
先々週、台風の中で新型エクストレイルのメディア&ジャーナリスト試乗会が開催されていたという話をしましたが、その時にいろいろ考えたこと。
なかなか時間が取れず、今さらですがちょっと書こうと思います。
今度のエクストレイルは、4人で遊びに行く道具!っていう狙いで、ど真ん中にストレートを放るような造り方がされてます。目玉技術はオールモード4x4-i。4WDとVDCを統合制御してやることで、滑りやすい路面でのハンドリングや発進停止などを飛躍的に向上させている。ヨーモーメントコントロールでアンダーステアやオーバーステアも補正し、ガレ場で片輪が浮いてもブレーキLSDで接地輪に駆動力を配分してちゃんと前に進む。目がくらみ足もすくみそうな急な下り坂でも、ヒルディセントモードに入れればブレーキを踏まずに自動的に低速を維持。もう、運転者はハンドルとアクセルだけ操作してれば、どんなところでも行けちゃう。すごい! これが205万(税別)と聞くと腰が抜けそうになる(言い過ぎか)。
自動車メーカーの人間の場合、最新技術もいろいろ考えている一方では、技術が進みすぎると人間がやること無くなっちゃってつまらなくなっちゃいけないとか、も考えてる。僕個人的にはプリミティブなものが好きというのもあって、どちらかというと、あまりフールプルーフになっちゃうのもどうしたもんかなぁ、と考える派だった。
だけど、いろいろ話を聞きながら認識が変ってきた。っていうのは、このオールモード4x4-iの目的は、(乱暴な言い方をすると)オフロードを『楽しむ』ことではなく、悪条件の道を走り抜き『たどり着いた先でフルに遊ぶ』ことなんだ、と考えたから。そう感じるくらいエクストレイルのモノつくりは直球だなぁと思った、というのもある。
う~ん、最近どこかで同じような感想をもったぞ。 そう、デジカメだ。
最近のデジカメは、オートフォーカスは当然として、手ぶれも補正してくれるし、人の顔を認識してそこにピントや露出も合わせてくれる。被写体としてもっとも多いのが人間、特に自分の子供らしく、そこに向けて技術が開発されたわけだ。撮影者は難しいことを考えずに我が子の最高の笑顔だけに集中すればいい。あとは最高の結果をカメラが提供してくれる(さらには笑顔認識というのまであり、これだとシャッターチャンスまでカメラが選んでくれる)。技術は、キカイを所有する悦びとか、難しいメカを使う楽しみよりも、写真を撮る/写真に残すという喜びを提供してくれようとしてる。
で、エクストレイルは、オートフォーカスと手ぶれ補正のついた最新のデジタル一眼レフなんだと思った。なんで一眼かというと、デジタル一眼レフって、僕が想像していた以上にマニュアルチックに遊べる領域がある。実はデジタル一眼買うまでかなりデジタル否定派だったんだけど、デジタルだからこそ生まれた新しい一眼レフの遊び方もある(昔のレンズつけたり、ピンホールカメラ化したり、ファンダー改造したり)んだ、というのをデジタル一眼を買ってから認識した。エクストレイルもデジタル一眼と同じく、ただの新技術搭載のフールプルーフカーではなく自分なりに遊ぶ部分がたくさんある。なんたって6MTも選べる(アクシスには設定してないけど)。
こんなこともあって最近は、最新の技術を受け入れた上で遊ぶ領域を発掘するほうが楽しいぞ、と思い始めた。技術は人のためにあって、それは今まで知らなかった領域に人を連れてってくれるものであり、それによって人間がやることが無くなったり、つまらなくなったりなんてしないんだよな~と。
エクストレイルは
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エクストレイルアクシスは
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Posted at 2007/09/20 17:06:59 | |
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