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前回はMagsafeによる急速充電を実現するための予備調査として、電源やケーブルを変えることで電圧・電流がどう変化するかを確認しましたが、PD電源を使う場合は自作ケーブルでは急速充電できないということが分かりました。

これを乗り越えるための案は以下の2つです。
１）自作ケーブルにCC線を追加接続することでPD充電器から９Vを供給させる。
２）CC線無しで強制的に9V電圧を掛ける

各案の懸念は以下の通りです
１）CC線を追加できる自作用端子が有るか／CC線をつなぐだけで本当にPD充電器が９V供給するようになるのか
２）強制的に9Vを掛けて効果があるのか、問題は起きないのか

案１）の懸念の一つである「自作端子の有無」については運良く以下のような端子を見つけることができました！

GND＝グランド（アース）
VBS＝電源
CC＝機器との通信線

この2個の端子の同じ種別同士を直結してケーブルを作成しようとしたのですが、、、
私の持っている道具と私の技量では、はんだ付けすることができません
でした・・・（泣

と言うことで今回は案１）の確認はあきらめ、案２）の確認を行いました。
以下の写真のように接続します。


９Vの固定電圧をMagSafe充電器にかけたまま、10分間放置して電圧・電流の状況と、充電が行われる速度を計測しました。
単体では効果が分かりにくいため、PD20Wの電源を使用したケースと比較しました。結果は以下の通りです。


前回の確認時で分かった通り、自作ケーブルを経由しているとPD充電器は最大5Vしか電圧をかけようとしません。よって9V電源ではおよそ2倍の出力を発揮、それが充電速度にも反映され倍速で充電が行われると言う結果となりました！
10分間の確認ではありますが、動作にも異常は無く、MagSafe充電器やスマホ本体が熱を持つことも有りませんでした。

ということで、今設置している5V電源をこの9V電源に置き換えて今回のタスクは終了としたいと思います。


ところで、今回の配線にて以下のような小道具を使用しました。

エーモン(amon) カンタン接続分岐コネクター　という商品名です。
はんだを使うことなくクイックに結線・絶縁でき、取り外しも簡単ということで今回のような実験作業にはピッタリだと思いました。
※Aliexpressに全く同じ商品や派生商品が沢山ありましたので、実際はエーモンのオリジナル商品と言うわけでは無いようです。


おしまい！

先日、Aliexpressの格安パーツを組み合わせてMagSafe充電器を作成しました。走行中も外れる事なく、取り付け取り外しも容易で、正しく充電はできているので当初の目標は達成できているのですが、ちょっと充電速度が遅い気がしています。


自作ケーブルを使っていたり、5Vに電圧を落としてから細い線で長めの取り回しをしているとか、思い当たる事項もいくつかあるのですが、そもそもUSBの電源規格として急速充電を実現するものがいくつかある事を理解してませんでしたので、改めて勉強がてら実験をしてみました。上手くいけば急速充電にて不満が解消するかもしれません（笑


急速充電のためのUSB規格として以下のものがあるようです。
PD（Power Delivery）
QC（Quick Charge）
PDの最新バージョンは2.0、QCの最新は3.0です。それぞれがどういうものかという解説をしてくれているサイトはたくさんあるのでここでは語りませんが、超ざっくりいうと急速充電のために電圧を上げている、ということです。私はてっきりUSBは5Vだと思い込んでいたのですが、これらの規格策定により9Vや12V、場合によってはもっと高い電圧もかける／かけられるようになっているのだとか。

今更ながらMagSafe充電器の説明を読むと以下のように書いてあります。

12Vもいけるという事は自動車の電源を変換せずにそのまま繋げるということかな？
5V x 2A = 10W が通常で、
12V x 1.75A = 21W の場合は倍速になるのかな？

ちょっとよく分からないので実際に繋いで実験してみることにしました。
現在は以下の図の上半分の形で配線していますが、下半分の構成として① ② ③ を変更し、様々な組み合わせでどういう変化が起きるか確認したいと思います。


①の対象機器は、MagSafe充電器とiPhone8で比較します。
②の電源は、普通の5v-USB電源、QC3.0、PD2.0 の3種類で比較します。
③のケーブルは、通常のケーブルと自作USB-Cケーブルでの比較です。
自作USB-Cケーブルは電源とアース線のみでデータ類は無し。


そして今日の主役、実際にUSB経路の電圧や電流値を測定してくれるテスターです

価格は999円　Amazonで購入
USBケーブルに割り込ませて計測します。
こんな感じで電圧（青ボルト）や電流（赤アンペア）を表示してくれます。


あとは以下のようなUSB-Cケーブルや、C端子をAやライトニングに変換するコネクターなどを使用しました。全てAliexpressで100円や200円で入手したものです。


電源やケーブルを交換しながら電圧や電流を記録しました。


その結果はざっとこんな感じになりました。


この結果から読み取れるのは以下です。
・12Vという電圧になる組み合わせは無し。最大で9V。
・今は恐らく5V x 1.67 = 約7～8Wだが、上手くいけば9V x 1.67A = 約15Wでの充電ができる。
・ただしそのためには自作USB-CケーブルはNG。おそらく機器情報を取得できないためPDまたはQC充電器側で安全な5Vに抑えてしまっている。

今回は使用しない形式ですが、MagSafeではなくiPhoneのライトニングポートへのダイレクトの充電実験によって分かったことがあります。
・iPhoneダイレクトは自作ケーブル経由だと全く充電できない。
・QC電源はiPhoneダイレクトでは5Vとしてしか機能しない。PD電源が必要。
・PDでも急速充電を行うのは充電残量が50％未満の時のみ。その制御はiPhone側
にて消費電力（電流）を抑えることで実現している。充電器側は電圧は9Vのまま。iPhoneの充電残量についてまでは関知していない様子

ということで、自作USB-Cケーブルを使う場合は急速充電はできない、という結論に読めるのですが、、、いやそうだろうか。
自作USB-Cケーブルを使うと機器情報が取れず充電器側で自発的に電圧を抑えてしまってるだけなので、
機器を認識した体で強制的に9Vを自作ケーブルに与えたら良いのではないだろうか。
MagSafeの場合、初期の電圧判断以降はスマホ側の充電残量などとは無関係に電圧は一定（9V固定）となるようなので。

これを確かめるためには、9V固定の電源が必要ですね。入手次第確認しみましょう。


続きます！
https://minkara.carview.co.jp/userid/201520/blog/47690896/

前回から引き続き、Aliexpressの安い部品を活用して自分の好みに合った車載Magsafe充電器を作ってみる企画の2回目です。



前回は基本的な形まで作成しましたが、配線をどうするかが今回の課題です。


個人的には、こんな風に配線が見えていること自体が許せないんですよね（笑
どうやって配線を隠すか、仕事そっちのけで考えること一週間。。。


市販のUSB-Cケーブルはデータ線などが束になっていて充電用としては無駄に太いので、以下のようなコネクタパーツを使って充電専用のUSB-Cケーブルを自作します。


端子の価格は1個40円程度。もちろんAliexpressにて入手。これに0.2sqの電線をはんだ付けします。老眼にはつらい作業です。。。


そして向きを調整できる機構部分を省くことにしました。どうせ向きの調整はしないと思いますし、ここが無くなることで配線が隠しやすくなるので。

配線はアーム部分の中を通しています。

ここで「なぜこの充電器の機種を選んだか」の説明です。上記の写真を見て頂くとお判りのように「USC-Cコネクタが円盤の側面では無く少し内側に奥まったところに有るため、正面からはコネクタが見えない」ことが理由です。大半の充電器は以下のように本体側面にコネクタが有るんですよね。こんなことが気になるなんて、、、変態でしょうね（笑



さて、配線を通し終わった時点で正しく動作するかテストします。
家庭用コンセントから12Vを取り出す電源と、12Vを5Vに変換する変圧器を用意しました。変圧器はもちろんAliexpressにて入手。184円（笑
ちゃんと電源が入り、スマートフォンに充電もできました。良かった。


そしてエアコンルーバーに取り付け。アーム部分は取り付け前につや消しブラックで塗装しました。


そして実際に車に取り付けます。このエアコンルーバーは引っ張るだけで取り外せますので、既存のエアコンルーバーと交換しました。シガー部から電源線も引っ張ってきていますが説明は省略・・・


運転席から見たらこんな感じ。スマホを縦にするとちょっとエアコン風を遮ってしまうけれど、横にすることもできるのでまぁOkかな。


横から見たところ。ダッシュパネルとクリアランスは取りましたが、予想通りスマホを取りつけてもびくともしないので、もっとクリアランスは狭めても良かったかも。


スマホを取り付けたらこんな感じです。まずは縦。


横にしたところ。ルーバーに被ってないですね。スマホを取り付けるとホルダーが全く存在感を無くすところが良いと思ってます。


ちなみにこのMagsafe式ワイヤレス充電器、中央部分が光るのですがその色が時間の経過とともにどんどん変化して面白いです。


ということで、なるべく後付け感を排除した（つもりの）シンプルなマグネット式充電器が完成しました！
おしまい！！

前回の調査でMagsafe充電器が非常に便利だと分かったので車載用充電器として使ってみようと思いました。

せっかくマグネットで設置できるので、どうせならば目に見えるところに設置したほうがさっと脱着できるし画面も見れていろいろ便利だなと思いました（Apple Carplayがあまり有効に使えないことも大きい）。
また、物入に携帯をしまうと存在を忘れてしまい車内に携帯を置き去りにすることが何度も有ったのでその防止にもなるかと（汗


しかし、一般に販売されている車載充電器というかスマホホルダーはエアコンのルーバーに取り付ける方式がほとんどです。これではエアコン風が遮られてしまいます。


以下のようにエアコン風の遮りを回避できる形式もありましたが、そもそもエアコンルーバーに取り付ける方式はルーバーにかなり負荷がかかってしまうことが予想されました。

負荷を言い出すとドリンクホルダーも同じでは？と思われるかもしれませんが、このMagsafeの磁力が意外に強くて、携帯を取り外す際にかなり「ひねる力」がホルダーにかかることが想定されました。また車の振動でカチャカチャ音を立てるのも嫌でしたので、ここは強度の高いホルダーを、取り付け場所を加工してでもしっかりと取り付ける方針としました。

以下のように現場合わせで型紙を起こして、T型ブラケット（200円程度）を加工してアームを試作してみたのですが、

どう塗装しても表皮を張っても「手作り感」がぬぐえない気がして、この路線は取りやめました。配線の取り回しにも困る（見えてしまう）のも懸念でした。ハンマーで強打してようやく少し曲がる程度だったので強度としては申し分無かったのですが。


そこで、Aliexpressの100円ショップなどで格安パーツを複数取り寄せ、

マグネット式ホルダー（充電機能無し）200円
調整余地が無い代わりにシンプル形状で高強度。表面は手で曲げることも困難な鋼板製。


汎用アーム　200円
多くのホルダーはこのジョイント部は直径17mmなのですが、たまに異なる商品があるので適合注意（中国製品あるある）


Magsafe充電器　700円
なぜこの製品を選んだのかは次回説明します。ジョイント径が17mmで良かった。


それぞれから必要なパーツを取り出し、


合体！

・・・って簡単に言ってますが、実はかなりこまごました切削やサイズのすり合わせ加工をしています。変態ですね（笑

スマホを取り付けて手で持ってみます。けっこう重い！この荷重がルーバーにダイレクトにかかるのはやはりまずいです。


このあたりにビス止めするかな。嫌になってもこのパーツだけ交換すれば元に戻せますし。


ちょうど矢印部分のでっぱりが支点になってくれるので、指で支える部分の荷重はかなり軽減されることが分かりました。よってビス止めも問題無いでしょう。


ということでアームの基本構成と取り付け場所は概ね決めたので、あとは配線をどうするか。できれば全く見えないようにしたいんですよね。。。


続きます！
https://minkara.carview.co.jp/userid/201520/blog/47632762/