
当時レーシングドライバー並みの「走り」のレポートが出来る、数少ない自動車評論家(と、認められていた感のある)の岡崎宏司氏が、毎号いくつかの中古車を評価する記事。
毎号登場する中古車はどちらかといえば絶版スポーツや外車が多く、カローラやコロナといった一般庶民車はあまり出て来ません。また新古車に近いタマも頻出しますのでさながら試乗レポート的な内容になったります。
大幅なシュリンキングを受けてモデルチェンジした'77GMのフルサイズカー、そのシボレー版 カプリス。
それまで巨大化の一途を辿ってきた米車が、時代の要請に抗し切れず初めてサイズを縮小したのですから、当時は大きな話題になりました。
Uカー試乗とは言え 今回は事実上の新車、バリバリの'77モデルです。
本文でも、まずその寸法についての記述があります。
ホィールベースは2950mmでインターミディエイトに等しい事。
全長で280mm、全幅で100mm,縮小。
重量に至っては300kgもの軽量化に成功している事(インターミディエイトのシェベルより80~90kgも軽くなってしまった)。
室内空間は旧モデルにほぼ遜色ない事。
スタイリングについては
・・・シアールック(直立ルック)はセビルほどの重々しさを感じるものではないし、また同じ'77モデルとして非常な人気を得ているTバードのような派手さもない。しかしそのルックスはまったく魅力的である。
フロントエンドのイメージはまさにキャデラックのそれと共通する。
と、好評です。
また、
「'77カプリスを走らせてみての驚きは、静粛性と乗り心地のレベルの高さだ。とくにサスペンションの路面の不整とノイズの吸収は卓越しており、その乗り心地の快適さは、これまで乗ったすべてのアメリカ車の中でももっともすぐれたものである。」
と絶賛しています。
より小型(?)に生まれ変わったとは言え、アメリカ車では標準的な中でも最も標準的なフルサイズ・シボレーがこんなにも高評価されるのも意外ですが、
過去記事でもあったようにアメリカではカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しており決して的外れな評価では無いようです。
Posted at 2009/11/29 20:41:17 | |
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