![宿命の対決!フレンチTOP2 分析編、AHA FSW本コース その2 宿命の対決!フレンチTOP2 分析編、AHA FSW本コース その2](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/029/381/057/29381057/p1m.jpg?ct=4bdb8420a4bf)
AHA続きます~。
いわずと知れたFSW本コース!
フレンチTOPを掛けて闘った!
その結末や如何に!?
って、まぁ皆もう知ってるんですけどねw。
はい、というわけで僅差の勝敗の中身をLAP+で検証してみましょう。
まず赤コーナー、
ディフェンディングチャンピオン、Peugeot 106 S16、KMYマイスター。
そして、青コーナー、
挑戦者、Renault Megane RS R26.R、rspoert240さん。
resport240さんは、トルセンLSDに、A050 (M)という仕様。300hpをたたき出すモンスターFF。
そして、KMYマイスターはもちLSD、そして前A050(M)、後A050(GS)。ハイカム仕様で150hp。
前回と(ほぼ)同じ6セクター切りでの結果はこちら。
双方 7秒台という接線ながら、rsport240さんが8/100秒KMYさんを上回り、昨年の雪辱を晴らしました。ご本人のFBとか部ログ見ると、笑いが止まらなかったようですww。
対するマイスターは、事あるごとに「次は負けない」といい続けてますww。二人とも面白すぎです(爆)。
さて、タイムの違いを見ると、はっきり車の違いが出ています。
まず最高速(ホームストレート)で20km/hの差があり、セクター別でもストレート長い区間では、respoer240さんがパワーを生かしてKMYさんを引き離します。
逆にコーナーの多いSecot 3, 5はKMYさんが車重の軽さを活かし差をつけます。
そして「マイスター」の称号にふさわしい驚異の100Rを大きな1個のコーナー走りで1.3秒ちぎってます。
興味深いのはSector4。ここはヘアピンから300Rを経て、Bコーナークリップまでのセクターで、普通に考えればrspoert240さん有利。しかしKMYさんが0.2秒速い。
このあたりのデータも詳しく見ていきます。
まずは、全体の速度推移と、旋回半径を見てみましょう。
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/007/529/386/62f7fb11c9.jpg)
横軸は例によって距離です。
ぱっと見て、rsport240さんのトップスピードの伸びが目につきます。
そして300Rもやはりrsport240さんのほうが速そうに見えますね。
後気になるのは、Aコーナー進入。rsport240さんは、旋回半径のデータを見るとちょっと突っ込みすぎか。速度推移もKMYさんに比べややもたつきがあります。
はやる気持ちを押さえ、まずは1コーナー
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/007/529/387/3704e83612.jpg)
上から、速度、縦G(加減速)、旋回半径です。
とりあえずマイスターのブレーキングを再度鑑賞します。ブレーキングポイント(減速開始)を示す三角形を見ると、KMYさんのブレーキsの凄さがよくわかります。
但し、旋回半径の推移を見ると、立ち上がりでやや不規則な半径の変化が見られます。
立ち上がりで前走車を抜いているのか、はたまたステアリングで修正しながら立ち上がっているのか、マイスターの完璧はさらに先にあるようです。
rsport240さんは、1コーナー進入で前走車をパスしてるので、ブレーキングはやや早め、そしてコーナーで少しあまってます。それでも217km/hの最高速は圧倒的。
そしてやや手前にボトムスピードの地点(=最大旋回地点)を持ってきて、きれいにパワーを掛けて立ち上がっています。結果KMYさんより加速に移るのが早いですね。見事なリカバリーです。
続いてAコーナー
ここでrsport240さんはややミスをしたか?速度推移がV字ではなく、U字っぽくなっています。
旋回半径を見ると、U字の右半分でRがきつくなり、かつ右にずれたようになっています。KMYさんは逆に右半分がRがゆるくなっていますね。
これは端的に言えば、コーナー後半で向きが変わりきっていないため、速度をあげられず、ステアを切り込んで旋回を待っている状態だと思います。
三角形は旋回半径がもっとも小さい(きつい)地点を示していますが、rsport240さんの最小半径地点はかなり奥、コーナー立ち上がりにあります。このコーナーは進入で向きを変え終わっているのがセオリーなので結果としてやや突っ込みすぎですね。
このミスは当然100Rの進入速度の低下を招くので、KMYさんとの差が100Rで開く原因のひとつです。
車の特性から、100Rトップスピード地点までで、KMYさんに差をつけたいので、ここは改善の余地ありですね。
さらに100Rへ
マイスターの超絶高速コーナリングの話はもういいでしょうw。
3段目の旋回半径を見ると、見事に100Rを1個のコーナーとして回っているのがわかります。
ライン取りも、rsport240さんと比べても100R入り口での、振り替えし、そしてコーナー後半でのインよりのラインは明確に特徴として出ていますね。
rsport240さんも、実は特徴的な点があります。それは100Rの中で速度に谷が2つできる点。つまり極端に言うと、コーナーを3分割している走り方です。
谷の部分=減速のボトムを見ると、1個目がインベタからミドルに出て行く地点、2個目はコーナー後半でクリップといわれるイン側の退避路のある近く。
旋回半径を見ても、コーナー中で2回Rが変わっています(ステアの切り込み操作)。
セオリーでは減速は1回(コーナー後半のミドルに出たあたり)なんですが、rsport240さんの走り方で、ヘアピンまでの加速が大きく良くなる(=車の特性を活かす)なら、ある意味100Rを捨ててそっち取る考え方もあるかもしれません。但し、クリップ付近での減速は、それまでの加速モメンタムを失うので、パワーが無い車ではやらないほうがいいでしょうね。
続いて300Rです
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/007/530/164/b183a81552.jpg)
これは速度と、横Gを距離軸で見たものです。
rsport240さんは、ヘアピンの立ち上がりで速度が落ちていますが、これは進入で前走車に引っかかった影響が出ています。コーナーのライン取りもやや小さくなってます。
しかし、それでも、このデータを見る限り、rsport240さんに分があるように見えます。
KMYさんの走りの特徴は、ヘアピンの処理とボトム速度の速さ、それと横Gの矢印部分のように、300Rの前半で大きくGを出している、つまり車の向きを早めに低い速度で変え、後半速度が乗った地点では、横Gの出方を少なく抑えている点、それと走行距離の最短化(外側を使っていない)点です。
(KMYさんのBコーナー進入はアウトの前走車をよけているのでかなりイン側のラインになってます)
これは小排気量FFの走り方としては非常に利にかなってますが、トップスピードではもちろんかないません。
この謎の答えは、実は速度と時間の関係にあります。
この図は、上が距離軸、下が時間軸なんです。
おわかりのように、時間軸で見ると、立ち上がりと減速地点でのKMYさんの優位が増している、事がわかります。基本的に速度差がある時、低速で走っているほどタイムに差が出るんです。
つまりKMYさんは比較的速度の低い、コーナー立ち上がり、コーナー進入で速度域が速く、その差がよりタイムの結果に出ている。そしてその差はrsport240さんの高速域での車速での差によるタイム差を上回っているんです。
その結果0.2秒をKMYさんが削り取ってます。
これは天晴れという他ありません。
まぁ、rsport240さんのヘアピンで引っかかりが無ければ、この差は無くなっていると思いますが。
Bコーナー~最終コーナー手前
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/007/530/766/f577ecb279.jpg)
ここはKMYさんが0.4秒ほど速い、通称インフィールド。
まずは、トンでも無いデータを見つけたのでご紹介します。3段目、旋回半径のBコーナー2個目です。
赤い矢印を見て欲しいのですが、普通円を描くはずが最小旋回半径の辺りで「直線」になってます。
ありえませんww。つまり40Rほどの旋回半径のまま数十メーター走ってるわけで、これは多分、4輪ドリフト状態なんでしょうか????こんなデータ初めて見ました。さすがマイスターw。
さて、インフィールド最大の特徴は、rsport240さんとKMYさんのコーナーでのボトムスピード地点の差です(青と赤の矢印、および三角形。)
合計3つのコーナーで、全てKMYさんのほうがボトム地点が手前です。そして速度グラフがきれいなV字であることから、おそらくこのボトム地点が正解です。
rsport240さんの速度グラフを見ると、減速する時のラインが2段階になっています。
そして、縦Gを見ると、コーナーボトムまでで、まず減速Gが立ち上がり、ゆるくなって一端加速に移り、その後0G付近で、再度減速し、その後加速Gが立ち上がる、という工程です。
これはこの3つのコーナーでタイムをつめる余地がまだまだある事を示しています。
(13コーナーは、進入のアウト側に前走車がいるので、その影響もあると思います)
というわけで、プリウスコーナーで詳しく見て見ます。
まず速度推移ですが、KMYさんの方が減速開始が遅いにもかかわらず、ボトムスピードになるのが早く、かつきれいなV字で加速しているのに対し、rspoer240さんは減速が2段で、ボトムがかなり奥にあり、結果として速度推移のラインに「底」ができたような形になっています。
次に、ラインを見て欲しいのですが、KMYさんのラインは大きく外側まで使い、プリウスイン側出口の縁石部分に向かって、ラインが緩やかになっていきますが、rposer240さんは、全体に小回りで、かつ出口付近でRがきつくなっているのがわかるでしょうか。またボトムの地点もKMYさんはかなり手前ですが、rspoert240さんはクリップ付近です。
旋回半径を見ると、rspoert240さんのコーナー後半は、コーナリングで見たようにRが小さくなっており、当然その分速度を落とし、かつステアリングを切り込むという2つの減速動作が必要になっていることがわかります。
その結果、縦Gに図で示したようなラインの差が現れます。赤は減速、加速がV字型ですが、青は歪んだW字になっています。この後半の凹みは、タイム的には立ち上がりの遅れというロスになり、その後に長い加速区間があると、大きなロスになります。
原因ですが、コーナー出口(というか加速開始したい地点)で、車の向きが出口を向いておらず、アクセルを開けるとアンダーが出るため、一度アクセルオフし、ステアを切り対してる事から来るものです。
発生原因は、いくつか考えられ、a) 進入速度が速すぎ向きが変えられない、b) コーナー中でステアリングを切る量が少ない、c) または前加重が足りずステアを切っても向きが変わりにくい、等があげられます。
データを見る限り、rsport240さんの場合は、ややコーナー序盤での速度が高い、ステアの切り出しがやや遅い、初期の切り込み量が少ない点が、KMYさんとの比較での特徴です。
この辺りを改善できれば、インフィールドで0.5秒は削れると思います。
最終コーナー
ここは走り方が異なるコーナーです。
KMYさんは小さいライン取り、早めの減遅開始、手前のボトム地点、そこからゆるやかにステアを戻して横Gを抜きつつ、外側の縁石ぎりぎりまではらんで立ち上がる。
旋回半径を見ると、コーナー序盤でRが大きく変化していますが、おそらく前回に書いた、修正ステアの影響でしょう。本来は点線の用になるハズです。少し減速でロスしているかもしれません。
rsport240さんは、コーナー幅をしっかり使い、前半は大きなRで、後半に向かいRを増しながら旋回、イン側のクリップを意識して、立ち上がりは外側縁石までははらまずです。速度推移はV字に近い形ですが、ボトム地点はもう少し(といっても5m程度)手前でもいいかもしれませんが、きれいにまとまっています。見事ですね。
残念ながら、どちらのラップもクリアラップではなく、このデータだけでは語りつくせない部分もあります。
ぜひお二人には来年の2月といわず、来週にでもスポ走でクリアラップ対決して欲しいものです。
最終コーナーは個人的にも、まだ走り方の正解がいまひとつ見えないコーナーなので、勉強になります。基本的には長~いストレートにつながっているので、立ち上がり重視です。但し上りですから、特に小排気量車としては、ボトム速度は下げたくありません。
で、問題は出口に向かって、rsport240さんの様にゆる~く外側に向かって行ったほうがいいのか、それともKMYさんのように、外に向かって飛んでったw方が良いのか、どっちが加速がいいのか、ですね。
106だとボトム速度優先、つまり旋回R大きめにして、脱出の横Gと加速Gのバランスを微妙に調整して答え見つける方向なんだろうなぁ・・・。
というわけで、ここまでやったからには、今年はライセンスとって、走りこみますよ!
もしかしたら、発展途上の106編に続く・・・かもw。