
数週間前からパートナーとなったC4ピカソ。
まずは初給油までの500km程度を体験した印象を書き留めておこうと思います。
前回はStatic面からの考察を書きましたので、今回はドライブした感覚を書いてみようと思います。
まずピカソの特徴的なポイントであるシフトレバーの位置への不慣れな感覚が、自分でも笑っちゃうくらいまだギクシャクしています。
往年の名車DSをオマージュしたと言われるコラム上にあるシフトレバーはシンプルで素敵。
ただ、長年乗っていたBMWをはじめとするセンターフロアのシフトレバー位置の癖が完全に染み付いていて、例えばバックする時などは思わずセンターフロアに手を出してシフトレバーを探してしまいます。
特に混んだショッピングモール駐車場での車庫入れ時など、比較的素早く行動しなければならない時に限って、センター位置に手を伸ばし、何もないのに手で空を掴みながら前後に振り"エアーシフトチェンジ"をしてしまいます。
さらに"あ、いけね"とコラムに触れようとしますが、間違えてウインカーレバーを押し引きしてしまうことも未だしばし。
まあこれはメルセデスAクラスの時もよくやってしまった現象なのですが、全ては慣れの問題ですよね。
さて、そのシフトチェンジと言えばEGSの走りに言及しない訳にはいきません。
この手の"マニュアルミッションの2ペダル化"におけるオートマティック走行時の変速タイムラグについては、既にトヨタアイゴのMMTを体験していただけに理解をしていました。
しかしアイゴの時は2ペダルマニュアル走行をしていたので、その変速時のタイムラグに違和感はなかったのですが、この新たなパートナー、ピカソはその心構えを上回る変速の鈍感さ。
それに直面したまず最初の走行時は閉口してしまいました。
10年くらい前に運転したシトロエンC2のセンソドライブにも、数年前に体験したプジョー208のETGにも似た変速ショックは、"フレンチロボタイズ"の特徴なのでしょうか。
(試したことはないのですが、同じフレンチでもルノーのEDCはVWのDSG同様の仕組みで少しはシームレスな感じなのかなーと想像しますが…)
そんなことで、このEGSの変速タイムラグ、あるいは変速ショックには慣れるまでもうしばらく時間がかかりそう。
まあ変速タイミングはだいぶ理解できてきているので、呼吸を合わせたアクセレーションはできるようになってきました。
(EGSと上手に付き合うのはまさにこの"呼吸"をシンクロさせることがポイントなんだと理解)
しかし、"減速→車線変更→加速"なんていう急な加減速の変化などにギアセレクトが追いついていない時の"ガクッ"とした挙動などは未だ少し閉口してしまいます。
さらには、その走りをストレスなく俊敏にしてくれるはずのパドルシフトがまたイマイチ。
まずスイッチの感覚がカチッとしてなく、"ムニッ"っていう曖昧な感じ。
あまり入力している感じがしません。
スポーツカーではないのは承知済みですが、もうちょっと手応えがあっても良いんですけどね。
EGSの印象はまだまだあります。
それは、シフトダウンした際のエンジンブレーキの手応えのなさ。
6速を活用しながら走行中、ちょっとした減速にエンジンブレーキのみでコントロールしたい時などにシフトダウンをしてみますが、感覚的には6→5→4までは殆ど減速の手応えはありません。
設定されたギア比の問題とは知りつつも、ピカソというクルマはこんなものなんだと感覚をアジャスト中です。
…ということで、EGSの感覚にはまだ不慣れな面がたくさんあり、使いこなすにはもうしばらく時間がかかりそうです。
次にエンジンについても少し印象を。
トランスミッションとの組み合わせでドライブの楽しさを発揮してくれるのがこのエンジン性能かと思いますが、こちらはなかなか良いレスポンスかと思っています。
前車BMW2Lディーゼルエンジンがベンチマークとしてしまうと、どうしても瞬発力に物足りなさは当たり前ですが、実は現行型ピカソのディーゼルと比べて雲泥の差があるとまでは言い難いトルク感は、こちらの1.6ターボでも感じることができると感じています。
絶対感覚ではありつつも、特に低中速時は不満ない引っ張り感は得られるし(それよりもEGSの鈍感さに気を取られてしまう状況)、中速からの加速もファミリーカーとしては十分かと思います。
まあ、BMW製のエンジンという烙印に信頼を込めているというイメージ上の印象が強いとも言えますが(笑)
ハンドリングの印象も書いておきましょう。
予想外だったのは、低速でのハンドリングのクイックさ。
意外とキビキビと曲がるではないですか。
まだ左折時の内輪差感覚がシビアに掴めていないのですが、回頭性の良さは気に入りました。
但しまだポテンシャルが見えないのが、中速でのカーブ時の挙動にアンダーステアを感じること。
低速時にはクイックな気がするのに、スピードが出ると曲がらない気がしてしまうのは、単にまだこのクルマのハンドリング特性を理解していないだけでしょうか。
さて、走らせてみてのファーストインプ最後は、乗り心地。
シトロエンの乗り心地への追求はホントに素晴らしいと感じられる体験を与えてくれます。
特に高速道路など安定走行中の乗り心地はとても良く、これは欧州大陸をロングドライブするに相応しいはずだ、と感心しきりです。
しかし一方、街中での急加減速時などは前後へのダイブが大きく、こちらもEGSのレスポンスと組み合わさり嫌な挙動になります。
前はショックアブソーバー、後ろはエアサスという組み合わせのサスペンション構造は、プラスに捉えるとロングドライブに最適、でも個人的にはもう少し硬めでもいいかも。
まあ、長いことBMWのMスポーツサスペンションや、ビルシュタインやK&Wなどの非純正品に慣れていただけに、このピカソの感覚には慣れが必要なのかもしれません。
ということで、Dynamic編については、不慣れな面を含めて、まだまだ体験半ばの印象を長々と書き綴ってしまいました。
思い起こせば、このブログを始めたきっかけであったF30型320dを購入した直後も、それまで体験したことないディーゼルエンジンやボディタイプ(セダン初所有でした)にあれこれ違和感を書いたのを記憶します。
今回は20年ぶりのシトロエンにて人生初のMPVだけに、まだまだ知らないことだらけ。
これからこのピカソとマイレージを共にする中で、様々な特徴を味わっていきたいと思います。