今回は、TC1Kにパソコンを持ち込んで、その場でデータを見て、自分の走りを分析したり、えらそうに人にアドバイスしたりしてましたw。
で、
KMYさんのデータも頂いたので、予選のベストラップをベースに解析してみました。
KMYさんといえば、今回はプラクティスベスト、ポールポジション、ホールショット、ファステストラップ、レーストップチェッカーと完全制覇しちゃったのは記憶に新しいところ。一体どんな走りなのか、気になりますよね。
比較対象は、私の予選のベストラップです。
TC1000は約1000mのコースですが、解析にあたり、それを3つのセクターに分けました。
で、ラップタイム、セクタータイム、最高速、最低速度などを比較したのがこちら。
KMYさんのラップは、42.463秒(公式記録は42.452秒)。
kiku106のベストと比較して、0.735秒速いタイムです。
全般的にKMYさんが速いですが、特にセクター2(ヘアピン~複合コーナー)で0.4秒の差がついています。
さらに、最高速は128km (!)、kiku106とは4kmの差があり、最低速度もkiku106が3km遅いです。
一方、KMYさんは、走行距離が1027mで、kiku106より14m多く走っています。距離が長いのに、速い・・・ orz。
いや~すごいですね。同じSタイヤ履いて、1kmで0.7秒の差は脱帽ですw。
まずざっと、速度グラフを見てみると、KMYさん(赤)がコーナー手前の最高速、及びコーナー立ち上がりで、全般に速いことがわかります。
ここからはさらにセクター別に見て行きます。
KMYさんが0.188秒速いセクターです。
1コーナー進入までの加速の角度は双方互角ですが、Aにあるように、KMYさんの方が、減速開始が遅く、その分最高速が伸びています。
次にBのポイントですが、進入速度はKMYさんの方が高いにもかかわらず、減速終了はKMYさんの方が早く、きれいなV字で加速に移っています。
kiku106は、カーブがU字型になっており、減速終了が奥で、加速も鈍くなっています。
これは失敗ですね。加速前に車の向きが変わりきっていなかったと思われます。
次にこのセクターのラインを見てみます。
進入のラインは、ほぼ同じですがKMYさんがややインから。
コーナーの中での幅の使い方はほぼ同じ。
立ち上がりはKMYさんの方がアウト側を使っています。
しかし、
最大の違いはボトムスピードになる地点です(三角形)。
KMYさんのコーナーリング中のボトムスピードは、なんと1個目の縁石の終わり付近です!
これはかなり手前だと思います。
対してkiku106は、ショートカットがある付近で、これは自分のイメージに近いです。しかし、よく見て見ると、減速の始めの方のグラフの角度はKMYさんのと似ています。後半で緩やかな減速が続いているのは、もしかしたら無駄な部分なのかもしれません。
次にセクター2(ヘアピン~複合コーナー~左キンク)。
ここの差が大きく、ここだけでKMYさんに0.421秒の差をつけられています。
驚くのは、それぞれのコーナーでKMYさんの方が減速開始が遅いのに、ボトムスピードに達するのは早く、立ち上がりもするどい点です。
セクターのラインを見てみると、よりそれがはっきりわかります。
KMYさんは徹底して、立ち上がり重視のラインで、ボトムスピードはコーナリング前半にあります。
一般的に、コーナリングのボトム速度と、ステアリングの切り込み度合いは正比例しているので、この辺りで既に車の向きがしっかり変わっているということです。なのでそこからは加速していっても、コーナーをクリアできるわけですね。
対してkiku106は、コーナリングの中間辺りがボトムスピードになっています。
決して突っ込みすぎではないと思うんですが、TC1KはKMYさんの走り方が正解のようですね。
最後のセクター3でもほぼ同じような傾向が出ています。
ココでの差は0.147秒。
より奥からの減速開始、早めにコーナリングボトム速度がくる、立ち上がりの鋭さ。
非常に安定しています。
さらに、コソ練で触れた、最終コーナーの中での中間加速もきっちり行われています。
セクターのラインを見ると、特徴はコーナー中間部でかなり外側までコーナーを使っていることです。
kiku106は小回り目ですね。
さらに中間加速のトップスピード(枠線三角)、コーナーのボトムスピード(塗りつぶし三角)の地点は、KMYさんの方が両方とも手前に来ています。
見事な立ち上がり重視の走りだと言えるでしょう。
さて、もう一点KMYさんのするどい「突っ込み」について見てみました。
加減速のGです(縦G)のグラフです。
一目瞭然、ものすごい減速Gですw。短い時間で減速Gをしっかり立ち上げています。
kiku106の減速Gもラジアルで澤師匠に見てもらったときは「OKレベル」だったんですけど・・・w。
これは多分、
・KMYさんがすごい
・kiku106がSタイヤの減速Gがどこまで使えるか分かってない
のが理由だと思いますが、この減速ができれば、突っ込みすぎにはなりませんね。
走り終わってから、KMYさんと話したんですが、TC1Kは「常に立ち上がり重視」で走っていたそうで、まさにデータからもその意識がしっかり実践されているのがわかります。
いや~あっぱれ。
さすが関東武闘派の頂点に君臨する人だけのことはありますw。
っていうか、ほんとうにテクニックに支えられた走りなんですね。
もちろん、KMYさん独自のセっティングとテクニックの結果なので、kiku106の車のセティングでこれを完全にコピーするのは無理だと思いますが、実に勉強になりました。