東北大学学友会自動車部のブログ一覧

和田です。MR-Sのエンジンオーバーホール後について書こうと思います。


まず、初始動時は燃料ポンプのカプラーを抜いてクランキングし、オイル交換をしました。30秒以上クランキングしたと思いますが、オイルフィルターを外すとオイルが一切ありませんでした。オイルポンプの故障も疑いましたが、始動後のオイル交換では大丈夫だったため、クランキングが足りなかったようです。
その後の試走では冷却系に関するトラブルがありましたが、修理しました。また、500kmほど走ったところ2000回転付近で失火する、アイドリングでエンストする症状に見舞われましたが、ハイカムのOCV付近のアース不良だと判明しました。
また、ミッショントラブルも発生し、初レッカーを経験しました。セレクターを外し、指を中に入れて触るとミッション内部に問題が発生していることが分かったため、急いでミッションを下ろし、強度計算用の予備ミッションの部品を移植して対応しました。


ひたすら4号や6号を走り、1300kmの慣らし運転を数日で終わらせました。そして、シェイクダウンでサザンサーキットに行きました。


オーバーホール前よりも明らかにハイカムの切り替え音がはっきりするようになり、低回転のトルクが増加しましたが、ハイカム切り替えタイミングでトルクの谷を強く感じてしまい高回転の加速が鈍い現象がでました。やはり、オーバーホール前のセッティングの燃調を補正したものではダメなようです。とりあえずパワーFCのデフォルトセッティングにしたところ、大分ましにはなりましたがそれでも谷は感じてしまいますね...

また、低回転時にアクセルを強く踏むと加速しなくなる症状もでましたが、スロットル電圧補正の高電圧付近の補正係数を下げることで解決しました。燃調は薄いよりは濃いほうが安全だという意識のもとセッティングしていますが、やはり濃すぎても燃焼しなくなることを改めて認識させられました。
ECUセッティングは奥が深いです。勉強して七大までに仕上げたいですね。

和田です。エンジンオーバーホールの記事は1月に記載したため、今回はLSDオーバーホールについて書こうと思います。

デフの効きが悪いなと感じたのでイニシャルトルクを測定したところ、2kgしかなかったため、エンジンを下したタイミングでデフのオーバーホールをしました。
今回開けるのは、前期MR-Sに搭載されているC56、トヨタ車には長く搭載される名機とされる？ミッションですが整備性は悪いと思います。5速周りのギアが非常に抜けにくく、また、Cリングにプライヤーを掛ける穴が開いていません、溝さえありません。整備書を読むとマイナスドライバー2本を当てて、ハンマーでたたいて外せと書いてありますが、上手くいくわけがありません。上手くいったとしても、Cリングが発射されてどっかに行ってしまいます...


Cリングは発射されないように気を付けながら、ラジオペンチとハンマーとマイナスドライバーで外しました。また、先ほど記載した、5速周りの抜けにくいギアにプーラーをかけて外そうとしたところ、「新品ギアが」割れてしまいました。インパクトで回したのが良くなかったようです。その後、ストレート製のプーラーにクラッチホルダーで回り止めをし、長いスピンナーで回すと比較的簡単に外すことができました。詳しい人に聞いたところ、インパクトは使わないこと、ボルトを差すのではなく薄爪プーラーで外すと破損しにくいとのことでした。


その後、バックギアを外し、ガチャガチャしながらシャフトとギアツリーを外してデフを取り出します。


リングギア固定のボルトはねじロックが塗られている＆高トルクのため、エアインパクトでも外れず、バーナーで熱を入れて外しました。分解したところ、元がサーキット車だからかプレートに溝がないSpecFが入っていました。意外にもプレートの破損はありませんでした。
イニシャルトルクを測定するためにドラシャを切ってSSTを作りました。イニシャルは8kgを目標にしました。プレートは外側の1枚ずつが1.8mm、それ以外が1.6mm、ばね8本でちょうど8kgになりました。組む時にばねが思うところに入ってくれませんがガチャガチャ振動しながら閉めるといい感じに入ってくれました。
逆1.5wayにならないように気を付けながら組みました。



後はCリングの付け忘れ等に気を付けながら、逆の手順で組めばミッションは完成です。内部のボルトの閉め忘れに気を付けましょう。