少し古い話題ですが、前回のブログで取り上げたカウンタックLP500(風)プロトタイプをはじめ、珍しい試作車がたくさん展示されていた、「Lamborghini Prototype Exhibition at the Audi Museum」をご紹介します。
主な車両は現在でもサンタアガタのムゼオ・ランボルギーニに展示されているので、その気になれば見に行くことは可能ですが、現ランボルギーニの親会社であるアウディのミュージアムで行われたという珍しい企画の展示会でした。
2011年の3月から6月まで、ドイツ・バイエルン州インゴルシュタットのアウディ本社で開かれていたようですが、保守的なイメージのあるドイツ人の方々には、どのように受け止められていたのでしょうか?
アウディ社は比較的地味な印象のあるドイツ車(ドイツ車ファンの方々、失礼!)の中でも革新性を打ち出してきたメーカーですが、当時ランボルギーニを買収した陰には、「
願っても叶わない豪華なドレスを着ることに憧れた、シンデレラのような気持ち」が隠されていたと考えるのは、私の穿ち過ぎでしょうか・・・。
言わずと知れたスーパーカーの始祖ともいえるミウラですが、この車は本当にどの角度から眺めてみても美しいと思います。
ところが当時この車を最初に見たフェルッチオは、こう言い放ったそうです。
「こんな変な顔をした車、絶対に売れないぞ!」と・・・
彼の予想が外れて幸いでした、もしミウラの開発に時間が充分あったとしたら、フェルッチオはこのプロジェクトを変更していたかもしれませんから!
Lamborghini Miura S (1969)
この車もある意味貴重な存在です。
コンセプトとしては、V12搭載の重量級トップモデルの隙間を狙ってイタル・デザインからプレゼンされたベビーランボでしたが、評判は芳しくなく、日の目を見ることはありませんでした。
「カーラ」と名づけられていますが、公開当時のプレスリリースには、ジウジアーロの息子のファブリッツィオの作品だとクレジットされています。
どうやらカーデザインの世界に「親の七光り」は通用しなかったようですね(笑)
Lamborghini Calà (1995)
言わずと知れたガンディニーニ作、ディアブロのプロトタイプですが、この後ランボルギーニ二度目の倒産騒ぎのせいで完成が遅れてしまい、その後経営権を握ったクライスラーの意向もあり、オリジナルの姿はもっと滑らかなスタイルに変更されてしまいました。
ガンディーニは変更後のボディに、よく彼のサインを入れることを許可したと思います。
このモデルは試作モデルがいくつかあった中の終盤の方のデザインだと思いますが、今改めて見ると、生産されたディアブロとの違いが良く分かります。
当時スクープ写真を見た時はあまりカッコイイと思いませんでしたが、今だとガンディーニの訴えたかったことが分かるような気がします。
あくまで私見ですが、生産型ディアブロの特徴的なリアバンパーは、当初のオリジナル・デザインには入っていなかったのではないでしょうか?
このエキシビジョンにおけるプロトタイプには小規模なリアバンパーがセットされていますが、初期のプロトにはバンパーは無く、スタイリング上もリアバンパー無しで成立しているように感じるからです。
おそらく、最大の市場であるアメリカの安全規制に対応する形であの特徴的なリアバンパーは組み込まれ、逆にそのことを逆手にとってディフューザーとしても機能するように意識的にデザインされたような気がしています。
リアのテールライトなんか、まんまカウンタックのものをそのまま使っていて、特徴的なエア・アウトレットが綺麗に収まっていますから!
Lamborghini P 132 (1986)
放置プレイ状態で、レストアされる前の保管状況だと思われますが、ところどころぶつけられて凹みがあり、可哀相な状態です。
リア・バンパーレスのすっきりとした状態。
テスト風景だと思われます。
別(カラー?)バージョン。
これを好きだと言い切るには勇気がいりますが、最新の新幹線のようにフロント・ノーズ(バンパー?)を伸ばし、私が2階建て車と勝手に呼んでいるムルティプラやジュークに先んじていたという点で、やはりサスガというべきでしょうか?
Lamborghini P 147 Acosta (1997)
ZAGATOが手を下したといわれるCANTOです。
イタリア語でCANTOは「歌」という意味らしいのですが、プレスリリースではCANTOと表記されているのに、実車には「KANTO」と書かれています。
一体どっちが正しいのでしょうか?
Lamborghini P 147 Canto (1997)
Lamborghini Diablo Roadster (1992)
Lamborghini Concept S (2005)
Lamborghini Murcièlago Versace (2006)
これは本当に珍しい車両です。
地味なデザインですが、世界に1台しか存在しないワン・オフの400GTをベースとした2+2のスポーツカーですから!
ボディワークはNeri と Bonacini.といわれています。
Lamborghini 400 GT Monza (1966)
そして果敢な挑戦を試みた
LP400(改)500。
さて、あなたのお好みはどの車両だったでしょうか?(^_^)
Posted at 2013/03/26 17:29:41 | |
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