「茄子 アンダルシアの夏」というアニメ映画をご存知でしょうか。スペインでの自転車レースを題材にした映画で、ジブリ調の絵を持つ作品です。
あくまでジブリ調なだけでジブリ作品ではないですが、wikipediaによると製作委員会にはジブリ作品に関係する企業の参加も多いみたいですね。
このアニメ映画、展開がちょっと独特です。起承転結の結だけでお話が作られているような感じです。自転車レースのアニメと聞けば、普通はレース本番への準備や仲間との関係性の描写を含めた内容を思い浮かべることでしょう。しかし、「茄子 アンダルシアの夏」はいきなりレース本番から始まります(笑)。しかもそのレースの途中から始まり、ゴールまでとその後の少々の余韻だけで作品が完結しています。
その代わりにレースの中だけでも色々な描写がありますから、実際には結のなかに色んなものが詰め込まれているという作品です。
「茄子 アンダルシアの夏」には、”茄子のアサディジョ漬け”なる食べ物が出てきます。それで作中でこの茄子を食べるシーンがまた美味そうなんですね。ジブリ作品は食べ物がおいしそうなことで有名ですが、茄子のアサディジョ漬けもまた然りなのです。そして今は6月。そろそろ茄子が美味しくなってくる季節です。ということで作ってみることにしました。
ちなみにこの茄子のアサディジョ漬け、アンダルシア地方に実在するものなのかと思って調べてみましたが、近い食べ物はあるようなのですが、これそのものは無いみたいです。「ドン・キホーテの食卓」が出所とか言われていますが、どちらにせよ日本人の考えた食べ物なのかもしれません。さしずめ”小茄子のピクルス~スペイン風”といったところでしょうか。
材料
・小茄子:19個(3パック買ったら1パックだけ7個入ってました)
・アサディジョ
・ピクルス液
アサディジョの材料
・赤パプリカ中:1個
・にんにく:大きめのを4片
・クミンシード:大さじ1強
・フェンネル:小さじ2くらい
・一味唐辛子 :大さじ1.5くらい
・オリーブオイル:大さじ2くらい
ピクルス液の材料
・白ワイン:250㏄くらい
・米酢:150㏄くらい
・水:200㏄くらい
・塩:大さじ1.5くらい
・砂糖:大さじ2くらい
・ローリエ:2枚
必要な道具
・鍋中サイズ
・すり鉢&すりこ木
・漬け込む容器
・つまようじ
※ピクルスはしょっぱめの方が好きなので、今回は塩の割合を多くしました。ここは個人の好みで調整してください。
※可算名詞以外の材料は全部だいたいこれくらいって感じでよいです。そんな繊細な料理ではないと思うので。
※色々とネットでレシピを参照しながら、手に入った食材で作れるようアレンジしております。
※漬け込む容器が二つになりそうだったのでローリエは2枚にしましたが、1枚でもいいような気がします。
作り方
①ピクルス液を作る
ピクルス液の材料をすべて鍋に入れ、軽く沸騰させて白ワインのアルコールを飛ばします。アルコールが飛んだら放置して冷まします。
②茄子を下ごしらえ
茄子は水洗いしてヘタのところについている皮を取ります。ヘタそのものは取らなくてよいです。下茹でするので柔らかくなり食べやすくなるのと、このヘタの部分が一番茄子の味が濃いところなので。
それが終わったら下の部分から十字型に切れ目を入れます。あとでアサディジョを入れ込むためです。もし茄子が大きすぎて一口で食べ切れない場合には、茄子を上下半分で切り分けてから、それぞれに十字型の切れ目を入れても良いです。
切れ目を入れたら下茹でします。沸騰したお湯で2分です。2分経ったら取り出して冷水にさらします。十分に冷えたら水けをきって放置。
③アサディジョを作る
パプリカとにんにくをみじん切りにし、すり鉢へ投入。それ以外のアサディジョの材料も全部入れて、すりこ木でペースト状になるまですりつぶし混ぜ合わせます。
④茄子の切れ目にアサディジョを入れ込む
適当に入れ込んだら、つまようじで切れ込みの先を固定してみました。レシピ上は固定するみたいですが、作中の描画では何もしていません。なので固定しないものも作って、違いがでるかどうか確かめることとしました。
⑤ピクルス液に浸して冷蔵庫で寝かす
アサディジョを入れ込んだ茄子をタッパーに並べて、ピクルス液を静かに流し込んでいきます。勢い良く流し込むと、せっかく入れ込んだアサディジョが流れ出てしまうので注意。
たぶん作中では常温保存だと思うのですが、ピクルス液がだいぶマイルド(塩分・糖分・お酢濃度がそんなに高くない)なので、今回は冷蔵庫で寝かせることにしました。なお、上にオリーブオイルの層を作って空気との接触を断ちました。
⑥数日寝かせたらできあがり
作中の登場人物曰く5日目が一番うまいんだとか。でも我慢できずに2日目からつまみ食いしてしまいました。
作中での描画と今回漬け込んだ絵面があまりにもおいしそうなので、相当に期待値を上げてしまっていたのですが、いやいやこれが期待を裏切らずめちゃくちゃ美味しいのです!スパイスの香り、にんにくの旨味、唐辛子の辛味にピクルス液の酸味が最高に調和してます。
続いて3日目もやっぱりつまみ食いし、4日目から本格的に食べ始めました。なんかもう2日目以降ならいつでも美味しく感じるんですが、確かに日がたつほど味がなじんでいく気がします。ちなみにつまようじの有無で味に変化は出なかったです。
作中では、茄子のアサディジョ漬けには”赤ワインが法律”らしいので合わせてみました。うちにはワインを飲む文化が無かったので、料理用ワインをぐい飲みで。確かによく合っていると思いますが、日本のビールもかなり合いそうです。
お漬物としてはちょっと手間がかかりますが、とても美味しかったので夏のうちにまた作ってみようと思いました。
Posted at 2022/06/18 21:42:03 | |
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