BLFFWアクセラからBPマツダ3へ乗り換えたあおヒゲさん。
先月車高調を導入したという話を聞き、後でどんな感じか乗せて下さーい!
という事で、いつもの感じでこちらへ来てくれました。感謝。
…が。
いざ運転させてもらって割と早くに違和感。
聞いてみれば
「友人と出かけた時に乗り心地悪い、疲れたって言われたんですよね…」
テインの車高調がこの感じはちょっと俺にはイメージにない。
車高調組んだマツダ3は初運転だけど、それにしては穏やかな感じがない。
突っぱねてて硬い。
フレックスZならフルタップ、こんなことはないはず…
ちょっとフロントバネのプリロードに違和感があります。
ジャッキアップして見てみてもいいですか?
って事でチェック採寸開始。
幸い、その場に付属の説明書もあったのでメーカー推奨参考値を見ながらショップさんが作業して設定した値を見て行く。
これは…やっぱりプリロードが多く掛かってますね。
プリロードそのまま下げたらその分車高も下がってしまうんでダンパー側も調整してなるべく近いところで合わせます。
片側を決めて、その数値をメモして反対側へ。
で、反対側をジャッキアップしてタイヤホイール外して、車高調と対面して、ん?ってすぐに違和感を感じた。
何かスプリングシートの位置が見た目に違う…
採寸した結果、ダンパー側の位置が片方と12mm違うw
何で!?
でもジャッキアップ前にフェンダー~ハブセンターで測定して車高差は2mmだった。
という事はもう1つしか答えはありません。
マツダ3はフロントストラットなのでフルタップの車高調であればダンパー側で車高の上げ下げが基本。
左も右も、そもそも肝心なダンパー長設定が不揃いになってるのに、それに気づいてか気づいてないでかバネ側でプリロードをこれまた左右別個設定してて、
そんな変な状態で車高を左右揃えてる状態だったという事になります。
んなアホなw
歳食った車なら左右で車高を見た目で揃える為にそういうずらし調整をするのはまだしも、今年納車してるド新しい車なんですけど!
何でどうしてを探ってる中で分かったのは、この車高調はプリロードを掛けて行っても初期の内はバネが縮まず、アッパー側のブッシュか何かで吸収されてて実バネの自由長が全く変化しないので測定点がバネ本体1ヵ所だけだとプリロードがゼロからどれだけ掛かってるのかが全く判別つかないという事。
もしかしたらこれを組んだ人はそこの違和感に気付けず、おかしいおかしいってとにかく回してどうにかの思いで車高を左右揃えたのだろうか…と考えた。
今回は時間の制約もあったので、現時点で左右の車高自体は揃ってたから、まず問題点であるプリロードを再調整して抜いて下がった車高の帳尻合わせでダンパー側も上げて車高を上げてそれで様子を見てみましょうという事にしました。
そんな作業の中で、ん…?と目に入ったのがダンパーを締めているナックルを貫通したボルトナット。
ちょっと待って!
さっき左側やった時にここのボルト車両後ろ側からボルト入れてて、前ナットだった!
こっち(右)はボルトが車両前側からボルト入れてて、後ろナットになってる!
左右で互い違いにナックルのところのボルトを入れるなんて普通あり得ないんだけど…!(※後でネタ明かしアリ)
こういうのは方向に指定はないが左右で揃える事とか整備書に書いてあるものだったりしますね。
どうします?こっち(右)上げてる状態だし、こっちを左に合わせますかって事で合わせる為にボルトナットを外します。
そもそもここのダンパーを締めているボルトナット、どちらもマツダとしては再利用禁止指定をしている部品なんです。
そこも気になった。
再利用してるし。
外してみたら、青いロック剤がナット側に塗布されてた跡があったけど、もうボロボロに欠けてました。
全く効いてないわけではなかったけれど…再利用禁止指定が掛けられていてロック剤まで使ってるって事は理由がちゃんとあるんでしょう。
はい、組み戻しました。
個人的には前ボルト後ろナットの方が脱落に耐えるって観点で言えばいいんじゃないかなって気はします。
どうしたもんかな…と少し気にはなる感じだったけどまずはタイヤホイールを戻してジャッキダウン。
いや、めっちゃ変わりましたw
乗って慣れてるあおヒゲさんも「プリロードってこんなに変わるんですか…!」と違いを実感できた模様。
そう、やっぱプリロードだよね、あのパツパツしたのは…
こういうセッティングを独立して出来るのがフルタップ式車高調の強み。
ってそれはマシになったけどそれでもターンインの姿勢に違和感を感じる。
ちょっと減衰力変えてみません?ショップさんで基準に合わせたっていうことですが1段硬くしてみて、合わなかったら戻しましょう。
片方を一応段数チェック、締め切り側に数えながら回します。
1,2,3,4,5,6,7…グッと止まりました。
これ、基準の8じゃなくて7になってますね。
ゼロ含めず1スタートで回したなこれ…
締め切りがゼロでそこから左にカチンと戻したところが1。
ちゃんと8にしましょう。
じゃ、反対の減衰も。
1…グッ。ダイヤル回らん。
は???
考えられるのは1つだけです。
テインの車高調は新品で買うと減衰マックスで来てますのでそのままでショップさんで減衰の調整をされていないという事になります。
つまり、これまで設定されていたのは片方7段片方1段という事。
ターンインで姿勢変化がおかしいと思うのも無理はない、当たり前だこんなもんww
はぁ…となりながら両方8段に直しました。
ええ、もうそりゃ思いっきり変わりましたよ!
これまでと比べたらやわんやわんw
純正?ってくらいに足がちゃんと伸び縮みする。
そうだよなぁテインってこうだよなぁ。
割とコンフォートで、しっとりのんびり減衰させる動き。
大分快適性上がったんで良かった良かった、また何かあったら~!って事でこの日は解散。
しかしやはりボルトナットの組み直しをした方がいい気がしてならない。
再利用品をそのままにしておくのは気掛かり…
部品手配こっちでやるんで、また来週どうですかって事でご足労願いました。
こちらが新品のボルト2本
新品のナット2個(写ってないですが2個あります)
※年式等で違う可能性もありますので、もし使用の際はこれをアテにせず適合調査の上で判断下さい。
ボルトの新旧比較
ナットの新旧比較
ナットは分かるが何でボルトまで交換指定が純正で掛かってるのかは分かりません。
せいぜいロック剤が絡んだボルトを使うな?くらいしか思い浮かびません。
塑性変化を使った…の類でもないですし。
ただ入れ替え作業をしてみて、ぜんっぜん締め付け加減のきつさが体感倍で違ったのでこれは確かに新品使って締める価値ある!とは思いました。
そしてこの部分のボルトの向き。
これも整備書をよくよく読んでみたら、すっげぇ分かりづらい図と文章で説明がされてました。
平たく言うと、
左側はボルトを後ろから入れて前にナット。
右側はボルトを前から入れて後ろにナット。
こう、指定がされていました。
整備書の図ではぱっと見ナックルだけが向きが反転で描かれて、ボルトは同じ向きで挿す変な図が載っています。
マジで図だけをぱっと見すると、はいはいボルトの向き揃えろってね…ってなる感じ。
でもその下に文書で書いてある。
だから前回の作業で最初に組まれてた、これ逆じゃん!って見て言ったそれ。
それでいいって事だったんですね…
要は『ナックル対面して右にボルト左にナット』って事。
これを左でも右でもそうしろって話。
そんな車種もあるのかと勉強になりました…
申し訳ない。
ただ、マジで干渉も何もない。
何でそう指定してるのかが分からない。
ボルトナットの新品入れ替えと向き指定合わせも事終わり、同時に進行したのは改めてメーカーが指定する車高調の測定箇所の採寸データ拾い。
結果、右フロントだけがおかしかったw
やっぱり何かダンパーの高さ設定とバネの位置がおかしいです。
何か理由があってそういう作業の仕方にした?でも、いやおかしい…一度左右同じ数字で設定してみてそれでもし、ああそういう事で左右差作ってたんだって分かったらまたやりましょうって事で左右同じ数字にして設定。
リア側は数字自体はバネ以外は規定値で組まれていました。
バネを上げ方向に上げられていたんですが、なのにダンパーはそのまま。
それじゃプリロード変わるんだってば…一緒にダンパーも調整してあげて…
リアの車高は、フロントが基準車高へ下がった事に合わせてリアも基準車高に下げる事にしました。
フロントと違ってレバー比が違うので回し過ぎに注意。
少しの量で変化が大きいです。
という事であっちもこっちもーな状態でしたが、やっと!全部数字洗い出してちゃんと前後左右が設定できました!
フェンダー~ハブセンター間はメーカー推奨のダウン量の数字に合わせ、実際はフロントダンパーの上げ幅は説明書に書いてある数値では出ませんでした。
説明書の数字にすると今よりも更に下がる事になるので、何か軸重に対しての設定おかしくない?って話になるので…ダンパー側で根本の車高を決め出ししてバネはプリロードを別個で弱く掛けた程度に。
リアは推奨値の車高にして、推奨のプリロードの状態。
全てそのままにして実際のフェンダー~ハブセンター間の車高もメーカー値と同じなのでやっぱMハイブリッドの軸重はフロント重いんじゃないの?ってところ。
一応型式も合ってるんだけど、扱い同じになってるんだよな。
何にせよきっちりデータ測定して調整して出した結果、推奨と同じ状態に持って行けてるので、少なからずショップさんが作業した何か左右でおかしな事をやってたりしてる状態は完全に脱しましたのでw
ボルトナットも再利用無しの新品だし、本当に今度こそ安心して乗って下さいという状態に出来ました。
ベースになるデータも出来たから、次があっても大丈夫。
良い感じです。
先週の最初と比べたら、もう何と品ある乗り心地かw
こちらももやもやした状態だったのをちゃんと今回数値化できてすっきり出来て良かったです!
2週連続で来ていただいてありがとうございました!