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ノイマイヤーのブログ一覧

2025年06月13日 イイね!

2023年式GR86 Cup Car Basic感想文

2023年式GR86 Cup Car Basic感想文●排気量アップは誰の判断?
2021年、86はフルモデルチェンジを受け、GRガレージ専売車種として「GR86」となった。初代モデルは2012年、AE86を現代に蘇らせることを目的にFRスポーツカーの走りを身近なものにするために発売された。

念のために1983年に発売されたAE86について触れておきたい。もはや語り尽くされた感があるが、もう40年以上前のモデルであり全く知らない、或いは産まれたときからイニDのイメージ強いという人も増えてきているかも知れない。

AE86はカローラレビン/スプリンタートレノのフルモデルチェンジ版であり、一世代前のTE71系のP/Fを流用して後輪駆動を堅持したことが最大の特徴である。さらに80年代的なハンサムさを持ったスタイルと、新開発だった16バルブDOHCを採用した4A-GEUやラックアンドピニオン式ステアリングを採用していた。一足早くFFを採用したものの、進みすぎたと評されて不振に苦しんだカローラセダンを販売面で助け、当時は根強かったFRファンの期待にも応えた。

1987年にAE92系にフルモデルチェンジし、レビン/トレノもFF化された。ミニソアラ的な雰囲気をデザインで漂わせ、スーパーチャージャーによるハイパワー化やテールハッピーなシャシーなど市場が求めるものを上手に形にすることで販売台数自体はAE86を上回った。

旧型となったAE86の中古車はタマ数が多く、相場も安くなり手に入りやすい。保有母体が多いモデルならではのチューニング・ドレスアップパーツが豊富さは「好みに合わせて作り上げる楽しみ」が深まっていった。決して速さで最新モデルを凌ぐわけではないが、持ち前の敷居の低さ、パーツの豊富さ、さらに単純なメカニズムを持った後輪駆動車として独特の地位を築き上げた。

2012年の初代86は、AE86のスタイルや諸元など形あるものをリメイクしたのでは無く、AE86が持つ手に入れやすく、初心者にも扱い易い「親しみやすさ」と「カスタマイズ性」という形のない、そしてAE86が奇跡的に醸成した周辺環境の再現を重視して作られている。

新規開発の後輪駆動P/Fを持ち、スバルとの共同開発によって水平対向E/Gによって低重心化を果たし、物理的な諸元には拘りつつも、フルノーマル状態の86は過度に速さを追い求めていない。速さのためにハイテクな四駆も過給も求めず、ハイグリップタイヤすら開発せず、プリウス用のタイヤを流用してまでスポーツカーの裾野を広げる身近な入門車として開発されていた。

さらにトヨタ販売店の中でカスタマイズ拠点としてAREA86を開設し、ビギナーの背中を押す体制も整えた。

「スポーツカーは、カルチャーです。」

というコピーは86のコンセプトをシンプルに表現していた。デビュー直後は積極的な宣伝も相まって1年間で2.6万台を販売し、4.7万台を輸出した。

実際に前期は私もよく運転した。ちょっとしたクローズドコースで限界付近で走らせて(しくじって)スピンさせたり、定常円旋回し過ぎて燃料が偏ってエンストしてカブって再始動できなくなり散々な目に遭ったこともあった。徐々に慣れて来ると、高級感は皆無だけど動力性能が丁度良く、正円ステアリングは正しく回しやすく、6速MTは適切に決まり、ブレーキもコントロールしやすく作られていることが分かった。路面が濡れていれば、コーナー出口でわざとアクセルを開けてリアを滑らせながらカウンターを当てる気持ちよさも楽しんだ。

欲しい人に行き渡ったのか販売的には徐々に落ち着いていったが、トヨタが偉大だったのは86を最初の話題性だけで売って放置せず、最後まで育て続けたことだ。

前期に乗ったあと、後期に乗ればその違いがちゃんと分かるくらいレベルアップして商品性の維持に努めていたし、廉価な中古車のタマが増えるに連れて若年層オーナーが保有する86も多く見かけるようになった。初代86がやりたいことはほぼ実現したと言えるのでは無いか。私の趣味の違いから86の全てを肯定しないが、それでも偉大な存在である事に異存は無い。

2021年、86がモデルチェンジしGR86となった。GRは言わずと知れたガズーレーシングの頭文字でガズーというのが今の会長である豊田章男氏がトヨタ自動車で立ち上げたEコマースサイトの名前である。



G'zなどと呼ばれていたスポーツコンバージョンモデルはGRスポーツと名称変更されるなど商品の整理を行った上でAREA86を発展的解消し、GRガレージという専門の販売店も準備した。(ただし、従来の店舗でも購入可能)

新型はGR86を名乗るため、本格スポーツモデルとして明確に定義されたが、ボディサイズは殆ど変わっていない。



年々肥大化する自動車業界において「大きくしなかった」というのは相当な努力を要するが、デザイン部署や衝突安全評価部署などに対して「ダメだこの諸元で成立するように」と企画側でギリギリの説得(圧力?)を重ねた結果だろう。

エクステリアは正常進化かつスーパーカー的にスッキリまとめたが、その分没個性になっているのが少々惜しい。だからといって加飾ギラギラのエモーショナルに振らなかったことは大変ありがたいし、カスタムする人からすればスッキリしている方が腕の振るい甲斐があるだろう。

走行に関する部分で最も大きく変わったのは搭載E/Gが2Lから2.4Lにスープアップされたことだ。スバル・アセントと同じE/Gだが、NA化され圧縮比が12.5に高められている。低速トルクが増強され、高回転での伸びもたくましく、みんなを幸せにするエントリースポーツカーというより本格スポーツカーと呼ぶに相応しいパフォーマンスを得た。

運転してみると、パワフルなのは事実だが特にアクセル操作に対するレスポンスが私の感覚と合わず、ギクシャクしてしまう点が気になるレベルだった。全開加速だけなら別に大したことは無いが繊細な運転操作が必要な市街地走行では、かなり神経質な印象だった。



残念だがフレンドリーな初代、特に後期型の方が数段マシという結論である。ただし、GR86は年次改良が繰り返し行われてスロットル特性は既に改善されたという情報もある。スポーツカー文化醸成のために必要なことは一過性の話題になることではなく、絶え間ない改善と法規対応による継続が必要だ。

旧い話だが1989年にSW20系MR2がデビューしたときも、個性派セクレタリーカーだった初代から一転して本格スーパーカールックの2Lターボとなった際、パワーがシャシーに勝ちすぎていて危険な車という評価が下された事があった。箱根で行われたシャーナリスト試乗会でクラッシュがあったとか無かったとか。当時のトヨタが立派だったのは以後、1998年までの9年間で4回の改良を継続的に行った点である。初動の躓きから見放さずにコツコツと対策して熟成させることでMR2を常にブラッシュアップし、商品性を維持し続け、1999年にMR-Sにその座を譲るまで日本の貴重なミッドシップスポーツの地位を守り続けた。



こうしてみると、トヨタは意外とスポーツカーをじっくり育てる良い伝統があると言えるかも知れない。GR86も同じように2021年のデビューから、いずれ来るモデル末期に至るまで改善を積み重ねて欲しい。そうであるならば、GR86によって日本のスポーツカーカルチャーは今後も維持されるだろう。

こうした初代から続くGR86の功績を大いに認めている私であるが、それでも排気量の拡大は不要だったと私は思う。もはや我が国の交通環境で使い切れる範囲を超えている。海外向けは2.4Lで国内向けは2.0L継続でも良かったんじゃ無いかと思える程だ。また、そのパワフルなE/Gを手なずけるのに電子制御スロットルは不幸なほど役立っていない。せっかくのドラポジ、せっかくのシャシ性能を生かし切る事ができず、変速で車を揺らさないことで精一杯になる感覚だ。

Posted at 2025/06/13 00:40:52 | コメント(0) | クルマレビュー
2025年05月24日 イイね!

2017年式BMW M240iクーペ ミニ感想文

2017年式BMW M240iクーペ ミニ感想文●隠しメニュー的な逸品
みん友のKoheiさんのニューカーに乗せていただいた。私にとってちょっとだけ運転したX1 18d以来の久々のBMWだが、今回はマニアックな2017年式のM240iである。

私がぼーっとしている間にBMWの命名則が変わり、基本シリーズが奇数で応用車型が+1の数字になった。すなわち2シリーズは1シリーズの応用車型であり、2ドアクーペやカブリオレ、ミニバンや4ドアクーペが存在する。

今回の試乗車はBMWの中ではコンパクトなボディに対して貴重な6気筒3.0LターボE/Gを後輪駆動で楽しむという古典的な楽しみを現代に残すべく作られたM240iだ。



2シリーズクーペの基となる1シリーズクーペは2007年に登場し、1シリーズと同じ顔にAピラー以降は専用のボディが載せられた。エンジンバリエーションは直列4気筒2.0Lと直列6気筒3.0LターボでMTが設定されていた。後継モデルの初代2シリーズクーペは2013年にデビューした。2011年にデビューした2代目の1シリーズがベースとなったが、意匠はよりBMWらしい精悍なものに改められ、5ドアハッチのM140iでは選べないMTが選べることも特徴だった。エンジンラインナップは幅広く、直列3気筒1.5Lターボの218iから直列4気筒2Lターボの230iまでが選択可能だが、試乗車はMパフォーマンスモデルであるM240iである。

BMWは通常モデル(甘口)をベースにスポーティな内外装を取り入れたMスポーツ(中辛)、E/G性能を向上させるなどM社による味付けが施されたMパフォーマンスモデル(辛口)、M社製のE/Gを積んだMハイパフォーマンスモデル(激辛)という4種類のレベルが存在するという。



通常モデルでも充分スポーティなBMWなので内外装をスポーティにしたMスポでも充分楽しめる。しかし、試乗車のM240iはMパフォーマンスモデルであり日常使いと高い趣味性の両立を目指したモデルであり、M2に代表されるMハイパフォーマンスモデルはサーキット走行を念頭に置いてM社が開発した車両という棲み分けがある。

若干、レクサスの「F」の考え方に似ているがBMWが凄いのはMパフォーマンスモデルのために専用の直6ターボE/Gを用意し、それを多くのモデルに設定しているところだ。

ダウンサイジングやらレスシリンダーで低炭素社会への適合を図るという欧州自動車ブランド達の戦略の中でかつてのように大排気量マルチシリンダーE/Gを残せなくなりつつあるところ、M社はスペシャルなMパフォーマンス用に伝統の3.0L直6を残しているのは素晴らしい。今はMパフォーマンスモデルでも直4があるようで、今後レスシリンダー化が避けられないのか気になるところだ。

実際に試乗してみると、私のような低いスキルでは馬脚を現すことのない上品なスポーツクーペだった。BMWの後輪駆動3Lの2ドアクーペとくれば、スポーツ一直線のハードな味付けを志向してしまいそうになるが、M240iは肩透かしを食らうほど普段使い可能なサイズ感で実用性とスポーティネスを高い次元で両立していた。



車を普段使いにも使うが、趣味性も我慢したくないという方にフォーカスした味付けは、サーキットスペックに特化したM2や、更なるムード派のためのMスポがあるからこそ存在可能なキャラ設定である。しかも、BMWらしい駆け抜ける歓びという意味で上位のM2へ意識が行きがちだし、収入が充分ある方は「一番ええヤツもってこい」とM2を選んでも不思議は無い。そこを敢えてM240iを選ぶという人が世界にどれ位居るのか分からないが、そこに向けた商品を抜け目なく準備しているBMWは懐が深いなと感じる。

ビジネス的にはこの様な狭いニーズを満たさず、快適なMスポと本格派のM2があれば、エントリーとフラッグシップの点と点は結べる。しかし、ここにM240iがある事が重要なのだ。

これも、平素から1-3-5-7という絶対的な基幹シリーズでブランドイメージを堅持し、X系で粗利を稼ぎ、共通使用できる直6E/Gを準備しているからこそ、手持ちコンポーネントの組み合わせでユーザーのワガママに応えることができる。

高級車とは実用性や性能を超えてオーナーのワガママに応える存在であると私は考えている。M240iは、まさにボディサイズを含んだ実用性・ラグジュアリー性と過剰とも言えるスペックのE/Gを搭載した本格スポーツカーの世界を両立するという容易に叶えられないワガママを叶えた貴重な高級車の一つであると結論づけたい。



これは★4だ。最新モデル群のエグ味が無く相当良かった。いつかMTにも乗ってみたい。この素晴らしい性能を隠しながらジェントルに走れる「能ある鷹」タイプの方ならっ★5が付いてもおかしくないが、能なしノイマイヤーはこの高性能を発揮したくてウズウズして青い免許すら維持するのが困難になりそうな恐れゆえ★4である。使い切れる高性能という範囲を超えた超高性能車である。

大切な車を運転させてくださったオーナー様に感謝。
Posted at 2025/05/24 00:38:27 | コメント(2) | クルマレビュー
2025年04月25日 イイね!

2008年式ヴィッツ1.0Fリミテッド感想文

2008年式ヴィッツ1.0Fリミテッド感想文●終わりの始まり

代車で距離浅の2008年式ヴィッツを借りたので記録に残したい。

「21世紀My car」のヴィッツは1999年にNBC-I(ニューベーシックカー)として世に出た新世代Bセグメントハッチバックである。



それまで陳腐化してしまっていたスターレット・ターセル・コルサ・カローラIIを一気に統合して二回り新しい思想を取り入れた渾身の傑作だとティーンエイジャーだった私は心酔した。

ディーラーで展示車を見たり乗ったりしているうちに気に入ってしまい、「いつか2ndカーとしてUユーロスポーツエディション・ペールローズバージョン(長い)に乗りたい!」とまで思うようになっていた。

実際に2010年~2011年まで色違いながらUユーロスポーツエディションを所有した。既に旧型のヴィッツだったが、私は大いに気に入って過走行ペースで共に暮らした。

当時は1992年デビューで既に旧くなりつつあったものの完成度の高いマーチと、質実剛健過ぎて華がないとされたロゴが競合であり、デミオは少しステーションワゴン寄りのキャラクターで廉売を続けていた。

欧州人スタイリストの手による凝縮感のあるフォルムやアップライトな新世代パッケージとVVT-iやイータビームサスに見られる新技術の大衆化によって当時は頭一つ抜けた新しい車に感じられた。

1Lでスタートしたヴィッツは1.3Lを追加し、バリエーションを拡大した。ファンカーゴやプラッツのようなボディバリエーション違いも追加して
世界的にもトヨタのプレゼンス向上に寄与した。

一方で国内では2000年に「思い立ったが吉日生活」のホンダフィットが登場。低価格なBセグハッチバックでありながらツインスパークによって燃焼を改善し、CVTのワイドレンジで23km/Lという低燃費と助手席に燃料タンクを配置することでRrにフラットな低床フロアを実現したことで空前のヒットを記録した。

当初トヨタは「フィットの競合はファンカーゴであり、荷室容積で勝る」などと意味の分からないことを言っていた。ヴィッツは正統な欧風リッターカーだったが、フィットの持つ高性能とユーティリティという飛び道具の面白さに負けてしまった。

結局、高級車からのダウンサイザー向けのイストの最廉価仕様の価格をフィットと揃えるという奇策にでたりして複数の派生車で包囲したが、ヴィッツも2002年のマイナーチェンジで新開発E/Gに変更し、更にCVTを採用するなどして10・15モードで23.5km/Lを達成、のちに追加されたアイドルストップ仕様は25.5km/Lとして対抗した。

今回試乗したヴィッツは2005年にデビューした2世代目のマイナーチェンジ版である。「水と、空気と、ヴィッツ。」の広告コピーからはヴィッツが人々の生活に無くてはならないものだ!という自負が感じられる。



ボディサイズはBセグサイズながら全面的に拡大され車幅は小型車枠いっぱいになった。革新的だった初代のP/Fを流用するかと思いきや、新開発のP/Fを採用してきたことには驚いた。それだけ当時のBセグメントは各社がしのぎを削っていたことが想像される。

ホイールベースが90mm延長されつつ前席ヒップポイントを590mm(先代比+15mm)としてアップライトに座らせて後席との感覚を880mm(先代比+45mm)とカローラ並を確保。

少し齧歯類を思わせる丸っこいスタイリングは恐らく歩行者保護性能やチッピング性能、或いは欧州で厳格化されたダメージャー(修理費用低減)など初代ヴィッツでは未対応だった性能への配慮から産まれたものだった。



メカニズム面の大きなニュースはベーシックな1.0L仕様が新開発の3気筒になったことである。シリンダー数を削減するメリットは大きい。例えば摩擦損失が小さく、冷却損失が減って熱効率も有利だ。さらに部品点数を減らしてコスト的に有利なだけでなく、E/G幅が狭くなることでタイヤ切れ角を確保できて小回り性能が上がり市街地での取り回しにも有利となる。開発陣も「燃費とトルクで3気筒に決めた」と発言していた。

他にも先代で追加された直4 1.3Lと直4 1.5Lも含め、3つのE/Gと2つの駆動方式、3種類の変速機というワイドバリエーションとなった。(更に海外向けにはディーゼル車もあった)

商品としての立ち位置は基本的に初代を引き継いだ。先代では6~7割が女性ユーザーだったため、ターゲットした女性ウケは良かったものの男性ユーザー、特にダウンサイザーにとっては少々丸過ぎると受け止められたようで、トヨタが期待したほど人気が得られなかったとみてマイナーチェンジでは少々シャープさを取り戻し、改良の度に燃費性能を磨いていった。

運転してみると、1.0Lとは思えない力強い出足や常用域のトルクフルな走りに満足出来た一方で、直3E/G由来の強烈な振動は、明らかに精彩を欠いていた。フロアもステアリングも揺れて揺れて今心が何も信じられないまま・・・という状況だった。

基本的には先代よりクオリティアップし、先代のネガに対する声に応えた点も多数見受けられ、どちらかというと攻めのFMCだったようにも思う。特に途中でカーテンエアバッグ標準化という英断を下した事は特にコンパクトカーにとっては正しい選択だったと信じている。きっとこの判断で何人かの命が救われただろう。

一方、モデルライフ後半になると分かり易いカタログ燃費争いが始まり、地味なコストダウンが始まった。LEDストップランプをバルブに戻し、カーテンシールドエアバッグを再びOPT化して見せた。

2010年には最後のヴィッツとなる3代目がデビューし、2代目はモデルライフを終えた。



こうしてヴィッツの3世代を見ていると、ベースの無い初代が一番跳んでいて、2代目以降は段々と大きくなり、競合に対するアドバンテージが無くなり、凡庸な車になっていく歴史だった。この感覚は、「面白4WD」だったスプリンターカリブが3世代で牙が抜かれていった歴史を追体験したかのようだ。現行型のネガをどんどん洗練させていき、共通化を進めて、お客さんが買換えを渋らない程度に原価を下げて本来の濃い魅力を水で薄め続けた・・・。

ヴィッツは初代の志を持ち続けて、帰国子女であり続けるべきだったのではないか!なんて正論は簡単に言えるが、激戦Bセグメントの主役とも言える存在であり、時代に翻弄された向きもあろう。実際に国内のネッツ店の最量販車種であり、パッソとの厳しい社内競合もあった。



初代に感銘を受けて所有していた私が2代目ヴィッツと共に暮らすと、その確実な進化と、致命的とも言える欠点、そしてその後の歴史を暗示するような「終わりの始まり」を感じざるを得なかった。

1.0L車は新車時から振動が酷く★2つとせざるを得ない。直4なら★3つ。
Posted at 2025/04/25 23:38:34 | コメント(3) | クルマレビュー
2025年04月13日 イイね!

2023年式 LBX ミニ感想文

2023年式 LBX ミニ感想文●「スニーカーのようなクルマをつくってほしい」

2023年11月にデビューしたLBXはレクサス初のBセグメントクロスオーバーSUVである。レクサス初の3文字の車名で「Lexus Breakthrough X(cross)-over」を意味するとプレスリリースにあるが、本来なら「BX180h」と名付けられていてもおかしくない。

TNGA-Bプラットフォームをベースにした1.5L THSのクロスオーバーSUVなのだから、「レクサス版ヤリスクロス」というゲスの勘ぐりをしない方が不自然だろう。

ボディサイズは下記の通り、ヤリスクロスとホイールベースまできっちり変えてきたあたり、意地でもヤリクロと言わせねぇ!という強い意志を感じた。こういう熱量は「強いトーションビーム」と揶揄されたあの高級ミニバンのRrサスを独立式に変えたときを思い出した。



レクサスのエントリーモデルは長年に亘りCT200hが担ってきた。HS250hの兄弟車でありながら、Aクラスや1シリーズを意識したコンパクトハッチバックで2010年代の国民車とも言える3代目プリウスをベースにキビキビした走りとレクサスの世界を結びつけて若年ユーザー・女性ユーザーから好評を博してブランドの裾野を拡げてきた。

2018年にはCT後継を狙ってUX200/UX250hが発売されたが、CTを継承せずに中途半端なナンチャッテSUVというキャラクターがどっちつかずに見えたのか、ラゲージ容量が小さすぎて忌避感が出てしまった。結果、CTをやめるにやめられず2022年11月末まで併売を続けざるを得なくなってしまった。

どんなブランドも高齢化が進むとブランドそのものの活力が無くなるので、廉価で元気なエントリーモデルが本当は必要だったのにレクサスはCTを育てずに放置し、安易にSUVブームにあやかったのがどうにも軽薄な印象を与えてしまったことも私は残念に感じている。(仮想的のAクラスも1シリーズもちゃんと進化を続けている)

そんな中、現われたLBXはそんなレクサスのエントリーモデルとは何かを考え尽くした戦略モデr・・・・・、いや・・・・実は豊田章男社長(当時)から「上質で毎日履き倒せるスニーカーみたいなクルマができないか」と言われて開発が始まったコンパクトカーだった。

Premium CasualをコンセプトにしたLBXは極めて私的なニーズによって産まれたというのが何とも「今の」トヨタらしいエピソードである。

スニーカーは気軽に履きやすく、歩きやすく、時には走れる。ファッション性もあり機能も重視される。だから毎日履いている人も居る。そう言われれば確かにLBXはそんな風にも感じられてくる。全長が短いから都市部でも扱いやすく、それでいて上質感のある内外装はレクサスが視野に入る層にとっては手頃なクルマと受け止められるだろうし、ラージセダンやミニバンを卒業した高齢者層にも魅力的な選択肢になる。

実際に運転して、なるほど基礎体力がしっかりしており例えば静粛性が高く、信号待ちで周辺の音を入れないという点で私のプログレを超えている。(25年も新しいんだから当たり前であって欲しいが)

一方で、高速域の余力の無さと市街地で残る突き上げ感はオールマイティさに欠けると感じた。思えばCTもちょっと脚が堅かったので、これがレクサスがやりたいことだったのかも知れないが、真の都市型を銘打って高速性能を重視しないというなら、もう少し乗り心地の角を丸くした方が我が国のオーナー達には嬉しさがあったんじゃないかと感じられた。或いはモアパワーのために例えばMORIZO RRのNA版の1.6Lを搭載して余力を産んでくれても良いのになと思った。ターボは強力すぎて一般の人には過剰だ。

LBXはそんなレクサスにとってとても重要なエントリーモデルとなった。クロスオーバーと言いつつ、世が世なら初代ISTの様にプレミアム2BOXと呼ばれてもおかしくないスタイルで、実質的にはプレミアムハッチバック車である。最近になって街でも見かけるようになってきた。

価格の面では、最廉価のカジュアル(420万円)が最近のトヨタ・レクサス車の水準よりも比較的お買い得な仕様設定なのが目新しい。CTを放置してエントリーモデルを蔑ろにした作り手の中にも後ろめたいものがあったのだろうか。

確かにヤリスクロスと較べるとグッと良くなっている、或いはノンプレミアムだがノート・オーラ辺りと比べても完成度が高い事は認める。しかし、価格に見合っているかと言われると「本当はまだやれるだろう?」と言いたくなってしまう。25年前の小さな高級車を所有しているからこそ、これが最新の小さな高級車だと認めたくない気持ちが私の中にある。高級車は大衆車では受け入れねばならない限界をカネを使って拡張して「我儘を聞いてくれる」からこそ高級車なのでは無いだろうか。その意味でLBXは装備水準もさることながら、都市型の域を出ないあたりもう少し自動車としての底力を発揮してくれないだろうか。



個人的にはモアパワーだ。M15A-FXE型は回すとE/G音が目立つので、もっと低回転で出力が出せるようなE/Gを組み合わせて高速巡航中の静粛性を維持したい。例えばG16E-GSE的な自然吸気E/Gを準備してでも余力が欲しい。

一方であくまでも都市型高級コンパクトとして動力性能を割切るのなら、せめて市街地での硬めの乗り心地をソフトに改めて欲しい。そして、他の方も指摘されているがせめて助手席パワーシートと電動チルテレは必要だろう。LBXで初めてレクサスの世界に足を踏み込む人も居るだろうが、そんな大切なゲストをガッカリさせてはいけない。

「シルバニアファミリー」でも「プラレール」でも新規参入者に対して一通りのパーツが揃う入門セットがおもちゃ業界にはある。子供達が楽しめる内容を厳選し、親が買いやすい価格で引き込んで沼に誘うわけだ。

LBXが特定の人(モリゾウさん)を喜ばせるためだけに産まれたとしても、量産されて販売されているのだから多くの人たちの笑顔につながる仕様設定も蔑ろにしてはいけないと私は思う。
Posted at 2025/04/13 23:00:57 | コメント(2) | クルマレビュー
2025年04月01日 イイね!

愛車と出会って19年!

愛車と出会って19年!4月1日で愛車と出会って19年になります!
この1年の愛車との思い出を振り返ります!

■この1年でこんなパーツを付けました!
カローラのミニカー発売されたんで買いました。
純正アルミ履かせたい!

■この1年でこんな整備をしました!
車検整備
車高調整
スロットルスプリング交換
助手席サンバイザー修理
ブロワモーター交換
アイドルストップ点検調整


■愛車のイイね!数(2025年04月01日時点)
1229イイね!

■これからいじりたいところは・・・
リアコンビのアース不良はなんとかしたいと思っています。
あと、賞味期限切れが見えてきたタイヤかな。
いつの間にか185/60R14がレアサイズになっています。

■愛車に一言
たまにナイトドライブに連れ出すとき、最高に楽しいです。これからも大切にしつつ、性能を発揮させて楽しく走らせていきたいです。

>>愛車プロフィールはこちら
Posted at 2025/04/01 23:22:26 | コメント(2) | トラックバック(0) | カローラ

プロフィール

「田町某社のカフェに置いてありました。」
何シテル?   06/13 18:13
ノイマイヤーと申します。 車に乗せると機嫌が良いと言われる赤ちゃんでした。 親と買い物に行く度にゲーセンでSEGAのアウトランをやらせろと駄々をこねる幼...
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