今日ご紹介する1台は、先日の福岡店の作業から、スズキのアルト・ターボRSです。
ケンウッドのナビオーディオが装着された状態で入庫となって、ベーシックパッケージの取付けと、ベーシック防振の施工の、通称Wパッケージの作業を行いました。
まずドアの内貼りを外して、何も貼ってない外板裏に防振メタルと防振マットを貼り合わせてドアの響きを抑えます。
形や材質を変えて、ドアが重たくならない割に効率が高い防振を行って、ブジルゴムの使用を必要最小限で行っているので、ブーミにならずに心地良い響きになっています。
ツイーターはピュアディオブランドのATX-25をスタンドを使って角度を付けて取付けています。
スタンドは木を削って作っていて、車種ごとのダッシュの傾斜に合う様に、仰角が5度刻みでストックしています。
ここまでは作業はスイスイと進んだのですが、これまで作業を行ったアルトと違う部分があって、それはディーラーオプションのコアキシャルスピーカーが付いていたという事です。
品番はTS-F1730で、普通カー用品店で販売している物にスズキ用のプラスチックのバッツフルと、純正コネクタににピッタリ合うカプラーが付いていました。
コアキシャルスピーカーのツイーター部分の配線をカットして、ミッドのみで使う様にして、ピュアコンを通してATX-25と組み合わせて、セパレート2WAYとして鳴らしてみました。
何回かパーツのはめ替えを行ってカロッツェリアスピーカーとATX-25の組み合わせは、メリハリが効いてこれまでに聴いた事の無い明るいサウンドでした。
特にアルトはスピーカーグリルがやや下を向いているので、トレードインの周波数によって強弱が付けてあるクセがよりハッキリと音が聴こえる様にマッチングしていました。
ただしボーカルが入ると明らかに足らない音域と目立っている音域があって、自分が実際に会って生の声を聞いているボーカリストの方の声は不自然に聴こえました。
そこでお客様に電話して、純正で一度鳴らして良い方を選んでいいでしょうか?とお聞きしたところ、「お任せします。」という事だったので、純正スピーカーに一度戻して、純正とトレードインを聴き比べてベストチョイスを探る事にしました。
一度トレードインのメリハリが付いたサウンドを聴いているので、最初は「地味な音だ。」とも思えたのですが、ボーカルを聴いたらこちらの方が明らかに自然で、またトレードインで聴くと濃い音域と薄い音域があるのが妙に気持ち悪くて、結局スズキ純正の16センチスピーカーでドアを組み立てました。
コアキシャルトレードインはツイーター配線をカットしていたので、それをもう一度繋ぎ直してお客様にお返しします。
スピーカーも決まって最後の詰めのイコライザー調整を行いましたが、ケンウッドに限らず調整してここがいいと思ってメモリーしたら、その途端に音のイメージが少し変わり、ピークに音が良い所からズレてしまうという事になっつてしまいます。
何パターンかメモリーして聴き比べて、そこからまた調整してメモリーして、通常の再生画面にして聴いてを繰り返して、最も生音に近いパターンを見つけました。
ベーシックパッケージは簡単な取付で世に言う『ポン付け』と混同されそうですが、実は最後の調整まで含めて物販というよりは、一つの作品として完成させています。
Posted at 2018/06/09 09:21:47 |
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