FB起稿記事の転載。
ま、車じゃないけど久々に乗り物関連の正統系で。
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既に8/2にて実験期間は終わっているのだが、
例の五輪の交通混雑懸念を動機に
慢性的な通勤地下鉄混雑の代替を
水路に見出せるんじゃないかという発想で行われた
社会実験を試しに行ってみた。
元々、7/31は恒例の内輪懇談会(笑)などで京橋と表参道、
8/1は午後に産官学連携事業関連の講演会を聴きに
市ヶ谷まで出向いたのだが、
丁度8/1の午前は余裕があったので折角だから、と、
8:45日本橋船着き場発、朝潮運河9:25着予定を予約。
(これ↓は乗船前に受け取ったチケット)
というか、早々にそこしか空いてなかったくらい
人気はあったみたいで。
まあ、タダだし(笑)。
乗船時間はやや混雑の薄れつつある8:45なのだが、
10分前要チェックインってこともあり
比較のためにも8時過ぎ頃に日本橋に着くよう
年中酷ラッシュの営団東西線で行く。
(マジで足の浮く総武快速とか小田急線とかよりは
マシだと思うが…)
案の定、営団日本橋駅のホームは各階段やエスカレータに
「最後尾」の看板を掲げた整理員が配置されている程
人の波がごちゃごちゃ(苦笑)。
東京ってなんか乗車マナーとか鼻にかけてなかったっけ?(嗤)
看板持たせないと割り込みとか凄いんだろうなあ。
で、出発船着き場。
まさに日本橋の右岸たもとで
これまで意識したことのない人でも
ここはわかりやすいと思う。
今般は船会社の持ち合わせの船を動員しているので
船型はまちまち。
わたしの乗船する船は無蓋のものがあたったのだが、
「通勤」代替を考えると、やっぱり
「これはないなあ…」
って感じ。
今回の実験中に雨天の場合はポンチョの貸し出しを
予定していたそうだが、
通勤でポンチョ着て乗れる?(謎)
ただし、興味本位で乗っているお試しのわたしの立場では
無蓋船は左右天球を見渡せるのでラッキー。
左舷側の席をとったのだが、
手を上に掲げれば右舷側の景色の撮影もなんら問題ないし、
観光遊覧ならやっぱりオープントップの方がいいわな。
で、定刻通りに出発。
イマドキ、右舷接岸も普通にするのが商用船や軍事艦艇だが、
この遊覧船は古い慣習どおりに左舷接舷しているので
まずは目前に日本橋や三越を見るよう
日本橋川を遡上する向きから180度転回して川下りに向き直す。
※水面近くから見上げることのできる道路元標は
いつになく新鮮だった。
この元標から直接は7本の国道(1,4,6,14,15,17,20の各号)が始まる。
この界隈は
上述の通り京橋付近にちょいちょい用向きで来るので
馴染みがある。
江戸橋をくぐると
法務局日本橋公証役場。
公証役場にはさほど馴染みはないのだが
実はこの奥(川に面していない)にあるのが東京証券取引所。
こういうのも普段水路水面付近から
見上げることはないからねえ。新鮮。
まもなく
多分勝どきを8:15に出た便(7便)と思われる船と離合。
あっちは有蓋船だった。
あれは景色に制限がかかるよなあ。
茅場橋をくぐって少し行くと、
首都高の天井が外れて陽の下に。
満席ではないがほぼ埋まっている乗船客の面々を見るに
ビジネスは半分程度といったところか?
カメラを構えるおっちゃん、
明らかに観光のおばちゃんや夫婦連れも見受けられ、
社会実験としてどこまで有益なデータが抽出できるのか
謎も感じるところ。
日本橋川から隅田川に出てスカイツリーを垣間見つつ
更に晴海/豊洲運河にいく隅田派川を左に分かれる様子は
動画にて。
この動画の最後にくぐっているのが斜張橋の中央大橋。
橋上の様子はこれ↓、
橋上からスカイツリーをのぞむ景色がこれ↓。
中央大橋を過ぎるとすぐ右に亀島川河口。
この亀島川水門の当たりが幕末に開港した江戸湊、
今の東京港の原点。
水門の建物の下辺りに東京港開港記念碑あるそうだ。
下船してから向かった南高橋側からも水門を見たが、
もう10時半で31度で
暑くて開港記念碑までは
見に行く気にならずにスルーした(笑)。
※「南高橋」は /みなみたかばし/ と読む。
和歌山が近い住民には
/なんこうばし/ と読みたくなるわ(笑)。
続いて隅田川を下ると
大阪市西淀川の「佃」が元々の由来である地名、
佃煮の「佃」の 佃大橋をくぐり
みどころの大型跳ね上げ橋「勝鬨橋」。
戦前1940年に竣工して可動橋として実働したのは30年弱、
1970年秋に行った試験開閉以後稼働実績はなく、
設備上は機構撤去固定化にはなっていないが
まあ、もう動かんわな。動かしたい運動もあるようだが…
昭和初期のつたない強電技術で作られているだけに
制御性を得るためなどに駆動モーターを
別の商用電力モーターでまわす発電機の電力で駆動するという
相当エネルギー効率の悪いシステムだし。
今ならSiCやGaN、ちょい前でもGTOサイリスタなどの
半導体インバータでなんとでもなるんだろうけどね。
橋脚が妙に太いのは、
跳ね上げ部分とバランスする扇状カウンターウェイトを
この橋脚内で回す(約70度)チャンバーがあるため。
この辺、隅田川沿いはネタの宝庫だね。
勝鬨橋をくぐればこれまたすぐ右岸は築地市場跡だ。
なんかボロボロになったビラビラが
無残に垂れ下がって放置されているし、
なんかに使いたいんだったらちゃっちゃとやろうよ、と
思ってしまうわ。
まだ水路から見える残骸放置なんてみっともない。
さて環二通りの下をくぐったらそろそろ
「川」でなくて「海」の匂いがぷんぷん。
正面にレインボーブリッジが見えてくる。
右手には竹芝桟橋、日の出桟橋と
東京湾クルーズや伊豆・小笠原列島系への航路の出発点。
海洋調査船「白鳳丸」の停泊する月島埠頭をまわれば
お台場一帯が見晴らせる。
隅田川はそれなりに流れているので
あまり気にはならなかったが、
月島や晴海の辺りは水が淀むからだろう、
海面に漂うゴミが目につく。
清掃船とか出して頑張って掃除しているようだが
現実的にはモラルが上がったわけではなくて
フタをする技術が進んだだけなのでなあ(嗤)。
まあでも、
通勤利用で風景云々の価値がどこまで持続するのか謎だが、
観光的にはまあまあ見るものがあって楽しめる。
しかし、朝潮運河に入れば短い舟旅はそろそろ終わり。
東京消防庁の消防船や
海洋大学の練習船をラストに、
狭い朝潮水門を通過すれば
もう目の前に残るは終点の勝どき桟橋。
この勝どき桟橋は日本橋桟橋と違ってわかりにくいだろうな。
晴海通り沿いの公園のトイレすぐ脇に
ちゃっちい金網門があって仕切られているのだが、
都営線の駅までもやや距離があるし、便利とは言い難い。
この乗船コース、土日には観光客相手に
ほぼ同じコースを1000円で提供しているらしい。
ただ、下り(日本橋→勝どき)は同じだが
上り(勝どき→日本橋)は
朝潮運河を佃水門側に上って隅田派川に出るので、
台場の景色はおがめない模様(=勝どきの係員談)。
利用者は要注意。
まあでも、この参加者アンケートに
希望運賃を尋ねる設問があるのだが、
選択肢の最低が300円なんだよね。
観光用1000円を考えれば
運営側の都合や気持ちは分からなくはないが、
同じく日本橋-勝どきを都営線で移動すれば
ICカード系なら216円で半分の15分で着く。
しかもチェックインのオーバーヘッドを強要されず
その時に来た列車に乗ればいい。
厳格な定員数と予約制もない。
屋根のない船にポンチョで30分なんてこともありえない。
これって代替になるんかなあ?
航空機と新幹線の競合だってさ、
ビジネス向きにも新幹線より微妙に安いか?くらいの
ディスカウント運賃を用意し、
同じ様にチェックインオーバーヘッドや
定員予約制の引け目を持つ分、
FFP会員にマイルをばらまいてかつ
得意客にはラウンジで飲み物などの提供までして
やっと均等勝負が出来ているか?ってなくらい。
こんな安直な船代替で日常通勤に1.5倍の300円?
んー、まー、指定席列車やJRのグリーン車が
もてはやされるほど景気のいい東京近郊の住人は
指定料的な価値を見出してくれるのかもしれんけどなあ(謎)。
Posted at 2019/08/06 18:03:20 | |
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