2009年12月03日
ローダウンの話など
たまには(!)まじめな話・・・というか、基礎的な話も書いてみようと思ったり。
で、今日はローダウンの話。
最初に言っておきますけど、すでにメカに詳しい人にはおもろないとおもいます(^^)
さて、最近でこそローダウンなどとハイカラな言い方をするようになったけど、おいらがクルマに目覚めた頃は、シャコタンという表現しかなかった。 シャコタン☆ブギという楠みちはるさんの名作が連載開始されたのは1986年ですが、シャコタンという言葉自体はもっと古く1970年代には存在してました。
なお、シャコタンは漢字で書くとすると『車高短』であり、もちろん北海道の積丹半島とはまったく関係がありません。
ちなみに、チャコチョウというのがありますが、あれは『車高調』と書き、車高調整式のサスペンションのことです。 シャホチョウとはまったく関係がありません d(^^)
ローダウンとかローライダーという言葉を普及させたのは、1996年にホンダがSーMXを発売した際に、ローダウンというグレードを用意してて、これが爆発的に売れたことがきっかけだったと思います。
いまでこそファッション的な要素としても一般化したローダウンですが、1995年の規制緩和までは、スプリングの変更は構造変更申請が必要だったので、しちめんどくさい書類を作ってちゃんと申請するか、アウトローな道を突っ走るか、いずれにせよ覚悟のいることだったのです。
それが規制緩和後は、ある範囲であれば自由に改造できるようになり、非常にポピュラーな改造になりました。 ただ、リーフスプリングの場合はいまだに構造変更申請が必要ですけどね。
さて、そもそもなぜローダウンに惹かれるのか? ローダウンだとなぜカッコいいのか?
それは、もともとはレーシングカーちっくなモノへの憧れだといっても間違いないでしょう。

レーシングカーは、べったりと地を這うように地上高が低く、タイヤはざっくりとフェンダーにささっておりタイヤハウスの隙はみっちり。 それに比べて普通の市販車は、地上高には隙があり、タイヤハウスの中で貧相なタイヤがスカスカな状態になっている。
しかたないですよね、市販車はサーキットのような路面ばかりを走るわけではなく、万が一故障したらレッカー呼ばないといけないし、歩行者に対する配慮だって必要だから。 さらに、速く走ることだけでなく、快適性だって必要だし、耐久性だって無視できない。
だから、市販車はやわらかいバネを使い、サスペンションストロークもある程度とる必要があるわけです。 うちの商品の場合は、標準車同等の耐久性を保証したり、空力とかのチューニングの関係もあるので、フェアレディZバージョンニスモみたいなクルマでも、地上高は標準車のままです。
ローダウンをする場合に、なぜ堅いバネを使うことになるのか? という話をするために、まずこの図から説明しましょう。

上がノーマルサスで、下がローダウンサス。 左は空車(誰も乗ってない、空荷の状態)で、右がフル積(乗車定員いっぱい、荷物満載の状態)です。 ローダウンサスは、空車とフル積の差が少ないということです。
それは、バネを単体で取り出してみるとこういうこと。

数字はダミーっていうか、参考値ですが、まぁそんな話です。
ローダウンスプリングは、バネ定数が高く(=かたい)荷重に対する縮みしろが少ないバネ。 もともとの長さも短いので、車高が下がるのです。 そのぶん、乗り心地はゴツゴツします。
衝撃吸収性に優れた靴とそうでない靴では、疲れ方もぜんぜん違いますよね。
最悪ひざや腰を痛める可能性もあります。
クルマも一緒なので、あまり軽く考えずに、十分注意してカスタマイズを楽しんでくださいね。
なお、バネ定数はクルマによって実質的な数値が違うので、こっちのクルマ用のバネとあっちのクルマ用のバネの定数だけ見てどっちが固い、とかいうことはできません。

同じ4kg/mmのバネでも、Aの構造のクルマに装着した場合とBの構造のクルマに装着した場合では、Bのクルマのほうがヤワヤワです。サスペンション形式によってレバー比が違うからです。Aに2kg/mm、Bに3kg/mmのバネをつけたくらいで同じくらいの固さになりますね。ま、一概にはいえませんけど・・・。
レバー比ってのは

これと似たようなもんです d(^^)
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Posted at
2009/12/03 15:54:52