
こないだ内視鏡検査して気になったカーボンと思われる物体。
試して見る価値はありそう。
このネタはyoutubeで発見したんですが,ググると結構色んな方がチャレンジしています。この薬液はかなり強力で農機のキャブオーバーホールなんかで大活躍します。ガム・ワニス状の物体を強力に分解してくれるのは経験済み。
エンジンコンディショナーの本来の使い方はエンジンをかけつつ吸気系から吸い込ませるのですが,所詮霧状のものが吸い込まれていくだけ。浸け置きとはレベルが違います。
というわけで,禁断の非分解つけ置き作戦を実行することに。
使いかけの1本がありましたが,どうせ足りないのでもう1本買ってチャレンジです。
冷えたエンジンより温まっていたほうが薬液の浸透も良さそうなので,ちょっと買い物に行って帰ってきて2時間ほど放置してから作業。
後の工程でクランキングする必要があるため,先に燃料ポンプを止めてエンストさせておきます。
プラグをすべて外して,エンジンコンディショナーを吹き込みます。
本来のノズルは真っ直ぐなやつですが,SRエンジンはプラグホールが深いです。また,隅々まで行き渡るようにノックスドールに付属してきた360度ノズルを使います。もちろん新品。
各気筒ともゴミが入らないように蓋をして3分・・・じゃなくて30分以上放置。
この後の工程には諸説あります。
・ウォーターハンマリング現象の恐れがあるので,薬剤を吸い出さなければいけない
・プラグを付ける前にクランキングして内部の薬剤を吐き出す
・この程度の薬剤ではウォーターハンマリング現象はおきない
・スターターモータにはウォーターハンマリング現象を起こすほどのパワーはない
などなど。
色々思うところや納得できるところもありますが
・どれくらい薬剤が溜まっているかわからない
・スキッシュエリアがどれくらいかわからない
・吸気行程のシリンダはやっぱり怖い
ということで,とりあえず注射器で内部の薬液を吸い出します。
で,吸い出した薬液がこれ!

一番汚れていると思われる2番シリンダ。予想通り一番汚かったです。1番や4番はここまでではなかったですが,汚いのは汚い。
最初はこんなかんじでペーパーウエスの上に吐き出してみてましたが,すぐにびちょびちょになってしまいます。小さく見える黒い粒は主役のカーボンですねぇ
なので,空き缶にペーパーウエスをかけて,天ぷら油を濾す要領でカーボンを濾してみました。

取れたカーボンたち。途中からこの作戦にしたので,最初の分も合わせればもっとあったと思われます。注射器で吸い取れずにシリンダに残ったものもあるでしょうから,かなりですね。白い石みたいなのは車庫の床にあった砂のようなものなので,エンジンから出てきたわけではないです。
少し薬剤が残ったので,2回目をやる前に少しクランキングして,ピストンやバルブの位置関係を調整します。クランク回せばいいんですが,ジャッキアップすると作業がやりにくいので,セルモーターで横着します。

2~3秒クランキングしだけですが蓋をしてたペーパーウエスには取り切れなかった汚れが・・・。
この後もう1回薬剤を投入して,時間をおいて吸い出してをもう1セット。
たっぷり吹き込むつもりが,エンジンコンディショナーがなくなっちゃいました。
2セット目を終えたら,長めにクランキングして中の薬剤を外に吐き出します。

ペーパーウエスを何回も裏返しても汚れまくります。
拡大写真

2回目の施工後でもシリンダからはかなりのカーボンが出てきています。
途中,ボヤが発生しました(^_^;)
燃料は来ませんが火花をどうしようかな~と思ったのですが,イグニッションコイルのカプラーが抜きにくい位置。プラグを付けずにクランキングするとコードが痛みそうなのでコイルから出るハイテンションコードを抜いてクランキングしたのですが,当たり前ですがやっぱり放電はするわけで,一番近い4番シリンダから飛び散った薬剤に引火しました(´・ω・`)
DLIならこんな心配はないですが,気をつけましょうね
2回目の薬液を濾過したのはこっち。

こっちは1回目よりカーボンは少なめです。
何回もクランキングやっても結構ウエスが汚れるのできりがありません。ぼちぼち焼いてしまおうといよいよエンジン始動。

最初はプラグに汚れがついたりしますから,今のプラグは使わずに一旦古いプラグを使ってエンジンをかけます。17万キロの時に替えた古いプラグ。取っておくとこんな時に役立ちます。こんな時くらいですけどね(笑)
ちなみにこのプラグ,ディアスワゴンと共通です。
プラグホールは吹き出したカーボンだらけ。プラグレンチの側面がドロドロ。

これは後で掃除します。
かなり長くクランキングしてエンジン始動。一瞬かからないかと思いました。
不純物が多く爆発しにくい状態なのに燃料も出るしでかぶり気味になるんでしょう。最初は燃料ポンプ止めたままクランキングして,そのあと燃料を回したほうがいいかもしれませんね。
天気が怪しいのと,場所の都合で車庫でやったのですが(もちろん前は開いています)白煙で窒息しそうになりました。良い子はちゃんと風通しの良い屋外などでやりましょうね。
白煙が出なくなるまで軽くレーシングしてから試運転。なんだか調子は良さそうです。
この作業の後はオイル交換推奨(必須?)です。
少しとはいえシリンダからオイルパンに下がってきたコンディショナーの成分でオイルがシャバシャバになってしまうそうです。真相はよくわかりません。車検の時に交換して500kmしか走ってないのでもったいないですが,オイル交換をケチってエンジンを痛めてしまっては元も子もないので交換します。
試運転から3時間ほどおいてオイルが下がって少し冷えてから作業します。
普段はディーラーで交換しているので,純正オイルのストロングセーブSN 5W-30が入っていますが,ちょっと高いので1ランク安いエクストラセーブSJ 10W30を使います。4Lで1900円ほど。まだ汚れるかもしれないので,次も早めに交換を考えます。
SR20はエンジンの前側を高く上げないとオイルがかなり残るので,ラダーレールに乗って作業。思えばこのクルマのオイル交換を自分でやるのは初めてです。
フィルターは交換しないので3Lいかないくらいでいい感じになりました。
あとはプラグホールを掃除して元のプラグに交換。一応バッテリーを外してECUを初期化。再度試運転して終了です。
感想は,コーナーの立ち上がりでよく遅角制御が入っていた現象は見られなくなりました。ほんの3kmくらいしか走ってないのでまだまだ様子見ですが,効果は期待できるかも。排気がまだ臭いので,少し長距離走って残った薬剤やカーボンを焼き切ってしまう必要がありますね。
これで長年の懸案が解消すればいいのですが・・・。
ちなみに,お決まりですがこれはエンジンコンディショナー本来の使い方ではありません。やってみようと思う方は理屈を十分理解の上自己責任でお願いします。