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2021年06月11日 イイね!

エアコン調査

アイドリングや低速走行なら効いているが
流れに乗って走り出すと、効かなくなるQPのエアコン。
どうもマグネットクラッチが滑っているのでは?と言う仮説で調査開始。

その前に理科のお勉強。(笑

マグネットクラッチは、様は電磁石。コイルに電気を流すと磁力が発生、
ACベルトで廻っているプーリーとコンプレッサーのシャフトに繋がるクラッチカバーがくっついてコンプレッサーが廻りだすという仕組み。
ACスイッチOFFの状態

ACスイッチONの状態

赤丸の部分、隙間が違いますね。
でこの電磁石、いろいろ要素はありますが、
某ACコンプリビルト業者によると、概ね流れる電流(A)は4Aとのこと。

サービスマニュアルには電圧12Vと電力44Wの記載があります。
電力W÷電圧Vで電流Aが解ります。
44÷12=3.6666Aと出ます。
でこのコイル、細いエナメル線をグルグル巻きにする(5~60m位になります)わけですから、当然抵抗が発生します。
抵抗Ωは電圧V÷電流Aで計算できます。
12÷3.66666=3.272727Ω

抵抗は温度によって変化する(データは20℃が前提)ので、
冷間時と暖気後では電流も変わるし、アイドリングと高速走行では
発生電圧も変わりますから
前出のリビルト業者によると概ね3~4Ωあればいいそうです。

この電磁石、電流Aが大きければ大きいほど磁力は強くなるそうです。
つまり電圧が一定ならば抵抗が小さいほうが強力にくっつくわけです。
ただし、流れる電流が多くなると温度上昇も大きくなるとのこと。
で温度が上がると抵抗が増えるので、電流が下がり磁力が低下。
電流が下がればは温度が下がるので抵抗も下がり
電流が増えて磁力も強くなる・・・
この繰り返しらしいですね。
通電時間が長く、高温になる場合は、磁力が小さくなっても抵抗値が大きくなる方がいいらしいです。
エアコンを使う時は夏場、入れっぱなしですよね。
このバランスがマグネットコイル設計の肝らしいです。
他にもインダクタンスとか長岡係数とか出てきますが
計算式を見るとsin、cos、tanなんていう三角関数が出てきて
頭痛くなってきたので、まぁ、この辺で。

で、実機で計測することにします。
ACコンプのリレーはエンジンルーム右のLLCリザーバータンクの横にある
カバーの下にあります。

リレーの上にある手書きの数字のうち、4番がそれです。

5極リレーの端子です。メーカーはボッシュ、
   ー 87
|  ー 87 |
86  |   85
   30
こういう並びで、小さく数字が入っています。
30はバッテリーからの直電源、
87はマグネットクラッチへ行っています。
85と86はACスイッチとアースに繋がっています。
ACスイッチが入ると85に12Vを印加(通電することをこう言うそうです)すると
リレーの中のコイルに磁力が発生し、
87に繋がる稼働鉄片を引き寄せ、30の接点と接することで
マグネットコイルに印加され、クラッチが接続されコンプレッサーが廻る
というわけです。
このリレーが刺さっているコネクターとボディアースで
コイルの抵抗値が解ります。

真ん中の87は端子が無いですね。ここに端子を入れれば
コンプクラッチの状態を室内でモニターできますね。
まぁ、音で分かるんですけど。
で上側の87にテスターリードを入れて測るんですが、
何故か12.02という数字が出ます。
抵抗値が12Ω?ってことは電流はほとんど1A、磁力は1/4じゃん!
なんか変だなぁと4か所の端子を順に測ってみると

何のことは無い、87に常時電源、30にマグネットクラッチが繋がっていることが判明。
このリレーの数字、30 85 86 87 は世界共通らしく、
どこのメーカーでも30には直電源が繋がっていると書かれています。
単にイタリア人の気まぐれか、右フロントを修理した業者が間違えたか。
今となっては闇の中ですね。(苦笑
ネットの情報を探ると、唯一
「30と87は逆でも良い、セキュリティを加える場合はその方が都合が良い」
と書かれているのを発見、後半読んでて頭痛くなったので途中でやめましたが
自分さえ分かっていればいいかなぁと。
まぁ、端子入れ替えれば良いんですが。
問題があるとしたら、リレー内部の接点が焼けやすくなるとか
その程度でしょうから、売るほどあるリレーを入れ替えればいいかな?と。

で本来は12vが来ているはずの30端子で抵抗値を測ってみると

4.3Ωありますね。
6年前にDIYでコイルを巻き直した時は4.3Ωだったので、殆ど劣化してないですね。
あまり当てにならないメーターナセルの電圧計で見ると

14Vあるんで計算してみると、14V÷4.3Ω=3.255Aで出ます。
ちょっと電流値が低めですが、大きく外れているわけでも無いですね。
電動ファンが廻ると13V付近にまで下がるので
13V÷4.3Ω=3.023Aとギリギリですね。
どうやらマグネットコイル、作り直した方が良さそうです。
幸い、2個作った残りのエナメル線、AIW(ポリアミドイミド線)0.7㎜は
半分以上残っているので、余裕であと2個は作れます。
確か前回作った4.3Ω仕様は、34巻×10段だったはず。
随分前、いろいろ参考にさせていただいていたマセラティ222SE乗りの方のHPに
マグネットコイル交換の情報があって、リビルド品の抵抗値が3.7Ωだったとの記載があるのを発見、それに倣って
29巻×10段なら。それくらいの抵抗値になるかなぁと。
ただこのコイル、巻くのは1日で出来ますが、周りを固める絶縁ワニスが
中々硬化しないので、しばらくかかりそうです。

そう言えば、本当にクラッチが滑っているのかという問題ですが、
2017年の6月に撮影した動画ですが

電動ファンが廻ると、ゲージの針が下がっていくのが解ります。
止まると、また徐々に上昇するという繰り返しですが、
この間、クラッチプレートは廻ったままなんですよね。
ACをOFFにすると、途端に止まるのに。
電動ファンが廻るほどの温度と、電気食われての電圧降下で
クラッチの磁力低下からスリップするのかなぁと、推測されます。
何とかスリップするのを確認できないか、思案してましたが
電動ファンが廻ってゲージが下がった時の
クラッチプレートの回転数変化が解ればスリップ確定ではないでしょうか。
さいわい、非接触タコメーターがあるので

これで測ってみましょう。

付属の反射テープを張り付け、赤いレーザー光を照射すると
リアルタイムで回転数が出てきます。
クランクが1000rpmの時、コンププーリーは1170rpm、
マニフォールドゲージを接続して、指針が下がっていくときに
回転数を測ればスリップしているかが判るんではないかと。

と、ここで時間切れ。続きはまた明日にでも。
因みにプーリーとクラッチプレートのクリアランス、

0.5㎜~1㎜が正常らしいですが、1.2㎜のシックネスゲージが入ります。
この辺も影響しているのかもしれません。
クリアランス調整のためのシムが1㎜と0.55㎜が各1枚、0.45㎜が2枚入っていたはずなので、0.45か0.55を1枚抜くと良いのかも。
どちらにしてもまずはクラッチスリップの証拠を。。。。
Posted at 2021/06/12 09:17:26 | コメント(1) | トラックバック(0) | クアトロポルテ | クルマ

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