エンジンのチューニングってのは、なにも出力をアップさせるためだけにやるわけじゃなく、楽器などでも使うように『調律する』みたいな意味もあります。
ちゃんと調律された楽器が心地よく鳴るように、きちんと調律されたエンジンは滑らかに回り、いい音を出します。
吸気、圧縮、膨脹、排気・・・を4つの気筒で順番に繰り返しながら、クランクは4点に次々に入力を受けながら(こじられながら)、一分間に数千回転というスピードで回っています。
回転バランスが悪ければクランクは暴れてしまうし、気筒毎に混合気の流れ込み方が違っていたら燃焼にばらつきが出て、クランクを押し込む力にばらつきが出て、これも滑らかな回転を阻害します。組み付け精度が低くてもしかり。 そしてもちろん、部品の強度が弱ければぶっ壊れて終わりです。
これを、複数ある部品の重量を合わせ、回転バランスをとり、気筒ごとのばらつきを減らし、丁寧に組み付け・・・などなど、きれいに調律すれば、振動少なく滑らかに回ります。
MTの良さは、ドライバーが主体的に回転域を選択し、エンジンへの負荷のかかり方を調整することができることにより、エンジンの魅力をフルに味わうことができる点だと思います。
ATやCVTは(基本的に)負荷がかかると自動的にギヤ比の低いほうにシフトしてエンジンの負荷を下げようとしますが、MTの場合はそれを運転者が自ら操ることで、エンジンが鳴きます。
過給エンジンには過給の良さがあるのと同じように、NAにはNAの良さがあります。それは内燃機の自然な息吹を感じられることです。 そういう車との対話ということでいえばNAに分があると思います。
ビンビンにレスポンスしてギュンギュン曲がる車は楽しいし、爆発的なパワーがあれば、もちろん楽しくないわけがないです。
でも、泳がすようなジワッとしたハンドリングや、じゅわ~んと回る燃焼感を味わうのも楽しいものです。
チューンドエンジンにMTを組み合わせているからといって、全開性能を試さないと楽しめないって思うなんてもったいないし、誰かの前に出ることだけを目的にするなんて車の楽しみのうちのほんの一部にすぎないと思います。
スピードなんて低くても楽しめます。
職人の手によって丁寧に組み上げられたエンジンの、回転の上昇や下降に伴う鼓動感や息づかいを楽しみながら、じっくりゆったりと『流して』みてほしいと思います。
A30は、エアロパーツを纏う事もなく、シートも過激なホールドを競うようなバケットタイプにはしていませんし、鬼グリップなタイヤも履いていません。
これまで一度も触れていませんでしたが、トリムの内側には吸音材を追加したり、リヤパーセルシェルフも標準装備化したりしています。
こんなところからも、僕たちがこの車をどんな風に味わってほしいと思っているのか、わかる人にはわかっていただけると信じています。
さあ、オーテック30周年記念限定車ボレロA30!
商談申し込み、本日より受付開始です。
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(応募者多数の場合は抽選になります)
安心してください、フィラーリッドもちゃんと開いてますよ(笑)
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オーテック創立30周年記念車 | クルマ
Posted at
2016/04/11 16:33:43