
今回の作業は、BL5FWアクセラの足セッティングです!
このアクセラはマツダファンサーキットトライアル(通称MFCTとかサートラとか)走行、その中でも特にSUGOサーキットがターゲットになっている事もあり、自分がセッティングを請けてきたアクセラの中でも乗り味はとがった車。
装着している車高調はサーキット向けに作られているオーデュラ製蹴脚IIをベースにしていますが、これは元々2.3Lターボエンジン搭載のアクセラに合わせて作られたものであって、1.5LのNAでCVTなアクセラにはそのままだと重量バランスもパワーも違い過ぎて特性があまり合いません。
これを新品装着の2023年よりコツコツと…
蹴脚II 装着 セッティング1回目
セッティング2回目
セッティング3回目
セッティング4回目
4回目はリアバネプリロード値のみ若干変更に留まっているので、カウントする程でもない感じですけども、何であれ変えるには変えたのでカウントしました。
基本的には挙動安定性を重視して危なげなく楽しめる事を主眼においたセットにしていますが、もうちょっと曲がる様になったらという話は前々からありまして。
今使用している車高調へ交換してもう2年目になりましたし、今回はその辺りを変更していきます。
とはいえ、今回の調整メニューは
・フロントキャンバー2度狙い調整
・リア車高調整
・リアスタビリンク作用角変更
3点だけ。
どう調整したらこうなる、というのはもう分かってるので試行錯誤は要りません。
普段なら朝イチのテスト走行もするんですが、ヒアリングもテストもしませんww
今回はこういう方向にするんで!というのみです。
フロントからスタートして、

アッパーマウント部の調整もさくっと完了。
調整前がキャンバー角1度46分だったので、これは流石に2度到達したんじゃないのーと思います。
これ以上はスタビリンク変更(背面干渉の問題)もしなくてはならないので、今できるMAX設定がこれ。
BLアクセラはキャンバーがネガに行く程この写真の通りに減衰調整ダイヤル部がストラットタワーパネルへ近づき、干渉してしまいます。
走ってない時は当たってなくとも、ピロだとここが首振りますから当たります。
もしかしたらこれでも場合によっては、かするかもしれない。
あんまりアッパーマウントだけでネガに振るのも良いとは言えませんが手段としてあるのがこれくらいですし、延長ロアアームだとか、ダンパーブラケットの偏角加工だとか不可能ではなくともまあまあ現実的なものではないので…
これでまだフロントキャンバー足りない様なら、スタビリンクを交換するの前提で設定値をもっとネガにする事は可能です。

ストラットタワー拡大削りナシでの限界がこの例。
これはもう2度どころか3度台入ってますw

車高調の設定値も以前とズレがないか確認しますが、微妙に1mmズレていた分が片側あったので修正しました。
フロントは車高もプリロードもセット値の変更はなし、従来のままの値でいきます。
ついでに目視点検も一緒にしていきますが、

随分と残がないですねぇ!?
今の内に注文しておいた方が良いと思います。いつでも交換できる様に。
これから先、秋になるとアタックシーズン前で注文する人増えたりとかで入手難やら納期長くなる傾向もありますから。
以上フロントはキャンバー増しと状態確認のみでした。
次はリア。
リアバネアジャスター外す為に、リアロアアーム外側切り離し。
バネ短いのを使ってると簡単でいいですね。
今回はリアスタビリンク上側切り離しもして、スタビごと下へ向けておきます。

今回はアジャスターの設定値を変更。
って、リアも調整はここくらいで後はアジャスターとバネを清掃注油して組み上げ。
リアダンパーは現状のプリロード値を測定だけして調整はなしにしました。
で…
ちょっとトラブル発見。
これは
前の作業の時にも見つかったのと全く同じじゃないですか!

以前と違うところでブレーキフルード交換の依頼をしたそうなんですが、締め付けが悪かったらしくまたリア右から噴射していて、跡が凄い事になってました。
どこかで作業した誰かが悪癖をキャリパー側につけてしまったんだろうなぁ…って感じで少しトルクきつめにしないとこうなっちゃうんですよね。
アルミキャリパーなんで慎重に扱ってくれる事自体は良いと思うんですが、この個体のここに関してはまた違う注意をしないとフルードを噴射してしまいます…
というか、ブリーダープラグの六角部が凄いナメてて見た目に嫌…そもそもなんでナメる様な傷がそんなにつくんだ??
フロントと違ってリアは普通に10mmなんだしフレアレンチ、なければメガネ使いましょうよ…って思う。

清掃を行いました。
フルード交換から幾分時間が経っていた様で塗装とかはそれなりに犯した後になってしまっていましたがしょうがないです…
出来る範囲の清掃と、心配なところは油分つけて拭き掃除をしておきました。
今回最後の作業は、リアスタビリンクに挟み込むワッシャの交換です。

サイズは微妙な差ですが、結構スタビの使い方が変わるんですよ。
代償として相当乗り心地が悪くなり、普段乗りが嫌になる面があるんですが…めちゃくちゃリアがキビキビと動いてフロントを自由に動かせる様にできる。
サーキット主体の仕様だとこのセットを使う事があります。
今回はタイヤも

R1Rになっていました!
もう何レースも走ったのとかとっくにダメでしょ…って思ってたのでタイヤがちゃんと新しくなってたのはとても良かった。
これありきでセッティングできますからね。
タイヤのランクである程度のマージンを考えますから。
作業後、試乗で減衰セット探りを始め、今回はフロントを従来より2段硬く。
リアはそのままとしました。
乗っていて従来のままだと明らかにガツガツ硬くバランスが悪い。
フロント1段アップだと前後のストローク感は揃う感じがあり、これはこれで悪くはなかった。

更にフロントもう1段アップしたところ、フロントを軸にリアがストロークする感じが出て、硬いのは硬いけど吸収感が想定より高くなったのとずっと走っててもロールバランスの決まりが良かったのでこの2段アップ状態で決定。
という事で今回は普段と違いオーナーさん日帰りコースなので先に夕ご飯を食べてのんびりしてから、最後にテストコースへ向かいます。
ここまでずっと今日、助手席に座っていたオーナーさんは助手席だと変化をそんなに感じてなかったそうなんですが、
「今回のあの作業の内容でこんなに違うんですか?」と自分で運転してみたらこれまでと大きな変化を感じた様で、
「これでSUGO走ってみたいです」とまで。
いやぁ…
彼は割とネガティブ志向があって慎重で、違いに馴れないと…っていつもセッティング後になりやすかったんですが、初手乗ってそんな発言があったんでこっちが驚いたww
最後に自分も改めて試運転させてもらいましたが、セット値の狙い通りになってくれてますね!
良かったー軽量ボンネット仕様の場合、こういう風にしたら良いーのデータが出来た感あります。
自分のアクセラが軽量ボンネットだったらもっと早くデータは出来ただろうけど、軽量ボンネット仕様の人様のアクセラでデータを取って積み重ねてきてーなので時間が掛かってしまいました。
アクセルの使い方が上手に出来ればまさに1.5Lエンジン+軽量ボンネットのアクセラだからこそ出来る曲がりが可能!
市街地走行ではめちゃめちゃ揺さぶられて疲れるのが正直なところだけど、走るとなるとこれは病みつきになる楽しさがありますよー
年内、あと3回くらいサーキット走行を考えてるそうなので、是非是非楽しんで走ってほしい。
でも、これで終わらず次のメニューもまたあれこれ考えておきます。
まずはとにかく走って考えてもらってーですね。
今の先はまだある、まだ終わらん!!w