
北米版ジェミニ販売中止に絡めて、興味深い記事が掲載されていました。
当時のMF誌に頻繁に登場してた あの北米担当レポーター/ボブ・ホール氏は、GMの世界戦略車T-Car の輸入版 OPELbyISUZU に乗ってたんですね~。
この
OPELbyISUZU は実際にはいすゞ・ジェミニなんですが、リンク先・過去記事でも触れている様に
『ジェミニは独オペル/英ボグゾール/米シボレーに兄弟を持つGMの世界戦略車(Tカー)。
なぜオペル名なのかと言うと・・・オペルは自身が輸入車として'57~'62の間米国で売られていましたが、その後ビュイック部門が'75まで引き継いでいました。
しかし独本国での車種構成の変化により、米国内ではアスコナはXカー(
ノバ・
スカイラークetc)と、マンタは
Hスペシャル(モンザ・スカイホークetc)との競合が予測され、販売戦略上よろしくない。
当初はビュイックで独オペルを、オールズモビルでいすゞを、との計画もあったらしいですが結局この案は流れ、ビュイックが馴染み深いオペル名でいすゞ・ジェミニを売る事になったと・・・なのでエンブレムは「OPELbyISUZU」となってます。』
と言う訳なんですね。
ところが、この記事ではビュイックの売る気の無さ、ジェミニに対する扱いの酷さ、そしてとうとう販売中止に至った事を、オーナーであるボブが嘆き、挙句はいすゞの岡本社長に手紙(・・・出したのかどうかは定かではないけれども)を書いた と言う設定の記事。
ビュイック側の販売意欲の無さを、想像ながらこんな例で述べています・・・
「毎月の払いにあと $12.75 だせば
リーガルV6が買えるんですよ。なんで、安っぽいチビを買うんですか?」
う~ん、 OPELbyISUZU の内容は装備面であまりにも貧弱だった様ですが、それにしても「アメリカ人のアメリカ車びいき」が良く分かる例えですね。
いすゞ側の不満も書かれていますが、同じGMでもシボレーについてはLuv(=ファスター)の件で『販売に力を入れてくれた』みたいです。
またビュイックについて
『河馬のようなサイズのクルマ以外 売る能力がない』
とまで表現し、ジェミニがアメリカから去る事を嘆いています。
元々、ボブ氏はアメリカ人でありながら、自国のアメリカ車については自虐的な表現をする人でしたが、それだけにハンドリング面で高評価を得ていたジェミニの販売中止には ビュイックに対する怒りのような感情さえ読み取れます。
T-Car 過去記事
Posted at 2013/01/17 23:18:07 | |
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