今回試乗したグレードはLS500h Version Lになりますが、500と銘打っているので5リッターの V8かと思いきや、3.5リッターのV6+THS(4段ATを組み合わせたマルチステージハイブリッド)の
組み合わせでシステム総合出力は360馬力弱となりますが、大柄で重たげな車体だとどうなん
でしょうかね?!
前置きはこのぐらいにして、試乗開始時間の少し前に受付で手続きをした際にお台場 方面や国会議事堂周辺、あるいは汐留のイタリア街やゲートブリッジなど様々なドライブ
コースを選べましたが・・・
軽くドライブしてみたいと思いつつも、時間帯的に銀座や有楽町を始め各所で混むだろうと
考えてお台場方面をチョイスし、準備が整ったところで試乗車の前に案内されました。
シートとミラーを合わせつつ、スタッフさんよりいくつかの項目をご説明いただき、その中で
驚いたのはスタッフさんがレクサスオーナーズデスクに電話し、こちらが先程選んだお台場
方面コースのルートを送って欲しいと一方を入れたところ、しばらくしてナビにルートが表示
されたことで・・・
↓のようなことが本当にできるんですね\(◎o◎)/!
そしてスタッフさんの同乗なしでOKなのにもビックリしつつ、いざ路上へ。
アクセルに少し足を乗せる程度だとまずモーターで発進して、そのうちにエンジンが介入
しますが、自分が乗った時は駆動用バッテリーの容量が十分ではなかったためか思った
よりも早くエンジンが掛かっちゃいました(;´∀`)
歴代のLS(日本だと3代目まではセルシオ)だとエンジン音も静かってイメージだったのに、
この代では敢えて聞かせちゃえってしたのか、イメージに反して結構無遠慮にエンジン音が
室内に入ってきます。
まぁそれでも、エンジンサウンド自体はVWゴルフ5のR32やパサートR36のそれを少々優しく
した程度の快音ぶりなので、敢えて聞かせようとしたのも解る気がします♪(*´∇`*)
今度はメーターパネル横にドライブモード切り替えスイッチがあるので、各モードをそれぞれ
ちょっとずつ試してみると・・・
COMFORT(デフォルト?)モードはパワーユニットの制御は後述のECOとSPORT S/S+の
中間ぐらいで、乗り心地はエアサスを奢っているためランフラットタイヤを履かせていても
至って安楽です。
SPORT S及びSPORT S+モードでは最初からエンジンも介入し、スタートダッシュだけでなく
中間加速をしたい時でもダイレクトに反応をするように制御され、乗り心地は路面の凹凸を
気持ち拾いがちと少々硬めになります。
ECOモードではその名の通り省燃費に振った制御になるため、全体的にモッサリした動きに
なり、乗り心地は上述のCOMFORTと同様なので、20型や30型のプリウスのガタイを大きく
して乗り心地を良くした感じと言えるかも(;´∀`)
そしてパドルシフトで少し遊んでみると、有段ATと電気式無段変速を組み合わせたことで
バーチャル10速AT状態になっていることで、これまでのトヨタ系ハイブリッドでは考えられ
ないほど変速入力に対してダイレクトな反応なのに驚きを感じたのと同時に・・・
たとえばエンジンを現在のV6のNAではなく、NXやRXならびにISやGSにも搭載されている
2リッターの4発ターボ(8AR-FTS)をベースに排気量を上げた仕様にするか、今のカムリに
搭載されている2.5リッターの4発NA(A25A-FXS)をベースにターボかS/Cを加えた仕様に
して、(馬力は多少小さくても構わないので)モーターをトルコンATと一体化できるほどの
サイズに収め、その代わりに駆動用バッテリーの容量を大きくしてなおかつPHV化したら、
電気式無段変速に有段ATと大掛かりにせずともドライバビリティが向上するし、現状では
(所々にアルミを用いても)FRでも車重が2t以上ありますがパーツの点数が減るだろうから
多少なりとも軽量化できるでしょうし、動力や省燃費性能などあらゆる面で今より良くなる
だろうにとも思いました(;´Д`)
この日は道中で白バイやパトカーを多く見かけ、調子こいてスピードを上げてキップを切られ
たらカッコ悪いことこの上ないので、ある程度のところから終いまでは法定速度+αの速度で
走りましたが、それならば邪魔にならないタイミングでACC(レーダークルコン)など安全装備を
試してみようと思い、実際に試してみると・・・
キチンと前を走る車に合わせてスピード調節してくれますし、日産の"プロパイロット"よろしく
カーブでステアリングを操作する際にアシストしてくれたり、車体に付いているカメラのお陰で
ぶつかりそうになると警告音や映像を交えて教えてくれたりと、至れり尽くせりと見るか大きな
お世話と取るかは人それぞれでしょうが、少なくとも・・・
安全装備の進化ぶりには目を瞠るものがあると
思いましたね!Σ(´∀`;)
そしてクルマをじっくり見て撮れるタイミングが出来たので、ようやく外観〜内装の感想をば。
まずは外観から・・・
レクサスの各モデルが採用しているスピンドルグリル+キツ目の顔立ちですが、品の良さが 感じられます。
※バンパー下の処理を穏やかにしたらもっと品が良くなる気がしますけどね。
サイドを見ると、先代までのセダンルックから一変して4ドアクーペと呼べそうなスタイルに なったので、メルセデスのSクラスやBMWの7シリーズ 、アウディのA8がライバルと書かれて
いることが多いのですが、実際はメルセデスだとCLS、BMWだと6シリーズのグランクーペ、
アウディならA7がライバルになるやもしれませんね。
お次は内装について・・・
諭吉さんが1,500人以上いなくなる価格なので、シートの出来映えや目や手に触れる部分の質感は当然ながら悪かろうはずはありませんが・・・
インパネ全体のデザインを見るとちぐはぐな感は否めず、その最大の元凶は・・・
メーターパネルを単眼式にしてしまった事に尽き
ますね・・・( ;´Д`)
以前に販売されていたLFAや、現在発売中のLCのようなスポーティーなイメージを持たせたい
意図は読めますが、デザインに統一感を持たせたいのであればメルセデスのSクラスやEクラス
みたいにメーターパネルにも大型の液晶を採用する、単眼をそのまま生かすのであれば同じく
レクサスのRXのようにナビ等のモニターを出すようにすれば、チグハグさがなくなってスッキり
すると思います。
また、ナビやオーディオをコントロールするタッチ機能付きのコントロールパッドの操作性が 出来の良くない家庭用ゲーム機のコントローラーと大して変わらないレベルなのは萎えます。
例えばBMWのiDriveやアウディのMMI、及びマツダのマツダコネクトよろしく大径のロータリー
スイッチ兼ジョイスティックにすると、操作性が大幅に良くなりそうですね。
そして後席に腰掛けてみましたが・・・
足下は余裕があるもののクーペルックの弊害がモロに出て、頭上空間は座高の高めなボク
ですと拳を横にしてようやく1つと余裕がありません。
代々LSは役員車として使われるケースも散見されましたが、今回のはあまり向いていないの
かもわかりません。
※もっともトヨタブランドでクラウンがあるし、高級な線を狙うならセンチュリーもあるだろうし、
近年ならばアル/ヴェルもあるので、社用車あるいは役員車として使いたければその選択肢
でも別に良いでしょ?って話かも(;´∀`)
今回初めてLSに乗ってみて、良い点と悪い点を挙げてみます。
【良い点】
・破綻のないスタイリング
・安全装備の充実度の高さ。
・ドライブモードの味付け。
・快音とも言えるエンジンサウンド。
・パドルシフトの応答性の良さ。
【悪い点】
・FRでも2トンを超える重い車重。
・未だにPHVではないところ。
・インパネデザインがちぐはぐに感じられるところ。
・ナビ等のコントロールデバイスの出来の悪さ。
・頭上空間の狭い後席。
先代から11年ぶりに満を持して登場した今のLSですが、正直なところこの手のクラスのクルマ
作りに関しては、近年ではインパネデザインがちょっと色っぽくなったメルセデスのSクラスや、
スポーティーとラグジュアリーをうまく両立させているBMWの7シリーズ、及び元々エレガントな
雰囲気ながら現行モデルではハイテクも織り交ぜたジャガーのXJなどヨーロッパのライバルに
一日の長があると思いましたし、アメリカ市場では好セールスが期待できるかもしれませんが、
LSがかねてより不得意としてきたヨーロッパ市場では今回も苦戦を強いられるでしょうね。
このモデルをこの先何年継続していくか?は分かりませんが、年次改良やマイナーチェンジで
改善や熟成を重ねて、ライバルに少しでも追い付いて欲しいものです。
些か苦言混じりとなりましたが、貴重な経験をさせていただき、LEXUS MEETS... HIBIYAの皆様に
感謝して乱文を終わらせます。