
驚愕のレベルか ポロ ブルーGT(FF/7AT)
【海外試乗記】
(12.07.23)
インプレッション引用
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■ 驚きのコンパクト
フォルクスワーゲン・ポロ ブルーGT(FF/7AT)
「フォルクスワーゲン・ポロ」に、気筒休止システムを持つ新グレードが登場。従来モデルとの
違いを、オランダの試乗会で確かめた。

■ ただの新グレードではない
その名は「フォルクスワーゲン・ポロ ブルーGT」。「これまでのポロで『TSI』と『GTI』の間に
あった、やや大きな隙間を埋めるべく投入するニューモデル」と開発陣が説明するこの
クルマには、なるほど「ポロGTI」と共通のフロントバンパーやリアバンパー、リアスポイラー
などが与えられている。

エクステリアでは、ブラックアウトされたドアミラーや新デザインのフロントロワーグリル、

インテリアではブルーのアクセントが入ったスポーツシートやグレード名の入ったステアリング
ホイールなどが専用のアイテム。215/40R17という“GTIサイズ”のシューズを履く足まわりは、
GTIと同様にTSI比で15mmローダウンされたスポーツシャシーとなっている。
要は、TSIほどに常識的ではなくGTIほどとがっているわけでもない、両者の中間を狙った
モデルというわけだ。

実はこの新グレードには、見逃すことのできない大きな変化があるのだ。
それは、搭載される1.4リッター直4ターボエンジンが完全新設計の次世代ユニットだという点
である。アルミ製のクランクケースに、シリンダーヘッドと一体化されたエキゾーストマニフォー
ルド。インタークーラーも、プラスチック製のインダクションモジュールとひとつになっている。
さらには、フォルクスワーゲンで初とされる2気筒休止のメカニズム「ACT(アクティブ・シリン
ダー・マネジメント)」も搭載されている。
■ 食は細いがよく走る
これは、エンジンの負荷が軽い時に2番と3番のシリンダーを“間引き”すると同時にポンピン
グロスを低減させ、その分燃費を向上させようというもの。気筒休止のアイデアそのものは
別に目新しいわけではないし、滑らかな回転フィールを特徴とする多気筒エンジンでは過去
の実用例も少なくない。4気筒エンジンの2気筒を休止させるシステムは、かつて三菱で発売
例がある。

とはいえ、それらのいずれも、高い評価を得られたことはなく、気付かぬうちにフェードアウト
という例も多かった。休止と稼働の切り替え時に発生するショックやノイズ、さらにアクセル
レスポンスの違和感や、費用対効果の点などから、市場に根を下ろすことはなかった。

その点、フォルクスワーゲンのACTシステムは「特に複雑なメカニズムを用いていないため
にローコストでの実現が可能」(フォルクスワーゲン)。この先すべてのターボ付き直噴エンジン
で、このシステムを標準とする計画だというのも、大きなニュースだ。
実際の効果も大いにアピールされる。ブルーGTの新エンジンは、ヨーロッパで最も新しい
計測法(NEDC)で、100km走行あたり0.4リッターの燃料を節約できるとされる。
同測定法でのCO2排出量は6段MT仕様で107g/km、7段DSG仕様では105g/kmで、これは
1.2リッターのTSIが記録する124g/km(MT仕様)を大きく下回る。それでいながら、最高出力
は140psで最大トルクは25.5kgmとTSIのスペックをはるかにしのぐ。ちなみに、日本への導入
が予想されるDSG仕様車での0-100km/hの加速タイムは7.9秒、最高速は210km/hというから
、なるほど“GT”の名にも恥じない実力の持ち主ではあるのだ。
いずれにせよ、ブルーGTの気筒休止機構付きエンジンが、決して「燃費性能だけを狙った
もの」ではないことは明らかだ。かの地では、“走り”が良くない燃費だけの「エコカー」など、
そもそも評価の対象にはならないのである。
そんなブルーGTを、いよいよスタートさせる。走りだしの瞬間から、静粛性についてはこの
クラスの平均より確実に優れていると感じられる。締まってはいるもののストローク感が豊
かな足と正確なハンドリングがもたらす身のこなしもまた、「このクラスのマイルストーン」たり
うる仕上がりだ。15mmローダウンしたサスペンションを採用するものの、GTIよりもしなやか
な乗り味と感じたのは、気のせいではなさそうだ。その基本的な走りのキャラクターは、確か
に「TSIとGTIの中庸」を具現している。
■ 知らぬ間にエコ
一方、肝心の動力性能面だが、これはもう「文句の付けようがない!」としか言いようのない
仕上がりだった。

スタートに際してトルコン式ATばりの滑らかさをみせる7段のDSGは、その後、エンジン回転数
と車速がきれいにリンクした加速をもたらし、スポーツ派ドライバーの要求を高い水準で満た
してくれる。
絶対的な加速力も十分で、わずか1500rpmでピーク値に達するスペックが示すとおり、日常
シーンで多用される低回転域におけるトルクの太さも期待以上。ビジーシフトの感覚もなく、
常に高めのギアが選択され、全体的な走りの印象はますますよいものになっているのだった。
注目の気筒休止システムがいかなる働きぶりを見せたかというと……その動作そのものが、
ほとんど意識されなかった。
「エンジン回転数が1400-4000rpmで、25-100Nm(2.5-10.2kgm)のトルクを発生している時に
切り替わる」という2気筒運転モードで走っているかどうかは、耳を澄ませばわずかに低周波
のノイズが増していることで判別できる。だがそれも、意地悪く意識を集中すれば何とか判別
できるというレベルだ。切り替えに際してショックやアクセルレスポンスの変化は皆無で、メー
ターパネル内のディスプレイを確認しない限り、どちらの運転モードかは明確にはわからない
というのが、実際のところだ。

今回は、トータル180kmほどのルートを試乗。最高120km/hのペースで走った高速道路主体
の区間では、燃費は20km/リッターを記録した。そのまま燃費計をリセットせず市街地なども
走り、時にはフル加速性能などもチェックしつつテストドライブを終えた段階では、16.9km/
Lとなった。走行条件に照らし合わせると、1.2リッターのTSIのデータに近いという感覚だ。
アクセルペダルに即応してグングンと力強く加速できる一方で、ドライバーが気付かぬうちに
2気筒ユニットに変身したり、赤信号のたびに動きを停止したりして、乾いたタオルをさらに絞
るがごとく燃料を稼ぐ。そんな新世代エンジンの出来栄えも確かに素晴らしいが、このニュー
モデルの真価は、トータルな走りのクオリティーの高さにある。まさに、驚愕のレベルにあると
断言できる仕上がりであった。
スペインで生産される「フォルクスワーゲン・ポロ ブルーGT」。欧州の発売予定時期は2012年
の第4四半期で、ドイツ国内におけるスタート価格は1万9650ユーロ(約190万円)となっている。
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まー凄いレベルなんでしょうねー
予想価格はTSIとGTIの中間と言う事で、268万円でしょうか?(根拠無し)
パワーがあって、安全で、楽しく、しかもエコ、そして驚異の価格とくれば
日本上陸したら、試乗してみたい♫・・・欲しくなるかも(汗)