ニト朗＋（風紀委員）のブログ一覧

ターンテーブルに乗せる時に、慌ててセンタースピンドルでこすってしまった跡．
心をこめて両手でレコードを持てば、自然と丁寧な扱いになるはずなのですが、
ついうっかり、こんなふうになってしまいます．

ロードスターに乗る時も、うっかりサイドシルとドア内張を蹴っ飛ばしてしまう事があります．
人のロードスターに乗る時は足が吊ろうが、腰がボキっと言おうが、グルコサミン不足の硬直した体をよじらせてでも、そのような無礼がないように心がけているつもりです．
でも急いでいると、それが自分のロードスターだと、ついうっかりやってしまう事があります．

ビル・エヴァンスは51歳で亡くなった．
このレコードを買った時はその歳を追い越す自分など想像もできなかった．
「おい、お前が手にしているレコードと言うものは、やがてすっかり無くなってしまうのだぞ」
と、昔の自分に教えたって「そんなバカな事ないだろう」と信じないだろう．

立派なハンドルをワシ掴みにしてドアを開け、
サイドシルに靴をこすりつけて
土俵でシコを踏むようにがばっと乗り込んで
ずっばーん、と力任せにドアを閉める．
空白の顔でごぼっと床までアクセルを踏んで
ぶがーわーっと走り去る・・・

スポーツカーとはそんな無神経な仕草の対局にあるものです．
ドアを開ける前に、心がそっと乗り込んでゆく、そう言うものでしょう．
そんなスポーツカーとしての独特の雰囲気がロードスターにはあります．
NAのドアノブが意図的に小さいのは、疑う余地無くそう言う事なのです．

「大切なものを丁寧に扱いなさい」

NAのドアノブに指を差し込む度に必ず聞こえる言葉、
「ロードスターの作法」
みたいなものだと思います．

【恋愛】れんあい
特定の異性に特別な愛情を抱いて二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいと言う気持ちを持ちながらそれが常にかなえられないでひどく心を苦しめる．稀に叶えられて歓喜する状態．

だそうです．
異性ではなくロードスターと考えると納得？
「合体」かぁ．
いや、ロードスターとね．

恋愛の定義を改めて読むと、プラモデルを思い出してしまいます．
作るためにあるものなのに、完成するのはごく稀な事．
完成したら、少し冷めてしまう事．

何年経っても恋愛できるロードスターが居る事は、
たいへん幸福な事ですね．

10年ぶりの大雪、らしい．
らしい、と言わねばならないのは10年前は大雪を実感していないからだ．
10年前の今ごろは6週間の入院期間で二度めの手術を受けた頃だった．
テレビの画面と病院の窓から大雪を見ただけで、結局雪かきなど一切しなかった．

年末に入院して以来、
少しは心細かったり、不安が膨れ上がったりもしたが、
たくさんの皆さんにお見舞いに来て頂き、勇気と笑顔を頂いた．
病室のテレビの朝5時のニュースで、アナウンサーの姿がおぼろげに見えた時の嬉しさを思い出す．
それから10年が経った．

やがて退院して少しずつ自動車の運転に慣れる事にした．
2月のミーティングには思い切ってロードスターを運転して行ったのだが、
我ながら「よくぞたどり着けたものだ」と思ったほどフラフラの運転だった．
ロードスターのように小さい自動車の運転であれほどトラックとすれ違う事が怖かったのはそれっきりである．
10年経って、そんなことを思い出す．

地元のクラブで仲良くして頂いたMさんが事故で亡くなってから、
3月で10年になる．
2月のミーティングでは大きなモーターサイクルに乗ってこられていて、
面白そうにぼくの写真を撮ってくれた．
ぼくはどこを見ているか分からない顔で斜めに立っていた．
Mさんは長身ではにかむ笑いの優しい眼差しのまま、思い出にずっとそのままだ．
それから、もう10年だ．

その年の夏の夜、ぼくは一人で青森に向けてロードスターを走らせた．
もうすっかり以前のように運転できる自信があったし、
自分自身が健常者であることを確かめたくもあったのだ．
青森ではロードスターというのが何だったのか、それまで漠然としていたものを確かにこの目で見た．
「ロードスターの宇宙の中心」で心震わせた夏だった．

10年と言うのは経ってみると早いと感じるが、
出来事を吟味してゆくと十分ボリュームのある年月だ．
この後の10年がどうなるかは分からないが、
ロードスターとその世界にいる限り、
きっと楽しい事や感動する事が多いに違いない．

10年後にも、また大雪が降るのだろうか．

「誰もがしあわせになれる」
などと言われるロードスターですが、
ひとが幸せになる
などという事をロードスターがどう実現するのでしょうか？

ぼくは幸運にも
「ロードスターがある人生」
を楽しまれているオーナーの皆さんと、
少なからず交流する事ができました．
日本中、世界中、
その中には地球にやってきた異星人のオーナーも含まれているでしょう．

ロードスターのある暮らしは千差万別、
楽しみ方も千差万別ですが、
皆さんの笑顔を思い出すと一つの想いに至ります．

だれもがロードスターで、
自分自身を
何か、
なにか仕方のない事から、物から、状況から、運命から、
解放する事が出来るのではないか？
それは逃避なんかではなくて、
絶対にそうではなくて、
自分の本質に戻ると言う意味で、
自分自身を取り戻すという意味で、
自分を開放することが出来るのではないか．

だから、
ロードスターとは、自由の象徴なのだ．
自分自身が解放されるという事は、
まさに究極の自由ではないか．

実際には
ロードスターという自由を手に入れるのは、
いったん思いついてしまえば
思った以上に簡単な手続きで可能です．
少しも特別な事ではないのです．


いま、これまでに出会ったすべてのロードスターのひとを想います．
これから出会うかもしれないロードスターのひとを想います．
忘れる事の出来ない、もう会えないロードスターの愛すべき人を想う．

ロードスターで人がしあわせになるという事は、
それと暮らす事で
「自分らしく」
生きる事が出来るという事．

そう考えて目を閉じて、
思い出すどの笑顔も
本当に素晴らしい．
まさにその人らしい人生が輝いていて、
運動場の壊れた水道の蛇口のように
あの音と匂いと風が頬に流れる．

ロードスターというのは、
ぼくにとって
そう言う事のすべてです．

きょう、あらためて、
ロードスターに関わるどんな人にもありがとうを言いたいです．
そしてロードスターに乗るたびに

ぼくも、
ぼくの大好きな人たちも、
みんな自分らしく
人生を楽しんでいます．



　　この写真を撮ってくれたRoseann、仲間たちの永遠の人気者、ぼくが生涯忘れない優しい人．

 

 



　　心の師匠、BK氏の”R-4RE”．　
　　（それは師匠にとってのMiata）
　　あなたは自らその意味を語る無粋などしなかった．

僕はしばしば、判断基準としてロードスターを参考にします．

今日のニュースで思った事．
もし政権与党の党首がロードスター主査だったら？
もし総理大臣がロードスター主査だったら？

誕生から２０年が経ったロードスター、
そのロードスター誕生に際して立ちはだかる様々な難問を、
いかに克服〜あるいはうまく誤魔化して、
今私たちの前にあるロードスターが誕生したか．
それこそに私たちが人生のあらゆる局面で直面する様々な問題を解決する回答が秘められて、
いや、それそのものが回答そのものでさえあると言えます．
言い切ってしまえます．