2023年10月22日
対を成す鉄道の行方
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1701/11/news112.html
↑のホームページは面白いです。鉄道省がフルパワーを出し切った姿ですね。
四文字熟語で我田引水という言葉がありますが、鉄道省が日本に存在した時代には我田引「鉄」という言葉があったそうです。文字通り、我が町(または村?)に鉄道を!という意味合いを持つ言葉だと思います。
今では財務省が各省庁の中で図抜けた権力を持っているように見えます。しかし、鉄道省がある頃はそうでもなかったようです(陸海軍大臣も併せて強かったと思いますが)。
共産主義国より共産主義で、社会主義国よりも社会主義な民主国家の日本は、持ち前のムラ社会制度をそこかしこに蔓延らせ、結果として鉄道も採算度外視の拡張路線が取られました。縮小傾向になったのは国鉄民営化の手前くらいからで、それまでは廃線というのは使われなくなった炭鉱向けとか、そんなくらいだった気がします。
とにかく行けよ増やせよの鉄道発展は、農道にアスファルトをベタっと流しただけのまま、未だに使われている自動車用道路と比べてえらく頑張ったんだな、と思ってしまいます。車の肩持ってますよ?一応、笑。
何故増えたのか?何故鉄道が好きなのか?
人口増もそうですが、団体行動が得意な日本人は大人しく電車に乗ってみんなで移動するのが好きだったのかもしれません。四民平等的ですしね(でも四民って分けた時点で、あれって少なくとも区別していたし、そもそも汽車にしても一等車は平民乗れなかったんじゃなかった?存外に差別と区別が好きだった気がしますな、、、)。
ボクみたいな電車に出来るだけ乗りたくない人って意外と少ないのか、、、未だに東京でもあるまい、田舎町のマンションの広告が「xxx駅前徒歩10分の好立地」とか書いてあるのが、何の宣伝なのか心から理解が出来ないままです(頭じゃ解ってますよ)。
もちろん、大衆が納得しやすい公共事業という側面もあったと思うし、国土的に向いていたのかもしれませんが、未だ沈みゆくことが解らないのか、リニア新幹線とかやっちまうんだから、何だかよく解らないです。ペイしないよ。
で、ペイしないと言えば、JRでいう北海道と四国の問題はデカいです。
豊かになって自動車も普及したのに、何だかよく解らんなぁと思うのですが、貴重な公共交通機関だから無くさないでくれ、というわけなのです。
クルマを運転出来れば問題ない、だがそこは高齢化率が高い為にバスか電車が必須だ、、、、
その為に廃線は止めてくれ、という理論が一つあると思うのですが・・・無茶苦茶残酷な言い方をすれば、10年後、その集落や町村はどうなるのか?そのために赤字ダダ流しの税金頼む状態の巨大企業が二つも存在するのはいかがなものか。
鉄道はある程度のメッシュにおける人口分布が存続に必須になるのですが、それが崩壊すれば絶対に採算は取れなくなるわけです。だから、仕方ないのです。
もっと言えば、日本は極端に居住地が自由ですし、極端に職業選択が自由(というか指針がない)なので、就労可能人口は仕事を求めて都市圏に流出したがるし、そうなれば過疎は進む一方です。
さらにいえば、炭鉱が無くなると廃線になったように、時代の変化でその地域に社会的意味がなくなると、自然と人はいなくなるわけです。例えば、無くなってはいませんが、宇都宮、新潟、呉、北九州などは軍都の立場があり発展しましたし、そうでなければ今ほどの人口はいなかったでしょう。必要か不必要で合理的に国の計画が変わるだけのところを、非合理性を元に国を設計しようとし続けると当然ですが赤字になるとボクは思います。
極論ですが、居住地を不自由にして、且つ各法人に半ば強制的に本社機能を移転させて学校と病院を強制的に作らせて、且つ省庁も分散配置し、挙句国防必須とばかりに自衛隊の基地を倍増させれば話は変わるかも知れません。
そうじゃなきゃ、四国も北海道も鉄道は超幹線以外成り立つわけがないんです。第二の収入をいくら増やしても無理でしょう。
そこで考えられるのが自動運転の自動車です。
われらが?自動車が過疎地域の救世主として、電動車いすからそのまま搭乗可能の自動運転車が出現すれば、一挙に解決です。各老人世帯に年金から月々2万円引いてリースすればいいのです。やったね、ハイ終了。
と言いたいのですが、そんな技術何時出来るか解らない。しかも、それはゆりかごから墓場における、墓場への入り口みたいなもん。自動運転ボットが支給されたら、その町はもう無くなる、そして乗る人々も最後はそれで終わりを迎える、、、
自動車がその仕事するのは忍び難きことであります。自動車ファンですし、私。
話脱線しますが、日本の文化度の高さは、たぐいまれな優れた地方分権も一つ寄与があったそうです。
江戸時代、約260年にわたって、日本全国に規模違えど「藩」という国があって、そこから人は基本的に出ないで、何もかもの職業を揃えて自立をしていたのですが、そのせいか国土と人口の割に方言は多いし、食文化や芸術、学問から美術まで何から何まで妙にこの日本という国は何かと「濃い」のです。
日本にこれほどの緻密な鉄道網が必要だった理由は、実はアメリカや欧州とも違い、明治の近代国家となったはずの「日本国」は実はまだまだ纏めようにも地方分権が立派に機能「しすぎ」ていて、それを各々誰もが平等に移動できるため、なのかもしれません。
つまり、鉄道の衰退は、言ってみれば日本文化の密度が薄まり、画一化され、ついには単一化されていく象徴にも感じるのです。なんとなくリニアが嫌いな理由は、ボクの場合それです。
だって、そんなもん出来れば泊りの出張要りませんよ?まぁ、そもそもリニアが出来る事には出張自体がなさそうですが、でもですよ、出張って無くして良いんですかね?ボクは一概にそう思えません。
リニアなんて、実験線である程度実証して、適当に輸出してしまえばいいのです。まぁ、、、出来るか知らんけど、、、そもそも大量にヘリウムが必要な時点で日本には不向きです。そういう報道が一切なくて、ルート変更だ静岡県のバカ知事の話が出て来るだけってのは、これ実におかしい。
この実におかしい日本が出来上がってしまった一つの理由は、もしかしたら日本らしい鉄道網が崩壊しかけているのと、凄くリンクしている気がしてならないのですが・・・
結局、ボクは車輪が付いているものは全部好きなので、最後の最後は鉄道も擁護してしまうのです。なんだかんだ、南武線に間違えて乗ってどっかしらんとこに行ってしまったあの日とか、、、忘れられないんですよねぇ、、、
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Posted at
2023/10/22 21:53:25
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