純エンジン搭載リヤミドカー最終形の1台、アルピーヌA110に乗せてもらいました。
オーナーはみん友の
sekiaiさん、ただでさえすごいスーパーセブンを空力アップデートして乗りこなす、作りも走りもすごい人。去年ホークでお邪魔して以来の2回目。ありがとうございます。
お邪魔したのはA110のハンドリングや作りに興味があるのはもちろんだけど、ホークにのってもらった際のsekiaiさんのコメントがすごく核心をついたものばかりだったから。自分が知識と想像力で補ってる部分を感覚で捉えている。感覚だよりだと間違うこともあるが、クルマの運転においては人の感覚が最重要と言っていい。そう言う風に作ってあるものだし、そう作るのが正解なものだから。
ので、当然最初に運転してもらって、助手席に。タウンスピードの印象はアルミのデッドな硬さのシャシー。鉄は叩くとカンカン鳴るけどアルミはポコポコ。音程低いし残響がない=振動吸収がいい、は、雑味がない。
運動性はさすがリヤミド。マージン取ってもらいながらだけど、ノーズが嫌がる様子がなくて、どこまでも曲がっていけそう。巧いのでしてないけど増し舵しても平気でついてくる。横向かないヨンクなんかにに乗ってると、どこまで曲がって(横向いて)くれるのか限度が見えない。
緩めのカーブなんかバランス良く曲がる。前にエンジンがいて最後には逃げるクルマのそれとはやっぱり全然違う。
ホークもリヤミドだけどそういうとこまで追い込める状態ではない。ただそういう素性はある。ノーズの軽さは大きな武器。
バランスのよさ、は路面の変化やギャップとか、縦の動きがあったときによくわかる。変化が無いわけじゃなく、その程度がわかりやすい。なので予測の範囲でおさまってくれるし、どのへんまでいけるぞ、こっから先はやめとこう、ってのがわかりやすい。
カーブでの軽いジャンプでは、エンジンが動くのがわかるが、それでも乱れない。直4横置きだからマウントは柔らかくしなくちゃいけないのだが、ペンデュラムマウントだからか感じる動きのわりにシャシー挙動への影響が無い。これはいい設計。うん、やっぱり吊った方がいいのかもしれない。
本当にね、けっこうなペースでも涼しく走れます。ブレーキのタッチもいい。
うちのレガシィも工夫してかなりいいけど、ABS付きでこれはさすが。しかもESC型の擬似LSD機能もあるからブレーキの負担も大きいのにそれを感じさせない。追い込んでも変わらない予感がする。
自分で運転してみると、どこにも違和感がないのがすごい。ステアは切れば切った分だけ、過不足も遅れもなく曲がる。ブレーキは踏めば踏んだ分だけ効く。アクセルはモードなりのレスポンスで進む。ギアシフトはしなくていい。しなくていい分だけ全開での繋ぎの一瞬の遅れがわかる。これクラッチダンパーが動いてる感じだな。
車体が小さく感じるのはいいクルマ。ホークはリヤが張り出していてそこは常に気になるというか気にしないといけない。カーブの内側でフロントより先にリヤがキャッツアイを踏むことになる。A110は当然そんなことない。
あり得ない表現なんだけど、A110はターンイン、ブレーキングからステア入れて向き変えていくところがどこまでも速い。どこまでもすいすいとアペックスに着いていけるような印象のクルマ。どこまでも入っていける、そこが速い。
その先は普通だとちょっと怖い。速すぎたりアクセル踏みすぎたらリヤミドは危ない、はずなんだけど、これはバランスが良くてリヤタイヤのグリップ頼みじゃない上にESCやブレーキLSDまである。でも、たぶん無くてもなんとかなる。そんな気がするし、そうなる前にステアフィールや挙動が危なさを適切量で伝えてくる。
例えていうならこれは何気なくトマト切っても全く崩れない名刀のような包丁。
身もつぶれず皮に引っ掛かるようなこともない、なにごともなくすうっと刃が通る。そんな切れ味のいい名刀の道具感。コーナーワークが意識から消えて、進入速度だけはちゃんと読むのがドライバーの仕事。曲げるんじゃなくて、どこまでも曲がるのをきちんと見極めるのが役目。切れる名刀の使い手は切ろうとするんじゃなくてどこまで切るかを決める。過ぎれは自分の足まで切ってしまう。そう、ホークは妖刀、気を抜くと自分の足まで切りに来る。そういう危ないやつ。
リヤミドは速いほどシビアになるけどA110はそこもうまく作ってある。比較的軽いエンジンのおかげで懐が広い。懐が広い名刀って、おかしな表現だけど実際にあるのだからすごい。
これが4WDだとターンインで曲げるのがドライバーのお仕事。感覚と技を総動員し、我慢を重ねて嫌がるノーズを内側に向け、逃げたがるクルマの機嫌をとってアペックスを獲る。そのピンポイントの位置と姿勢を取りアクセルぐっと踏む。そこまでがドライバーの仕事であとはクルマが4輪でどひゃーっと脱出してくれる。
実はA110の後レガシィに乗ってもらい、走ってもらったら久しぶりにそんな感じ思い出した。巧い。A110とあんまり変わらないペースまで追い込んでもらった。
その様子も上げて頂いた。
センターデフはフリーのままだったので脱出はMAXじゃなかったんだけど、自分のレガシィがそんなのだったのを思い出した。
言われてみればこれ1台限りで作り込んでるから、なかなか無いんだね。
リヤミドの究極型とも言えるA110を体感できたのでホークの手入れの方向性の確認ができたし、レガシィも楽しんでもらえたようでなにより。
とても有意義な一日でした。エアコンも効いてたし最高だ。
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dialy | クルマ
Posted at
2024/05/21 22:49:21