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2024年07月06日 イイね!

プロの感想 ~蘇武喜和プロの場合 その④~

プロの感想 ~蘇武喜和プロの場合 その④~4月に,筑波サーキットのサーキットアドバイザーでお馴染み蘇武喜和さんに日光でEF8に乗って頂いたのですが,その際「フロントのバネレートが足りない」とご指摘頂きました.

私は「レートは低く・減衰は高く」が好みなので,レート指定で買った車高調のバネをわざわざ低いものに交換するほどなのですが,20キロ台のハイレートなEF8勢が快進撃を続けている様を見ると「さすがに上げないとダメかな?」と思い始めたので,まずは前後共に12→14キロに上げてみる事にしました.

レートアップ後の印象としては「確実に限界は上がっている感触はあるものの,やや動きが神経質で,上手く性能を引き出せない」と,こんな感じで私自身の力量不足を強く痛感させられましたため,「前回の宿題に対する回答」という意味を含めて,再び蘇武さんに乗って頂く事にしました.


まずは走行中の模様から.



相変わらずのウルトラスムースなドライビング! 私には,これだけゆっくりとした・ジワッとした動きを作り出せないので,ペダルとステアリングの操作の仕方を後で何度も繰返し勉強させて頂こうと思います.


そして,本題の感想(コメント)です.



蘇武さん :クルマの状態としては前に比べると大分良くなっていますね.
蘇武さん :強いて言えば,ブレーキの抜きの部分.
蘇武さん :転がし気味に入ると,戻り(反発)が強い感じで,フロントが抜け気味になるんですよね.
蘇武さん :前(フロント荷重)を残したまま入っていったところで,ちょっと戻っちゃう.
蘇武さん :それが勿体ないかなぁ~と思いました.

蘇武さん :それ以外は減衰のバランスとかも良いです.
蘇武さん :ただ,ちゃんと奥まで荷重を残した状態で入っていかないと,荷重が戻ってアンダーステアになっちゃう.
蘇武さん :そこの調整が難しい感じ.
私     :その領域を私はまだ使い切れいない気がしていて,限界が上がった分の奥まで行けてない感じです.
蘇武さん :そうですよねぇ.フロントの反発が弱められるといいなぁ~と思いました.

私     :今,フロントは中反発が入っているのですよ(↓).



私     :コレ,低反発にすると良くなりますかね?
蘇武さん :あ~,低反発でも良いかもしれませんね.
私     :(おっ,そっちの方向性かぁ~)分かりました.
蘇武さん :このレートだったら,そっちの方向性な気がします.




蘇武さん :あと,大分細かい話になっちゃうんですけど.
蘇武さん :デフの巻き込んで行くスピードが速くて,内側が押されちゃう.
蘇武さん :アクセルを入れた瞬間に,グッ!とアンダーステア方向になっちゃう.
私     :(あ!アレか・・・)ハイハイ.
私     :それは,デフのカム角を緩める方向にすれば良いですか?
蘇武さん :デフは何を使っているんですか?
私     :CUSCO(Type-RS)の1wayで,ジムカーナ用のイニシャルトルクが高めのヤツを使っています.
蘇武さん :ああ,やっぱり! イニシャルをちょっと落とせると良いかもしれない.
私     :ただ,もう大分ヘタっているんで,イニシャルは3キロを切っているとは思うのですが・・・.
蘇武さん :はいはい.そうすると・・・スプリングは何本入れてます?
私     :(確かフル=12本だった気がするけど,いい加減な事は言いたくないので)確認してないですね.
蘇武さん :もしかしたらスプリングの本数が多いのかもしれない.抜いた方が良いかも?
蘇武さん :もしくは,プレートにスリットが入っているヤツを使っているのかも・・・.

~と話が難しくなってきたところで時間切れ.蘇武さんは次の同乗に向かわないといけなくなったので,最後に1つだけ追いすがって質問.

私     :内側が押されちゃう現象は,トー角のせいではないんですよね?
蘇武さん :アクセルを入れた瞬間なので,トー角ではないですね.


うわぁ~,やっぱりあの動きか.ブレーキングで前傾姿勢を作って,リアが浮いてスライドが始めった瞬間に,スライドを止めようとほんの少しだけアクセルを開けた瞬間に,フロントが逃げてドアンダーに転じるヤツ!



コレ,リアをリフトさせ過ぎ・スライド止めるアクセル操作が雑過ぎで,私のドライビングが下手なせいだとずーっと思っていたのですが,デフのせいでもあったのか・・・.1wayでこれを解消するのは無理で,直したかったら1.5wayにするしかないんだろうなぁ~と諦めていたのですが(1.5wayは進入で邪魔になるのでやりたくない),1wayでも直す方法があるのか・・・.確かにあの動きが起きている時に,アンダーステアが出ないクルマに仕上げられたらメチャクチャ速くなるだろうなぁ~.そして何より運転していて楽しい!のは間違いない.

うっわ,「起きてる事」と「直したい事」は理解出来るけど,コレどうやって直せば良いんだ? このレベルのデフのセットアップに関してノウハウ持っているトコって限られるぞ.そして何より,この症状を言語化するのって滅茶苦茶ハードルが高いし・・・.うわーっ,困った.

(´-ω-`) コイツハコマッタ…

といった感じで,前回の宿題の回答を持って行ったら,更に難しい宿題を渡される形となっちゃいました(苦笑).
ま,こういうのが楽しいんですけど! そのためにプロに乗って頂いているんで貴重なフィードバックで嬉しいんですけど! はてさて,どうしましょう?(笑)


ま,一朝一夕で答えが出るものでもないので対策の話は今後考えるとして,今回は最後に,蘇武さんにご指摘頂いた現象が起きていると思わしき箇所の車載を切り抜いて残しておきます.蘇武さんが仰っている事を私が正しく理解していると願って・・・(汗).

【問題①:ブレーキを抜く領域で,反発してフロントが抜ける】


【問題②:アクセルでスライドを止めようとすると,デフが早く噛み込んでアンダー】



以上,プロの感想でした.

気温30℃を超える過酷な条件の中,延々と色んなクルマに乗り続けた後に,面倒なネタを持って来たクルマに乗って頂き有難う御座いました.乗って頂く度に新たな発見や気づきが得られて本当に有難いです.やれはやるほど・聞けば聞くほど「まだこんな知らない世界(領域)もあったんだ!」というのがやっぱり楽しいですし,自分の思い込みを解消する事も出来て本当に感謝です.

蘇武さん,今回も貴重なアドバイス有難う御座いました! <(_ _)>
今回頂いた宿題も何とかこなして戻ってこようと思いますので,その際はまた乗って頂けると助かります!
Posted at 2024/07/07 20:43:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | プロの感想 | 日記
2024年07月03日 イイね!

2wayダンパーのお勉強

2wayダンパーのお勉強ピッチング方向とロール方向を分けてセットする手立てが必要となってきそう」という事で,ダンパーの伸び側と縮み側を別々にセッティングしたくなってきたので,2wayダンパーに関してお勉強してみる事にしました.

まず,「2way」とはなんぞや?というとダンパーの減衰力の調整代が2つある,という意味だそうです.ダンパーは伸びたり・縮んだりする代物なのはイメージ出来ると思いますが,この「伸び」と「縮み」のそれぞれで2つという事ですね.



プロユース(レーシングカー用)ともなると,更に「低速」「高速」の2段階に分かれるそうで,調整可能な部分を纏めるとこんな感じだそうです(↓).

  1way ・・・ 伸び側のみ
  2way ・・・ 伸び側 + 縮み側
  3way ・・・ 伸び側 + 縮み側 + 縮み側(低速)
  4way ・・・ 伸び側(高速/低速)+ 伸び側(高速/低速)

大半のダンパーは「1way」ですが,減衰調整といっても実は「伸び側」の減衰しか調整出来ないそうです.
(一部「縮み側」も若干変わる製品もあるそうですが)

なお,ここで言っている「低速」「高速」はダンパー内のピストンスピードの事を指しており,こんなイメージ(↓)になるのだそうです.


(Motor Fan illustrated Vol.12:ダンパーのテクノロジーより)

コース上で実際に使っているのは0.1~0.3m/sくらいの低速領域で,1.0m/sくらいの高速領域は縁石にガツン!と乗り上げるようなシーンしかないそうです.このため,サーキットユースでは「低速」「高速」というより,「低速」「微低速」くらいの棲み分けで,本当の意味で「高速」が必要となるのはジャンプ後の着地(↓)の衝撃を吸収しないといけないラリーユースのようです.



ちなみに,この着地みたいな急激な動きを吸収するために,減衰力を一気に弱めるる機構を「ブローオフ(Blow off)」と言うそうで,特性としてはこんな感じ(↓)だそうです.


(ダンパー講座:第74回 ブローオフより)


さて,「2way」の概念が理解出来たところで,次は構造です.


(ダンパー講座:第7回 ダンパーとしての最小構成要素より)

一般的な「1way(図の左側)」ダンパーの構造は,最上部に「ロッド(灰色の棒)」があり,「ロッド」の先に「ピストン(Piston)」が付いていて,この「ピストン」がオイル(水色)で満たされた「シェルケース」内を上下します.この「ピストン」には穴が空いていており,オイル内を上下しようとするとこの穴で抵抗が生じるため,これが「減衰力」となります.なお,オイルで満たされた「シェルケース」内に「ロッド」が侵入すると,「ロッド」の体積の分だけオイルが押し出さないといけませんが,そのオイルが押された圧力は一番下の「ガス(Gas)室」に伝わり,この「ガス室」内は気体なので圧縮して縮む事が出来るため,「ガス室」の容積が小さくなる事でオイルの逃げ場を作り,辻褄を合わせる構造となっているそうです.

一方,「2way(図の右側)」は,最後に出てきた「ガス室」が「シェルケース」の外(別体タンク)に追いやられているのが特徴です.「シェルケース」と「別体タンク」は繋がっているので,「1way」と同じようにオイルの行き来があるのですが,ご覧の通りU字に折れ曲がったような形となるため,「1way」と比べるとダンパー本体の長さは短くなります.これは言い替えると「1wayのガス室があったスペースの分だけロッドを長く出来る」という事でもあるので,決められた長さの中でダンパーストロークを稼ぎたい場合に「2way(厳密には別体タンク式)」は効果的という話になります.そして,この「ロッド」とは別の位置に「別体タンク」があるおかげで「2way」が実現出来ているようです.


「1way」の場合は,「ロッド」の中に「ニードル(Needle)」という調整機構があり,この「ニードル」の高さを変える事によってオイルが通る穴の大きさを変えて,減衰力を変更しています(↓).


(ダンパー講座:第21回 低速減衰力アジャスターより)

「2way」の場合は,この「1way」の機構に加えて,「別体タンク」側にも「ピストン」を設け,ここにも同様のニードルによる調整機構を設ける事で,縮み側の減衰力を調整出来るようになっているそうです(↓).


(ダンパー講座:第22回 低速減衰力アジャスター、バンプより)

ちなみに「3way」の場合は,オイルの流路が上下に別れるような複雑な形状をしているようですね(↓).


(ダンパー講座:第24回 高速域減衰力アジャスター、 バンプより)

なお,Aragostaの3wayである「TYPE-SS」は,どこにこの調整ノブがあるのかな?と思い調べてみたら,こんな感じでの2段階調整ノブでした(↓).




以上,2wayダンパーのお勉強でした.

「やれる事が広がる」という事は,それだけ「迷路に迷い込む」という事でもあるので,「2way」のデメリットとしてはそれが挙げられそうですね.また,物理的に「別体タンク」という物体が増える事になるので,重量増を懸念される方もいるそうですが,ショップで聞いてみたところ「気にするほど重くない」との事.それよりもブレーキ等の熱源から「ガス室」とオイルを引き離す事が出来るメリットの方が大きいとの事でした.

あと最大の問題点は価格ですかね(苦笑).これだけ複雑な構造をしているので当然と言えば当然なのですが「1way」の倍近い値段・・・.「そこまでの金額を投資してレートを上げる意味があったのか?」と後悔しないように投入の是非は慎重に考えようと思います.
2024年07月02日 イイね!

リフト量の皮算用

リフト量の皮算用先日のTC1000でのテスト結果から,リアスプリングのレートを12キロ→14キロに上げた事でクルマがインリフトし易い特性になったようです(まぁ,こうなるだろうとは思ってはいましたが・・・苦笑).

こうなると,バネレートを2キロ上げた事でリアのリバウンドストロークは一体いくつ減ったんだ?と気になってくるので,簡単に試算してみる事にしました.


まず,私のEF8のリアの軸重は337kg(大分古いデータなので今はもっと重い気もしますが)なので,1輪当たりに掛かる荷重は,

  337kg / 2 = 168.5kg

次いで,リアのレバー比を1.23と仮定すると,

  168.5 × 1.23 = 207.2kg

ここから,各レートでの縮み代を求めてみると,



  12キロ ⇒ 207.2 / 12 = 17.2mm
  14キロ ⇒ 207.2 / 14 = 14.8mm (-2.4mm)

という事で約2.4mm短くなったようです.たった2.4mm・・・と思いたくなりますが,ダンパーの1ターン分が約3mmなのでそれなりですかね.


現在のリアで使っているスプリングは7インチ≒178mm なので,1G状態での長さは,



  178 - 14.8 = 163.2mm

同じくリアダンパーは以下(↓)のような設計となっていますから,



車高30mmダウンを許容限界として設計されていると仮定すると,

  196 - 30 =166mm

となり,ほぼ1G状態の長さ=ダンパーの有効ストロークですね.厳密には2.8mm調整代が残っていますが,1ターン分(3mm)も残っていないので使い切っていると考えて良いでしょう.これではヘルパースプリングを入れてリバウンドストロークを稼ぐ,といった手も使えなさそうです.


となると,次レートアップした時はスプリング長を6インチ(152mm)化するしかない訳なのですが,その場合,

  16キロ ⇒ 207.2 / 16 = 12.95mm
  152 - 12.95 = 139.05mm (-24.15mm)

といった試算から,現状より25mm近くリバウンドストロークが減る事になるので,かなーりインリフトに苦しまされそうな未来が見えます・・・.リアのレートを上げる時はフロントのレートも一緒に上げる事になるので,額面通り25mmインリフトするとは思っていませんが,いずれにせよ,次のレートアップは少し慎重に進めた方が良さそうです.


そういう訳で,当面の間は今の仕様のままとなりそうなのですが,暑い時期はともかく,冬になるとダンパーオイルが固くなってインリフトが助長される懸念もあるため,もう少し細かく減衰のセット出しをしておこうと思うのですが,ここで1つ最近よく分からなくなっている事があります.

それは,「リアのリフト量を減らしたい」と思った時に,減衰力は上げるべきなのか? 下げるべきなのか?



「上げるべき」の考え方は,「リアの減衰力が低いとダンパーが伸びる速度が速くなり,リアの浮き上がりに対する抵抗成分がないため,リフトを助長させる(だから,減衰力は上げるべき!)」というもの.

一方,「下げるべき」の考え方は,「フロントが沈んでリアが持ち上げられた時に,リアの減衰力が高いとダンパーが伸びるのが遅くなり,リフトを助長する(だから,減衰力は下げるべき!)」というもの.

何となく「リフト」という現象に対して,リアを軸にして考えるか? フロントを軸にして考えるか?の違いな気もしなくはないのですが,どちらも言っている事は正しいように思えるので悩ましいです.


個人的には,FF車である以上,重たいフロントを軸にして考えるべきかな?と思っていて,「フロントが沈むから,リアが浮くんだ」説の方が納得感があります.なので,どちらかと言えばインリフトで困ったら「減衰力は下げる」方向でアジャストする事が多いです.

とは言いつつ,これもケース・バイ・ケースなんじゃないか?と最近思っていて,



例えば,リアが伸び切った状態でもタイヤがまだギリギリ地面に接地している場合(図の左側),一応接地はしているので,減衰力を下げて伸び易くする事にはあまり効果がなく,逆に減衰力を上げてダンパーを伸びにくくした方が前傾姿勢は弱まる気がします.

一方,リアが伸び切った状態でタイヤが完全に浮いてしまう場合(図の右側),これはもう浮いてしまっているので伸びの速さ云々は関係なく,如何にしてこの「浮いている時間」を減らせるか?が焦点になる気がします.となると,減衰力を下げてダンパーを伸び易くした方が「浮いている時間」が相対的に減る気もします.

という事で,減衰力を上げるか? 下げるか?は,リアが伸び切った状態でタイヤが浮くか? 浮かないか?がポイントになる気がしているのですが,これは一体どうやって見極めれば良いんだろう・・・?と頭を抱えています(笑).


(先日こもりん.さんに撮って頂いた画像を見ると,ちょっとした操作の違いで,浮く・浮かないがあるようですしね・・・)


以上,リフト量の皮算用でした.

現状のセットでも既にリアはリフトし掛かっているので,次のレートアップは慎重に進めようと思うのですが,皮算用した結果,「完全に浮く」方向になるのだとすると,リアの減衰力はもっと下げる必要がありそうです.ただ,そうするとピッチング方向はともかく,ロール方向が不安定になるのであんまり嬉しくないなぁ~とも思っています.

次は,ピッチング方向とロール方向を分けてセットする手立てが必要になってくるのかもしれませんね・・・.


【'24.07.14追記】
リアをジャッキアップしてリフト状態を再現し,1G状態の車高と比較した結果以下でした.

  0G ・・・ 168mm
  1G ・・・ 151mm (-17mm)

17mmのダウン量から逆算すると,

  17 × 14 = 238kg
  238 / 1.23 = 193.49kg ≒ 194kg
  194 × 2 = 388kg

となるので,やっぱり重くなってますかね・・・(泣).
2024年07月01日 イイね!

リアレートアップの効果確認

リアレートアップの効果確認タイムを出すのに苦労した事もあり,イマイチしっくり来なかった先日のTC1000ですが,リアスプリングのレートアップ(12キロ→14キロ)で良くなっている部分もある事はあるので,一応ロガーデータで比較しておこうと思います.

まずはコンディションの確認.

  前回 ・・・ 気圧:1014.5hPa  気温:20.8℃  湿度:67%
  今回 ・・・ 気圧:1004.8hPa  気温:27.8℃  湿度:74%

今回の方が気圧が10hPa低く,気温も7℃高いため,大体2%(≒3.6PS)くらいパワーダウンしていたようです.懸念となっていた湿度に関してはお昼ごろだと74%程度まで下がっていたので,それほど差はなく,これが午前最後の枠で41秒台に入れられた理由なんじゃないかと思います.


続いて,サンプルとなるデータは以下の通り.

【前回(41.648)】


【今回(41.938)】


先月作ったTC1000のタイムマップ(↓)に当て嵌めてみると,



過去実績で0.6秒くらい落ちそうなところを,0.3秒落ちに留めているようなので少しは速くなっているのかも??


それでは材料が揃ったところで,ロガーデータを見てみましょう(緑:前回 青:今回).



上が車速,下がタイム差ですが,コースの前半部分(ヘアピンまで)はほぼ互角で,コースの後半部分(インフィールド立ち上がり以降)で一気に引き離されて0.3秒の差がついたようです.インフィールドの立ち上がり以降はこのコース一番のパワーセクションでもありますので,やはり2%のパワーダウンの影響が大きいのかな?と思いました.実際,各コーナーの終端速度を見ると,軒並み今回(青)の方が低いですし,それを裏付けているようにも思えるのですが,そんな中で唯一前回(緑)と同等の車速に達しているヘアピン進入が注目点となりそうです.


では,細かく見ていきます.

1~2コーナー



1コーナー進入(1つ目の赤丸)の速度は前回(緑)よりも3km/h低く,やはりコンディション差によるパワーダウンが顕著なようです.気になるのはその次の2つ目の赤丸の部分.今回(青)の方が僅かに速度低下が鈍っており(=ブレーキ踏力を緩めている),これはどこなのか?と車載で確認してみたところ1コーナーの縁石に入る手前でした(↓).



ステアリング操作を見ると,ここでほんの僅かながら舵角を戻している(カウンターを当てている)ので,リアが流れ過ぎたのを感じてブレーキの踏力を抜き,リアに荷重を戻そうとした結果だと分かります.つまり,進入速度が3km/hも低い状況でブレーキングしているにも関わらず,リアが出そうになっている(インリフトし掛けている)という事で,バネレートアップによってリバウンドストロークが減り,それが挙動に影響を及ぼしている事が確認出来ます.

ただ,そこから先,1コーナーのエイペックスを抜けて加速体勢に移ると,アクセル踏み始めの初期はクルマが多少暴れてはいますが(3つ目の赤丸),タイヤのグリップに余力が出てくると一直線に加速していくので(最後の赤丸),コーナリングスピードは確実に今回(青)の方が速そうです.これがこの先のヘアピンで前回(緑)と同等の速度を出せている要因と思われます.


ヘアピン
前回(緑)と同等の進入速度でブレーキングを開始し,ボトムスピードもラインも同等であるため,ロガーデータ上はヘアピンは何も変わっていないように思えるのですが,減速の過程を見てみると,僅かながら今回(青)の方が減速度が大きい事が確認出来ました(↓).





乗っている時も「ヘアピンで止まらないなー」という感覚があったので,ブレーキ踏力を緩められなかったのは事実で,実際に止まっていない事も確認出来ました.この要因として思いつくのは,レートアップによるリバウンドストロークの減少で,リアタイヤが浮き気味になって(↓),トータルの制動力が落ちているため止まらないんだろうと思います.



じゃあ,ヘアピンではリアのレートアップはデメリットなのか?というとそんな事はなく,立ち上がりで前回(赤)よりも小回り出来ています(↓).



先述の通り,進入のライン取りは同じ,ボトムスピードは同じであるのに,立ち上がりで小回り出来ている(アンダーステアが出ない)というのは,リアのレートアップによって後傾姿勢が抑えられているためと思われ(↓),



立ち上がりを重視するなら,やはりこちらの方向なんだろうと思います.


インフィールド
ここは今回の変更でとにかくよく曲がるようになりました.ロガーデータを見てみても,



進入速度が若干低いですが(左側の赤丸),ボトムスピードは2km/h上がっており(右側の赤丸),何よりアクセルを開け始めた初期でクルマが横に流れる事なく,しっかりとトラクションが掛かって前に進んでいる点が素晴らしいです.それなのに,この先のバックストレートで前回(緑)から遅れをとってしまっているのが悲しい点で,もうちょっと気圧の高い条件で再度確認してみたいところですね・・・.



ちなみに,前回のブログで「スピン覚悟の万歳アタック(気合と根性)」と言いましたがそれがちょうどこの部分を指していて,ボトムを2km/h上げるためには横Gが「1.1」を超える状態をずーっとキープしてコーナリングする必要がありました(↓).



正直これだけキープし続けるとあんまり生きた心地がしないので(苦笑),「もう一回やれ!」と言われても正直やりたくないコーナリングなのですが,このレートでタイムを出すためには,ここまで追い込まないとダメなんでしょうね.まぁ,確かに前後共にレートが上がったおかげで,過去にこのコーナリングにチャレンジした時よりはクルマの姿勢は安定していてコントロールし易かった(=ムリが効いた)のですが,それでもここぞの1発を狙う時以外はやりたくないなぁ・・・と内心では思います.


左高速コーナー



ここは先述の通り,パワーダウンで全然車速が伸びていない訳なのですが,左高速コーナーで横Gが前回(緑)よりも高い値を示しているのに(↓),



ライン的には,まるで切り遅れたのようにアンダーステアが出ているという(↓),



ちょっと不可解な現象が起きています.横Gが出ているという事は旋回速度が上がっていそうですが実際の車速は低く,車速が低いならアンダーステアも出ないだろうと思いきやラインは膨らんでいる・・・という,よく分からないデータです.考えられるのは横Gが大き過ぎてフロントタイヤが限界を超えてしまっている事くらいですが,この舵角(↓)でそれが起きるかなぁ~?



ここは,次回タイヤを新品にして再チェックですかね.


最終複合
ここはレートアップで姿勢変化が減少したので,アクセルOFFだけでクルマを曲げるのがより一層苦労するようになったのですが,その分より定常円旋回に近い状況となり,ボトムの位置を奥にする事が出来たようです(↓).



ただノーズのダイブ量が少ないので,最終コーナー立ち上がりでアンダーステアを出さないようにアクセルコントロールするのに,より神経を使うようになってしまったので,タイヤ任せに走らざるを得なくなっちゃったかなぁ~?とも思いました.

なお,今回のレートアップと因果関係があるのかよく分かりませんが,洗濯板手間で3→2速にヒール&トゥでシフトダウンして,クラッチを繋いだ瞬間の回転数がなぜか毎回ビシッ!と合うようになってしまいました(苦笑).



あまりにも回転数がピッタリ合い過ぎて,ショックも回転変動も一切感じないため,走行中は「アレッ? シフト抜けた?? ミスった???」と心配になってコーナリング中に左手でシフトの入り具合を確認してしまう程でした(笑).レートアップでロール量が減り,ミッションが動きづらくなって入りが良くなったのなら嬉しいですが,単にこの日のエンジンの吹け上がりの鈍さで,たまたま回転が合っただけの可能性もあるので,これも後日再チェックとしたいと思います.


以上,リアレートアップの効果確認でした.



纏めると,

  ・高速コーナー等の横Gがずっと掛かっている状態等で旋回速度が上がっている
  ・フロントのみレートアップした時の立ち上がり(Exit領域)で出るアンダーステアは消えた
  ・その反面,コーナー進入時(Entry領域)でリアがインリフトしやすくなり,オーバーステア傾向になっている
  ・コーナー中間域(Middle領域)の姿勢は安定しているのでコントロール性は良い
  ・但し,今現在のレート/エンジンパワーであれば~の話.この先は心配・・・
  ・冬場の冷えたリアタイヤだと,かなりピーキーで辛いかも?(→ウェット路面でテストしたい)
  ・リアタイヤの内圧調整でこのピーキーさを消せるか?が今後のカギとなりそう

・・・といった感じでしょうか.あと直接関係があるのか分かりませんが,ここのところ計測1ではなく計測2がベストラップになる事が多いので,もしかしたらレートアップによってフロントタイヤへの負荷が減って,少しウォームアップが悪くなっている可能性もありそうです.まぁ,単純にレートアップした事でコントロールの難易度が上がって,私の腕がそれについていけてないだけかもしれませんが(笑).



いずれにせよ,次回は新品タイヤなのでこれでバランスがどうなるか? クルマはより腕の差が出易い方向に進んだので,チャンスがあればまたプロに乗って頂いて感想を聞いてみたいところですね.

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何シテル?   09/13 21:09
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