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2017年08月29日 イイね!

値段は正直なもので

某所からの複写。

---
99年前後に使用していたルノー・トゥインゴより
わたしの実務用車はロボタイズドMT、最近ではAMTと呼ばれる
セミオートマチック車で引き継がれている。

道具には自分の予測どおりの動作を辿らせたい反面、
都市部の渋滞ではやはりクラッチを踏む負荷が無いのは楽だから
セミAT車というのは理想的な選択肢である。

トゥインゴの後はSMARTと現HA36SアルトのAGS車と続く。
フロアMTでよくあるHゲートスティックにソレノイドと油圧で
ロボット部を動かしていたトゥインゴは
機構的にフルATモードは無理だったが、
その後の2車種はATセレクタレバー調の+/-シーケンシャルセレクタで
裏方の仕掛けはECUが介在して全てを制御するものである。
確かにフルオートマチックモードも備えているのだが、
上述の通り基本は
「機械には勝手に考えて状態遷移を起こされたくない」
ので、そういう訳でまず使わない。

フルオートマチック車に於いてのエンジン回転計というのは
せいぜいなりきり系ドライバを煽てる雰囲気作り小道具だが、
「セミオート」として車に対し明示的なシフト指示を行うにあたり
特に新車で音感覚など「慣れ」がないうちは
回転計の存在はまさに計器として有益である。
最近の軽四は良く出来ていて静粛性で一昔前とは段違いの差があるため
20000km程乗ると音感覚はそこそこ出来上がって来る頃だが
やっぱりちょっと静かで
音感だけで500rpmステップくらいまでになるとちょい難しいな。

実は速度計がアナログであれば
各シフトポジションごとの回転数目安を刻んでおくという手があるのだが
(透明カバー上に色を変えてビニテでドット打ちするだけでも結構役立つ)
なんだかんだ調べてみると、最近は数千円も出せば
パルス計数によるまあまあ精度の得られる回転計が手に入るようだと知り、
アルトを買った際に市販の後付タコをつけてみたのであった。

※取り付けの安易さだけで言えば
 今の車にならOBD2のデコーダに過ぎないメーターが売られているが、
 価格が万円台に乗ってくるので、ビニテマーキングとの比較にならない。
 ELM327アダプタ(これも数千円程度)だけ買って
 使い古しのスマホにメーター本体を担わせる案も試したが、
 OBDが常時電源供給になるので駐車中のバッテリ負荷が気になることと
 スマホの画面が逆光では光りまくって全く見えず、ボツに。
 [リンク先の過去記事はみんカラに転載していないのでここでは割愛]
 ま、ELM327アダプタは本来のダイアグノシス目的に使えるので
 無駄な出費とは認識していないからいいのだが。

選んだのは Augogaugeの回転数パルス計数式の電気タコメーター。
約3000円也。

60Φの表示面外径は必要最低限以上の視認性は与えてくれるし、
競技車輌に使うには遅延だのステップモーターとメモリ盤面の整合精度だの
好ましくない点もあるだろうが、
一般道を走る車両のシフト目安には十分な機能が3000円だと
適度に安易でお手頃で、利用しない手はないよなあ、と思った次第である。
この時点では。

因みにトゥインゴには回転計はつけていなかった。
速度計もセンターにちょこんとある7セグ数字表示のディジタルメーターで
ビニテマーキングによる視覚的なタコ兼用も困難だったため
後付けモノを考えてはいたのだが、
当時は値段(n万円)と手間で躊躇していた。
そうこうしている間に悪名高い「イージーシステムの油漏れ」で
1年程度だったかで先に次のSMARTに代替えになった(苦笑)。
SMARTは最初から本来はオプションの回転計がついている
輸入仕様の車輌を購入したので、同類の懸念はなかったし。


以上が後付けタコをつけた背景だったのだが、
実際につけてみると、、、やっぱり3000円だったかなあ、と(苦笑)。

まず、その時に一番値段の安かったモデルがスモークレンズの品で、
謳い文句的には強い外光下でも盤面が光らず見やすい、というもの。
まあ実際はそういった効能云々ではなく
メインスイッチオフの時に盤面がブラックアウトされて
「かっけー!」
というような、見た目のウリだとは思うが(嗤)。

夜間は輝度を絞った盤面透過型イルミネーションでも
外乱光がないのでスモークを通しても目盛りがくっきり見えるのだが、
しかし、肝心の謳い文句の昼間に於いては
バックライトの光量が太陽光に完全に負けていて目盛りが浮き出ず、
単に薄黒いスモークレンズの表面が外光でくっきり見えるだけ(嗤)。
導光式の赤い針は辛うじて見えるが目盛りは非常に見づらくなる。

なんだこの商品企画は?(嘲)
企画段階で試作の実地評価なんてやってないだろ?

流石にスマホ流用のメーターほど
背後からの日差しで真っ白になって見えないなんてことはないにしても、
まあまあ見づらかった。


それでも、目盛りより針の角度の感覚さえ掴めば
なんとか目安にくらいはなったので、なんとかヨシとしていたのだが、
次に推定原因として「コネクタの酸化膜問題」が出てきた。

その程度の価格帯の品なので、背面の電源や信号線をつなぐコネクタに
金メッキなんてのが施されているわけもなく
明らかにアルミ素材の素の端子のまま。

これが酸化膜を得て、導通不良を起こすわけだ(呆)。

特に温度が下がる冬場は、車体側からの信号線につながるメス端子より
メーター側のオスの電極棒の収縮幅が大きいのだろうな。
夏場はギボシのメス側は外に被るソケットに阻まれて
そうそう大幅には膨張して径が拡がることはないが、
オス端子側は膨張係数通りに外径が拡大する。
なので、端子の抜き差し問題を考えると
比較的高い「常温」を前提に寸法が決まっていると思うので
どうしても温度が下がると圧着力の低下が発生する。

外気温が0度付近のスタートだと、
メーターに通電はされていても(オープニングアクションもありイルミも点灯)
肝心の回転数表示がない。つまり回転数信号がない状態のまま0rpm表示。
つまり、上記の想定膨張収縮要因とアルミ端子によくある酸化皮膜問題から、
夏場は圧着力で皮膜の切れ目などから導通していた接点が
冬場には抵抗を持ってしまって回転数パルスが伝わらなくなるのではないかと。

実際、走り出して室内空間用のヒーターや
ダッシュボードの内蔵物による直接ヒーティングで
ダッシュボード自体が触っても「冷たっ」とならない程度になってくると
パッと動き出して、その後は次に止まるまでほぼ動き続ける。
中途半端なチャタリング状態の信号は内部の調歩同期回路が
「回転数信号ではない雑音」と判断してキャンセルするのだろうな。
だから、温まる途中に動いたり止まったりの動作が観測されないと推定する。

普通、一旦付けたら装着しっぱなし
5年10年の寿命は想定されるべき製品で、
接点接触の恒常性に配慮が行き届かないってのもお寒い話だが、
そこがやっぱり台湾設計思想の所以か、それとも単に価格の問題か。


それてもまだ、アルト購入後2年半で2回は完全に巡った季節の中で
冬期間限定現象で夏場には出現せず、
かつ、走り出し限定で水温や油温の関係から
あまりエンジンに高い負荷をかけたくない時間に限られたので
捨て置くことが出来たのだが…

遂に耐えられなくなったのは
バックライト自体がたった2年半で全切れしてしまったこと(怒)。

実は8月中頃には
多分上下半円ごとに2系統のバックライトが備わっていると思われる中で
上半分のバックライトが既に切れていた。
しかし、下半分のバックライトの漏れ光で多少は見えることと、
0目盛りが真下なので
NAアルト用R06Aのトルクピークの4000rpm付近までは
なんとかカバーされている状態だったのだが、
この土曜に長野まで出かける朝4時頃の走り出しのキーオンスタートから
バックライトが全切れに。

目盛りは殆ど見えん(苦笑)。


特に導光で光る針とのコントラストが大きい針の指している付近程
目盛りが見えないから意味がない。
これじゃ、エンジン音からの聴覚直感回転計と価値は何ら変わらん。

たった2年半でバックライトのLEDが死ぬか?

初期不良なら分かるが、2年半だと普通はバスタブカーブの途中で
一番安定動作しているべき頃合いなのに?

まあ、LED自体は生きていて
基板へのはんだ付け不良が走行振動で顕現しただけかも知れないが、
それにしてもあっさり壊れすぎで、懐かしい言い方をすれば
「準ソニータイマー」
とでも呼びたくなるような、保証1年を越えてチョイで壊れる、と。

箱には下記写真の赤下線部のようなウリも書かれてるんよ?


確かにLEDを「球」とは呼ばないので
すぐに切れるLEDでも「電球切れ」は回避したと言い張れる
屁理屈のような人を小馬鹿にする文言とも言えるが。


まあ、安物を安易に買ったわたしの知見の浅さも確かにあろう。

オートゲージ製品の故障でよく聞くのは
センダと組み合わされる製品(圧力や温度)で
メーター側ではなくセンダ側の不良による指数不全、
計数器設計の安定性不足で計数落とが発生するためか
ステップモーター品なのに旧来のマグネット型での不足制動のような
針の揺れが起こることなどが聞かれたが、
バックライト切れで読めなくなるとはねえ。

ある程度、安物だとは思ってはいたのだが。

実は、1つ目の問題点(スモークレンズが見かけ倒し)を実感した後
結構速い間に、
「そのうち取り替えるか、面倒で放置の場合は次の車に使えば」
と思って目盛り白盤版の同じΦのAutogauge製品を買ってしまっていた。
たまたまネット検索でこの白盤品がスモークレンズ品と
ほぼ変わらない値段で売りに出されていた(オクではない)のを
見かけたからというのもある。

改めてまたAutogauge製を買うかどうかは謎だったが、
既に手持ちであるなら、とりあえずそれと換えてしまえってことで
本日ちょいちょいと交換。

信号線とかソケット、ピン順などは全て同じなので
筐体を割って本体を外して
マウント材などを貼り直してまた筐体を組むだけで済むので
作業自体はカンタン。

エンジンスタートで正常に動作し

ディマー連動でバックライトの明暗切り替えも動いているのも確認。
冬季の接触問題は今は検証できないが。


この交換品がこの先アルトの使用を諦めるまで持てば
単に今回のスモークレンズ版がハズレだったと雲の悪さのせいに出来るが、
どうだろうねえ。

もし運が悪かっただけなら、次回の車にもAutogauge製のタコは
コスパに優れた製品ということで再度選択肢に挙がることだろう。

あ、次の車がセミATのエンジン車で、タコ非標準なら、ね(笑)。
次の頃には世間の主流が電動車には、、、まだ変わってないだろうか。
Posted at 2017/08/29 23:51:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | 徒然 | 日記
2017年08月09日 イイね!

ハイオク教

先の日記「『車のため』的な添え言が為されなければいいのだが…(苦笑)」にて

> ディスクブレーキやハイオクの件はまた別記事ででも。

と書いたのを受けて、
より一般的な観点であるハイオクガソリンのネタを。


端的に言って、レギュラーガソリン仕様車にハイオクを入れて

「パワーが出た」

と感じるのはほぼプラセボ(又はプラシーボ)効果である。
或いは一種のカルト宗教みたいなものだな。

結果ありきで、
心理的に「ポジティブ差異を感じた」を求めたいがために、
よりスロットルを思い切って踏み込めたり
より都合の良い条件があったことに目を瞑ってみたり。

待ち行列に並んでまで見てもらった「よく当たる」占い師のコメント状態。
「あ、当たってる…」と思うことで投下コストを回収したい心理と同じ。


ハイオクもレギュラーも原油の蒸留分離において得られる
重質ナフサという種別の材料から製造されるが、
この層に含まれるのは
ベンゼン環を含めて一部炭素数6のものを含むが
主に炭素数7~8個の組成の炭化水素である。

因みに、この上の重い蒸留層は灯油で、炭素数が9~15のもの、
一つ下の蒸留層は軽質ナフサで炭素数が5~6、
更に軽いと常温気体のプロパンやブタンが主組成の天然ガスである。

プロパンとかブタンというのは中学理科や高校化学で耳にするであろう、
CnHm|m=2n+2の組成で、直線鎖状のものはn=1から順に

メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン…

云々と続く。

8番目に出てきた「オクタン」がまさに「オクタン価」の「オクタン」、
または「ハイオク」の「オク」の部分で、
重質ナフサを原料に更に加工して得られるガソリンが
ヘプタン(C7H16)を多く含むのか、オクタン(C8H18)を多く含むのかの
割合を示すための指数だったものである。
(実際は直鎖オクタンではなく、より安定的に燃焼するイソオクタンが基準)


まあ、蒸留精製で分子量も近いもので構成されることから
容易に想像できようが、
ヘプタンであろうがオクタンであろうが燃焼を完遂した場合に
単位質量あたりに得られる熱量はほぼ変わらない。

炭素数が大きく異るものを比べた場合には
同じ燃焼空間内で起こる炭素が二酸化炭素となる反応と
水素が水となる反応の割合が異なることからも
得られる熱量に差が出そうだなとその辺に明るくない人でも想像できようが、
蒸留後の同じ分離層内では大差はない。

※同じモル数ではない。同じ質量で比較しなければいけない。
 同じモル数での燃焼熱量(エンタルピー)は
 オクタンはヘプタンの凡そ8/7(ななぶんのはち)倍ある。
 てか、直鎖オクタンの異性体だとその方がこの倍率を下回り
 熱量が少ない場合もある。

つまり、まああくまでも原則的な話であるが、
同じ重質ナフサを主原料としているガソリンである以上
レギュラーであろうがハイオクであろうが
ちゃんと燃やせば同じ質量だと得られるエネルギーはほとんど一緒。

ハイオクの方が得られるパワー(熱量)が高いなどという一般則は無い。

※「原則的」というのは
 現在のオクタン価はオクタンの成分比率ではなく、
 添加剤によって得られたオクタン等価の燃焼速度比を示すもので
 混ぜ物の組成に寄っては熱量は仮定より多少は増減する場合もあり得る。
 それでも主たる燃焼エネルギー源ではない以上
 大幅には変わるものではないが。

じゃあ、何が違うのかというと、

「重いオクタンの方が燃えにくい」
※燃え「やすい」ではなくて燃え「にくい」である。

傾向があるところに違いがある。
オクタンの量が多い(オクタン価の高い)ガソリンほど
火が着いてからも燃え拡がりにくい。

エンジンの効率を上げるために燃焼ガスの膨張のエネルギーを
できるだけ沢山取り出すためには、圧縮時と膨張しきった際の容積比率を
開放空間での燃焼時膨張比率に
目一杯近づけるべきなのは容易に理解できるだろう。

エンジンの仕様書では「圧縮比」という項目で示されているものに相当するが
所謂「ハイオク仕様」を謳っているような高圧縮比のエンジンや
そもそもの吸気温度が通常想定より高い状態にあると
これまた中学理科の気象か高校化学辺りで耳にする

「断熱圧縮」

の理屈で温度が圧縮率に従って上昇するためにより高温に至る。
実は自然発火温度自体はヘプタンもオクタンも大きな差ではないのだが、
(双方とも開放空間では摂氏約210度くらいで発火する)
燃焼伝搬性がオクタンの方が低い。

エンジンはクランクの回転角とともに常に動作状態が遷移しており
遷移の速度に沿った理想的な速度で燃焼伝搬すればいいのだが、
断熱圧縮などでより燃え出しやすい環境にあると
スパークプラグで点火した部分以外の混合気部分から
発火が発生してしまったり、
それが望まない位置に望まない速度で伝搬し、早期燃焼してしまったりする。

所謂「ノッキング」と呼ばれる症状だが、
故意に圧縮比を高く設計し混合気温の高くなるエンジンでは
自然発火によってプラグ点火より早くガソリンに火が入ってしまうと
圧縮行程中のシリンダを蹴り返そうとする現象が発生するので、
そういう場合において
ぱぁっと早期に燃え広がってしまうことのあるレギュラーガソリンではなく

「燃えにくい」

オクタン価の高いガソリンが適用される。

ハイオク仕様エンジンというのはオクタンの燃焼特徴を
意図して設計されているからこそ意味がある。

だからね、
ハイオクガソリンを使うことを前提に
圧縮比や燃焼室熱設計、混合気設計をしていない限り
原則的にはハイオクを使ったところで
逆に燃焼伝搬が遅い特徴のせいで
回転速度内に想定した燃焼拡がりが得られないまま
排気行程に移って無駄に捨てられる可能性まで発生してしまうわけ。

ストイキより希薄燃焼になっている場合は
混合気中で燃料が酸素と触れる機会が十分あるので
ハイオクの遅い伝搬でも燃焼し切れるかもしれないが、
当然、燃焼温度が想定よりも上がってしまうし(燃料冷却効果不足)、
希薄燃焼前提で設計されたエンジンでない限り
空気中の窒素までをも反応させて
窒素酸化物(NOxと言われる有害物)をバンバン吐き出すことになるし。


実際は、例えばノッキングセンサを備えて
燃料も電子制御で供給するようになり始めた頃の20世紀終盤の車を含め
その辺りまでは進角制御が理想的に働いていない場合も多く、
いきなりパッと燃え広がってしまわないハイオクの場合、
特定の回転数環境などに於いては
爆発行程にかけて時間をかけて燃焼が進んでくれて
エネルギーの取り出し効率が多少改善されやすい、ということも
期待できる場合も全く無いとまでは言えないのだが。

※進角制御も要説明かな?
 燃焼(伝搬)速度は燃料組成に依存するが
 回転数が上がると燃焼が行き届かないうちにクランクが回ってしまって
 排気行程に移ってしまったりするので、
 回転数の上昇に従ってプラグで火を放つタイミングを
 圧縮行程に食い込んで徐々に早めておこないまいましょう、という機構。
 進角制御がずれると、それはもう顕著にエンジンの出力低下や
 不安定不整脈を感じることが出来るよ(笑)。

しかし、それは限られた条件の場合であって、
そうでなく全般でハイオクの方が本当に出力が出てエンジンが安定する場合は、
むしろエンジンの整備・調整が適切に為されていない可能性が非常に高い。

「わたしは整備の適切でない車を愛用しています」

或いはその車の面倒を見ている主治医の技術はヘタレである
と公言してしまうようなものである。

メーカーの設計条件は総設計空間内の最適値にまでは
たどり着けていないにせよ、
試作解析要素に用い要られた有限要素の中では
少なくとも極大値を得るようになっているものだ。
これをちょっと調べれば分かる程度の原則すら知ろうとしない人の手で
メーカーの見出した極大値を越える条件が安易に手に入る訳がないよね。

同じ車種を何台も見続けてきた経験蓄積のあるような工員・職人なら
法則理解まで届かなくても
観測値集合からの確率統計的な等価モデリングが可能なのでまだわかるけど。

まあ、燃え切らないガスを吐き出し続けるのは
本来は環境には良くなくても、
今は触媒による排気ガス浄化機構が燃焼後状態に変えて吐き出してくれるし
ハイオクの高い値段を払うのはオーナー本人の経済問題に過ぎないので
プラセボであろうが精神的満足を買っているんだと割り切るなら
それはオーナーの自由でもあるのだけどね。

似たような話は
以前、mixiで当時のマイミクさんのハイオクガソリンに関する質問に対して
わけの分からん解説を返した人の情報を是正するために
コミュニティに書き込んだことがある。
車デザイン論考4」の857番コメント以下の部分、865, 868, 872番辺り。


ただ、燃焼効率に係るオクタン価とは違う部分で
ハイオクには多少の恩恵が期待できる。
それは添加剤である。

レギュラーガソリンだけでなくハイオクも、
全く圧縮熱着火に依る爆轟現象が起こらないわけではない。

先の記事で

> 奇しくもマツダが圧縮発火エンジン技術を披露したが、

と書いたように、ディーゼル現象は燃料が軽油でなくても
ガソリン燃料でも意図的にも作り出せるものであり、
また意図せずとも起こってしまう。

その昔、これを抑制するために加えられていたのがアルキル鉛などの
有機鉛化合物である。

鉛添加剤はプラグ着火でない自然発火過程で発生する過酸化物を抑制して
意図しない発火伝搬を抑制してくれる。
レギュラーガソリンが無鉛化した後もハイオクだけは有鉛販売が続き、
それを前提として残った車種の市場向けに
ハイオクの無鉛化後には
レギュラーの無鉛化時以上に鉛代替のノッキング抑制剤が意識され、
その慣習が今のハイオクにも残り続けていて
凝ったノッキング抑制剤が奢られている、、、という噂も(笑)。

この辺は製油会社の上位セキュリティアクセス許可者でもない限り
成分を確認しようがないのだが、
ノックセンサなんてのがない70年代より前の製造車だと
ノッキングの発生頻度は低く抑えることが出来ることも
淡くでは望むことも。

飽くまでもアンチノック性を得る観点であって、出力向上ではない。


※これまた言うまでもないことだが、
 逆(つまり、ハイオク前提で設計された車に燃料代ケチってレギュラーを入れる)のは
 間違いなくやらないほうがいい。
 ノックセンサ+ECU燃調と電子進角のエンジンは
 ノッキングが発生すれば抑え込むように合わせてくれるので
 見た目は問題なく動作しているように見えても、
 想定外の汚い排ガスで触媒装置に負荷がかかったり、
 機械がストレスを耐え忍んで誤魔化してくれているだけなので。
 しかもECUプログラムも現象が観測されてからの事後対応が基本なので
 ノッキングが起こす異常振動はしなーっとクランクの摺動軸受のメタルを痛めたり
 ダメージが見えないところでどんどん蓄積されていくと考えるべきだな。


余談だが、有鉛の影響ってのはアンチノックだけでなく、
有機鉛自体からなる燃焼カスがバルブエッジやバルブガイド、タペットに回り
エンジンオイルだけで潤滑しきれていなかった部分の
潤滑を助けていた、といった見解もある。
実際、機種によっては有鉛ハイオクエンジンに無鉛を入れると、
タペットシートを打ち直さないと異常摩耗してしまうのは
よく聞く話だから、まんざら根拠のない話でもなかろうな。

一方、このスラッジは鉛からなるために導電性を持つので、
点火プラグ回りにも堆積してプラグギャップを狭めたり、
中心電極の陶器絶縁体を越えてしまうブリッジを形成してしまい
リーク電流が発生して点火力を下げてしまったり、とかいう悪影響も。

特にぶん回すからって意気込んで
熱価の高い(=放熱して冷め易い)プラグを入れていると、
プラグは冷え性だからスラッジが冷却されて付着しやすい上に
中心電極とねじ込み環の間の溝が浅く
ブリッジがギャップをよりのり越えやすくショートリークして
余計に出力が下がる、などというバカな状態に陥ったり、ね。


理解を行う途中に誤りを含んでしまうことは避けられないことだが、
今も昔も、思い込みや格好やメンツの維持ばかりにこだわり
常に誤り部分を適切に修正しつづけて向上しようという気のない人の車は
不幸な道を辿るわけだ(笑)。


まあ、その鉛スラッジの悪影響を取り除く添加剤を由来とする混ぜもの
上記の過程を経てハイオクガソリンには適用されているという噂もあり、
スラッジの発生量は同じでも付着が抑制されていたり、とかいう噂も(再笑)。

堆積抑制剤ってのは有鉛時代には確かに考慮されていたので
多少の期待は出来るかもね。

ただ、飽くまでも堆積抑制剤であって
既にたまったスラッジの清浄除去効果ではないため、
新車からハイオクってのでない限り、
中途からハイオクを入れ始めた車のエンジンが
綺麗になるとかいうマジックを期待するのは無理ね。
いつしかのシェル石油のハイオクガソリンの売り文句も
最初からシェル石油のハイオクのみを使い続けた場合という条件だったと思う。


有鉛の余談はさておき、
S600世代の車に於いてはハイオクの扱いはビミョウである。

ハイオクの規格自体が数値固定されずに何度か変更されており、
ホンダSシリーズが設計過程と初期生産にあった60年代前半は
ハイオクのオクタン価が90以上、レギュラーが80以上だった。
これが1965年にそれぞれ95以上、85以上に改訂され、
現在のハイオクのオクタン価が96以上、レギュラーが89以上に決まったのは
80年代である。

つまり、設計当初のハイオクは今のレギュラーと大差がない

、、、ハズなのだが、
わたしの所有個体に於いては、レギュラーガソリンを入れると
どーしてもパイロットジェットを相当開けてアイドリングが2000rpm近くでない限り
不意にエンストしてしまうのである。

進角装置が流石に手動ではなく
ディストリビュータ内のローター軸に遠心進角器が組み込まれているタイプだが、
メインジェットに併せてオフセット調整を行っても
パイロットでは明らかに遅角不足になるのかカラカラノッキングしまくる。

当時はどういう調整をすればピタッと合わせ込んでいたのだろうか、謎。

この辺が有鉛でなくなったガソリンの悪しき影響なのかも知れない。

※可換な特性を持つ代替非鉛材でも100%有機鉛材と同じ振る舞いは
 再現できないと考えられる。

最初から無鉛世代の車だと、同じ機械式進角の気化器エンジン車でも
こういう問題は起こらないように配慮して設計されていただろうと思われる。
現に、1972年式のライフEAエンジンはレギュラーガスで何の問題もなく
安定して動作していた。

幸い、S600くらいの上記のようなローテク…もといプリミティブ、あい、いや、
黎明期には最高だったハズの(苦笑)の技術の車だと
遠心進角器のオフセット調整で燃料のオクタン価に
機械の方を合わせ込むことが出来るので
高いガソリンを買わされることさえ耐え忍べば
現行ハイオクに合わせて調整すると
アイドリングでも安定させることは出来るし、
なんとか使える状態を維持できているんだけどねえ(泣)。

わたしは根がケチなので(笑)
安価なレギュラーで済ませられるに越したことはないのだけど。

逆に今のセンサ+ECU制御車でなんでも最適値に合わせこんでくれる車は
やっぱり便利でいいものだなあと思うわ。
Posted at 2017/08/10 02:14:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 徒然 | 日記
2017年08月09日 イイね!

「車のため」的な添え言が為されなければいいのだが…(苦笑)

批判的な内容の起稿なので、予め耐性の低い人は避けられるといいが、
ちゃんと内容を理性的に汲み上げようとすれば
役立つ情報の提示であると自負しつつ。


起稿の動機はCRCである。

先日、とある小規模の
中級クラシック(60~80年代車)オフを覗きに行った際のこと。

スロットルペダル(ここでは吊り下げ式)の鳴きが出た始めたんだと言いながら
愛車DIY精神のご披露のために(嗤)
展示の場で運転席足元に潜り込んで
ヒンジ部にシューッとスプレーをする姿を見せてくれたオーナーさん。

吹いていたのがこれ。

※写真はわたしの家にある同類製品の画像

いやいやいやいや、それはアカンやろ。

CRCってのは潤滑剤というより滑走剤である。

確かに目的の効果を出すために配合されている材料は「油脂」ではあるが、
CRCの吹付部に残留して形成される油脂は非常に薄い膜状のものなので
負荷がかかればあっというまに膜が切れてしまい
接触している部品のベース材同士が擦れ合う状態に戻る。

音鳴りの原因はベース材の振動に起因するとは限らず
付着したダスト、粉末、老廃物がもたらす場合もあるので
「音」という意味ではもしかしたら油膜切れ後も
しばらくは軽減され続けるかもしれないが
本来の問題点の解消に於いては
極めて一時的な応急処置でもない限り意味のない処方である。

いや、そればかりではない。
滑走剤はその通りに、兎に角目先の「滑走」を実現させるために
固着の由来物を溶かし出し部品同士が接する間隙にまで
たとえごく少量でもしっかりと油膜を送り届けるために
大量の溶剤を含んでいる。

固着したネジを緩めたい、とかいう目的の場合だな。
一過性の用途であって、恒常性を期待するものではない。

溶剤は邪魔になっている老廃固着物などだけでなく、
周辺にまだ生きて働いている潤滑成分も遠慮なく溶かし出すので
目的部分以外のまだ異常に至っていない部位の潤滑状態までをも侵す。

潤滑剤として機能させたい場合は、次から次へと圧送補充される仕組みを伴うか
若しくは十分な料の油脂が目的の部位に滞留する必要がある。
目に見えやすい例では
ボールベアリングのボールの挟まっている部分いっぱいに
グリスが充填されているとかね。

潤滑油脂切れを起こしている場合、理想的には
固着して外れない場合に於いては滑走剤を用いて「分解」を施した後に
適切な洗浄剤や研磨などで障害部位を清浄し、
改めて油脂を塗布して組み立て直すなどの必要がある。

まあ、今はそこまでしなくても、弱い溶剤で油脂成分を多くした
スプレーオイルやスプレーグリスの缶も売られている。
浸透性はあまり良くないが脱着分解にまで至らない軽度の場合には
こういうのをちゃんと買って使用してやればいいのであるが…

CRCは、、、なあ(苦笑)。

内心、大ウケ、大笑いさせてもらったので寧ろ楽しくて感謝なのだが、
お笑い精神のために使われたその旧車が可哀想というべきか。


ゆる~い一般生活中で無頓着消費者がそういうことをしてしまうのは
理解できないわけではない。

つい最近、うちの親もシェーバーの網刃を外して
動刃の根本振動部分にCRCを吹いているところを目撃した。
異音がしていたわけではないので
本人は良かれと信じてのメンテナンス動作だったのだろう。

※言うまでもないが、滴下式の機械油でもなくCRCを吹くってのは
 やらないほうがいいよ。シェーバーの負荷は低いものだが、
 摺動部はそこそこの速い振動周波数で動き続けるのだから。

呉工業のTVCMなどでは
「潤滑」を前面に意識させる画作りがなされていたと思うし、
某社Webページの製品紹介には

「金属部分の防錆・潤滑・清浄・防湿」

と「潤滑」が挙げられている。
しかし、5-56の活用例を示すページでは
大きな負荷がかからない自転車の鍵だとか、
或いはドアヒンジなど容易に何度も油膜再補充の出来る部位に留まっている。

実際は
スロットルペダルへの給油は容易に補充動作のできるものだと言われれば
そうかもしれないし、
(吊り下げでなくオルガン式のペダルならまだ「容易」であると言えるかな?)
スロットルペダルはブレーキペダルほどの大踏力が加わるわけではないので
CRCの残留油膜でもまあまあもつのかもしれない。
でも、そんなにお手頃日常レベルなら
わざわざ展示の場で観覧者に自ら説明を添えて披露しながら
処置のデモンストレーションをするに及ばないことでもあるよね。


ご披露されているあなたのその旧車は
ダメになったら容易に買い換えられるシェーバーや、
音鳴りが改善されなければネジを外して付け替えればいいドアの蝶番と
同じレベルなんですか?って。

本当にその品を愛情を持って世話しているんです、なら、
使っている道具や材料がどういうものなのか
適切な理解をして適切な処置に結びつけたいと考えるものではないかと。

そこが、本当にそれが適していて良い方向の効果や結果を得るかは
実は二の次であって、

「自分の中に既に構成されている幻想ワールドに浸って
 その中で思い通りに振る舞う快感を得たい」

という目的のもとに、

「単なる消耗品・道具としてたまたまその車を利用しているんだ」

といい切ってくれれば、
それはそれでその人の金で望む愉快を買っているんだから
何ら問題のないことなのだ。まさに人の勝手である。

そこを誤った前提をひけらかすから、
続く対話がへんに自尊心に障るような方向に進む蓋然性を得てしまう。

そこにある蓋然性の発火を回避するには
全員が同レベルの無知である集団に徹するか、
内心はどう思ってようが
応じる側がある意味(=皮肉)で「利口」を演じ
「いいね、いいね」でポジコメのみで褒め殺すに徹し
そこには心底のコミュニケーションなんて望まない、
捨て去ることが必要になるわけだ。

でも、そういうのって虚しくない?
ロジカルに問題が見えているのに
看過することが必須なコミュニティって。


上述したように、
真の改善なんて望まない娯楽は全然あってokなので、
少なくとも、そこに目的観の偽装さえなければ
最初から

「そういうショーアップである」

として見られるので、大変有り難いのだが。


これはCRCの一例でしか無いが、
(ていうか、CRCの例はそんなに頻繁には見かけるものではない)
特にS600辺りでもっとよくあるのはディスクブレーキ信者の滑稽とか。
(一般化すればタイヤの幅広化信者に通じるところがある)

車種に限らずよくあるのは、
これはどこかに書いたことがあった気がするが、何でもかんでもステンレス化とか。

鉄ボルトが錆びているからステンレスに換えた、っていうようなやつで、
それ、他の部分の電蝕を避けるために
あえて交換しやすいボルトを鉄のままにしてサビてもらい
可換でない部分を守る設計上理由があっても、無視しているケースだったりね。
鉄に亜鉛引きしてある部品とかも同じね。
似たところでは
電解液槽の大きな工場設備が必要な強固な電着防錆ベースを平気で剥がす
全塗ヲタクとか。

念のために繰り返しておくが
車が短期で使い捨てる消耗品だと明言できるユーザに対しては
何でもアリだよ。
大切にではなく自分の愉快のためにしゃぶり尽くすのは、それはそれで勝手だね。
これが奇妙に見えるのは

「(古い車を)大事に維持しているんだ」

とか言うから一貫性を欠く滑稽になるわけ。

意味もなくピカピカに磨くのも良し悪しだよ。
例えば雨水などに触れる部分のアルミ部品は
そのままだと白い水酸化アルミニウム(Al(OH)3))になって容易に腐食するから、
見た目はくすんで見えるが
表面に侵食の進まない酸化アルミニウム(Al2O3)の膜を形成してあったりするが、
見栄えだけで安易に研磨材などで落としてしまうと…(嗤)
放熱性が期待される部品に平気でこってり塗装する人も同類。

こういうのってウケの良いように見栄えは間違いなく変化させられるが、
決して

「車(の機構、機能)のため」

ではない。

他にもよくあるのはハイオクガソリン信者も、ね。
ハイオクネタは旧車だけでなく現行車種にも関連するか。

奇しくもマツダが圧縮発火エンジン技術を披露したが、
かの方式だとなおさら自己満足で燃焼遷移を損なう燃料の適用が
シビアに問題になってくるかもね。

ディスクブレーキやハイオクの件はまた別記事ででも。


あ、そうそう。
雑多なオフなら内心嗤いだけに封じ込めてスルーもありなのだったが、
旧車縛りの場だったので
あえて良かれと思って口出ししかけてしまったのさ(苦笑)。

案の定、そのオーナーの自己防衛シーケンスが起動し
機嫌が悪くなりそうな表情遷移がみとめられたので

「そういう話も聞いたことがあるってだけなので~」

的に濁して切り上げて、そこは退散したよ。
Posted at 2017/08/09 18:22:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 徒然 | 日記
2017年08月06日 イイね!

販売店が機能できない?

まさに徒然な状態における起稿だが(笑)。


別記事でミッドランドスクエアにて事前にカムリを見たことを書いたが、
出かけたついで大阪のトヨペット店でパンフレットを貰いつつ
少し営業の話を聞いてみた。


トヨペット店であることがポイントで、
要は以前からカムリを売っているカローラ店とかだと
単純にネームだけで入れ替える
安直トヨタフリークが買い支えてくれる可能性があるが、
トヨペット店は新規に売りを獲得しなければいけないハズだからであった。

単刀直入に

「「びゅーちふる」とかTVCMで言ってるのを聞いただけで
 なんか新しいのは分かるのだけど、具体的に何がどういいのか?(謎)
 一言で他社、あるいは他モデルと違って『ここがウリです』ってのを
 ズバッと教えて」

と訊く。

回答は的を外したものであったが、
一方で多分、商品ラインナップが
メーカーからの押しつけに過ぎない営業店の立場としては
致し方ないんだろうなあ、というもの。

要は

・従来トヨペット店で取り扱っていたマークX(内燃機関のみ)と、
 ハイブリッド車のSAIの2車種を整理して受け継ぐモデル
・北米の標準的なセダンのサイズで、日本ではゆったり
・従来のカムリよりも幅広い層(特に若年側)にウケる
 スポーティでカッコいいスタイル
・燃費性能は長距離では多分20km/l弱は走ると想定される経済性のよさ
 ※但し、実車のデリバリがまだなので飽くまでも営業の推測だとの念押し

に尽きるんだと。
それ以外には多少突っ込んでも答えに詰まった状態に。

…あ、いや、
最初のを除いて「それってカムリだけのこと?」ってポイントだし、
最初のヤツは売り手側の都合の暴露に過ぎない。

SAIを買っていた人がそのまま不満もなく新カムリを選べるってこと?
SAIってこんなにのっぺり造形だったっけ?
あんまり売れている車種ではなかろうが、
もう少し乗り降りもし易くて、ハイブリッド専用だけあって
まだ「カタチより実益」的なところはなかったっけ?

或いは、マークXってカムリとそんなに差のない車種だったわけだ(笑)。

んー、メーカートヨタの経営上の都合はわからなくはないが
そういうのってバレバレでも
絶対にセールスには客前で口にさせてはイカンのではなかろうか。

日本市場ではやはりマークXってカムリの少し上のクラスの「定番」で
「ラグジュアリ」を称するカテゴリのエントリモデル的な存在。
中の中から中の上に上がる辺りがコロナの販売層に対してその上を担う
由来通りに「コロナの上位派生」のポジションがあったように思う。

一方、カムリは
ラグジュアリのエントリにはやや届かない中間層サイズで
スポーティを担うセリカのプラットフォームを流用して、
4ドアの日常ユースに使える車でカローラの一つランクアップ版として。
だから下手にスポーツイメージを先行させることのない実用造形型だったかと。

しかし、北米レクサスのESだったかをWINDOMとして入れた辺りから、
コストの都合だけから車種整理をする場合に、これの受け皿として
それまでは日本では異なる一つ小さい車格だったはずなのに
北米では違った車格に与えていた「カムリ」に担わせ、
日本市場での由来と北米モデルとの売り方がごちゃ混ぜになって
販売店にもカムリって一体どういう層を想定したどんな車なのかが
分からなくなってしまったのが大きな原因だったのではないかと邪推する。

だから、トヨペット店の「マークXの代替車」ってのは
メーカーから陽に指示があったわけではなくても
日本市場で一定の筋を踏襲できていたマークXの掴みどころがあっても
カムリって何なのかがよくわからないモヤッとした存在だったために
仕方なく
「そう言わざるをえない」「そう解釈する他はない」
のではなかったのだろうかね。

某記事でホンダよりマシと書いた通り
シビックの仕向先ごちゃ混ぜによるわけの分からなさよりはまだマシだが、
結局「グローバルモデル」に全く新たなペットネームを与えずに
既存の仕向地別でイメージの一致させることの出来ないネームを
過去のセールス遺産などという狡い効果を期待してまで流用するのは
根本的に無理があるのではなかろうか。

だから販売店が追いつけていないというか、
集金フロントエンドなのにちゃんと機能できずに終わっているのでは?

トヨタぐらいの営業力があれば
どーんと新規にブランド(=ペットネーム)を打ち立てて一新すれば?とか思うよ。
北米でカムリってのは北米サイズの普及サイズセダンには違いなかろうが
道路の使用状況や文化が全く異なる日米間を混ぜて

「工程上、または仕様上同じだと同じ名前を使うから『カムリ』」

とやるから、逆に余計にネガティブな捉え方をされてしまうような。

※キラキラネーム関連の日記にも書いたことで共通することだが、
 「名称」には本来、「ページング可能」である機能が不可欠だってこと。
 長々とモノの特徴を羅列して同定するのは冗長で面倒なので
 説明書きの辞書中各項目に対応する短い見出しラベルを与えて
 ラベルを用いることで情報伝送を効率化するのが本来の「名前」の役割。
 だからキラキラの場合音声伝達に於いて「読めない」のは致命的だし、
 車のペットネームの場合、似ても似つかない用途や外観の商品に
 同じ名称がふられるのは名前の機能を否定して踏み倒している、ってことね。


まあ、売れるか売れないかというとそれなりにちゃんと売れて、
メーカーの分析には
わたしのようなことを思案する層に訴求しても
そもそも売れることはないので言わせておけばいいだけで、
買う層はきちんとリサーチできているからそこに売れたらok、
或いは、元は北米で回収できるから日本はオマケなのでok、
なのかもしれないので、
わたしのような存在はトヨタの視野にはない可能性も大だが。

ただ、都合よくサイズ仕様とかをいじくりまわされて
日本において名前だけ使い回れている「カムリ」ってのが
ちょっと哀れに感じてしまう。
※「シビック」ほどは哀れではないが。

今は「スポーティ」とか言って、
設計上多少はスペースユーティリティを削ってでも
流麗な造形を与えて消費者訴求をしていても
次はどうなっていくものか、何の拠り所も感じられない。

まあ、北米市場から撤退しなければ
そこに売れ筋普及サイズセダンの確固たる市場があるから
今後は大きく迷走することはないのかもしれない。
じゃあ、それは「グローバルモデル」じゃなくて「北米モデル」だよね。
日本市場は「おこぼれにあずかる」立場でしかないってことで。


ああ、ではカローラ店で
「マークXの統廃合先だと、従来カムリとは別もの?」
って訊いてみたら何て説明返してくるかな?(笑)
Posted at 2017/08/06 18:03:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | 徒然 | 日記
2017年08月05日 イイね!

モデル体型だが

facebookのリコレクタより、3年前の記事。

「乗り物関連」条件はそりゃあ「特車」だってことで(笑)。

---
武器趣味の方に「イングラム」といえば
よく映画にも出てくる小型軽量サブマシンガンだろうが、
ここでは、機動警察パトレイバーに出てくる人型ロボット(レイバー)、

AV-98 Ingram。

今、公開している実写版では「98式AV」と呼んでいるようだが、
原作では「AV-98」でこの流れのモデルを「AVシリーズ」と呼んでいるように
接頭辞(シリーズ名)にAV、接尾辞(モデル番号)に98であった。

その公開中の映画の宣伝のため、
劇中で用いた(と思われる)、実物大のイングラムの模型の披露を
大阪でもやりましょうってのが今週、南港ATCにて。

昨日までは台風12号の雨がときどき、
週末にかけては台風11号とか言っているが
今日は朝からよく晴れていたので、
いっちょ見に行ってみるか、ってね。

ま、イベント利用の面だけを見れば、
今はダイバーシティ東京の前に据えられている
RX78-2 ガンダムの実物大模型の何番煎じかっていう話もある。

(潮風公園の頃のガンダムのことを書いた日記記事リンク)


あっちは全高18m、
イングラムの全高は設定上8.02mなので
約半分の高さであるが、近くで見るとそこそこ迫力もある。

ガンダムのデザインは大河原邦男さん、
イングラムは原作漫画から作者のゆうきまさみ氏ではなくて出渕裕さんらしい。
ガンダムは正直

「構造的に無理がある(=非現実的造形)」

歴代のロボットアニメをどこか踏襲している気がするが、
イングラムは物々しいというか、

「まだ実在しそう」

な金物っぽさがあるのだが、それでいてなかなかの造形美である


ただ、立ち上がったイングラムを見て、

「これはいかんなあ」

と思った。
原作などでは
このキャリアからイングラムは自分の足を踏み出して降りるのだが、
キャリアのステップが高すぎて、折角の現実感を削ぐ。
つまり

「どうやって降りるんだ?」

ってことだ。

トレーラーのタイヤ(275/80-R22)の直径(99.88cm)から推定するに
ステップの高さは大体160~180cmである。
中をとって170cmとする。

下の写真を観てもらえば分かるように

イングラムの下腿の部分がその高さの1.5倍程度しかない。

いや、降りられるよ。降りようと思えば(笑)。

一回、ステップに腰をかけて、
ヨイショって両足を地面に着けてから立ち上がるという
非常に不格好なことをすればね。

下腿は1.5倍あるけど、腰部の厚みなどと、
踵を確実に地面につけて荷重をかけることを考えれば、
ステップに座って踵を降ろせば丁度くらいの高さになってしまう。

あるいは、ステップからジャンプして飛び降りてもいいが、
イングラムは想定上、
通常の街中の路面上で使うことを想定している。
装備重量7トン弱の重さが1.7mから落下して、
足の面積のみで着地すれば
確実にアスファルトを砕いて路面に穴を開けるだろ。

それどころか、操縦者も乗っているので、
1.7mから操縦者の腰骨を折らないように
ショックアブソーバだけで着地するのは
困難ではないか?
ガンダムのようにインチキなバーニヤ(ガス噴射器)を
装備している訳ではないのだ。

てことを考えると、このキャリアで運んでいくと
イングラムは出動時に
誠に不格好にキャリアを降りる姿を披露することになるわけだ(笑)。

んー、詰めが甘いなあ。


しかし、上記のことを考察する過程で、すごいことにも気づいた。

イングラムはとんでもないモデル体型なのである。

下腿が大体250cmだとして、大腿はその2/3程度なので、
股下を短かめに見繕っても410cm強あるということだ。

前述の通り、身長が802cmなので、なんと股下率が51%超!

全身写真がこれ↓だが、

なんとも整った立ち姿!

すっげー!

日本人の平均的股下率が45%、
アメリカ人とかでも46~47%。

スーパーモデルですっげーのでも
50%届くかどうか?ってのが股下率だ。
そう、最近流行りのセブンティーン専属モデルの橋爪愛でも
股下率は49.1%なのである。

イングラムはロボット界ではランウェイを歩ける
ファッションモデルのプロポーションを備えているのだ。

でも、デッキから降りるときは腰を下ろしてどっこいしょ…(泣)

あー、でも他の実現性のない造形のアニメロボットは
もっとインチキな股下率なので、
現実感のイングラムでは無理か(苦笑)。
Posted at 2017/08/05 13:57:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 過去記事転載 | 日記

プロフィール

「まだ慣らし運転の序盤の好条件下だが、YZF-R15の燃費を http://cvw.jp/b/2455419/47400853/
何シテル?   12/10 22:54
わ!です。よろしくお願いします。 奔流には流されないようにしていたいですね。 Hello, enjoy yourself.
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