『A MOST UNLIKELY RALLYING HERO』
クルマ好きで、V8 エンジンの雄叫びが嫌いな人がいるのだろうか?
ラリーの世界では、ほとんどの人があまり耳にするものでは無く、ARA(アメリカン・ラリー・アソシエーション)は例外的で、ほとんど何でも許されるという自由なルールを持つため、V8 エンジンを搭載した野獣は、米国のステージでは珍しくありませんが、ヨーロッパや FIA のイベントで聞かれる事はありません
しかし、昔からそうだった訳では無く、過去に世界ラリー選手権の2戦で、V8エンジン搭載車が優勝しています
1979年のコートジボワールではハンヌ・ミッコラがメルセデス・ベンツ 450SLC で、1980年のコートジボワールではビョルン・ワルデガルドが 500SLC で優勝を飾っている
1979年、その年の大半フォード・エスコート RS 1800 MKIIをドライブしていたワルデガルドが、初のドライバーズチャンピオンに輝くのにメルセデス・ベンツ 450SLC は大きく貢献、サファリラリーで2位になったことで、チームメイトのミッコラを1ポイント上回ることが出来た
同じ頃、トニー・ポンドがドライブするイギリス製のトライアンフ TR7 V8が、ERCのターマックイベントであるイープルラリーとマンクス・インターナショナルラリーで優勝し、話題を呼んだ
24 hours ypres 1980 deel 1
24 hours ypres 1980 deel 2
TR7 V8が生産終了となった後、同じ3.5リッター V8エンジンを搭載したローバー SD1 が登場したが、軽快さは無く、大きなパワーと大きなトルク、そしてフェラーリ・デイトナに似たスタイリングは話題となった
今週の Girardo & Co. アーカイブでは、1985年のERC地元ベルギーのイベントであるイープルラリーで、トニー・ポンドの長年コドライバーを務めたロブ・アーサーがペースノートを読み、オールラウンダー、マルク・デュエツがタイトな右コーナーを駆け抜ける様子を捉えている
残念ながら、このイープルラリーのSS8で、ステアリングトラブルでリタイアを喫している
この大型のGr.Aマシンは、1985年のWRC最終戦からローバーのGr.Bマシンである MG メトロ6R4に、その役割を引き継いだが、1984年のERCフンスリュック・ラリーとマンクス・インターナショナルラリーでトニー・ポンドがGr.Aクラス優勝を飾るなど、それなりの結果を残した
SD1 がWRCに出場したのは、同じ1984年の最終戦RACラリーだけで、残念ながらオープニングのSS1で木に激突してリタイアとなっている
長いラリーの歴史の中では、生まれては消えていった多くのマシンの中の1台に過ぎないが、ガソリンが血管を駆け巡っている人々の感情をかき立てることが出来る1台である
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今のテクニカルレギュレーションでは、登場しえないV8エンジン搭載のラリーマシン
いっその事、2027年からのテクニカルレギュレーションで、最大出力を規制して、エンジン形式を自由にすれば、登場する・・・かも?(笑)
Posted at 2024/06/17 20:14:52 | |
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