
今回は、強化エンジンマウントと強化ミッションマウントです。
8月末のブログでエンジンの下回りを見ていたのはこの伏線でした。あれで分かった人はすごい。
GDBインプレッサの時も強化品にしていましたので、強化品だとどんな効果があるのかは承知の品な訳です。
86/BRZは以前バルブスプリングのリコール(2012~2013年式)があり、エンジンを降ろす必要がある作業だった為、折角エンジン降ろすなら一緒にTRD強化マウントに…って交換した人も多いのではないでしょうか。
そう。「折角エンジンを降ろすなら」っていう位置にある部品なんですよ(笑)
なので、基本的には自主作業はオススメしません。正規の手段であればエンジンを吊って作業するべきものですので…。
まぁ…私は自分でやるのですけど…(爆)
整備手帳
まずはエンジンマウントから見てみましょう。
エンジンマウントもミッションマウントも物はMEGAN RACINGって所のヤツです。
TRDは使っている人が多いようなので、あえて避けます。
MEGAN RACING製はブラケットがアルミで出来ており、ゴムの硬度が硬いものになっている強化エンジンマウントになります。
※TRDは純正準拠でゴムの硬度だけ硬いらしい。ブラケットは樹脂製。
まぁ、こんな製品写真だけでは面白くないですよね?
はい。GDB-F純正エンジンマウントとの比較です(笑)
EJ20とFA20…エンジンは違えど、マウントは殆ど一緒です。
※EJ20には写真の液封マウントと、ただのゴムマウントの2パターンがあります。(取付寸法は一緒)
違うのは、86用はボルトの通る所が一か所かさ上げしてある事と、遮熱板用の突起の角度が違う事。
突起の角度が違くても86用マウントにGDB用遮熱板は普通に付きます。
こちらはミッションマウントの比較。…まぁ意味ないですね。
ミッションは全く物が違うので。(86:アイシン製。GDB:スバル製)
作業方法の詳細は整備手帳の方で。
86(穹)のエンジンマウントはこんな所にあります。※写真はエキマニを外した状態
オイルパンの左右少し後方に2つあります。
後ろ側から見ると、こんな所…。
エンジンマウントのすぐ後方にはステアリングラックがあり、非常にアクセスしにくいですね。
※とはいえGDBインプレッサよりは遥かにマシですが…。
外したエキマニ様。
タービンサポートパイプやサブフレームの脱着も必要だったGDBインプレッサと比べると大分楽でしたね。
エキマニは第一触媒があり、その前後にセンサーが付いてます。
フランジから第一触媒を覗いてみるとこんな感じ。当たり前ですが普通の触媒ですね。
さぁエキマニ外したついでに要らない情報を載せていきますよ(笑)
↓↓↓
GDBインプレッサのエキマニ(TOMEI)との比較。インプレッサは第一触媒はありません。
FA20とEJ20ですが、フランジの形は同一。もちろんガスケットも同じです。
高さは86用の方が低いですね。
86(穹)はそれだけエンジン搭載位置が低くて下に余裕がないという事か…。
お手合わせしてみると、フランジ位置もぴったり同じです。
ということはEJ20用をFA20に「とりあえず付けてみる」事はできますね。高さが違うのでアンダーカバーが付けられないかもしれませんが。
まぁ、それ以前にエキマニの出口フランジの形状が違うので、マフラーまで辿り付けませんけど(爆)
※GDBはツインスクロールタービン用で2穴パイプ。86はタービン無しなので1穴パイプです。
さて、マウントに戻って…
当て木を使ってジャッキアップしてエンジンを持ち上げて、マウントを交換しています。
油圧ジャッキもいいですけど、上げ下げの微調整が利くパンタジャッキを使用しています。
では、気になる?世代跨ぎの純正品比較です。
↓↓↓
左:GDB純正 、 右:86純正
まぁMEGAN RACING製と比べたのと同じ違いですね。
左:GDB純正 、 右:86純正
ちなみに遮熱板も若干違いがありますが、GDB用は穴が長穴になってます。
この長穴がちょっとしたもので、長穴の方がマウントに遮熱板を取り付け易いんです。
86用は単穴なので、遮熱板がマウントの突起に引っかかって上手く入らない。
しかし、遮熱板を突起側に被せてからだとボルトが穴を通らない(爆)。だからGDBは長穴なんですよ。
面倒になってきたので、強化マウントにはGDB用の遮熱板を採用しました。
GDB用の遮熱板はそこにあるのが当たり前のように問題なく付きます(爆)
流石スバル車…エンジンが変わってもブレませんね(爆)
左右ともエンジンマウントを交換したら、このままミッションマウントも変えちゃいます。
ブラケットを外してミッションマウントを外していきます。
外したブラケットには手の込んだ「SUBARU」が。
なんと浮き文字で、穴の曲面に沿わせて配置してあります(笑)
しかも、取り付けるとここ、見えなくなるんです。。。
上:MEGAN RACINMG
下:純正
純正は空洞が多く、手で触ってもぐにゃぐにゃ動くくらい柔らかいものです。
特に前後方向(ピッチング方向)が柔らかすぎ、有って無いようなレベルです。
強化ミッションマウントを取り付け。
エンジンマウントと反して、非常に簡単です。
エンジンマウントとミッションマウントを交換できました。
あとはエキマニなど、外したものの復旧をして完了です。
さて、需要が有るか無いかわからないけど流用情報のデータです。
↓↓↓
GDB用にはなくて86用にはある、エンジンマウントの突起物。
86/BRZにGDB用(~VAB用)のマウントを流用したい場合、この突起の代わりを準備する必要があります。
エンジンとマウントの隙間を埋める為の突起ですので、サイズ(高さ)の合うカラーなどを用意すれば使用できるでしょう。
突起の高さは17mm、幅は23mm、穴径は12mmでした。
インプレッサのエンジンマウントをどうしても使いたい!!って方は参考にして頂ければ。
…なんて言って自分の為のデータだったのですが…。GDBインプレッサで使用していたロワードエンジンマウンティングキット。(エンジンマウントの位置を下げる)これを86(穹)にも使えないか?ってデータ取りだったんです。
マウントが同一であれば、ロワードエンジンマウンティングキット(インプレッサのマウント使用)も使える見込みがある。
しかし、次の問題でエンジンを下げる余裕があるのか?って所を言っちゃうと、あんまりない。
純正マウントの時点での写真ですが、フロントメンバ-とミッション(フライホイールカバー)のクリアランスがこの程度。
指1本分しかないので、エンジン/ミッションがピッチングした時のクリアランスを考慮すると、下げるのはちょっと難しいかな。と。
まぁ、メーカー純正でエンジンをギリギリまで低くマウントしているのだと思えば、攻める余裕はないのかなと。
実際、エンジン位置を下げていた私のGDBインプレッサと比べても86(穹)のエンジン位置はとんでもなく低いですからね。
さて、あとは強化マウントに交換した感想でも。
まず、エンジンの揺れは少し小さくなりました。(エンジンルームの動画を撮って確認)
しかし思ったよりも強化マウントにした事での揺れの減少は小さかった気がします。というのも、そもそも純正マウントの時の揺れがそんなに大きくなかったんですよね。
GDBインプレッサは純正マウントで結構大きく揺れていたので、強化マウントにしたらすごい揺れが減った感があったのです。
GDBと86(穹)を強化マウント同士で比べると、まあ同じくらいの揺れかな。って所なので、こんなものでしょう。
しかし、エンジンの揺れの変化は小さかったくせに、エンジンの音がすごく車内に入ってくるようになりました。
始動やアイドリングの時点で明らかに交換前より煩いです。
始動させると今まで「きゅきゅきゅ、ぶぉん。ぶーーー…」だったのが「ギュギュギュ、ゴゥン!ゴゴゴ…」と地鳴りのような始動音になりました(爆)
そしてエアコンのマグネットクラッチが繋がる音と負荷変動(振動)がはっきりとわかる(爆)
GDBインプレッサの時より明らかに煩くなりましたね。これが14年分のフレーム性能の差か…。
…というか純正のミッションマウントってめちゃめちゃ静音志向の設計だったのでは??それを強化マウントにしたもんだからモロにドライバーの真横からエンジンの音と振動を車内へ届けてくれるように…。
しかし、走行フィールは向上しましたね。マウント交換なのにエンジン回転数の車速への伝達レスポンスが上がった…。
①アクセルを開けて→②回転数が上がって→③車体が前に押されて…。って流れの②→③のタイムラグが減りました。
これはミッションマウントの影響でしょう。
おそらく純正ミッションマウントはピッチング方向(前後方向)の振れ止め効果が薄くて加速時にマウントが歪み、力が吸収される事でワンテンポ遅れるのかと。
そういえば、GDBインプレッサはピッチングストッパーが普通に付いてましたね……。外して乗った事はなかったからどれくらいの効果があるのか試した事は無かったですが、多分今回と同じ感触になったのかも。
あとは、これが一番の目的だったのですが、加速中のシフトアップのレスポンス向上です。
エンジンが揺れるとシフトアップ時のギアが入るのが遅れてシフトアップが遅くなります。(コンマ何秒とかの世界ですが、それが意外と大きい)
強化マウントにすることで、シフトアップがさくさく出来るようになります。
街乗り程度では恩恵を感じませんが、ガンガン加速したい時はホントにコレが効きます。皆さん86/BRZってフル加速するときシフトアップ待ち長くないですか??シフトレバーを押し込んでるのにギアがすぐには入らない、あのもどかしさ。ほんのちょっとが長く感じるんですよ。
という事で、強化エンジンマウント/強化ミッションマウントへの交換でした。
メリットデメリット両方のある部品ですので採用する場合は良く検討しましょう。…基本的に快適仕様には向かない部品ですよ。
86(穹)は良くも悪くも万人向けのセッティング。シャシーの剛性は良くても、いろんなゴム部品の部分でぐんにゃりとした感触が随所にある車です。強化マウントはそれをビシっと変化させてくれるのでオススメです。なにせエンジン/ミッションという大物に影響を与える部品ですからね。
……しかし86(穹)はホントにGDBインプレッサの知識で弄れる車ですね。。。