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葵 由埜のブログ一覧

2015年10月13日 イイね!

ブローバイラインについて①

ブローバイラインについて①え~・・・ず~っとなあなあで済ましていたブローバイラインについて改めて考えたいと思います(爆)

ブローバイラインって直接的にチューニングやカスタマイズには絡んでこない項目なので私のようになあなあになっている(※妥協して安易に済ませている)人も多いのではないでしょうか。

と言い訳をしつつ話を持っていきます(笑)



そして今回はなんと2部構成です。

①は図解でブローバイラインの流れや繋ぎ方を確認。
②は今回の不具合の残件対応などです。

まぁ、正直言うと長いから分割しただけですけど(笑)



さて、ではそもそもブローバイってのはなんなんでしょう?


→燃焼室からクランク室へ吹きぬけた燃焼ガスあるいは未燃焼ガスの事です。


このブローバイガスの主成分は「HC、CO、CO2、SOx、NOx、H2O、O2、N2」などです。

まぁ、まんま燃焼ガス/未燃焼ガスですね。そりゃあそうです。

で、このブローバイガスにはSOx、NOxなどの大気汚染物質が含まれています。

ブローバイガスは排気ラインに行かないので三元触媒も通りませんから、これらを処理できません。

燃焼室からクランク室へ吹き抜けたブローバイガスはなにもしなければ行き場がなくなります。何処にも行かなかったらクランク室の圧力がどんどん上がっていってしまいます。

なのでクランク室から大気へ圧抜きを取ったものオープンタイプというブローバイガスの処理方法です。


で、微量とはいえ大気汚染物質を大気に出すのは・・・と言う事で、インテークラインに戻して再度燃焼させて処理しましょう。ってのがシールドタイプという方法。クランク室の圧力が上がったらインテークラインへ抜けるのでそこから再度エンジンに吸い込まれるという寸法。


そして私のインプレッサを含め現在の車の多くが採用しているのがクローズドタイプ。またの名をPCVシステム(ポジティブクランクケースベンチレーションの略)

ちなみに私はPCVをプレッシャーコントロールバルブだと思ってました。なんていい加減な(爆)


クローズドタイプは基本はシールドタイプと構造は同じですが、PCVバルブと呼ばれる逆止弁を介してインマニに接続されます。
インマニが負圧になれば、PCVを通してクランク室内のガスを引っ張ります。
インマニが負圧でなくなれば、負圧になったクランク室内へインテークラインから大気を吸い込みます。
クランク室の圧力が上がったらインテークラインへ抜けていき、再度燃焼させます。


というシステム。


とりあえず概略だけ文字で説明してみました。

先に少し脱線しておくと、ブローバイガス自体は完全にガス(気体)なのですが、エンジンオイルが循環、攪拌されているクランク室を通過する際にブローバイガスと一緒にエンジンオイルミスト(液滴)が同伴されます。シールドタイプ・クローズドタイプではこのブローバイガスと一緒に同伴されるオイルミストをインテークラインに戻してしまうが故にインテークラインが油で汚れるという状態が生じます。

それをなんとか気体と液体に分離して、気体だけをインテークに戻そうとして取付けるのが市販のオイルキャッチタンクですね。



さて、そろそろ文字だけでは理解不能になってきたでしょうから図面を使っていきましょうか。
※以降はクローズドシステム(PCV)の話です。





これがインプレッサ(EJ20)のブローバイライン構成を簡略化した図です。

図にするとなんとな~く解りやすくなったでしょうか?

ブローバイガスの処理はクローズドタイプ(PCV)となっています。


ただ、これだと流れの方向が書いてないのでなにがどう流れるのか解りませんね。


流れの方向がエンジンの状況次第で異なるので、パターン別に流路を書いてみましょう。





①アイドリング状態

1)スロットルCLOSEにより、ISCから吸う分だけの吸気量となり、インマニは負圧(-600kpa程度)となる。
2)インマニ負圧により①PCV経由で②クランク室と③インテークから吸い込む。
3)クランク室が負圧となる事で、④インテークから吸い込む

※アイドリング時のみならず、エンジンブレーキ中やスロットル微開状態でもインマニ負圧であればこの流路となる。





②アイドリング→スロットルOPENへ移行の状態

1)スロットルCLOSE→OPENによりインマニ圧力が-600kpa→0kpaへ移行する。
2)インマニが負圧でなくなった為、PCVバルブは流れなくなる。
3)負圧となっていたクランク室に①②インテークより空気が流れこみ、負圧→0kpa(大気圧)へと移行する。

※クランク室が大気圧となった時点でこの流れは終了し、次項③の状態へと移行する。





③スロットルOPEN状態

1)スロットルOPENによりインマニは大気圧(0kpa)となる。
2)クランク室はブローバイガスの吹き抜けにより0kpa~微正圧程度となる。
3)クランク室の微正圧とインテークラインの吸込力により、①②インテークへ吸い込まれる。

※PCVバルブは逆止弁のため、この状態では流れない。





④過給時の状態

1)基本的に「②スロットルOPEN時の状態」と同じ。
2)過給によりブロ-バイガス吹き抜け量が増加するため、クランク室の圧力はより上昇する。
3)過給により、吸気量が増えるため、インテークラインの吸込力も強くなる。




以上が通常のクローズドタイプ(PCV)のブローバイラインの流れです。

※注意:EJ20の構成略図の為、他車種では違う場合があります。


PCVバルブを通過するのはインマニが負圧の時のみで、それ以外はPCVバルブは閉止しています。

普通に走っている分にはほとんどが負圧領域での走行なので、クランク室内は積極的に換気されている状態ですね。


反ってガンガンブーストを掛けて走ってる時なんかはPCVバルブは機能しません。ブローバイガスが出れば出るほどインテークラインへ戻っていきます。

そして同伴されるオイルミストでNBであればタービンが汚れたり、NAであればスロットルが汚れたりします。


それを嫌ってオイルキャッチタンクを付けますが、付けるとどんな流れになるのでしょう?

って事で各社から市販されているオイルキャッチタンクの繋ぎ方(取説の繋ぎ方)で見てみましょう。
※EJ20の繋ぎ方です





①アイドリング状態

1)スロットルCLOSEにより、ISCから吸う分だけの吸気量となり、インマニは負圧(-600kpa程度)となる。
2)インマニ負圧により①PCV経由で②クランク室と③インテークから吸い込む。
3)クランク室が負圧となる事で、④インテーク(キャッチタンク経由)から吸い込む

※アイドリング時のみならず、エンジンブレーキ中やスロットル微開状態でもインマニ負圧であればこの流路となる。





②アイドリング→スロットルOPENへ移行の状態

1)スロットルCLOSE→OPENによりインマニ圧力が-600kpa→0kpaへ移行する。
2)インマニが負圧でなくなった為、PCVバルブは流れなくなる。
3)負圧となっていたクランク室に①インテークと②インテーク(キャッチタンク経由)より空気が流れこみ、負圧→0kpa(大気圧)へと移行する。

※クランク室が大気圧となった時点でこの流れは終了し、次項③の状態へと移行する。





③スロットルOPEN状態

1)スロットルOPENによりインマニは大気圧(0kpa)となる。
2)クランク室はブローバイガスの吹き抜けにより0kpa~微正圧程度となる。
3)クランク室の微正圧により①インテークと、②インテーク(キャッチタンク経由)へ吸い込まれる。

※PCVバルブは逆止弁のため、この状態では流れない。





④過給時の状態

1)基本的に「②スロットルOPEN時の状態」と同じ。
2)過給によりブローバイガス吹き抜け量が増加するため、クランク室の圧力はより上昇する。




と言う事で、基本的には青ライン(I/C共付けの集合ライン)の間にオイルキャッチタンクが挟まるだけです。こちらはブローバイガスが出ればタンクで分離されます。

ですが赤ライン(PCVバルブあり)は何もしてないので、ブローバイガス(同伴オイル)が出ればインテークに戻っていきます。

つまり各社指定のキャッチタンクの付け方をしても、オイルの回収効果は50%しかないって事ですね。




ちなみにオイルキャッチタンクをインテークに繋がず、大気開放した場合を見てみましょう。(これは私が今までずっとやっていた繋ぎ方です)





①アイドリング状態

1)スロットルCLOSEにより、ISCから吸う分だけの吸気量となり、インマニは負圧(-600kpa程度)となる。
2)インマニ負圧により①PCV経由で②クランク室と③インテークから吸い込む。
3)クランク室が負圧となる事で、④大気(キャッチタンク経由)から吸い込む

※アイドリング時のみならず、エンジンブレーキ中やスロットル微開状態でもインマニ負圧であればこの流路となる。





②アイドリング→スロットルOPENへ移行の状態

1)スロットルCLOSE→OPENによりインマニ圧力が-600kpa→0kpaへ移行する。
2)インマニが負圧でなくなった為、PCVバルブは流れなくなる。
3)負圧となっていたクランク室に①大気(キャッチタンク経由)と②インテークより空気が流れこみ、負圧→0kpa(大気圧)へと移行する。

※クランク室が大気圧となった時点でこの流れは終了し、次項③の状態へと移行する。





③スロットルOPEN状態

1)スロットルOPENによりインマニは大気圧(0kpa)となる。
2)クランク室はブローバイガスの吹き抜けにより0kpa~微正圧程度となる。
3)クランク室の微正圧により①大気(キャッチタンク経由)へ放出&②インテークへ吸い込まれる。

※PCVバルブは逆止弁のため、この状態では流れない。





④過給時の状態

1)基本的に「②スロットルOPEN時の状態」と同じ。
2)過給によりブローバイガス吹き抜け量が増加するため、クランク室の圧力はより上昇する。




まぁ、正直あんまり変わりません。


キャッチタンクで分離しきれなかったオイルがインテークに戻らないって違いくらいでしょうかね。




では、赤ラインも青ラインも両方キャッチタンクに繋いで大気開放状態にしたらどうなるのか?
※10/5のブログで書いた繋ぎ方です。





①アイドリング状態

1)スロットルCLOSEにより、ISCから吸う分だけの吸気量となり、インマニは負圧(-600kpa程度)となる。
2)インマニ負圧により①PCV経由で②クランク室と③大気(キャッチタンク経由)から吸い込む。
3)クランク室が負圧となる事で、④インテーク(キャッチタンク経由)から吸い込む

※アイドリング時のみならず、エンジンブレーキ中やスロットル微開状態でもインマニ負圧であればこの流路となる。





②アイドリング→スロットルOPENへ移行の状態

1)スロットルCLOSE→OPENによりインマニ圧力が-600kpa→0kpaへ移行する。
2)インマニが負圧でなくなった為、PCVバルブは流れなくなる。
3)負圧となっていたクランク室に①大気(キャッチタンク経由)より空気が流れこみ、負圧→0kpa(大気圧)へと移行する。

※クランク室が大気圧となった時点でこの流れは終了し、次項③の状態へと移行する。





③スロットルOPEN状態

1)スロットルOPENによりインマニは大気圧(0kpa)となる。
2)クランク室はブローバイガスの吹き抜けにより0kpa~微正圧程度となる。
3)クランク室の微正圧により、①大気(キャッチタンク経由)へ放出される。

※PCVバルブは逆止弁のため、この状態では流れない。





④過給時の状態

1)基本的に「②スロットルOPEN時の状態」と同じ。
2)過給によりブローバイガス吹き抜け量が増加するため、クランク室の圧力はより上昇する。



はい。これだと、AIRがキャッチタンク経由でエアクリーナーを通らずにインマニに吸い込まれていきます。

つまり、砂塵類をフィルタリングできませんのでエンジンによろしくないです。

よってこの繋ぎ方はダメダメなので、次の繋ぎ方に変更済みです。

といっても解決策は「大気開放→インテーク戻し」にするだけですが。

※「キャッチタンクの大気開放側にフィルターを付ける」という手段でも解決は出来ます。ただしエアフロ計を通らないAIRが生じます。






①アイドリング状態

1)スロットルCLOSEにより、ISCから吸う分だけの吸気量となり、インマニは負圧(-600kpa程度)となる。
2)インマニ負圧により①PCV経由で②クランク室と③インテーク(キャッチタンク経由)から吸い込む。
3)クランク室が負圧となる事で、④インテーク(キャッチタンク経由)から吸い込む

※アイドリング時のみならず、エンジンブレーキ中やスロットル微開状態でもインマニ負圧であればこの流路となる。





②アイドリング→スロットルOPENへ移行の状態

1)スロットルCLOSE→OPENによりインマニ圧力が-600kpa→0kpaへ移行する。
2)インマニが負圧でなくなった為、PCVバルブは流れなくなる。
3)負圧となっていたクランク室に①インテーク(キャッチタンク経由)より空気が流れこみ、負圧→0kpa(大気圧)へと移行する。

※クランク室が大気圧となった時点でこの流れは終了し、次項③の状態へと移行する。





③スロットルOPEN状態

1)スロットルOPENによりインマニは大気圧(0kpa)となる。
2)クランク室はブローバイガスの吹き抜けにより0kpa~微正圧程度となる。
3)クランク室の微正圧とインテークラインの吸込力により、①インテーク(キャッチタンク経由)へ吸い込まれる。

※PCVバルブは逆止弁のため、この状態では流れない。





④過給時の状態

1)基本的に「②スロットルOPEN時の状態」と同じ。
2)過給によりブローバイガス吹き抜け量が増加するため、クランク室の圧力はより上昇する。
3)過給により、吸気量が増えるため、インテークラインの吸込力も強くなる。



赤ラインも青ラインもキャッチタンク入口に繋いだら、キャッチタンク出口はインテークに戻します。

これでオイルも分離でき、AIRもきちんとエアクリーナー通過済みを吸い込む。万事解決。




ブローバイラインの色々な繋ぎ方のパターンを図解してみましたが、クローズドタイプ(PCVシステム)にキャッチタンクを付ける際は一度考えてからやったほうが良さそうです。

でないと「キャッチタンクを取り付けてよし安心」って思ったら実はまだインテークにオイル行ってました。なんて事になるかもしれません。

まぁ、私の事なんですが(爆)

いや知っててほっといたのでちょっと違うか(笑)


さぁ、あなたの車のオイルキャッチタンクはどう繋がっていますか?




あ、そうそう。ちなみにPCVバルブはこんな所に付いてます↓



スロットルの真下あたりに刺さってるこの部品。



「ブローバイラインについて②」に続きます
Posted at 2015/10/13 22:18:29 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | 日記
2015年04月01日 イイね!

馬力とトルクと加速と最高速度

馬力とトルクと加速と最高速度さて、みんカラ始めて5年ほど経ちますが今ここに来てようやく(?)馬力とトルクの話をします。

内容としてはお題目そのままなのですが、なんだか馬力とトルクの事を勘違いしている人が結構多いのではないか?と思ったので。


なんだかこういう↓風潮が強い気がします

馬力は最高速度を左右し、トルクは加速力を左右する


これってホント?説明できますか?なんとなくでそう思い込んでませんか?




って事ですが、いきなり結論を言います。

「最高速度と加速力を左右するのは馬力です。」

トルクなんて極端な話見なくてもいいのです(極論ですよ?)


だってトルクが加速力に左右する訳が無いじゃないですか。

トルクってのは力であって速度を伴いません

”10kg・m/4000rpm”とか書いてあるから間違うのかもしれませんが、これは4000rpmの回転数で爆発してるときのピストンの力が10kg・mですよ。ってだけです。

対して馬力ってのはトルクと回転数から算出する仕事量です。

つまり馬力は速度を含む力で、トルクはただの力なのです。


え、イメージできない?


例えると、自転車のペダルを漕ぐ(踏む)力がトルクです。

体重200kgの力士のスペシャルな脚力でペダルを踏めばすごいトルクがでるでしょう。

仮にそれで20kg・mの力が出せるとします。

ですがそれって加速力ですか?

この踏む力には速度がありません。たとえ秒速1ミリメートルの速度で踏んでも、秒速100メートルの速度で踏んでも同じトルク20kg・mなのです。



そして、自転車のペダルを漕ぐスピードが回転数にあたります。

ペダルを踏む力(トルク)と漕ぐスピード(回転数)が合わさって馬力になります。


トルクだけあったって前に進まないのですよ。

物体を運動させるための仕事量である馬力が最高速度も加速も左右するのです。


と計算を使わずに大体のイメージで説明しましたが着いて来れてるでしょうか・・・?



論より証拠。一つの実例を挙げましょう


①馬力:175PS、トルク:42.8kg・m、車重1530kgの車

②馬力:215PS、トルク:26.5kg・m、車重1500kgの車



馬力は②が約1.23倍高く、トルクは①が約1.6倍高いです。

この①と②の車はどちらが加速がいいでしょうか?

トルクが加速を左右するのであれば、①の車の圧勝でしょうね。

加速性能の指針として0-100加速があります。そのタイムをこの2台で比べてみます。


①8.4秒

②6.65秒


はい②の勝ちです。

トルクが1.6倍も高い①の車はまるで適いません。

そして、馬力とタイムの関係
 → 215PS÷175PS=1.23
 → 8.4秒÷6.65秒=1.26

馬力とタイムがほぼ比例していますね。


ちなみに①の車はアテンザディーゼル(2.2L)。②の車はマークX(2.5L)でした。

これがトルクが高くても馬力が無いと遅いという一例です。


ちなみにアテンザディーゼルに馬力と車重が近いエクシーガ 170PS、23.4kg・m、1570kgの0-100加速は8.7秒です。

馬力はほぼとんとん。トルクは1.8倍の差があるアテンザディーゼルとエクシーガの0-100加速は殆ど変わりません。

ほぼ同じ重さの車をほぼ同じ仕事量(馬力)で加速させたのですから当然の結果です。(ただし両者の加速の仕方は違います)




さて、実例も出したところで色々な車の0-100加速タイムをプロットしてみました。(計79台分)

※プロットした車はガソリン・ディ-ゼル・EVです。HVはシステム出力とか調べきらんので除外。

以下は「馬力と0-100」「トルクと0-100」の散布図です。






馬力のグラフのほうがトルクのグラフに比べて相関性が高い事が分かります。

・馬力と0-100・・・相関性0.773
・トルクと0-100・・・相関性0.560

どうでしょうか?ココまで見てまだトルクが加速に左右すると言えますか?

馬力を見たほうが加速性能を判断するのに向いていると思いません?


で、鋭い人(?)は加速性能は車重によっても変わるじゃないかと突っ込むと思います。

なのでパワーウェイトレシオトルクウェイトレシオもグラフ化↓




P/Wレシオの相関性が0.804
T/Wレシオの相関性が0.693

当然、車重を加味しても馬力で見たほうが相関性は高いです。


以上までを見るとトルクを見てもなんとなく加速の判断はできそう。と見えますね。

まぁ、ぶっちゃけそうです。

比較するモノの燃料油種が同じであれば 基本的に馬力が高けりゃトルクも高いのですから、トルクをみても加速性能を判断する目安にはなるんです。
※燃料油種がったら比べられませんよ(ガソリンvs軽油とか)

ただし、本質として間違っている事は念頭に置く事。


カタログに馬力とトルクの2つが書いてある為、「馬力は最高速度を左右し、トルクは加速力を左右する」という間違いが生まれたのかもしれません。

まぁ、もう一つ理由があるんですけどね・・・。


ではもう一つの理由とは何か?

それはですね・・・
「日常で0-100加速なんてやんね~だろ。」っていう事。


信号が赤→青に変わるまでに回転数を上げ、青になった瞬間にロケットスタートしそのまま時速100kmへ・・・

やりませんよね。


要は実用領域での加速性能の善し悪しの話をすると見方が変わるのです。

たとえば200PS/9000rpm、20kg・m/6000rpmのエンジンは高回転数では速いのですが、低回転で走ろうと思うと加速がとろくなります。

かえって150PS/4500rpm、30kg・m/3000rpmのエンジンのほうが低回転での加速は良かったりします。

これが、トルクが高いほうが加速が良いっていう理屈を生んだもう一つの理由でしょう。

実際問題としてはこれも発生してる馬力の問題なんですけどね。

※”馬力=トルクx回転数÷716”なので、回転数が同じならトルクが大きいほうが馬力が出てる。

※後者のエンジンは最初の加速は勝ちますが、そのあと前者のエンジンに抜かされます。




あ、そういえば馬力が最高速度を左右する理由を書いていませんでした。

車っていうのは、エンジンの力と車両が受ける抵抗の釣り合いが取れる所までしか速度がでません。

車両の抵抗が多いほど最高速度は下がり、車両の馬力が大きいほど最高速度が伸びます。

※余談ですが、駆動形式は最高速度には全く関与しませんのであしからず。(たま~に勘違いしてる人います)

馬力と最高速度の関係はとっても単純ですね。




ということで、さらっとまとめ。


①最高速と加速力を左右するのは馬力

②トルクはその車の加速の仕方(性格)を判断する目安



ちなみに、他にもギア比とか色々な要素で性能は変わりますので総合的にはそれらも加味する事。

色々と端折ってますが、今回の件はあくまで馬力とトルクの話に絞ってのお話でした。


馬力、トルク、回転数、車重・・・etc

車には色々な情報があって、それらは各個人の技量で視える情報が変わります。
※性能曲線図を見ただけでその車の特性が殆ど分かったりもします。


貴方は何処まで視えてますか?







追伸:以上の内容は全てウソです。今日はエイプリルなんとかなのでwww
4/2追記:内容がウソってのはウソです。なので内容は本当ですよ。


※プロットした車両一覧
ヴィッツ/スイスポ/シビックR/インプレッサ/クラウンアスリート/アルファード/オーリス/ロードスター/ロードスター/フェアレディZ/タント/アテンザディーゼル/BMW 120/BMW M135/BMW 328/BMW 435/BMW 428/BMW 550/BMW 640/アコードユーロR/アルファ147/アルテッツァ/アリスト/アリスト/オーリス/アテンザ/Bb/ブレイドマスター/ブルーバードシルフィ/ブーンX4/カルディナ/キャパ/キャラバン/セリカ/コルトラリーアート/コペン/エクシーガ/ギャラン/ギャラン/ゴルフGTI/ゴルフGTI/GT-R 09”/イプサム/イスト/レガシィB4/レガシィ(BP)/レガシィ(BG9)/IS F/GS350/GS430/IS250/エリーゼ111R/マーチ/マークX/ムラーノ/ムラーノ/ノート/911GT3/206/RX-7/スイフト/ティアナ/ティーダ/ヴィッツ/ウィンダム/ウィングロード/ウィッシュ/ウィッシュ/BMW 320dセダン/BMW 320dツーリング/BMW 523dセダン/BMW 523dツーリング/BMW X3XDrive20d/BMW X5XDrive35d/E350BlueTECセダン/E350BlueTECワゴン/ML350BlueTEC/エクストレイル/BMW i3/テスラモデルS
Posted at 2015/04/01 19:24:00 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | 日記
2015年01月21日 イイね!

FCVは究極のエコカーなのか?

FCVは究極のエコカーなのか?※始めに注意:以降は私の私見です。文字しかありません。とっても長くて読むのは大変です。尻尾を巻いて逃げ出すなら今の内です。いいですか?






さて、トヨタが発表したFCV MIRAIですがFCVとはFuel Cell Vehicle(燃料電池車)のことです。

水素から電気を作りモーターで走る車で、燃焼を伴わないのでCO2等の燃焼排出ガスが無いことが特徴です。
※代わりに水を排出します(後述)

[走行中に排出するのは水だけで、二酸化炭素や大気汚染物質などを発生させない、環境に優しい究極のエコカー。]というのが一般謳い文句。

水素の供給インフラや車両開発等10年20年単位でこれから普及させていこうという始めのステップの段階ではありますが、FCVってほんとにエコロジーなのでしょうか。

ちなみにプリウスに代表されるエコノミーではありませんね。※現段階で車両価格700万円オーバー。補助金で引いて500万円台。

今は色々な方式が出てきている黎明期のような状態ですので、各方式を交えて考えて見ましょう。

①ガソリン車/ディーゼル車
②ハイブリッド車(HV)/プラグインハイブリッド車(PHV)
③電気自動車(EV)/レンジエクテンダーEV
④燃料電池車(FCV)


まずは↓

①ガソリン車/ディーゼル車

詳しい説明は不要ですね。
内燃機関でガソリンもしくは軽油を燃焼させてピストンないしローターを動かして回転エネルギーに変換し走行します。
石油を直接燃焼させるため、排出ガスとしてCO2、NOx、SOx等が排出されます。

主な燃焼化学式 → CxHx + S + O2 + N2 = CO2 + NOx + SOx

3元触媒の化学式 → NOx + CO + HC = N2 + CO2 + H2O




②ハイブリッド車(HV)/プラグインハイブリッド車(PHV)

プリウスに代表される内燃機関と電気モーターの2種類の動力を持つ方式です。
基本的には内燃機関がベースの車両であり、エンジン(オルタネータ)や回生ブレーキにより作った電気を利用して電気モーターで動力のアシストを行う事で、石油燃料の使用量を低減させる。

排出ガスはガソリン車と同様でCO2、NOx、SOx等が生成されます。

今まで捨てていたエネルギーを再利用できる事で燃費がよくなる為、石油消費量が削減され同時に排出ガス量も減る。
そういう面でCO2削減できていると謳い、エコロジーを装っている。

が、実際には通常の内燃機関の車よりも大量のバッテリーを搭載するため、レアメタルの消費量が多い。

通常の車とは違いリチウムが大量に必要になる為、途上国に大量にレアメタルを掘ってもらうことになる。

そしてその途上国でレアメタルを掘るのに使用されるのはうん十年前の古い重機だったりするため、途上国でのCO2排出量がバカ上がりするという仕組み。

日本国内のCO2排出量は幾らか下がるが、その削減分以上に途上国にCO2を排出させ、石油燃料の使用量も増えるので、地球規模で見るとまったくエコロジーには繋がらないという。

その事実をカーボンオフセットという言葉で濁すのが先進国のやり方です(笑)

自分の国はきれいにするけど、その分他国に汚れてもらおうってのが現状。

※カーボンホフセット=途上国が発展の為に増えてしまう分の炭素(C)量を先進国が減らして地球規模での炭素排出量を増やさないようにしましょうっていうもの。


プラグインハイブリッドはコンセントからも電気を充電できるハイブリッド車で、メインをバッテリーに置き、エンジンで発電と走行を行える。という2つの動力の内どちらを重視しているかがHVとは違う。





③電気自動車(EV)/レンジエクステンダー

内燃機関を廃し、バッテリーに蓄えた電気だけでモーター走行する方式です。

バッテリーの量が直接航続距離に繋がるため、ハイブリッド車以上にバッテリーを沢山積みます。レアメタルの件はハイブリットと同様の悪循環をもつ。

燃料を使用せず電気だけで走行するため、クリーン(環境に良い)車両だという謳い文句があります。

ただし使用する面では当然充電が必要になり、急速充電でも20~30分かかるなどの理由で出先で手軽に充電ということができません。
そのため航続距離の半分以下が実用できる移動圏内になってきます。(満充電で200km走れるなら半径100km以下が実用領域)

※レンジエクステンダーは発電用に内燃機関を搭載し石油燃料を使用して電気を作り航続距離を延長する。内燃機関そのものでの走行はできない(現在市販車はなし)


そしてクリーンと言うのにも実は罠があります。

電気で走るから石油燃料を使わない?

ノンノン。

電気自動車が使う電気はどうやって作るのでしょう?

現状では日本の発電は火力発電が約90%を占めています。

と言う事は、電気自動車で走ったら石油を消費してるのと同じです。

車で燃やすか、発電所で燃やすかの違いであって、電気自動車は結局石油で動いているのです。
※火力発電の方が効率は良い
※火力発電は重油・LNGが主燃料


電気自動車だからって石油を使ってない訳ではないので、脱石油エネルギーはできません。

更に2011年の東日本大震災の影響で各地の原子力発電所が止まっているため、なおさら火力発電の需要が増えています。

※2011年以前は原発のシェアは約30%。現在は2%程度です。その分火力発電に転嫁されている。


そうそう、最近流行のメガソーラーがあるじゃないか。太陽光で電気作ってるじゃん。

って思うかも知れませんが、正直いって殆ど機能してません。

現在の地熱及び新エネルギーのシェアは2%ほどです。その内で地熱が1%を占めるので太陽光は1%しかないです。

結構増えたように思いますが、ソーラーパネルってのはそれだけ効率悪いんですよ。

天候に左右されるし、夜間は機能しない。土地面積も沢山必要になります。土地が狭くて日照時間がとりわけ長くもない日本で太陽光は厳しいです。

水力発電は8%程度のシェアなのでそっちの方が8倍マシですよ(笑)

※大雑把に言うと↓が現状のシェア。
・火力:90%
・水力:8%
・原子力:2%
・地/新エネ:2%


つまり・・・電気は使えば使うほど石油を消費しCO2を排出する。





④燃料電池車(FCV)

ようやくきました。燃料電池車。

まずは燃料電池ってなんなの?って所から。

水素から電気を作ります。そしてモーターで走ります。


簡単に説明すると中学校で習った「水の電気分解」の逆をやります。

水を電気分解すると H2O + 電気 = H2 + O2 になります。

つまり水から水素と酸素ができる。

燃料電池はその逆で水素と酸素から水を作ります。その際にできる電気を動力に利用します。

H2 + O2 = H2O + 電気

酸素は大気中にあるので水素を供給すれば電気と水ができます。

電気は走行に使うので排出されるのは水のみ。というクリーンなエネルギー・・・ら・し・い。


さて、気になるのはホントにクリーンなエネルギーなのか?

まず燃料電池そのものに突っ込む。

触媒に白金を使います。つまり普及して需要が増えれば、HV/EVのリチウムのように途上国への負担が増えます。
※リチウムも継続して増産モードです。

次に燃料となる水素は何処から調達するの~??

アホな人は「水(H2O)から電気分解で作ればいいじゃん」と答えます。

水はいくらでもありますからね。

でもね。水を水素にする過程で使用する電気はどっから持ってくるのよ?

EVの項目で行った通り火力発電ですよ。

※さらにアホは太陽光発電した電気で電気分解すればいいと考える。上記のとおり太陽光発電では全然発電電力が足りない。

つまり、石油を消費する。燃焼させればCO2は増える。


火力発電(石油燃焼)→電気分解(水素生成)→燃料電池(電気生成)→バッテリーに充電→モーター走行

なんだかアホな事してません?


ちなみにEVの場合は、

火力発電(石油燃焼)→バッテリーに充電→モーター走行

これだけ・・。


燃料電池車は余計なプロセスを挟みます。一回電気を作ってそれで水素を作ってからまた電気に変換する。

ここで結構なロスが生まれます。電気分解の効率と燃料電池の効率です。

現在の燃料電池の効率(水素→電気)は30~40%程度なので6~7割はロスです。

さらにバッテリーへの充電ロスもあるし、モーターの効率は約80%程度なので、バッテリーに貯めた電気の20%はロスになる。(HV/EV同様)

※EVの場合も発電所→充電設備への送電ロスがありますが、これは約4.8%と低い。
※エネルギーは変換回数が多いほどロスが多くなる



これだとEVと比べて火力発電の負担は増えます。

※ロスが多い=より多くエネルギーを作る必要がある。
※さらに水素を高圧貯蔵・運搬する為に多くのエネルギー(主に電気)を使用します。



なので、車両そのものとしては結果として水素の持つエネルギーの20~30%程度が使用できるエネルギーとなってくるのではないでしょうか。

ちなみに現在のエンジンの効率は20~30%と言われているので燃料電池車の効率は大差が無い可能性もありえます。
それどころか他の要因も考えると悪くなる可能性すらあるのでは・・・。

※HV、EVと比べ水素の生成・運搬・貯蔵というエネルギーを多く必要とするプロセスが増える。
※これらはあくまで私の概算です



ちなみに国はもう一つ水素の供給元に目を付けているものがあります。

石油精製プラントです。プラントでは石油から水素を作れるのでそれを利用できないか?と考えている模様。

水素供給元として使うためには単純にプラントの処理量を上げる必要があります。

つまり、石油を使って水素を作る。

これじゃ~本末転倒もいいところです(爆)


現在の有力な水素供給元は以上の2つ(水の電気分解と石油からの精製)ですので、燃料電池車を普及させても石油は使い続けるという素晴らしい未来が待っています。

HV、EV、FCVとまるで脱石油エネルギーで走る車。みたいなイメージを押し付けてきていますが、どれも結局は大元を辿ると全て石油にたどり着きます。

つまり、目先で取り扱うモノが変わるだけなんですよね。


「水素を使うから石油を消費しない。水素生成は自然エネルギーによる発電を利用しCO2排出ゼロ。」な~んてのは夢物語もいいところ。


燃料電池車に至っては、さらに危険因子として水素の取り扱いもあります。

目に見えない水素を高圧タンクに貯蔵して走り回ることの危険性。水素という物質を考えると危険もイイトコ。

ガソリンよりも爆発範囲が広く引火・爆発しやすい上に、目に見えない。

分子が小さい為にガソリンよりも漏れやすいという性質もあります。

また、大気圧との差圧が大きくなればなるほど漏れやすく、圧力を掛けたままにするとシール等の劣化も早い。


ちなみに70MPaで水素を充填するタンクを持つFCV・・・安全性に関してはガソリン車と同等を確保するという話で「80km/hで後続車に追突されてもびくともしない丈夫なタンク」らしいが、それじゃダメじゃね??

「お互い100km/h以上でダンプカーと正面衝突した挙句、橋の上から転落してアスファルトに叩きつけられても全く平気。」くらいにしとかないと高圧水素タンクを積んでいる車両としては全く安心できませんが・・・。


ガソリンは最悪漏れても平気ですが、高圧水素が漏れたらど~なるか?・・・おわかりですよね。火災じゃなくて爆発ですからね。

※そういえば2011.3.11の東日本大震災の折、福島原発の建屋を吹き飛ばしたのも水素でしたね。

水素という物質であることを除いても70MPaという圧力がそもそも危険。

70MPaもあると、タンクにピンホール(1mm以下の穴)でも空いたらそこから漏れた水素で人体が切断されます。※しかもピーって音がするだけで目に見えない。



などなど・・・色々考えてしまいます。

ガソリンや軽油がいかに取り扱いやすい燃料なのかってのが思い知らされます。


総じて言うとFCVは、
1.水素の生成・運搬・貯蔵にエネルギーを使いすぎる事。
2.水素という物質の取り扱い性の悪さ。
3.燃料電池の効率。
4.インフラ整備。

と問題ばかりで正直言って良い事が無いです。いや、世間に「究極のエコカー」という誤解を与える効果はあるか。

これならHVやEVの方がFCVよりよっぽど効率がいいです。
※現時点ではFCVよりEVの方がエネルギー効率が良い事は実証されてます。結局「水素」という余計なプロセスが増える分でエネルギーを使いすぎる。

EVに勝てそうなのはガソリン車のように給油(給水素)が早いということくらいか。じゃ~ガソリンでいいじゃんって私は思いますが。






と各方式を解説してみましたが、結局はどの方式でも使用するものは石油です。

①ガソリン車/ディーゼル車
 →燃料として使用

②ハイブリッド車(HV)/プラグインハイブリッド車(PHV)
 →燃料として使用
 →途上国での石油消費UP

③電気自動車(EV)/レンジエクステンダーEV
 →発電元として火力発電で使用
 →途上国での重機稼働率UP

④燃料電池車(FCV)
 →水素生成~貯蔵等の電気供給元として火力発電で使用
 →水素供給元として石油を使用
 →途上国での重機稼働率UP




さて、FCVに未来はあるのでしょうか?
私はFCVが200万円で買えるようになっても多分買わない気がします。
まぁHVさえ欲しいと思わないですから当然か(笑)

市場はどうなるでしょうね~。水素ステーションとか沢山できてFCVが普及していくのでしょうか。
コストが下がって現在のプリウスのような立ち位置へとなっていくのでしょうか・・・。

その場合きっと環境に優しい車なんだと誤解したまま普及していくんだろうな~。

FCVもエコロジーではなく最終的にはエコノミーのエコになっていくのか?
まぁ、コストが相当下がらない限りエコノミーですらないが。
とりあえず現状エコロジーでもエコノミーでもなんでもない意味不明な車でしかないですねFCVは。
いや別にFCVはエコじゃないよ。って売り出すなら何も言う事はないですが。

現時点で「究極のエコカー」などと話題にしているようでは先が知れますが・・・。


HV、EV、FCVは私の目からみてどれもエコロジーではアリマセン。
だから欲しくもない。
いや、そもそもエコに特段興味が無いのでど~でもいいのか(爆)


燃料電池車。皆さんは欲しいですか?



●余談

いろんな方式が出てるが結局は内燃機関(石油燃料)で動くかモーター(電気)で動くか2種類しかないという。

どちらも石油がないと機能しないので、本当に”未来”を目指すのであれば、もっと他のエネルギーを模索しないといけない。

なにより燃料電池車は電気を作るために水素を作る。しかしそれには電気が必要という矛盾を抱えている現状が一番の問題でしょうね。

永久機関ではないのですから、
「電気(100)→水素(100)→電気(100)→水素(100)・・・」
とはできないのです。

できたとしても、量が増えないので意味が無いし。

現実は、
「電気(100)→水素(80)→電気(60)→水素(40)→電気(20)→水素(0)」
どんどん減っていって無くなります・・・。

将来的にFCVを機に別の動力へ移れるかどうかと言われると正直難しそう(笑)


あ、そういえばもう一つ世間を惑わす単語があった・・・。
「ゼロエミッションカー」って言い方。言葉の意味はググってください。
この言葉も「究極のエコカー」と同じで、元を辿れば・・・。


なんだか色々書きすぎてますが、まだまだ書き足りない(笑)

流石にココまで読んだ人は多くないでしょうが。長すぎなんで終わっときます。御愛読ありがとうございました(?)
Posted at 2015/01/21 23:24:07 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | 日記
2014年08月25日 イイね!

エンジンブレーキについて

エンジンブレーキについてはい。毎度お馴染みこのコーナー「そんなオカルトありえません」が始まります。

え、初めて聞いたって?


ま、それは別に良いとして(爆)


今回の小難しい話はエンジンブレーキについて。

エンジンブレーキについての正誤を解いてみましょう。

今回取り上げる巷の迷信(題材)はこの2つ↓

①エンジンブレーキはポンピングロスによるものである

②ディーゼルエンジンはエンジンブレーキが弱い。故に排気ブレーキ等がついている。




各々のあらまし↓

に関しては、エンジンブレーキの大部分はポンピングロス(スロットル抵抗)によるものだという定説。
エンブレ中はスロットルが閉じているため、それによって吸気工程において抵抗が生じる(ピストンを下げるのに大きな力が必要)
それがエンブレの正体である、というもの。


※で、良く例えられるのが”注射器”。・・・注射器の先を塞ぐとピストンを引くのに大きな力が必要となる。それがエンジンブレーキである。


に関しては、上記理論に基づきディーゼルはスロットルが無いためエンブレが生じない(弱い)というもの。
 それを補うために排気ブレーキがあるのだ、というもの。


※上記①と同理論の逆パターンで、スロットルが無い=注射器の先が塞がれないのでエンブレが発生しない。
※排気ブレーキについては今回は詳しく説明しません。各自調べてね。
 (ざっくり言うと排気のスロットルを閉めてしまい背圧を持たせるというものです。)



と、言うことでなんとなく理は適ってそうですね。


まぁ、普通にこう言われたら「ふぅん。なるほど」信じてしまいそうですね。

でも、信じません。だってオカシイじゃないですか。

(と思えるかどうかが分かれ道)

※大半の人はオカシイと思わないのが普通のようです。まぁ、Dラー行って「エンジンブレーキ付けて下さい」って言う人がいる世の中だからなぁ・・・。


さて、ではここからが本番ですよ。

まず何がオカシイのか?


はっきり言ってポンピングロスだけで減速なんてまともにできないでしょ?

そんなにポンプングロスが大きいなら今頃はとうにガソリン車にスロットルはなくなってると思いません?

だってそんなに抵抗になるならスロットルを廃したほうが”燃費”に貢献するじゃないですか。

今一番重視したいあの”燃費”に莫大に貢献するはずです。

企業がそれをわかっていてしないはずがない。

※一部車両ではスロットルを廃したモデルもあります(バルブマチック等)が普及してません。


とまぁこの説はちょっと穿った見方なんですがwww



では今度は理論的にいきましょうか。

ポンピングロスについて、上記ではスロットル閉止状態では抵抗が増す事でエンブレとなるということですが。

冷静に考えましょう。4サイクルエンジンは吸気だけで成り立っている訳ではありません。

①吸気

②圧縮

③爆発(膨張)
④排気

の4工程で成り立っています。

それぞれの工程の圧力を見てみましょう(非爆発時=エンブレ)

※GDBインプレッサを例に進めます(EJ20 1994cc 圧縮比8.0)

バルブオーバーラップ等の誤差分は考えずにシンプルにいきます。
注)以下、分りやすい数字で書きます。実際はこの通りにはなりませんのであしからず。

圧縮比8.0なので8倍に空気を圧縮します(大気圧101.3kpa)

↓そのときの各工程の圧力↓


①吸気・・・101.3kpa → -810.4kpaへ減圧

②圧縮・・・-810.4kpa → 101.3kpaへ圧縮

③膨張・・・101.3kpa → -810.4kpaへ減圧

④排気・・・-810.4kpa → 101.3kpaへ戻る


どうでしょうか?

吸気で-810.4kpaまで減圧していますが排気で元の圧力に戻ります。

吸気で抵抗があっても排気で相殺になります。

同じく、圧縮は膨張で相殺されます。


Q,つまり、どこに抵抗が生じるの?

A,生じません※どんぶり勘定


全工程におけるエネルギーの収支は±0なので吸気抵抗というものは発生しません。

※厳密に言えばありますが今件では無視できるレベル


イメージできたでしょうか?

圧力の動きを追うと収支はゼロなんですよ。これではエンブレには成り得ませんね。


ではコレを踏まえて一応こんなことも考えましょう↓

●エンブレ時にエンジンOFFしてスロットルを開けたらどうなるのか?
※条件的にスロットルの無いディーゼルエンジンと同じ条件となります


①吸気・・・101.3kpa → -810.4kpaへ減圧

これが減圧でなくなるのです。スロットルが開いているのでピストンが下がっても大気圧のまんま。

吸気工程の仕事は排気工程で相殺され、圧縮工程の仕事は膨張工程で相殺されます。よって収支がゼロ。

アクセルを開けてしまい、吸気工程の仕事をなくしたら、収支ゼロは崩れ、エンブレに影響を与えるのか?



↓その時の各工程の動きはこうなります↓


①吸気・・・101.3kpa → 101.3kpaのまま

②圧縮・・・101.3kpa → 810.4kpaへ圧縮

③膨張・・・810.4kpa → 101.3kpaへ減圧

④排気・・・101.3kpa → 101.3kpaのまま
 ※排気バルブが開いているためピストンが上昇しても圧縮にはならない。


スロットルを開けると収支のバランスが崩れるのかと思いますが、結局吸気が仕事をしなければ排気も仕事をしなくなるので収支はゼロのまま。

つまり、スロットルが開いてようが閉まってようが、エンブレには影響しない訳です。


さ、そろそろ「机上の空論だろ。」なんて突っ込む輩が出てくる頃だと思います(爆)

ですので、実際に実験もしました。

普通のエンブレ(スロットル閉)はいいですね。問題はスロットル開のエンブレ。どうやるの?

っていうと車が限定されます。大前提として電子スロットル(バイワイヤ式)でないこと。

私のインプレッサはワイヤー式です。なのでエンジンを切ってもスロットルを開けられます。

とうことは、下り坂でエンジンを切ってアクセル踏めば良いだけ。

※アクセルを踏んでもスロットルが開くだけで爆発しない。


で、下り坂でパカパカスロットルを開けたり閉じたり・・・。

題材の説では、アクセルをあければポンピングロスが無くなり(ディーゼルのように)エンブレが効かなくなるはずですよね。

でもエンブレの強さは変わりません。

当然です。だって関係ないもの。


これで「①エンジンブレーキはポンピングロスによるものである」という説が崩れました。


あとは「②ディーゼルエンジンはエンジンブレーキが弱い。故に排気ブレーキ等がついている。」についてですね。


これは勘違いが元となった説と思われます。

上記より、スロットルがあろうがなかろうがエンブレは変わりません。よって「ディーゼルエンジンはエンジンブレーキが弱い」の部分はウソだとわかります。

では何が勘違いなのかと言うと、排気ブレーキが付いていることが原因。

おそらく、「排気ブレーキをつけないとまともにエンブレが効かない。」という思い違いによるもの。

ディーゼルっていうとトラックやバスを思い浮かべますよね。それらには排気ブレーキが付いている。

しかしそれらはエンジンに対して車体が大きく・重いため、単純なエンブレだけでは足りないから排気ブレーキがついているのです。

ディーゼルだからエンブレが弱い・・・という理由で付いているわけではないんです。



これで、の説に説明が付きましたね。

さて、残る問題が実はあと一つあります。


③じゃあエンブレってなんなの?


はい、この疑問が残りましたね。

ポンピングロス(吸気抵抗)でもスロットルの有無でもない。じゃあなんなの?


一言で言うと”機械損失”です。

その内容としてはエンジンそのものの回転抵抗、オイル抵抗、オイルポンプ・オルタネーター等補機類、駆動抵抗・損失などの各種抵抗

また回転数が上がれば抵抗も増えるのでエンブレが強くなるのも道理。

※まぁポンピングロスも機械損失の一因なのですけどね


ちなみにクラッチを切ったら一気にエンブレが減ります。なぜなら一番の抵抗であるエンジンを切り離すから。

あの状態の減速が足回り等の抵抗にみによる減速です。

※ATがエンブレが効かないのはトルコンによってエンジンと切り離されるからです。



以上、エンブレの正体は一説のポンピングロスではなく各種機械損失であること。

しかし、これだと”ポンピングロスってものがまったく無い”っていう風に読んで取ってしまう人も出るでしょう。

なので、誤解は解いておきます。

ポンピングロスはあります。

あくまで、エンブレに効くほどのものではないってだけです。







知ってる人は見ればわかるPV線図です。

ポンピングロスってのは吸気-排気のときに生じるものです。

圧縮-膨張はロスにならない。


とまぁこの線図の意味が分かる人は話が早いのですが。

線図が分からなくても理解できるように計算して数値を出してみましょう。

※余計分からなくなるかもしれませんが


↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 


ボア×ストローク 92mm × 75mm

クランク長 37.5mm =0.00375m

圧縮比 8.0


・800kpa時のピストンにかかる力(大気圧から8倍に圧縮)

→ 800000pa * 0.046m * 0.0046m * 3.14 = 5315.4N


・モーメント(トルク)・・・クランクに掛かる力

→ 5153.4N * 0.0375m = 199.3Nm

(199.3Nm * 0.102 = 20.33kgm)


・PSに変換

1kgm/s = 9.8W
1W = 0.00136PS
1W = 1Nm/s

199.3Nm * 0.00136 =0.271PS (1圧縮に必要な力)


・3000rpm時のPS

0.271ps * (3000 / 60) = 13.55PS


3000rpm時の減速エネルギーは13.55PSという事に。

排気工程で回収される分を差し引きする

80%・・・13.55 * 0.2 = 2.71PS
90%・・・13.55 * 0.1 = 1.355PS

1~3PS程度が実際の減速エネルギー(ポンピングロス)

約1.5tあるインプレッサを減速させるのに1~4PSでは足りませんね。

※インプレッサをスーパーカブ50(3.5PS)で押すようなもんです。



仮にレブの8000rpmだっとしても、0.271*(8000/60)=36.13PS

排気工程回収率
80%・・・7.22PS
90%・・・3.61PS

となり3~7PS程度しかない。

※これでようやくスーパーカブ110(8PS)級に昇格しました。


という訳で、ポンピングロスがエンブレに効くほどではないことがお分かり頂けたかと思います。



さて、今回はいつにも増して分かり難い内容だったでしょうかね。

一体このコーナーは誰得な内容なんでしょうか(爆)



オマケ)

2stは4stに比べてエンブレが弱い。
→単純に2stの方が機械損失が小さい為。


更にオマケ)
各社ポンピングロスを低減させ燃費を稼ごうとしているのは、そんなレベルの所も改善しようと努力してるって事ですからね。
そんなことより車両を軽量化するのが一番手っ取り早く一番効果のある事なのですが・・・
フレーム(プラットフォーム)はどんどん軽くなってるんですよ。ハイテン鋼を多用して薄肉化したりしてさ。
でも、インテリ担当に余計な内装や過剰な防振・静音材を貼り付けられ、折角軽くしたフレームを帳消しにされる始末。

アホは手を出さずに機械屋だけで車を作れば軽くて燃費の良い車ができるよきっと。
でもそうすると出来上がるのはロータスみたいなスパルタンな内装になってしまうか(私は好きだけど)
Posted at 2014/08/25 23:10:32 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | 日記
2014年08月04日 イイね!

キャタライザー交換&バンテージについて

キャタライザー交換&バンテージについて去る14年6月の車検で、フロントパイプのサブタイコ溶接線にクラックが見つかったので、思い切って社外のメタルキャタライザー(フロントパイプ一体)に交換しました。

色々検討しましたがGPスポーツのメタキャに決定。

理由はフロントパイプアウトレット側がφ70だから。

他社のやつだと純正のマフラー(センターパイプ)も使えるようにされてる為、φ60~65に絞りが入ってしまうんですよ。

折角、メイン径が太くても最後に絞りを入れたんでは勿体無い。

GPスポーツ製は最後まで太いのでそれが決定理由に。




タービンとの接合部も純正と違い、2パイプになって合流するのもポイント。

コッチの方がウェストゲートが開いた時の排気干渉が抑えられます。


整備手帳:キャタライザー・フロントパイプ交換 ~①
        キャタライザー・フロントパイプ交換 ~②


ちなみに管径を太くすると何が良いってのは、マフラー交換と同じです。

管径が太くなれば、その分圧力と流速が落ちるので排気の抵抗が下がります。

触媒部分もセラミック→メタル筐体となることで抵抗DOWN。





同じく抵抗に絡むことでは、バンテージもコレしか巻きません。

触媒本体とその上流部分のみです。

でも本音を言うとこれすら巻きたくなかったです(爆)



ここからすこ~し小難しい話になります。

Q.排気系にバンテージを巻く理由ってなんですか?

って聞くと、多くの人は「排気の温度を保つことで流速を上げ(維持し)、排気の効率を上げる為」みたいなことを言うと思います。

一見正しそうなんですけどね・・・。

よく考えると意味不明です。



では、なぜ温度を保つといいんでしょう?

まず温度や圧力の関係を確認しましょう。


・温度が高いと圧力は?→高くなります

・温度が高いと体積は?→増えます

・気体は温度が高いと粘度は?→上がります

・流速が高いと配管抵抗は?→上がります



さて、どうです?

温度を保つとどうなるのか。「圧力が上がり、体積が増え、粘度が上がり、高流速により配管抵抗が増えます」

一体なにがいいんでしょ?

流れ難くしてるだけですよね。


温度を保って流速を保つってことは、温度による体積膨張分圧力が上昇し、流すボリュームが多いから流速が上がってる。ってことなのです。

適当な数字ですが、「100℃で100㎥のガスを流す」のと、「それを冷却して50℃で50㎥となったガスを流す」のはどち

らが効率がいいんでしょね?

※温度が下がれば体積も減る


温度が高いってことは抵抗を増やします。

そして、流れというのは圧力差によるものですから、下流の圧力は下げたほうが流れやすくなります。

ですから本来燃焼室から出た排ガスはどんどん冷却していくのが効率が良い排気となります。

→冷却により体積減少=圧力低下、粘度低下と流速低下による配管抵抗の低下。

※冷却して体積を減少させるということは相対的に見て、パイプ径を太くするのと同義です。


しかも、バンテージを巻くような人は排気の効率を上げようとして巻いてるのだからもはや意味不明な行為ですよね。

メタルキャタライザーにして抵抗下げたのに、保温して抵抗増やす?


SSバイクなんか見ると実は良くわかるんですが、速さのみを追求したR6はエキマニすら保温はありません。

むしろ走行風で冷やしてます。

抜けを良くするためには排気系は冷却していくのが正しいんです。


では、純正がなぜ保温しているのかといえば、あれは殆ど保温してるのではなく「遮熱」をしてるんです。

※熱が周りに害を及ぼさないようにしてる。

あと触媒に関しては機能させるのに温度が必要なので保温しています。


温度と圧力の関係を知ってれば分ることなんですけどね。なぜかバンテージを巻いたほうが良いって風潮がありますよね。

もし、保温して流速高い方が良いってんならマフラーエンドまで保温した方がいいんじゃない?

というか、配管径を細くすれば流速は上がりますよ?


なんでせっかく管径を太くしたのに逆のアクション取るんでしょうね?

温度が高いと確かに流速は高いですが、排出できる実ガス量が増えるわけではありません。体積が増えるので見かけの量が増えてるだけです。

それと、温度が高いほうが流れやすいって勘違いしてる人が多いのでしょうね。気体は液体とは逆で流れ難くなるのですよ。


○まとめ


バンテージは触媒および周辺保護用に巻くべし


PS.

ターボ車はちょっと事情があり、タービンを回すためにエキマニ~タービン上流までは保温した方がいいです。それより下流はしないほうがいい。
これは、”一次排圧→二次排圧”の差圧をつけた方がタービンが良く回るためです。

一次排圧・・・タービン上流
二次排圧・・・タービン下流

Posted at 2014/08/04 22:35:18 | トラックバック(0) | 小難しい話とか | 日記

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何シテル?   04/17 20:48
はじめまして、葵 由埜(あおい ゆの)です。 ★YouTubeとTwitter始めました。 ★できるだけ面白可笑しくをモットーに日々のクルマやバイク...
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