
2017年6月22日、国土交通省の定める保安基準の一部が改正され、車両の回転部分の突出禁止規定の見直しが施行されました。
これにともなってネット上では「10mmくらいはみ出してもOKだそうだ」といった憶測が流れたりしてますね。
保安基準の該当部分に関する検査事務規定には 「車が直進状態で、車軸中心から前方 30°~後方 50°の鉛直面は、直上のフェンダー部分からハミ出てはいけない」 とあり、これに今回 「ただし、最外側がタイヤとなる部分については、突出量が10mm未満なら許す」 といった趣旨のことが追記されたのです。
追記・お願い)平易な表現にするために意識的に端折ってますので、正確な通達内容は下記のリンクをご覧ください。
https://www.naltec.go.jp/topics/fkoifn0000004i2j-att/fkoifn0000004i3n.pdf
たしかにハミタイOKという感じもしますが、出てもいいのは(サイドウォールの)ゴム部分で、それも約10mm程度。 ホイールのリムが出てたらダメなのは変わってません。 つまりこれ、実質的にはタイヤのばらつき(銘柄により、同じサイズでも結構違いますし、リムガードが高いタイヤや、ロゴが立体的なタイヤもあります)までは許してあげるってレベル。 そもそも、リムに対してタイヤが張り出しているおにぎりみたいな状態はあまりかっこよくないし。
保安基準ってのは国ごとにまちまちで 「なんじゃこりゃ?」 みたいなものもあり、それが非関税障壁だ、みたいな言われ方をしたりもします。 それが時代を経てグローバルスタンダードとして一本化に近づき、各国のメーカーにとってお互いにいい方向に行く。各国の法規に細かく合わせるために余計なコストがかかったり、デザインに制約が生まれたりしますからね。
保安基準ではないけれど、日本の5ナンバー枠なんかもおなじようなもんですね。今は税金に差はないですが、物品税時代はひどかったです。
僕も大昔に担当した車種で、FRターンランプの地上高が、とある国の法規にギリギリアウトになること判明して、法規担当部署から交渉してもらったことがあります。「あんたの国だけですよ、こんなの」って。 その車の認証を取得するまでには法規改正してくれて、本当によかったです。
話をフェンダーアーチ要件に戻しますと、この緩和によって、タイヤがバンバンに張った車が増えるとかいうことは残念ながらないでしょう。 空力やチッピング(タイヤが巻き上げる小石でボディが傷つくこと)を考えると、タイヤは適正な収まり方をしているほうがいいですからね。
でも、これまで日本市場だけはちょっとしたモールとかツノみたいのをつけてカバーしなくてはならなかったのが不要になり、特にリヤタイヤの後ろからバンパー底面あたりの形状が「ぐっ」と絞り上げてヒップアップしたグラマラスなリヤデザインの車が登場しやすくなるかもしれないっすね~。
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Posted at
2017/06/26 17:10:03