前編から続きます・・・ちょっとシリアスな内容になります
喜多方~会津~魚沼までハイウェイクルーズ・・・小出ICで燃料補給
俗世から隔絶された秘境に向かうため、車の点検も行って、いざ出陣です
第一関門のシルバーラインに挑戦
急勾配、カーブの連続、荒れた滑りやすい路面、10℃の低温と濃霧・・・
長いストレートも全く飛ばせないので、低回転高負荷を強いられるタフなトンネルです
トンネル内交差点を曲がって、作家 開高健が愛した奥只見銀山湖へ・・・
そして国道352号線・・・別名樹海ラインと呼ばれる屈指の酷道352号へ・・・
急カーブ、急勾配、洗い越し、落石落木など「酷」を存分に味わえました
夜明けと同時に銀山湖の一源流に到着・・・寒いです
自宅からの走行は900kmを超えました・・・
20年越しの夢・・・広大な銀山湖の源流のひとつに挑戦します
が・・・この地域はプロアングラーや全国から名手が集うトップクラスのエリア・・・
はたして私ごときのウデで銀山イワナは釣れるのでしょうか??
雨模様の天候が味方になってくれることを祈ります
踏み跡を辿って入川・・・地形図からは想像できないほど険しい渓(たに)でした・・・
こいつはかなり厳しいな・・・釣りにならないかもしれない・・・そして予感は的中しました
ゴルジュ(V字峡谷)、滝、そしてまたゴルジュ・・・登攀装備がないのでかなり大変・・・
源流経験のない初心者さんはやめたほうがいい渓です・・・
ここも難儀・・・と思ったら右の崖にロープあります・・・70度程度の斜度なので登れますが
10m以上登るので、たいへんな体力を要する登攀になります
重荷を背負った体を支えられる握力、腕力、脚力・・・
などを登りきるまで持続できるか?がカギになります
登ると樹海を彷徨うことになるので、そこにもコツが要ります・・・
これは20m以上の垂直降下・・・所々オーバーハングもあるので、ルート選びが肝心
帰りは垂直登攀になるので、足がかりを慎重に選んで脳に刻みつけておきます
私は突破できますが、知識と体力に自信のない方はここで撤退しましょう
マジで帰れなくなります・・・
ここで源流遡行、登山、ハイキングなどに有効なアイテムをご紹介・・・
まずは水ですが、水やお茶、ジュースなど飲料水だけの装備はヤバいです・・・
体が攣ったり、酷い時は痙攣して倒れます、マジです
ベストは経口補水液です・・・8時間の徒歩や登攀を見込んで1Lくらい装備します
それに心を落ち着かせるためのコーヒー、お茶などを1L
併せ技で塩タブレット1袋・・・一般的に売られているものでOKです
どちらもチビチビ飲んで、チビチビ食べるのが基本です
生き延びるための食料も重要、カロリーメートなど、軽量な栄養源を多目に準備
荷はかなり重くなるのでアタックザックも必須、安定性や疲労度がぜんぜん違います
アブ、マダニ、ヒル、その他山の危険生物から身を守るスプレーです
草刈、農作業、庭の手入れなど日常作業にも効果的と言えましょう
ディート成分は30%のものが最強・・・コレに触れた蚊?が死んでしまうのを目撃しました
アブは寄ってきますが、すぐに逃げ出します・・・お陰で一度も刺されませんでしたが
水につけた手は危うく刺されそうになったので再びシュッ!でOKでした
最も恐ろしいマダニも着きませんから、性能は素晴らしいものがあります
薬局で売っているものですが、ディート30%がカギになるので成分をよく見て買いましょう
一家にひとつ、クマ鈴です
よく響くもので、音色は2種・・・
これらを盛大に鳴らしながら渓を歩きましたが効果は「??」です
所々にクマの痕跡がある渓でしたので、もしかすると効果あったカモ?です
カウベルは登山用品店で、真鍮鈴はホムセンで買いました
葉っぱにテープがぶら下がっているのがわかります?
迷いそうなところや難所に目印を付けながら登り、帰りに回収していきます
私は養生テープを貼って、必要ならマジックで内容を書き込みます
「ここから登る」「右側ロープ」「右を渡る」という具合ですね
樹海にも貼って迷い込まないようにしています
4時間の遡行で、素手の登攀が不可能な滝に出たと同時に雨が本降りに・・・帰ることにしました
遡行の合間に釣りをしましたが、魚がどこにもいなくて、小物一匹バラして終わり(笑)
宿に行ってわかったのですが、メディアの紹介で登攀装備をした源流釣り師が殺到・・・
魚がいなくなったそうです
帰りの渓下りは2時間かかりましたが、何とか増水前に到着・・・
直後にドシャ降りとなって増水と濁流が始まりました・・・危なかった・・・
道に上がって気付いたのですが、入渓点から少し離れた所に新し目な卒塔婆が・・・
つまり・・・そういう渓であった・・・ということです・・・手を合わせて無事の帰還に感謝しました
車に戻るとヴィヴィオと一緒にクワガタムシが出迎えてくれました(笑)
寒さで少し弱っているので、釣り道具を片付けする間に車内のヒーターで温めてあげると・・・
私の指に噛み付くほど元気になったので、雨の当たらない木に帰してあげました
下山開始・・・残雪を間近に見ながら、次々現れる洗い越しを楽しみながら酷道を下ります
標高は1000m程度なのに残雪が至る所にある、凄いところです
14:00頃の気温は10℃程度で、ヒーター全開です
少し時間があるのでシルバーラインに戻って奥只見ダムを見に行きました
トンネル内の気温は10度を下回り、濃霧が酷くて30km/hの走行です
ダムサイトのお土産屋さんのご主人に地酒の解説を頂いて1本購入
ダムを見て歩きましたが、国内屈指とあって迫力があります
山をぶち抜く長大なシルバーラインを造り、ダムを建設し・・・
60年以上前にどれほどの苦労があったことでしょう?ただただ感動します
今宵は湖畔の銀山平に投宿・・・
開高さんと同じく山小屋に泊まり、温泉で温まり、地産の美味いメシを味わい
酒を片手に、宿を同じくするアングラ―、小屋の主とともに山の釣りについて語り合い・・・
下戸な私は、少しのお酒で幸せな夜を過ごすことができました(笑)
小屋の食堂に魚拓が沢山・・・銀山湖のトローリングで80cmクラスの鱒が釣れるそうですが
小屋のオーナーが今年釣ったニ尺イワナの魚拓には度肝を抜かれました・・・
そんなに珍しいものじゃないよ・・・と、事も無げに話すオーナーに脱帽・・・プロクラスの腕前です
もう一人の常連さんの今日の釣果は50cmのサクラマスで、ここではリリースサイズだそう・・・
なんともスケールのデカい男達ばかりの山小屋です
私の今日の報告は「ボウズ」でしたが、渓の名前と遡り詰めた遡行地点を話すと・・・
オーナー、常連ともに大笑い(笑)
銀山湖周辺の源流で最も厳しい渓だそうで
初見の釣り師がそこまで遡ったのは初めて聞いた・・・とのことです
こんな感じで宴は大いに盛り上がり、大変楽しい夜を過ごせました
銀山湖周辺の渓を知り尽くすオーナーに、地元民も知らない穴場を教えてもらえたので
宴が終わって明日の準備開始・・・私なら遡行難易度は優しいとのことで軽装です
寝る前に温泉を頂いて就寝・・・また雨が降ってきました・・・
(後編に続きます)