先日の話になりますが、スズキアルトのバンタイプが販売終了とのことで衝撃が走りました。
アルトバンと言えば、今は商業車のイメージがありますが、スズキ(鈴木自動車工業)を大飛躍させた立役者と言っても過言ではありません。
今日のスズキがあるのは、アルトが無かったらないのではないでしょうか?
おそらく、このニュースを知った前社長の鈴木修氏は断腸の思いだったでしょう。
アルトと言えば、私はこのイメージです。
初代アルト。
新車販売価格46万円。
これは自動車業界に激震が走りました。
車の新車でこの価格は驚きでした。
この車が発売される背景としては、高度経済成長が終わり、安定成長へ進んでいました。
日本の家庭も豊かになり、「1億総中流」とも言われた時代。
車も家庭に1台は所有する時代。
かつて車は贅沢品として、購入の際は物品税という税金がかけられていました。
ですが、車所有が当たり前になり、もはや贅沢品から生活必需品へと変化してきたので、物品税撤廃。
また、女性の社会進出も進んで、車に乗る女性も多くなり、家庭ではセカンドカーという言葉も生まれて来ました。
そこでスズキ(鈴木自動車工業)は、物品税撤廃、セカンドカーを見据えて、アルトを造りだしました。
ですが、セカンドカーにお父さんが乗ったりやドライブなどに出かけるための上等な車では、いくら中流家庭で難しい。
また、女性が日頃の使い勝手で乗るのも大きくては大変。
セカンドカーとしては、遠くにドライブに行くわけでもないし、見栄を張る訳でもない。
ちょっとしたお母さんの買い物や子供の送り迎えを想定。
そこで、使い勝手ではまだ少ない販売台数の軽自動車に注目。
軽自動車は小さくてコンパクト。小回りもきく。女性にはそれがいい。
車本体は、先行するトヨタや日産には乗用車では敵わない。
ですが、スズキはバイクなどの小型エンジンが得意。
物品税撤廃は主に小型貨物を対象にしており、軽自動車の貨物なら安く購入できる。
また、普段の移動手段なら必要最低限の装備でいい。
そこで、徹底したコストダウンを目指して、ドアの鍵穴は運転席のみ。リアは板バネ、クーラーなし、フロントガラスのウォッシャーには手動ポンプ、エンジンは安く作れてスズキの得意分野、2サイクル(2ストロークエンジン)など。
そして、新車で46万円という驚異的な価格で発売。
最初は、こんなの売れるわけないと思われましたが、セカンドカー欲しい家庭が続出。
爆発的ヒットをします。
スズキに独走させるのはいかんとのことで、ライバルの大阪の発動機屋さんが、こりゃまた大阪の発動機屋さんが飛躍するきっかけのミラを発売するなど、軽自動車大ブームが起きます。
なかなは日の目を浴びなかった軽自動車が、大ヒットで市民権を得ました。
軽自動車を語る上で、アルトは外せない存在です。
ところで、我が家にもセカンドカーとして初代アルトがありました。
で、普段の足としては充分ですが、エンジンが2サイクルエンジンの特徴ではありますが、定期的にオイルを補充しないといけません。
それがこちら。
CCISオイル。
これを父親が定期的に補充しているのを見ていました。
あとは、坂道になると、白い煙モクモク。石原慎太郎が見たら発狂しそうです(爆)
煙モクモクで後が見えなくなるほど煙が出ていて、そのうち車内にオイル臭い匂いが充満していたのがいい思い出です。
長年スズキを支えたアルトにはお疲れ様と言いたいです。
Posted at 2021/10/24 07:54:25 | |
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