来年はランボルギーニの創立50周年記念の年なので、イタリアはいうに及ばず世界各国でそれを祝う行事が行われることと想像しています。
そんななかで注目を浴びるのは、ランボルギーニの出世作となったミウラやクンタッチなのでしょうが、自分としてはやっぱりウラッコを忘れて欲しくないと思っています。
これは何も自分がウラッコに乗っているからという訳ではなく、やっぱりウラッコは魅力的な車だと思っているからです。
ま、これは皆さんも自分の愛車が一番だと思っていることですから、許してくださいね!
ウラッコが現在の姿で発表されるまでには、他の車と同様に様々なプロトタイプが作られていますが、自分としてはランボルギーニがガンディーニによって描かれた初期の姿のままで発売していてくれたら、ウラッコの評価は全く違うものになったのではないかと考えています。
その一例をお見せしますが、皆さんはどうお考えになりますか?
このイラストを描いたのは、最近ランチアランチで出会ったストラトス研究家のトーマス・ポッパーの紹介で私と知り合ったスペイン人のDavid Rodríguez Sánchezといいます。
彼は日本人にも負けないスーパーカーの研究家で、特にガンディーニとベルトーネの作品を崇拝しています。
その知識量は半端なく、私に言わせれば「超オタク」です!!
彼のその他の作品も素晴らしいので、次回お見せしたいと思います。
1969年頃のモデルと推定されるのですが、特に上段の3台は本当にカッコよく、ストラトスも真っ青って思いませんか?!
ボディ両サイドに設けた大胆なエアスクープが一番のアクセントになっていますが、最初の2台はどう見ても4人乗りではなく、2シーターのスーパーカーです!
ウィンドウの枠の位置からしても、後部座席があるようには見えません。
その他にもスパイダー(タルガタイプですが、フェラーリもこう呼んでいますね)まで存在していました。
3台目からは4人乗りのデザインに思えますが、ひょっとするとウラッコは最初純粋の2シーターモデルとして開発されたのかもしれません。
それをポルシェ911の成功を横目でみていたフェルッチョが、販売の拡張と量産を目的に4人乗りに変更させたのかも・・・。
そういえばこの頃のランボルギーニは、どうもラリーへの興味があったように思えます。
レースへの参戦はフェルッチョによって社是として固く禁じられていましたが、開発ドライバーだったボブ・ウォレスはもともとニュージーランドのメカニック兼ラリーストでしたから、お金の掛かるレーストラックへの挑戦ではなく、比較的参戦し易いラリーへの参加を目論んでいた可能性は充分あると思うからです。
そして興味深いのはウラッコのディメンションです。
ウラッコは4人乗りにもかかわらず、ホイールベースが2450㎜しかないのです!
これはストラトスには及ばないものの、当時フェラーリが2シーターで好んで採用していた2500㎜のホイールベースよりも短い値です!!
しかも時代はWRC創設前夜、考えられない話ではありません。
そうするとハラマやウラッコ・ボブのようなラリー仕様車も納得がいきます。
もし当時のランボルギーニに充分な資金があって、これらの車が参戦していたとすれば歴史は変わっていたのかも知れません・・・。
製作途中のウラッコ・ボブ。
注!ウラッコ・ボブの遥か後ろに3次モデルのウラッコボディが見えます!
最近、ボブ・ウォレス・カーズがアドバイスを与えてイギリスで製作したというウラッコ・ボブのレプリカ(2号車?コピー車?)が日本に輸入され、名古屋やお台場のイベントで公開されていました。
ウラッコのブームも近いのでしょうか?(^_^)
これがその2号車(と呼んでいいのでしょうか?)です。
本題に戻ると、ウラッコはやっぱりカッコイイ車だったとなるのですが、歴史は巻き戻せないのですから、かつての変遷を偲ぶ事にします。
好き嫌いは分かれるでしょうが、未だかつて誰も試みなかったヘッドライトのデザイン。
ガンディーニの面目躍如です。
深く窪んだナセルからライトがポップアップするはずですが、一体どんなメカニズムが採用されているのでしょうか?
採用が見送られたのが残念です!
特徴あるエアインテーク、ストラトスとは逆の造形です。
レーシーなメーターナセルですね。
そしてストラダーレとは全く異なるリア周りの造形ですが、この形が採用されなかったのにはある理由がありました。
そして量産用試作車となって・・・
どうですか?カッコイイでしょう!(笑)
~世に出ることになったのですが、もしこの4次モデル(↑写真の上の方のモデル)のまま発表されていたとしたらウラッコの評価は違ったものになっていたはずだと、今21世紀に生きる自分は深く思うのです・・・
先日パオロ・スタンツァーニさんは語っていたそうです
、「近くウラッコを買おうと思っているんだよ!」と。
そして彼が一番好きなモデルはなんとウラッコだそうです!
そしてその訳は・・・・
「クンタッチは頭で作ったけど、ウラッコは頭と心で作ったから」だとおっしゃていたそうです!
じ~ん。
ランボルギーニの工場の片隅で土に還ろうとしていたプロトタイプですが、今は外装が綺麗にレストアされて、トニーノのミュージアムで訪れるファンを待っていてくれます。
誰かこのようなプロトタイプを現代に甦らせてくださる方はいらっしゃいませんか.....?
Posted at 2012/11/15 11:03:20 | |
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