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2021年03月11日

タイカン雑感

タイカン雑感 ポルシェタイカンが納車されてちょうど1ヶ月経ちました。いい機会なので乗ってみての使用感をレポートしてみたいと思います。

コロナ禍でも有り不要不急の外出を控えると大して乗れず現在のところ走行距離1,300kmです。



◆ エクステリア ◆

4ドアクーペのデザインはロー&ワイドでとてもスポーティに見えます。特にサイドからみるとエンジンが無い為に低く出来たボンネットからフロントスクリーンまで、そして寝かされたAピラーが低いルーフラインを形成し、ルーフ後半からやや尻下がりとなりリヤスクリーンへ、そこから短いトランクへと繋がります。それらが流麗なクーペスタイルを形成しています。

新型パナメーラ(971)が出た時「かなり4ドア911ライクなデザインになって格好良くなったなぁ」と思ったものですがタイカンを見た後だと明らかに差異が有りました。やはりフロントにエンジンを積む為にどうしてもボンネットの位置が分厚くなっていますし、4名の乗員(特に後部座席)の為に十分な居住空間を確保する為に下げられ無かったルーフラインと間延び気味のホイルベース(とはいえタイカンと50mmしか違わない)の為に流麗なクーペスタイルとまでいきませんでした。(個人の感想です)
ま、もちろんそのお陰で4ドアセダンとしての資質はパナメーラの方が上です。

そして…よくコメントされることですがCピラー周りの「フライライン」が911とのデザイン的結び付きを醸し出し、低い全高と相まってまるで4ドア911の様にしかみえません。ここに911との結び付きを感じさせます。


ヘッドライト周りのデザインが特徴的です。コンセプトカーのミッションEからのイメージを忠実に再現してます。ヘッドライト下のバンパーを抉っての通称「ピエロ顔」も斬新だと感じました。確かに慣れ親しんだ911からのカエル顔とは違いますが、新世代ポルシェの顔としてはアリだと思いました。苦手な方はエクステリアカラーを濃色にすればピエロ顔が目立たなくなるでしょう。

4ドアクーペの為かサイドウィンドウはハードトップ状(ピラーレス)で格好は良いんですがドアを閉めた時の音が頼り無い感じです。空冷ポルシェ時代の金庫を閉じる時の様な剛性感はまるで無く、閉めると「パフッ」という頼り無い感じで閉まります。特に子供の力だと後席ドアは半ドアになりがちです。

◆ インテリア ◆

デジタル世代、EV世代の車らしくタッチパネル液晶モニターを多数配置されていて未来感を感じさせるデザインです。ですがテスラの様にコンソールに何も無く「ipadドーン!」という気をてらったものでは無くて以前のポルシェオーナー達から拒否反応が出ない様なポルシェ伝統の水平基調を元にデザインされており好ましく感じます。


シフトレバーが小型化してフロアから消え、ハンドル左横へ移動したのがちょっと残念です。大きめなエアコン調節様モニター兼、バッテリーモニターの為に追い出されたようです。

前席は4ドアクーペとして十分な空間が有ります。いえむしろ傾斜したAピラーと大型エアコンモニターとサイドサポートの効いたスポーツシートの影響でスポーツカーっぽいタイトな空間が演出されています。まるで911の様です。ただスポーツシートは乗り降りで長期的には擦れて禿げそうです。


後席はパナメーラと比べるとやはり狭めです。それでも後部座席に座って膝と前席のシートバックとの間は拳一つくらいはあります。ただ頭上の空間は明らかに窮屈です。小柄な女性やお子様には十分ですが成人男性にはキツい印象です。おまけに後席の座面が低めなのでシートバックが眼前に迫り閉塞感が有ります。


ということで個人的には頭上が明るくなり開放感が出る、グラスルーフは必須オプションだと思います。内装材が無くなるので室内高も数cm増えます。

◆ 運転してみて ◆
スマートキーを携帯して乗り込むと始動ボタンも押さなくても車が起動します。パーキングブレーキ(旧サイドブレーキ)も無いのでハンドル左横の小さなシフトノブを下げDへ入れるとすぐに走り出せます。

乗ってすぐ「ハンドル軽っつ!」と。ヤバいくらい軽いなぁ、と思いましたが駐車場を出る速度では普通に。そしてすぐにやや重めで応答性の良い感じとなります。車庫入れ用に最低速だけパワステが軽々設定でした。


走り出してやはり感じるのはボディ剛性です。まるで1本のインゴットから削り出したかの様なしっかり感を感じます。(ポルシェだから当たり前なのですが)
そしてパナメーラ由来の3チャンバーエアサスペンションのお陰で乗り心地最高です。道路の段差や工事跡の凸凹の路面も上手くイナしてボディをフラットに保ったまま走ります。巨大な21インチホイールを履き、タイヤのゴム部分の厚みが少しだけなのに信じられない程の快適性が有ります。

現在走行距離1,300kmで加速についてはまだ試しておりません。EVには慣らし運転不要!とのご意見は有ると思いますが、タイヤやブレーキやサスペンションにはやはり慣らしは必要と考えています。ということで走行モードのスポーツプラスは使ってませんし、もちろんターボSの0-100km2.8秒というローンチコントロールは楽しみに取って?有ります。


とにかく言えることはモーター特有のトルクの太さです。最初から100%トルクの出るモーターはまるでV12エンジン6,000ccくらいの?様なスムーズで溢れるばかりのトルクをアクセル踏み始めから出してくれます。それは2,280kgと重量級のタイカンのボディを出だしから軽々と動かしてくれます。全くと言っていいほど車重を感じません。そのお陰でボディサイズが何故か小さく感じられやはりまるで911を運転しているかの様です。

前述の3チャンバーエアサスペンションの乗り心地の良さと低速からの大トルクから運転していての感覚はまさに「滑走する様な」走り心地です。あるいは「筋斗雲」の様な、と言っても良いかもしれません。


さらにEVとなっても運転をエモーショナルにする為にポルシェからの提案が「ポルシェエレクトリックスポーツサウンド」です。モーターにマイクを付けその回転する高周波音を車内に取り込みました。しかもヒトにとって不快な周波数をcutして!これによりアクセルの踏込み量に応じて車内に「ヒュイーーン」というか「クォーーン」という音が響きます。もちろんエンジンを吹かしている時に比べると大きさは2-3割なんですが何ともいえない未来を感じさせる音色で私は痺れました。タイカンのプロトタイプの動画でみて一瞬でヤラレました。



『The new Porsche Taycan - Everyday Usability』
ポルシェ公式Youtubeの動画です。47秒あたりからポルシェエレクトリックスポーツサウンドの加速音が楽しめます♪

◆ 積載性 ◆

トランクの容量は366Lと4ドアクーペとしては頑張ったかな、という程度です。奥行きはそこそこ有りますが高さが有りません。リヤシートは可倒式なので長尺のものも納められます。


そしてエンジンが無いのでボンネット下にも88L分のラゲッジスペースが用意されます。

室内には余分な小物入れとかは無くドアのサイドポケットが有るのみです。カイエンではシート台座前に小さな収納が付いていたりして重宝していました。グローブボックスも狭いです。

◆ 燃費 ◆
まあ内燃機関を積んでいないので燃費、というか電費の話…ですが良く分かりません。ですので航続距離の話をします。


カタログデータではタイカンターボSは最大航続距離412kmと発表されていますがそこまでは全然届きません。満充電にした時、自分で確認した限り376kmが最高の値でした。納車が冬だったせいかもですが満充電でだいたい310〜320kmしか表示されません。やはりEVにとって春と秋が良くて夏と冬は厳しい様です。

ただし電費に一番響くエアコン(暖房)を切ってやると走行可能距離が350kmと延びます。暖房を切っても厚着とシートヒーターすれば何とかなりました。

◆ 充電 ◆
EVとして触れずにいられないのがやはり充電についてですね。多分タイカンに興味を持ちながらも充電が心配で様子見の方も多いかと思います。

やはりEVを所有するのであれば自宅に充電器を用意出来た方がベターだと思います。もちろん日産リーフオーナーで数割程度はマンション住まいで自宅へ充電器が設置出来ずにディーラー頼みの方も居る様ですが、タイカンの場合はバッテリー容量が93kwとデカいので満タンにするのに時間がかかります。ですから徒歩圏内に急速充電器が有るという様な幸運が無い限りは厳しいかもしれません。


今回タイカン納車前に自宅に200V充電器の工事をお願いしました。そしてポルシェモバイルチャージャープラスを設置して貰いました。これは最大出力が8 kWで1時間充電しての最大走行距離は32kmです。ちなみに参考までに機器代・工事代含めて242,000円でした。(しばらくはポルシェジャパンから一部補助金が出ます)


私の場合は1ヶ月の走行距離が1,000km程度なので単純計算で週に250kmです。現在冬場なので前述の様に満タンでの航続距離は310〜320kmしか無いので1週間で250km走るとバッテリー残量が20%くらいの表示となるので1週間に1回自宅充電器につなぐ感じとなっています。土日に急に遠出したくなってもバッテリーが無いと駄目なので最近は毎週金曜日の夜から土曜日の朝にかけて充電しています。1時間32kmなので金曜日の22時くらい〜土曜日の朝7時までと8〜9時間で十分に満タンになります。

それで既に他車種のEVをお乗りの方で自宅に3kWタイプの充電器が設置されて居る方だと1時間で12kmほどの様です。バッテリー残量が20%の時に充電すると20時間以上、ほぼ丸一日掛かる様です。コレだとタイカン以外に普段乗る車が無いと大変ですね。

そしてお出掛け先での充電のお話を。


タイカンを発売するにあたってポルシェジャパンは各ポルシェセンターと東京大阪のホテル等へ急速充電器を設置することを発表致しました。しかしポルシェセンターに中にはまだ設置出来ず8 kW充電器だけのところも有ります。私の自宅から近いところだとPC浜松・PC岡崎はまだ8 kW充電器だけの様です。
しかもタイカンご自慢の800V充電システムが利用できる150 kWタイプの超高速充電器、ポルシェターボチャージャーですが経済産業省?からの認可が下りたばかりでほとんど設置されていない様です。各ポルシェセンターに設置されているのはほとんどがまだ90kWタイプみたいです。それでも十分早いですが。


多くの方がドライブで高速道路を使ってサービスエリアで充電したいと考えていると思います。タイカンはCHAdeMO規格の充電器が使えます。だいたい40〜50kW充電器なので30分で80〜90kmぶんほど充電出来ます。

以上はポルシェHPの『行動に合った 最適な選択肢をいつでもポルシェの充電機器』からの引用でした。

◆ 価格 ◆
当初タイカンが出ると発表された時に価格は「カイエンとパナメーラのちょうど間くらい」との噂が有りました。勝手にターボモデルでも1600〜1800万円くらい?と想像しておりましたが、やはり発表された時にはポルシェジャパン価格となっておりましたね…(T_T;)
せめてターボSで2000万円程度にして欲しかったなぁ。

◆ その他 ◆

車を降りてドアグリップにタッチするとロックされるのですが、①タッチの目印のくぼみが分かり辛い ②1秒少し押さないと閉まらない、感度が鈍い、のが残念でした。

スマートキーの問題はまだ有って洗車中にシャワーをかけているとボンネットのセンサーが反応して半開きとなってしまうこと(つまり半開きの隙間から内部が濡れる)あるのが難点。最近は洗車時にはスマートキーをポケットに入れずにしています。

◆ 総評 ◆
ポルシェ初のBEVとして今までのポルシェファン達の方を見つつも新時代のポルシェを創り上げていこうする意欲作だと思います。
食わず嫌いは勿体無いのでぜひ一度試乗してみて下さい!




ブログ一覧 | ポルシェ | 日記
Posted at 2021/03/12 22:54:48

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この記事へのコメント

2021年3月12日 23:51
長年内燃機関と過ごして来た身からは、EVへの慣れや新しい常識も必要になるのでしょうね。
EVへの不満は、比べるモノが有る間の我が儘かなとも(^o^)
それでもクルマに変わりは無く、自在に運転・移動する楽しさは今まで以上を提供しようとするポルシェはスゴイですね。
オーナーならではの話題、これからも楽しみにさせて頂ければと。
コメントへの返答
2021年3月14日 12:56
こんにちは。
コメントありがとうございます。

100年に一度の?自動車の変革期にポルシェが次の100年を見越して創り上げたタイカンなので例え欠点が有ろうともそれも含めて楽しんでいきたいと思います!
2021年3月13日 0:11
こんばんは。
そうなんですよね…上等に躾けた6000ccV12というのは本当に納得です。
コメントへの返答
2021年3月14日 12:57
こんにちは。
コメントありがとうございます。

まあ6000cc V12には乗ったことは無いのですが…多分そんな感じで間違いない時思います。

人柱レポート頑張ります!

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