
以前、現行のマーチSR系やフェアレディZバージョンニスモで床下の空気流速コントロールによるリフトマネジメントの話を紹介させていただきました。フロア下への流入空気量とリアエンドからの排出によるダウンフォース化の話です。でも、実はSR系よりも早くこの手法を取り入れていたのがエルグランドライダーなんです。
E51型エルグランドライダーは2002年にデビューし、2004年の夏にリフレッシュを行ってます。現行モデルで一番特徴的なのはロワウィング状になったリアバンパーの形状かと思います(最近、他車種のライダーでも結構採用してますネ)。多くの方はデザイン処理としてやってるんだろうナと想像してると思うのですが、実は結構ディープなのヨ。
というのも、E51のスペアタイヤはリア床下。そして、2WDはテンパーで4WDはノーマルタイヤ(すべての4WD車でテンパータイヤがNGという話ではありません)なんです。
問題は、ライダーのサスに前述のデザインのリアバンパーを組み合わせると、ノーマルサイズのスペアタイヤが取り出せなくなるということ。4WD車に関し標準車がノーマルタイヤでしか品質保証していないのに、ライダーだけテンパーにするのは通常ありえません。このままでは4WD車にはライダーが設定できない、あるいはあのデザインをあきらめるか。もしくはスペアタイヤを取り出す際はバンパーをはずしてネ、という案内方法も無いことはない・・・でもめったに使うことが無いとは言えさすがに不便ですよね。
で何をしたかというと、結局ライダーには4WDにもテンパータイヤを採用させてもらいました。もちろんオーテックのファクトリーカスタムは、標準車と同じ信頼性&耐久保証をすることが約束ですから口で言うほど簡単ではありませんでした。テンパータイヤを装着して走行しても、デフの油温が保証範囲を超えないように、フロントバンパーのリップ形状、リアバンパーの開口形状、ロアウィングの角度設定などの組み合わせで、床下を流れる空気の流速を上げることを実現しました。コンプリートで作ってるので、いろいろ工夫できるのです d(^^)。
効果はシミュレーション実走行でも確認、もちろんOK。 めでたし、めでたし!
ボディ上面と床下の空気の流速差をうまくやってあげると高速走行時のリフトを低減することができるのは、SR系やバージョンニスモでこってりお話したとおりです。なるほど~だからライダーは高速が得意なんだね!って言っていただけると超嬉しいっす。
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ライダー | クルマ
Posted at
2007/04/18 19:47:02