いつかどこかで

思いがけなく日が差した休日の夕暮れ時．
気持ちよく走るロードスターのミラーに見慣れた顔．
口を開けてすっかり寝込んでいる銀色のロードスター．

車載の上に一台だけ載せられている．
他のみんなは降ろされて、最後にどこへ向かうんだい？
何も知らずに眠っている銀色のロードスター．
走ってもいないのに身体いっぱいに風を受けて、
のんきに見ているのはきっと空を飛ぶ夢．

これまでどれだけのロードスターを見てきただろう．
　たくさんのロードスターたち．
　　　仲の良いいつもの友達の　　ロードスター．
　　　　めったには会えない　　　　ロードスター．
　　　　　もう二度と会えない　　　　ロードスター．

この銀色のロードスターも、
きっと新しいオーナーに出会って、
あたらしい人生を一緒に歩んでゆくに違いない．
楽しい時も、悲しいときも、
主人の人生にぴったりより沿って、
身体のあちこちをすり減らしながら、
朽ち果てるまで元気いっぱいに走れたら、
車としてのなんて素晴らしい生命だね．

　どこかの道でドキッ！とすれ違うかも．
　　どこかのミーティングで笑顔で会えるかも．
　　　どこかのパーキングでよそよそしくトナリ同士かも．

いつかどこかでまた会えるといいね．
ストライプを見つけたら声をかけて．．

　　　　・・・白いロードスターより、
　　　　　　　　　ねむっている銀色のロードスターへ．



ぼくのロードスターもいつか眠りながら走りました．足を砕かれて傾いているのがわかります．