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Ｖ６０とＶ４０のディーゼルモデルに乗る事が出来ました。

このほかにもボルボはＳ６０とＸＣ６０にもＤ４エンジンを搭載して発売していますので、ラインナップの大半にディーゼルエンジンを一気に投入したことになります。規模を考えるとかなり思い切った決断です。

さて、肝心の出来はというと、デンソーのシリンダー別噴射圧制御システムや高効率ツインターボシステムなんかが功を奏しているのか、１９０馬力４００Ｎｍというスペックはいざしらず、なかなか洗練された車になっています。

ディーゼルっぽさが音振で解りやすいのはＶ４０です。かわりに軽いからキビキビ動きます。ランニングチェンジで足回りが穏やかになったので、そのせいもあって快適なハッチバックとなっています。

Ｖ６０は音も振動もディーゼルらしさが少なく、窓を閉めれば室内はガソリンエンジンと変わらないレベルの環境が確保されます。重い分、しっとりとしているし、加速性も多少穏やかに感じられるので、これも悪くない選択です。

ようするに、どれを選んでも好みの問題で、ちゃんとしている良い車です。

で、それ以上は特にない。

というか、この特にないという部分が今となっては貴重に思えます。というのも、普通に乗れる高級車が無くて、どれもこれもリソースは似たようなものなのにあーでもないこーでもないと個性を主張して、なんだか肌触りが悪い中途半端な高級車が増えたからです。

ボルボの新しいディーゼルマシーンはそういう嫌味さや押しつけがましさが殆どありません。ボルボは元からそういうメーカーですが、その筋をちゃんと守っているのはえらいです。アウディなんか、勘違いしてモデルによってはメルセデスなんか比じゃないくらいに乗りずらいモデルが出来てしまいました。

ともすれば、個性を出そうとして財産を失うケースが多い昨今の自動車業界ですが、ボルボはやや迷走をしながらも、小さなメーカーが何を出来るのか、というのをはっきりと持ち始めた印象があります。いったん収束の方向に各メーカーが向った感じもありましたが、ここに来てわりかしメーカー個々の特徴がつかみやすくなってきたと思います。

それは、やれエンジンの種類だ安全性だというような面よりも、全体的なコンセプトとしての話です。リソースは相変わらずエコとダウンサイズでまとまっていて、法規や安全性の面で必ず同じ方向に車造りは向うので、記号性という面での個性はちょっと生まれづらいのは変わりないと思います。

ボルボのディーゼルマシーン、ちょっと最近の高級車に食傷気味だわ・・・という高感覚ユーザーにはうってつけかもしれません。