なにのために、だれのために

インナーハンドルのパーツ、デスクの上で分解して、ホコリと汚れを取る．
これまでにあった事を忘れて、これから新しい汚れをまとうために．



裏まで、隅の隅まで、ちゃんと老眼鏡をかけて．



見える限りの裏も、スキマも、この手でリセットする．
レストアっていうのはそれの積み重ね．
自分の手段と忍耐と費用を積み重ねること．



ロッドはいったん熱して耐熱シルバーをスプレー、塗り過ぎないのが美しく仕上がるコツ．
エンドはネジだと思ってましたがこのように「らせん」ではありませんでした．





ロッドのクリップをグリム紫と歯ブラシで．
思ったよりちゃんんとキレイになるもの．
この樹脂は多分ナイロンなので汚れが落ちやすいのでしょうね．





ファスナーもお掃除．
お掃除しないと組めない、組みたくない、組むものか．



不要な穴を塞ぐクリップ、防水クッションがかなり劣化、指で揉むと粉々になるのではないかと．



グリム紫で洗ってからラバープロテクタントを吹きつけて様子を見る．
かちかちだったパッキンに弾力が戻って驚き．

ラバープロテクタントはある時期からお掃除マスター、ニッタさんが猛烈に使いはじめて何事かと思ったもの．
今では私もスペアを欠かせないほど絶大な信頼を置く信者となりました．
お掃除、レストアには無くてはならないケミカルです．



これにまで憎きブチルが付いていたので除去．



ファスナーにもブチルが付いていないか要チェック．
複合板の厚さでオリジナルの2ミリにこだわったのもこのファスナーの為．



防水付きファスナーはまだ使えそう．
でもこれらは新品に換える．

見えなくなる細かなパーツを歯ブラシや綿棒で掃除する．
ちまちまと、お掃除ばかりでなかなか組めない．
こんな作業は金をもらって人の為にやる事じゃない．
それは自分の思いを封じ込める作業なのだ．
だからこのロードスターには客観的にはほとんど何の価値もない．

ただ、娘のかけがえのない1台に仕上がればそれで満足なのである．