
さて、ずいぶん経過してしまいましたが(すみません・・・)、昨年秋のノートのマイナーチェンジに伴ってライダーに採用された「専用チューニングコンピュータ」について追及する続編です。
このCVTチューニング技術は、E52エルグランドライダーハイパフォーマンススペックで最初に採用したもの。
著名ジャーナリストの方々はもちろん、本山さん~柳田さん~松田さんという歴代のモチュールオーテックGT-Rのドライバーをも唸らせてきたもの。
多くの方からエンジンのパワフルさに加えて、そのCVTチューニングに対して
「滑り感やタイムラグが少なく加速がダイレクト」「息の長い加速が気持ちいい」と評価をいただいてきました。
さて、いったいオーテックは何をしたのでしょう?
その解説をする前に・・・
そもそも、日産のCVTに関する技術解説ページには、アダプティブシフトコントロールとか、リニア制御などの言葉が並んでいます。
いわく・・・
気持ちよいドライブフィールを実現するために、コンピュータの処理能力を引き上げ、スピードやアクセルの踏み加減に応じて、1000パターン以上の変速パターンから最適なエンジン回転数を選択する。「勾配負荷」「コーナリング負荷」など、クルマの走行状況を常に計算し、現在どんな運転状況にあるのかを敏感に感知します。
市街地走行なのか、高速クルージングなのか、あるいはワインディングロードを気持ちよく走っているのかなどを判断し、同時にドライバーの運転傾向も把握して、走行状況と運転傾向をCVTコントロールユニットに伝えると、そのときの走行シーンに最適な変速パターンを選択しています。
とのこと。
その制御の流れは、簡単に書くとこんな感じ。
運転者のアクセルの踏み方と、車(タイヤ)から戻ってくるフィードバックからエンジンの負荷状況を判断し、最適なスロットル開度とシフトパターンを制御する。 それその制御パターンが1000パターン以上用意されているそうです。
普通に流して走っているときには、アクセルをオフにするとギア比は高いほうにシフトしていき、エンジン回転数は落ちていきます。
しかし、ワインディングを調子よく飛ばしてるな、と車が感知したときにはコーナーアプローチでアクセルオフしたときにギア比を上げすぎず、エンジン回転もそこそこの回転数をキープしながら、コーナー立ち上がりに備える・・・。
ブレーキからアクセルに足を移して再加速する時にエンジンの無駄な空吹き感を軽減するような制御に移っていくのです。
これ、実感済みの人もいるかと思いますd(^-^)
(JUKEのスポーツモードなんて、かなりこれが明確に出ていて、アクセルのオンオフを早めに繰り返すような走り方をしているときは、ブレーキかけるとシフトダウンまでしますね。)
オーテックでは、この1000以上ある、という走行パターンから、スポーティな走行状態を引き出し易くするように、アクセル操作に対する制御をチューニングしています。
もちろん、経済的かつのんびり走りで使いたい場合には、エコモードはあえてそのまま残してますので、そっちを使えばOK。
これを聞いて『ああ、アフターパーツのスロコン(スロットルコントローラー)といっしょね』と思った人がいるかもしれませんが、そうではないっす。
アフターパーツのスロコンはこんな風に・・・

アクセルとコンピュータの間に割り込んで、たとえばアクセルを2/8まで踏んだ時に、車両のコンピュータに対して、少し余計に・・・たとえば3/8まで踏んでいるような情報を与えるといったもので、エンジンやCVTは3/8開度の信号をうけとります。スロコンは要するに“アクセル早開き装置(あるいは遅開き装置)”なんですね。
一方オーテックチューンのコンピュータはかなり違ってて・・・

具体的には、先に説明した、アクセル開度だけではない、それ以外の車両の状態も含めた走行状態(ドライバーが“こんな風に走りたい”)を読み取りながら、その時の加速意図(ドライバーの加速したい気持ち)に合わせたエンジントルク・ギア比などを“オーテックが考える最適”になるように、創り込みをしてます。
駆動力がガツンと出る領域ではギア比を下げすぎず、逆に不足するシーンではギア比で補うような制御。
その過程は入念な机上検討はもちろんのこと、たとえば“ETCレーンを通過した後の料金所加速”や“交差点発進”など実際の走行シーンを想定し、スポーティに走りたいお客様の“気持ち”になった開発ドライバーによるテストコースの走り込みによってチューニングを実施してます。
これによって、・・・日本の公道でお客様が遭遇する様々な走行シーンで、余裕の(期待通りの)加速とその後の加速の持続(伸びの良さ)により、気持ちのいい加速ができるっていうわけなんです。
結果的に手にいれた性能は、たとえばこんなふうに、
アクセル操作に対し、高い加速Gがスムースに立ち上がり、長く持続する、という、気持ちよさを実現しているのです。
この一枚のグラフ(模式図)では、とても語りつくせないオーテックのパワートレインチューニング技術。
さあ、次はあなたが体験する番です(^-^)/
Posted at 2015/02/23 13:56:38 | |
トラックバック(0) | 日記