
写真は関係ないです。
DBXを乗った同じ日に、それとはまったく趣の違うアストンマーティンを体感することが出来ました。
V12ヴァンテージAMR
AMRって単語は正直なところあんまりよく分かっていない、というかここ最近出てきた単語なので、それが付くとどうなるの?というくらいに思っていました。GT3とGT3RSの違いくらいかな、と。
そして、VH系のヴァンテージにそれがあるのは、実は最近まで知りませんでした。ヴァンテージは最後に7MTが用意されて終わった、くらいの認識だったんです。ちなみに、白にオレンジのアクセントが入った7速スポーツシフト3仕様は試乗したことがあって、それが原因でV12買うならヴァンテージじゃないな、と固定概念が出来上がっていました。
なんせ、とにかく前に進まないし、足回りも12気筒のっけた弊害なのか無理くりな感じがするし、よく言えばドラックスター、悪く言えば破綻した乗り物としか思えなかったのです。
実際、セールスマンも「これはウルリッヒベッツが、社内になったアストンでアメ車を作ろう的な声を反映させた車ですから」と言っていました。そうか、コブラ289(がV8ヴァンテージS)と427(がV12S)の関係と考えれば、良いのかな?と納得しつつ、それじゃハンドリングウェルなV8ヴァンテージSがいいかな?と思ったものです(予算的にも)。
なので、AMRと聞いてもピンとこない上に、バックスキンのステアリングにしがみつく様に暴れるV12ヴァンテージを何とか制御していた日を思い出しながら、AMRの助手席に収まったわけです。
刹那、オーナー氏のフルスロットル。
あれ?前に進んでるぞ?ミシュランPS4sに換装されただけでは、こうならない事は明白で、どうやら足回りがAMRは全然違うようで、一速がHパターンから外れて左下にあるレーシングパターンの7速MTをグングン操作して車を加速させています。
しかも、横から見る限り特段の修正舵は当ててません。ドライバー氏の腕を勘案したとしても(もちろん、相応のスキルあっての話です)、この車に危険性を感じません。二つ目に気が付いたのは乗り心地が良い事。
もちろん硬いんですが、良く動く足なんです。おいおい、あの日のヴァンテージと全然違うじゃないか・・・
エキゾーストはちょっと特殊なのでアレですが、他のV12系のような雷鳴とどろくが如くの重厚さより、まるでレースカーのような音をさせるわけでした、まぁこれで高揚しない方がおかしいです。
そうか、これレースカーなんだ。
そういえば、友人が「排気ガスがレースカーだなぁ」と言っていましたが、まぁそれはそれの事情があったかもしれませんが、なるほど確かにこれは良く出来たFRのハイパワーレースカーじゃないか、と思うのです。
例えばニュル24時間なんかでこの車は優秀な成績を収めていますが、ニュルを走る場合、通常のレーストラックみたいな平坦路面でないので、相当工夫した足回りでないと走破出来ないそうです(F系のM3/4はニュルの時はMサスをコンフォートにしていた、とか、そんな感じです)。
だとすれば納得で、これはニュルでも勝てる足なんだ、と。
そういえば、このエンジンのポテンシャルは実は結構高くて、600馬力を優に叩き出せるどころかその上にも行ける能力があるんだそうです。えぇ、、、デュラテック二基掛けのやっつけV12じゃなかったのかい、笑。
ニュルで勝てる、というコンセプトは存外にも公道を許される範囲で走る場合でも快感でした。オーナー氏は「GT3RSなども視野でしたが、、、」とおっしゃってましたが、なるほど、でもあっちだと正直サーキットでも行かないと楽しくなかっただろうなぁと思いました。仮に自分なら、GT3RS乗ったとしても、やっぱりアストンマーティンが欲しくなったと思います。でも、今となってはGT3RSに変えたい、とは思いません。
今から先にこんな車は出ないであろう、そんな中でこの車を手に入れられるのは幸運以外の何物でもありませんが、それを引くのも自分、引かないのも自分。
あー、あれ欲しかったし買えたんだけどなぁー、なんていう事言わず、やれんならやっちまえ・・・言うに易しやるに難しですが、やっただけの喜びってあるんですよね。
アストンマーティンは不思議なブランドです。しかしヴァンテージはやっぱり良い車だなぁ。
Posted at 2022/05/25 10:24:53 | |
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