ奥側隠れが左も右も~で修正やりましたが、今度はタイロッドエンドのナットの上側に本来Rピンが入っている(もう片側は入ってた)はずなのにありません。
安全の為の装備なのでこれがないのは嫌ですね…
作業一通り終わってから、汎用でもいいので今日買ってきて早い内に対策しましょう。
フロントはそれくらいで、錆び固着、車高調のロックナットの緩みもなく、状態良好でした。
ていうかこのアクセラ、腹下が本当に綺麗なんです。
錆がとにかく、どこもかなり少ない。
過去にシャシーブラック的なのが施工されているのは分かりますが、その施工の仕方がかなり綺麗でしっかり防錆されてるのにベタベタ塗られてる感じでもなく、新車の内とか早い段階で施工されたのかなと感じるものでした。
EFWの初期型個体でこれはなかなか目を見張るものがありました。
作業は全然問題ないんですが…
陽射しが本当に凶悪で動けなくなるかもしれん暑すぎるーーーって事で、フロントの作業が一旦落着となったところで休憩入り。
日陰で扇風機浴びてる分にはそんな暑くないので、ただただ陽射しのみが強烈でその陽射しを地面が吸収して下からも上からも暑い状況。
トレーに置いてる工具が太陽熱で熱されすぎて素手で全く持てないんです。
マットに座って作業しててもマットが熱くてケツがあっついくらい。
小1時間くらい休憩で水分補給しまくりつつおしゃべりして、体力も回復した13時過ぎからまた再開!
リアの方が何か気分的に楽なんです。
箇所は多いんですけどね。
締め付けトルクも概ねアホみたいになってるのはせいぜい車高調交換とかでショップが触るロアアーム外側ボルトだけ…
って事でこのアクセラもそのいつものボルトがアホほど硬いパターンでしたがもう皆が皆オーバートルクなんで、はいはいまたかって感じで驚きはしなくなりましたw
長いボルトなんて不要な程のトルクは変形の原因になるので勘弁してくれって話です。
まぁ、万が一あってもここのボルト在庫してますけど!
フロントはアクセラでは珍しい倒立単筒式でしたが、リアも単筒式で

純正アッパーマウントを使い、本来あるバンプラバーが取り除かれた状態で

下側にダンパーロッドが付く様になってます。
ブーツは流石にしっかりした出来でダストを完全シャットアウトという具合でした。
ジャッキで足を上げ下げして見てましたが何とも不思議です。
位置が変わると…こっちのがフリクション少なかったりするのかな。
バネアジャスターは一般的なメンバー側設定でボルトなどの固定ではなく挟み込み式。
マウントブッシュは結構柔らかく設定している様でロックシート確認の時に揺さぶるとぐにぐにと動く程度でした。
リアもバネレートは公表されておらず不明ですが、バネ線径と試乗した感じからすると日本メーカーのよりかはちょっとだけバネレートある様な気もしなくはない…かな。
問題なく左側終了したので、続けて右側。

フロントも強化スタビですがリアも勿論強化スタビで、取付位置はこちらも強。
フロントの反発が思った以上に強いものだったけど強化スタビ取り付け車の足セットは過去1台だけやった事があって…その時には弱→強にしたんですよね。
一度にあっちもこっちもを変えてしまうとセッティング沼に入ってしまうので、今はまずスタビはそのままにして基本作業を進めていきました。
無事終了したんで改めてリアスタビとにらめっこ。
試乗した時にリア内側寄りからコツコツカツカツとした車内にまで響く硬めの異音がしてて、これは?って聞いたところ場所は分からないけど前からしていて…という事。
スタビリンクくさい音してたよなーと思ってたんでガタを調べてみようとスタビリンクを外そうとしたもののやたら硬くて取れないw
前回もエクゼスタビリンクの固着(錆び含め)で泣かされましたが、またも固着です。
ホントここんちのは純正だったらそうはならんがあるので……
まぁガタ知りたいだけだからいいわ、ってナットに工具掛けて力掛ければ分かるでしょ、ってのでやってみたらビンゴ。
オーナーさんにもやってみてくださいーって潜ってやってもらったら「この音だ」って確証ついた…というか

もうスタビとスタビリンクブーツに強烈に打痕付いてる時点でお前か?もしや?とは疑い対象として早くから思ってた!w
スタビリンクのボールジョイントガタの事もあるし、もうエクゼリンクは廃盤だし今後何か新調してもらってーという話から、フロントアッパーマウントの固定が気になったので聞いてみましたが、トルクレンチで規定で締め付けたという話。
ただ過去、一度ボルトをへし折ってしまってアッパーごと替えた事があると。
これ、BLアクセラあるあるなんです。
位置が悪いとボルトは簡単に素直に入らないし、ラチェットとかでそのままやると折るんです。
しかもここの締め付けは低トルク気味で35NMもあればいい。
だからここは自分作業の場合は少しシビアに締め付け作業します。
少し迷ったけど…一応、やっていいですかという事でやってみたけど案の定ボルトが硬ってぇ~~~怖ぇ~~~ってなりながら全て緩められました。
念には念をでジャッキアップして荷重抜いた状態にしてやっと緩められました。
タワーバーもこれでちゃんと締め直し。
BLアクセラ用ビルシュタインB14はフロントアッパーマウント純正使ってます。
専用バネはアッパー側が純正バネと同じ様に作られて、下側がヘルパーと合う様に直巻きになってる具合でした。
エクゼと同じパターン(エクゼはヘルパー使ってないけど)
テインは純正アッパーに偏角アダプタを貼り付けて直巻きテーパーバネを使いますね。
純正アッパーは出来が良いからこういうのでも勿論いいんだけど、サーキット走行を視野に入れるとか車高をかなり下げる為にバネを変えて~が今後あるなら純正アッパーを使うってモデルを選ぶのは向いてないと思います。
でも純正アッパーなら異音はないしゴム多用のおかげで乗り心地は最も良いしバネの捻じれもベアリングがしっかり吸収してくれるのでステアの戻りも良いと、メリットも多いです。
必然バネの外径が大きくなるのも許容荷重の点でも、ストラットの特性的に横剛性の点でもメリット。
メリットはかなり大きいけど、致命的に発展性がない(バネがそれ専用品以外使えない)というのがデメリットでしょうか。
一通り作業も無事終了したので、テスト走行がてらホームセンターまでひとっ走り。

そう、片側しか付いてなかったタイロッドのピンです。

ここね。

ちゃんと純正品と言えど片側違うのがついてても何だしという事で左右新しい汎用Rピンをステア切った状態で裏から差し込み、脱落しないか確認して作業終了!
こんなに持っててもしょうがないので…という事で余ったRピンは提供頂きました!ありがとうございます!
今後こうしてピンが外れたBLアクセラが来てもすぐ対応できます。
最後に今日の作業結果の確認、テスト走行を。
毎度毎度思うんだけど、朝走った時はああ…素組みね…ってスンッってした気持ちになるところがあるんだけど、夜走る時は、これ…これがちゃんとしたBLアクセラの足なんだよ…って自分でもなるw
今回のEFWアクセラはボンネットがカーボンFRPってのとバッテリーがオプティマ1つ(EFWは元々バッテリー2つ搭載)になっていてフロントが相当軽量化されてるのと、スタビが強化である事、リアにワイトレ15mmが入っていてトレッドが本来の設計の様にリアすぼみになっていない事、複数の要因が重なってか結構フロントが食ってくれる感が希薄で進入、立ち上がり加速なんかは特にふー…とふらつく印象がありました。
コントロールできる範囲ではあるものの要するにプッシュアンダーが目立つ…もうちょっとリアロールして逃げてくれたらなってのが感じたところ。
でもそれ以前に気にもなったのでこれ、タイヤの空気圧設定いくつになってます?って聞いたら、窒素で250kPa入れてもらっていると。
ちょっと待て…?ってタイヤを改めて見てみたら、STDの89なんですよ純正17インチサイズなんで。
250て…いやいやいやいやプロ!?某タイヤ屋さん!?
これSTDですよXLじゃなくて!
既に温間なんで空気圧をここでいじりたくはなかったので、とりあえず10Kpaだけ下げました。
うーん…冷間230にしたいですねせめて。
想定で15くらいは冷間になって下がると思う雰囲気だったのとこれからもまだ帰路が長い事。
夏場超えて秋冬での気温変化まで考えたら10引く程度でいいか…という判断にしました。
次の課題も出来たところで、今回はここまで。
他のアクセラでもそうですが車両の状態がハッキリする事で不安の払拭。
少なからず足周りのベースがステップアップされる事で街中ののんびり運転から山道ドライブ、高速移動全てが操縦安定性向上した状態になるので今後より楽しく走れる事と思います。
遥々来てくれたからには期待にできるだけ応えたいところですしね!
お代はいりませんが感想はいるのでいずれお願いしますとw
直近しばらく人様の整備はないかなー
こんなにも暑い中の作業はいい加減しんどいし秋に向けて今年末に車検を控えてる自分のアクセラを直さないとならないところが…
なんだろうね、自分のって腰が重いよね…w
※一般より作業の受付はしておりません。
原則知り合い身内より実車両、実パーツのデータ取りさせてもらう前提でやっております。