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2019年11月22日 イイね!

晩秋の北琵琶湖 寂しさと豊かさ

晩秋の北琵琶湖 寂しさと豊かさあの楽しかった秋が終わりを告げようとしている。農産物や山野の実りの収穫、山の紅葉もひと段落し、最近ではいよいよ日の入りも早くなって冬を感じるようになってきた。
自然を楽しむことをライフワークとする私としては、晩秋と初冬の境目の時期が最も寂しさを感じる時期だ。多くの動植物の活動が完全に停止する瞬間だからだ。これが冬至さえ過ぎてしまえば、長日植物たちが春の準備を始めてくれるから希望を絶やさずにいられる(スキーシーズンに突入するというワクワクもあるかもしれない)。

いつもなら自分で行先は決めるのだが、今回は妻が珍しく希望を言ってきた。ということで今回の目的地は北琵琶湖。マキノのメタセコイア並木を観光して、長浜市は湖北の宿で羽を休める旅。翌日は私にはめずらしく都心部である名古屋の栄にホテルを取っていて、やはり妻の希望でひつまぶしとモーニングを愉しむことになっているが、私の書く日記の趣旨には合わないので割愛する。

夫婦でうまいこと有休を合わせられた11月22日、何とか妻を起こして朝6時過ぎに自宅を出発、そのまま新東名をひたすら西進する。RS3と設計速度の高い新東名の相性は抜群に良い。普段使いには硬すぎる脚が、舗装状態の良い新東名では最高の仕事をしてくれる。おかげで疲れとは無縁の行程だ。新東名~新名神全通後、もし(まずあり得ないと思うが)速度無制限になった時には、新幹線と同じスピードでより快適な乗り物になることだろう。

新東名を快適に走り切り、中央道と合流したのち名神高速となってからも流れはスムーズ。そのまま順調に北陸自動車道の木之元ICで高速を降りて、12時前後にはマキノのメタセコイア並木に到着した。しかし色づきはまだ始まったばかりのよう。メタセコイアは普通の広葉樹に遅れてピークを迎えるらしい。針葉樹だしカラマツと同じようなものかな。




想像していたよりメタセコイア並木は長い。並木には北側から突入する形になったが、最初の方にあったのは間隔が広く樹齢が若めのすっきりした並木。メインの駐車場となるマキノピックランドの北側がメインとなる並木で、雰囲気としては素晴らしいものがある。ただし並木に突入して以来、平日だというのに人出が多く、ピックランドの第1駐車場は満車に近い状態。のんびり停めたいのでやや遠めの第2(臨時?)駐車場に停めることにした。駐車台数が表す通り並木周辺にも人がたくさんいて、どうにもじっくり写真撮影することは叶わなそうだ。並木と並ぶ目的地「並木カフェ」で季節のスイーツを堪能し、軽く並木周辺を散歩してスマホで手っ取り早く写真撮影してこの地を後にした。ハイシーズンではみんカラに載せられるような写真を撮るのは難しそうだ。

さて、メタセコイア並木を観光した後は適当に北琵琶湖を周遊することにした。長浜市湖北にある今晩の宿へは、国道161号線~国道303号線~国道8号線と経由するのが最短だが、地方のドライブを楽しむためにはなるべくそのような主要な道は避けねばならない。
マキノの街並みを過ぎたあたりで早速、琵琶湖沿いに半島の縁を進む適当な道を見つけたので入ってみる。この道は滋賀県道557号線で、琵琶北西岸の主要ルートからは外れているから交通量は非常に少ない。こちらへ来ると装いは秋の終わりそのもの。一部にはまだ紅葉が残るが、冬への切り替わりもすぐそこに見えている。曇り空も相俟って言い知れぬ寂しさを感じた。




この県道を暫く進むと入り江状になった部分に入り、そこにある集落の中で滋賀県道513号線に分岐する。もとは琵琶湖と共に生きていた集落であると思われ、地味ではあるが湖と家並みの調和が美しい。




ここは湖岸が少し整備されているが、晩秋、平日、曇り空とあって誰もいない。本当に静かなところだ。こういう静かなところは大好きだが、今回ばかりは好ましい気持ちより寂寥の感が先行する。
実はこの写真を撮ったタイミングに前後して、湖畔でいくつか宿泊施設の廃墟を見た。このあたりは湖畔リゾート地を目指して開発されたいたものの、志半ばで夢破れて打ち捨てられてしまったように見える。森に帰りそうな施設もあれば、数年前まで稼働していたかのような施設もある。もちろん稼働している施設もあったが数えるほど。もしかしたら、このあたりで感じる寂しさは季節によるものだけではないのかもしれない。とにかく、お陰様で北琵琶湖は寂しいところであるというイメージが染みついてしまった。

この集落から分岐している滋賀県道513号線は、奥琵琶湖パークウェイという別名がついている観光道路で、別名はそのままに「つづら尾崎展望台」で県道512号線へと名称を変える。この道中や展望台駐車場で見かける色の揚がったモミジは非常に美しく、展望台からの眺めも素晴らしいが、ここもやはり交通量が少なく寂しい印象は拭えない。マキノのメタセコイア並木の喧騒は何だったのだろう…。結局、パークウェイを走ってもその寂しいイメージが覆ることはなかった。




ちなみにこの滋賀県道512号線、なんと麓に降りるまで一方通行である。安全のためなのか何なのか分からないが、1.5~2車線幅が確保されているところを見るに元々は対面通行だったのだろう。




麓へ下りたらあとは宿へチェックインするだけだ。宿は湖北にあるのでさほど遠くはなく、17時前には無事到着した。ちなみに今回通ってきた湖畔のルートはこちら

地のものを味わえることは、宿泊を伴う旅の良さの一つだ。今回の夕食は懐石料理だったので色々と品数が豊富だったが、地場の食材の多さは舌を巻くレベルだった。さっきまでドライブしていたあたりで感じた寂しさとは正反対で、食膳からは楽しさや賑やかさといった要素まで感じられる。
とにかく琵琶湖の魚は種類が多い。ただ多いだけでなく固有種も非常に多い。それらの多くが食材として有効活用されるのだ。実は今回、これは固有種ではないが鮒を生まれて初めて口にした。鮒なんて泥臭くて今どき食えたものではない。千葉で育った私の父や祖父はそう言っていたが、ここの鮒は違った。



水質の良い北琵琶湖の底層で採れる鮒は、刺身にしても美味しく食べられるとのこと。早速いただいてみると、泥臭さやクセは全くなく、さっぱりしていて食感も良く美味しい。むしろどちらかと言えばパンチのきいた味ではないので、地場のたまり醤油との相性が良い。また、鮒の子が見た目と舌触りのアクセントになる(後で調べて分かったが「鮒の子まぶし」という郷土料理らしい)。

琵琶鱒の幽庵焼


朝食の地物温野菜



そんな素敵なお料理を沢山食べられて、とても豊かな夕食であったわけだが、実はその端緒は宿までの寂しい道中に見えていたのかもしれない。それが下に載せている1枚で、つづら尾崎展望台から湖面の波紋を映したもの。




こんなに潮目(淡水なので水目?)が見えている状況というのは潮通しの良い海であってもそうそうあるものではない。関東でよくお目にかかるような中小規模の湖沼ではこんな流れは発生しない。止水域を好む魚もたまにはいるが、やはり流れがある方が好まれる。まるで外洋に突き出した半島のような複雑な流れは、琵琶湖の豊かさを支えている要素の一つなのだと思う。


今回の旅では、残秋の寂しさとは裏腹に、琵琶湖が本当に豊かであることがしみじみと感じられた。根っからの関東人である私からすると、内水面の生物相が豊かであるという印象はこれまで抱いたことはなく、日本最大の湖である琵琶湖がどれだけ雄大であるか──一部分だけだとしても──よく分かったつもりだ。

人もクルマも土地も、やはり見た目に騙されてはいけない。今回の旅で、ホットハッチに乗っていながら改めて実感することになった。

Posted at 2019/12/03 23:11:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | ドライブレポート | 旅行/地域

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「@danslemidiさん、素敵な写真ですねえ。5~6月の緑はほんとうに綺麗で癒されます。日々の中に散りばめられたちょっとした瞬間を大事にしていきたいですね。」
何シテル?   05/26 15:23
地方の県道や広域農道を寄り道しながらのんびり走るのが好きです。以前は山道を走り回るのが好きでしたが、最近ようやく落ち着いた走りを好むようになってきました(笑) ...
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