
多分長いブログになりますので、お暇な方だけ…
長いこといろんな想い出を提供してくれた私のC43Tが去って1週間になります。
古ベンツ君がいたところには、今はちゅん君がちんまりたたずんでいます。
思えばそもそものきっかけはもう30年以上前に買ったばかりにFC3Sに乗り、これもできてさほど経っていない名古屋高速のランプウェイでのこと。
まあまあ飛ばしてはいたんですが、背後からグリーンのベンツらしき車が迫ってきたので「ふーん…」と思っていったん左車線に退いて抜かれたところでぴったりつきました。(まだ若かったのでお許しを)
エンブレムを見ると”190E”としかありません。
学生時代に名古屋郊外の高級住宅地にある喫茶店で、シャンパンゴールドの190E 2.3-16 を見て一目ぼれし、190E=2.3-16 と思っていたので「素の190か、なーんだ」としか思わず、すぐに進路は譲ってもらえるものと思いました。
ところが190Eは譲るどころかぐんぐん加速して行き離されそうです。滑り出す気配を感じつつアクセルをコントロールしましたが、ついていくのが精一杯でした。
それ以来ベンツのシャーシ性能には一目置くようになりました。小ベンツなんて馬鹿にするのもやめました。
2002年、大学時代の同じ自動車部の友人との約束を果たすために彼から930カレラを購入しましたが、その時それよりやや高価ではありましたがC36 AMGも気にはなっていました。
何かの記事で「ベンツが、911の標準モデルにできることはすべてできて大人4人が快適に移動できる」ことを開発目標に設計した と読んだことがあったからです。
ただ友人には「独立したらポルシェ買ったるぞ!」という約束だったし”死ぬまでに一度はポルシェ”という夢の実現を優先しました。タイ駐在から帰国直後のことでした。
当時はタイの現地子会社もバーツショックからやっと立ち直ってこれからという時で、本社もかなり忙しい状態でした。いったん元居た関連子会社の管理職に戻って小さな仕事にはなりましたが、本社工場への移転プロジェクトのメンバーにもなり、週の睡眠時間が20時間以下で事務所に寝泊まりするような多忙な時期が続きました。
当時まずは通勤の足として発表時に新車で買って気に入っていたHONDA ASCOTの中古を探して乗っていましたが、930との性能差がありすぎて半年余りでVW VENT VR-6 に乗り換え。これはこれで気に入っていました。今はもうない東名豊川の検札所出口で油断していた930SCに一泡吹かせたり、煽ってきたロータスエスプリターボに再び道を開けてもらったりしました。
今思うと仕事のストレスは最も強い時期でした。
ただそれなりの収入もあったのでVR-6でも物足りなく感じてしまい、はじめはC36を探しにかかりましたがちょっと問題が起こりました。
当時自転車通勤がマイブームで、C36だとVR-6とは違ってリヤシートが可倒式ではないため自転車で通勤した帰りに雨が降って迎えに来てもらう際、自転車を積むのに難儀しそうでした。
そこでたどり着いたのがC43T AMG でした。
白の右ハンドルのD車を必死で探しましたが見つかりません。それもそのはずC43T自体が世界限定400台で、正規輸入車は確か20台、色はシルバーと黒で左ハンドルのみ。
それでも毎日ヤフオクをチェックしてると偶然白が2台ほぼ同価格で出ていました。一台はメッキホイールが趣味に合わずもう1台に即決し、例の友人に依頼してオークション外で購入、納車整備やナビ取付などもしてもらいました。総額330万くらいで同時期の認定中古車より100万ほど安かったので「まあ100万あれば大抵の修理はできる」と思っていました。
ところが本国中古並行のオク物ですから、なかなかどうして。以前のオーナーは横浜のヤナセで面倒見ていたらしいですが、電気系を中心にかなりの修理費を費やすこととなりました。自分なりに何とかできないかと考えた結果たどり着いたのが”Benz-web.com”。
ここで多くの情報を手に入れることができて大変有用でした。この先セルボを通してみんカラユーザーになったきっかけでもあります。
たまたま同系統の車をお持ちだったGF-AP429さんと知り合えたのもBenz-webのおかげでした。彼はW202を所有しEPCやWISといった普通は持てないソフトもお持ちの上、車全般、特に電気系統には非常に精通されていて「困ったときの○○さん頼み」と非常に頼れる存在でした。
こと私の車に限ってはショップの友人より頼りになる存在で、車検直前にダメになったウィンカーコンビネーションスイッチを交換してもらったり、シートベルト警告灯を生かすようセットアップしてもらったりしました。またWISやASRを古いパソコンを整備したうえインストールしていただいたり、まだ新車ほやほやのアクセラXDに試乗させていただいたりしました。
この場を借りてもう一度お礼させていただきます!ありがとう!
C43Tは過去経験した中で最もよくできた車でした。
確かに手もかかった車でしたが、ハードとしての完成度は現在でも高いレベルであり、本当だったら930とともに一生乗っても良いと思わせる車でした。
ただ悲しいかな、2度目のタイ駐在帰国時の2009年には以前は働いていた同僚の何割かはもうおらず、私自身タイで多くの正社員を解雇しての帰国という状況。業務の縮小は現在も進行中で、私自身ここ10年ほどで何割もの給与をカットされ定年間近な現実を考えると、自身のダウンサイジング、特にランニングコストを下げておくのは不可避でしょう。
今年には不定期収入があり、4月に595に乗るまではベンツのリフレッシュ資金にするつもりでしたが、チュー太郎に乗ってみて本来求めていた車への想いとC43T+セルボの組み合わせがマッチしていなっかったのに気づき、今の結果となりました。
そもそも930を手放したのがミスではありましたが、現状を冷静に見つめてみた時”維持だけで精いっぱい”という残念な現実と直面する時期が遠からずやってくることは否定できません。
ポルシェとベンツ2台持ち
持ってた当時は「どちらも中古だしどうってことない」と思っていましたが、今になってみればずいぶん贅沢な時期があったもんだと感心します。
ちゅん君とチュー太郎
今、そしてこれからの良き相棒になることでしょう。

1998年式 C43T AMG フィアンホワイト
PLANT 67
DELIVERY DATE 20/03/98
DEALER Mannheim Branch
国内初年度登録 平成13年4月
高速を得意とする移動のための道具として非常に優れた車。
しかも快適で、小回りもきいてそこそこ荷物も積めます。
消耗部品を交換すれば消耗前にきっちり戻り、パーツ供給に不安がないばかりかOEMやサードパーティーも存在。
V8エンジンから吐き出される低いサウンド、上り坂を平たん路と錯覚するようなトルク。
V8搭載にもかかわらず、以前の直6と変わらないエンジン重量で並のスポーツカーを追い回す程度はへっちゃらです。ESPをカットすると面白いことになります。
ただしすべての性能は黒子に徹しでしゃばるタイプではありません。

1日千キロ近くドライブした後、もう一度すぐに同じ道を戻れると思った唯一の車でした。

いい思い出を本当にありがとう!
Posted at 2017/07/31 10:46:14 | |
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