前回までの作業で事前準備が整ったので、今日ようやくベルト交換本番に突入します。天気も暑くなく風も無くちょうど良い。ただ失敗すると車を動かせなくなるので久々に緊張します。時間に余裕を持たせるため朝の9時から作業を開始しました。
以下の図を使って作業のおさらいをします。
作業概要
1.赤い「オルタネータードライブベルト」を取り外す
2.緑の「コンプレッサードライブベルト」を取り外す
3.オートテンショナー交換
4.アイドラープーリー①を交換
5.アイドラープーリー②を交換
6.新品の緑の「コンプレッサードライブベルト」を取り付け
7.新品の赤の「オルタネータードライブベルト」を取り付け
8.その他外した部品を元に戻して完了
ざっくり言うと上記なのですが、その一つ一つに対して更に複数の作業が必要なのでかなりの時間が掛かると予想しました。
1.赤い「オルタネータードライブベルト」を取り外す
その前に前回取り忘れた台座部品を取り外します。複数のコネクターの取り付け場所にもなっているので取り外すのは結構大変です。これで作業空間ができました。白い紐は作業中の落下防止用です。
クランクプーリーを回すためにその中央のクランクボルトに工具をあてがいます。32mmのソケットを用意しました。実際はプーリー内の奥行きが有るのでこのままでは使えず、3cm程度の延長が必要です。いわゆるディープソケットを用意したほうが良いですね。
長いラチェットの先に取り付けてクランクプーリーに接合します。青いのはベルト取り外し用の治具です。これにも穴をあけて落下防止用の紐を取り付けてあります。
ラチェットの長さは50cmあるのですが、アルミの棒でさらに50cm延長して力が入るようにしています。時計回りにクランクを回すことができました。しかし動かす場所がギリギリです!
クランクを回すと青い治具がすぐ取れてしまい作業が進まなくなったので、業を煮やしてニッパーでベルトを切断しました。。。交換するなら最初から切断すべきですね。
2.緑の「コンプレッサードライブベルト」を取り外す
このベルトを外すためにはオートテンショナーを動かして張りを緩めてやれば良いはずです。以下のようにテンショナーの四角い穴に9.5mmのソケットを当てはめ、
反時計回りに回転させるとベルトが緩みました。これは簡単でした。
ただし、ベルトを完全にエンジンルームから取り出すには少してこずりました。
最初の図の右下の「エアコン・コンプレッサー」が手が届きにくい所に有り、そのベルトを抜き出す隙間が無く時間を要しました。これ取り付けるときはどうなるんだ、とこの時から嫌な予感がしていました。。。
取り外した2本のベルト。左はひどい状態。右のオルタネーターベルトのほうがマシですが、少しヒビは入っているようなので同時交換でしょうね。
3.オートテンショナー交換
オートテンショナーを固定しているボルトを緩めます。使用するソケットは16mmです。
新旧比較。左がオリジナル。右が新品。ほとんど同じに見えますね。固定ボルトは現在のものを継続使用します。
取り付け時にはトルクレンチを使います。オートテンショナーは締め付けトルクとしては45Nmが指定されています。
4.アイドラープーリー①を交換
プーリー中央の固定ボルトを緩めます。使用するソケットは13mmです。ここからさらに作業場所が無くなってきます。。。
新旧比較。この①プーリーの固定ボルトは長いです。このボルトと赤矢印の金属スペーサーは再利用します。ちなみに古い方のプーリーですが特に劣化している感じは無かったです。
スペーサーは食い込んでいるので、ソケットなどをあてがってハンマーでたたいて外します。
新品の取り付け時にはやはりトルクレンチを使います。締め付けトルクは30Nmが指定されています。しかしだんだん作業がアクロバティックになってきます(汗
5.アイドラープーリー②を交換
基本的に作業内容は①と同じです。ただしこちらのほうが圧倒的に作業空間が狭くて苦労します。周辺のパイプなども少しどかせたほうが良いと思います。取付ボルトは①よりも短いです。
トルクレンチを動かす余裕が無い・・・
締め付けトルクは同じく30Nmです。
6.新品の緑の「コンプレッサードライブベルト」を取り付け
テンショナーとプーリーの交換が終わったのでようやく新品ベルトを取り付けることができます。方法としては新しいベルトを元の場所に這わせて、最後にオートテンショナーを緩めて取り付けてやればOK!のはずなのですが、この作業が地獄でした・・・
まず新品のベルトは固く、癖がついているので思ったような配置がなかなかできません。そして鬼門だった右下の「エアコン・コンプレッサー」にうまく引っ掛けることができません。ベルトを一番下まで持っていくことだけでも困難です。
このトライでかなり時間と体力を消費しました。だんだん腰が痛くなり、体全体も疲弊してきて、投げだしそうになってきましたが、思い切ってアンダーカバーを外して下側からトライすることにしました。

アンダーカバーを外しても「エアコン・コンプレッサー」は目視できませんでしたが手で触れることはできました。そこで手探りでなんとかベルトを引っ掛けます。寝ながらの手探り作業で気が遠くなりました・・・
そんなこんなでようやく「コンプレッサードライブベルト」を一周させることができました。
最後にオートテンショナーを緩めながらベルトを適正位置に動かす作業、これがまた大変でした。場所が狭いことに加えて適正位置に動かすのに結構力が必要でした。2人いればそんなに苦労しなかったと思いますが一人では難しい作業です。
7.新品の赤の「オルタネータードライブベルト」を取り付け
さて最後の交換ステップになります。また硬くて癖の付いたベルトをなんとか適切な位置に配置しながら、治具を取り付けて、クランクプーリーを回します。いやもうこのワンオペ無理っす・・・
こうしてようやく想定していた作業が完了しました。クランクプーリーをしつこいくらい回して、ねじれや位置ずれが無いか慎重に確認します。
そしてまずはエンジンをかけられる最低限の状態に戻してエンジンをかけてみます。
祈るような気持ちでスタートボタンを押し、スターターがうなりを上げます。
エンジン始動!
いつものように問題無くエンジンがかかりました!! いやーよかった。
ここまででなんと6時間が経過していました。。。残作業をそそくさと済ませて撤収です。アンダーカバーや前輪の取り付けでもうフラフラです。例のインテーク固定ボルトはやっぱり元に戻せなかったので次回までの宿題にします。
ということで自分でドライブベルト交換ができました!一つ一つの作業は難しくないのですが、とにかく作業空間が無いことと、一人では手が足りないことが難易度を上げています。一人でのDIY実施はおすすめはできないですね。。。
これにて作業完了です。
おしまい!