
AOG(うち主宰のSNS)で、クルマを停めるとき耳(ドアミラー)をたたみますか?っていうのが話題にのぼり、ふと思い出したこと。
日本でドアミラーに対する規制が撤廃されたのは今から25年前、1983年のことだ。それまでは日本車はみんなフェンダーミラーだった。
その一年後には日本初の電動格納式ドアミラーが登場していて、これを採用したのはC32型ローレルだった。…っていうか、これ、たぶん世界で初だ。ドアミラーが当たり前だった欧米にも、電動格納式ドアミラーはなかったはず(もしも間違ってたら誰か教えてください)。
なんでC32ローレルが世界初だと推定できるかというと、日本人は駐車場でクルマを後ろ向きに停めるからなのです。駐車場も狭いしね。狭い駐車場で後ろ向きにクルマを停めると、クルマとクルマの間を抜けて出てくる時にドアミラーは邪魔ですよね。もし隣のドライバーが乱暴な人だったりするとへし折られちゃうかもしれない。
アメリカでドアミラーをたたむニーズがあるとは思えない。じゃあ欧州はどうか?これもたぶんドアミラーをたたむ習慣はなかった(今でもないじゃないか)と思うのだ。
もう15年くらい前だけど、ドイツ/ベルギー/フランスあたりに、クルマの使われ方を調査しに行き、何日間かスーパーの駐車場で、どんなもの積んでるのか、とか眺めていたことがある。そのとき面白いなぁと思ったのは、ほとんどのクルマが前から突っ込んで停めてること。
今ではどうかわからないけど、ドイツなんかは平日のお店の営業時間が短く、土曜も半日営業、日曜は休み。コンビニもないし、宅配もあまりないから、買い物が大変なのだ。水道水が飲めない地域も多いので、ミネラルウォーターをまとめ買いするから荷物も重い。レジ袋はそのころでもすでに有料だったし、みんなショッピングカートを押して車のところに戻り、トランクに荷物を積む。
だから前から突っ込んでクルマを停めるわけです(たぶん)。
み~んながクルマを前向きに突っ込む場合には、ドアミラーはお互い邪魔にならない。だから、たたむ必要がない。電動格納なんていらない。
日本でも郊外の大型ショッピングモールでまとめ買いする文化が広まりつつあるけど、最近できてるモールの駐車場は、あくまでも後ろ向き駐車を前提に、カートを押したままクルマの後ろに回りこめるように設計されている気がするんです。
たぶん、日本車の電動格納ドアミラーを見た欧州の自動車メーカーの人たちは、何のための装備か理解できなかったんじゃないかと思う。『日本人は几帳面だから』とか『日本では玄関で靴を脱いでそろえておくのがマナーだから』とか、だから、ドアミラーをたたむんだろう…なんて想像してたんじゃないかな。
あくまで推測に過ぎないんだけど、クルマの装備ってその国独特の生活習慣とか文化とかに因るものが多いので、何か新しい装備が登場したときに、よその国のメーカーの人はどう考えたんだろう?なんて想像するのを結構楽しんじゃったりするおいらです。
写真のキューブにまつわる話は
こちらをごらんくださいませ。
Posted at 2008/03/19 19:04:56 | |
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