全く普通に使えていたから疑いもしなかったブレーキ。
確かに新しいCC-Rg組んでから'少し鳴くなぁ'とは思っていたが、これが唯一のサインだった。
この所、対向キャリパーばかり扱っていたから片押し独特のトラブルをすっかり忘れていた。
そもそも思い返せば会長にも'立ち上がりでパワーが無い'と言われたのもこれが関係していると思う。
要は'サーキットでフルブレーキング→パッドが引っかかるがブレーキフルード圧は80kg以上、むりやりパッドを押しつけ減速するがパッドがペダルリリースしても直ぐには戻らずブレーキを引きずったまま'・・そりゃ加速せんわ。。
昨年後半のサーキットが始まる前に点検はしていたのだが、その時にオーバーホールするべきだった。
サーキットでパッドが無くなり、危険な帰り道になったスイスポさん、部品が揃ったので早速オーバーホール、まずは恐る恐る分解。
左はかなり酷い。右側がピストン側で左側アウター側、80kg以上のブレーキ圧がキャリパーに引っかかったパッドを無理やり押したから一応は効く、だがフリーになら無いからこんな状態に(ここまでの状態は初めてかもw)
しかもアウター側の真ん中が膨らんでいる、キャリパーは大丈夫なのか?
パッドも材料も揃ったのでバラして点検していく、ブレーキオーバーホールはシールを変えれば良いわけではないついでにその辺りも解説。
やはりピストンは酷い、ここは予想していたので新品を頼んである。
割と知らない人が多いので書いておく。
そもそもブレーキを踏んだらどうなるかはわかっている人が多いが、抜いたらどう動いているか知らない人が多い、上のピストンシールがブレーキペダルを踏むと変形しながらピストンを押し出す、ペダルを離すと変形したシールが元に戻る力を利用してパッドが緩む。
その際、非常に重要な部品が'ブレーキスプリング。
パッドに適度なテンションをかけガタ付きを無くす部品なのだが以外にダストでダメになりやすい。
対向キャリパーにはこの部品は無いが上から抑えるスプリングがある。
このスプリングがはまる場所がもう一つの問題。
ブレーキダストが隙間に入り込みキャリパーに固着、スプリングのクリアランスを狭めパッドの動きが悪くなる。
動きが悪くなるとどうなるか?
踏み込む方は高い圧力で踏むのでさほど問題はない、しかし抜く方はパッドがローターから離れるのに時間を要し'このパッド、ブレーキ残しやすい'なんて間違った感じになる、それ以上悪くなると上記の座金が曲がったパッドが出来上がる…つまりアタシの完全自爆😂
片押しキャリパーのオーバーホールがめんどくさいのはココ、ワイヤーブラシやスクレッパーでこびり付いたダストを削り落とす事、片側1時間以上かかる事もある。
削りが終わったら新品のスプリングをセットして動きが悪く無いか確認、コレがNGならキャリパー交換、決してサンダーなどで削ってはいけない。
スプリングが無い状態でパッドとキャリパーのクリアランスは2mm無い、ナナメに削ってしまったらそれこそ危ないので注意、スイスポさんはクリアランス1.38~1.46mm(実測)だったがコレが正解かデータはメーカーしか持っていない。
キャリパー内部も'アタリ'が強かったがピストンクリアランスはさほど酷くなかったためピストンだけ新品を使用、ダメならキャリパー交換だが噂では廃盤とか😓
ダメならノーマルサイズのローターにキャリパーだけ作るしかないか。。
みんな苦労するダストカバー、グリスを塗ったピストンにダストシールをこの位置に取り付け
ピストンを浮かせながらマイナスドライバーで傷つけないように先に溝に入れ
入ったらピストンを少し回転させながらゆっくり入れていく、回転させるのはピストンとキャリパーシールを馴染ませるため。
片押しにしか無いピンもきっちり洗浄してグリスを塗って組み付けて動きが悪く無いか確認。
グリスは純正では無く粘りの強いコレを使用し
完成♪…戻ってくれると良いなあ。
後はリアもオーバーホール(こちらもピストンは新品を使用)
久しぶりに治ったかドキドキするー😅
Posted at 2022/02/04 20:06:40 | |
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